これってマーキング?それとも、おしっこ?
犬を迎えたばかりの飼い主さんなら、マーキングとおしっこの違いが分からないという方は多いのではないでしょうか?私自身、犬を迎えたばかりの頃は”マーキング”という言葉は知っていましたが、それがどんなものなのか、おしっことの違いは何なのかを全く知りませんでした。
そこで今回は、マーキングとおしっこの違いを詳しく説明したいと思います。犬の身体の仕組みを知ることで、犬への理解を深めましょう!
マーキングとは?
マーキングとは、ごく少量の尿を複数回に渡って意図的に排出することで、自身の地位や縄ばりを誇示したり自分のことを知らせるための行為です。電柱や木といった様々な場所にマーキングすることで「ここは私のテリトリーです」と主張したり発情期に「私はこういう者です。発情中です。」と示しているのです。
マーキングは、他の犬が嗅ぐであろう場所に行います。また、できるだけ高い位置にマーキングした方が目立つし長い間残るので、多くの犬の注目を集めることができるといわれています。そのため、マーキングは足を上げて行います。中には、両後足をあげて逆立ちまでしてマーキングを行う犬もいるようです。”ごく少量のおしっこを何回にも分けて出す”ことや”足を上げておしっこする”ことなどが、マーキングの特徴なのです。
おしっことは?
生理現象であるおしっこは、意図的に行うマーキングとは異なります。複数回に分けて尿を放出するマーキングとは違って、おしっこは膀胱に溜まったすべての尿を1度に放出します。
基本的にマーキングは片足を上げて行うため、しゃがんで尿を排出する犬の場合は、おしっこだといえるでしょう。
マーキングをする目的
マーキングは、昔から群れで生活していた犬たちが縄ばりを守ろうとする本能的な行動です。そのため、特に縄ばり意識の強い犬なら、家の中であってもマーキングを行うこともあります。実はこのマーキング、縄ばりを示す目的で行うということからオスのみの行動だと思われがちですが、メスも行うことがあるのです。
またメスのマーキングには、発情期だと知らせるのが目的の場合があります。発情期のメスの尿にはエストロゲン(いわゆる女性ホルモン)が含まれているため、オスを惹きつけるためにマーキングを行うのです。
また、不安感がマーキングを引き起こしている場合もあります。長時間の留守番や、新しい家族が増える、飼い主との信頼関係がうまく築けていない、といったことによって、自分の生活の安全を守ろうとしてマーキングが増えることもあるようです。
犬の尿には様々な情報が含まれている
そもそも犬の尿には、様々な情報が含まれていることを知っていますか?その情報とは、例えば
- 性別
- 年齢
- 健康状態
- 感情
- 発情期かどうか
といったものです。
マーキングは、自分の存在をアピールしたり、自分が優位であることを示したりするだけでなく、自身の情報を伝えるコミュニケーションの手段としても行われているのですね!
まとめ
家の中で犬にマーキングされて困っている場合には、飼い主さんとの関係性や生活環境を見直し改善することで、ある程度止めさせることができることもあります。また、マーキング防止スプレーの利用が効果的なこともあるでしょう。やそれでもやめさせられない場合には、マナーベルトの着用を考えても良いかもしれません。異常なほどの縄ばり意識を持っている場合には、やはり何か原因があると考えられますので原因と対処法を考えたりする必要があるでしょう。
犬のマーキングとおしっこの違いを理解して、犬の行動を見分けてみましょう!