狼と犬の4つの違い
1.見た目の違い
狼は犬よりも体格がガッシリしており、首やシッポが太くてしっかりしています。犬に見られる巻尾は狼にはありません。足のサイズも大きく筋肉や骨格が太いです。
狩りをして獲物を確実に捕らえるために、強靭な顎を持っています。そのため、頭蓋骨も犬よりも大きく形も異なります。
犬の指の先は丸くなっていますが狼は先にいくにつれて細長い形をしています。狼は北半球の寒い地域に生息し寒さから身を守るために長毛です。
2.性格の違い
犬は人間に飼われ食事を与えられることで生きているので、当然人間への依存をしているため、犬は狼より穏やかな性格になっています。
狼は本来警戒心が強く、人には慣れません。幼い頃から飼育するとある程度なつくそうですが、目を合わせずコミュニケーションをとろうとしません。
3.吠え方の違い
狼は「わん!」と吠えることはありません。群れの中の仲間とコミュニケーションを取るために遠吠えをします。
犬も犬種によって、救急車のサイレンや夕方のチャイムなどに合わせるように遠吠えのように鳴きます。
4.食事の違い
狼は自ら狩るを行うことで食べ物を得てきました。また、狼の食生活は「肉食」となっており、イノシシやシカなどの野生の動物を狩っています。
犬は狼と同じ肉食でしたが、人間から食べ物を与えられる生活を行っているうちに雑食動物として変化しました。ですが、人のような食の広さはなく、「犬は雑食性のある肉食」程度となります。
狼は犬の祖先
犬の祖先については様々な説がありましたが最近のDNA研究により、狼と犬の遺伝子は非常に似ていて犬の祖先だと判明しました。
森の中で4~8頭前後の少数で群れを作り、リーダーに従って行動する狼が、自然の中より人が住む集落に近付き家畜を襲って食べるのが効率的だと気がついて、狼と人間の生活距離が縮まります。大切な財産である家畜を奪う狼は人間の敵でした。
本来、狼は人になつかない性質ですが群れの中には人間に興味を持ち近づく個体があり、その個体に廃棄する食材などを与えることで狼が人間に慣れたイエイヌになったのが今から2万年から4万年前と推測されています。
1万2千年から1万5千年前に犬は狼から分岐し、約7千年前には犬は世界各地にいましたが、現在のノライヌのような存在でまだペットとしては飼われていなかったことも遺跡発掘された犬の化石からわかっています。
狼と犬のハイブリッド「狼犬」
昔に生活スタイルを変えることで狼から犬へと枝分かれしましたが、近種のため交配し子孫を残すことが出来ます。
狼の血が75%以上混ざっている犬を日本では「狼犬」、海外では「ハイブリッドウルフ」と呼ばれます。犬と呼ばれていますがその血の大半が狼のため、飼育するのは難しいといわれ、国内には500頭ほどしかいません。
- サーロスウルフホンド
- ・「オオカミ」と「ジャーマンシェパードドッグ」の配合種
- チェコスロバキアンウルフドッグ
- ・「カルバティアオオカミ」と「ジャーマンシェパードドッグ」の配合種
まとめ
現代の暮らしの中ではなかなか本物の狼を見る機会が少なく、子どもの頃に見た絵本では悪者として登場することが多かった狼。しかし、こうやって私たちのそばにいてくれる犬との関係を知ると親近感が芽生えます。
人間が森を切り開き、狼のテリトリーに侵入したにも関わらず、外敵として駆除し続け、絶滅してしまった種類もありますし、狼の全体数も減少しています。
ぜひ狼への理解を深め、これ以上絶滅危惧種が増えないように願います。