犬にキャットフードを与えないで!ドッグフードとの違いと危険性

犬にキャットフードを与えないで!ドッグフードとの違いと危険性

犬と猫を同時に飼育していると、我が家は猫はドッグフードを食べようとしませんが、犬はキャットフードを食べたがります。一見、何でもないことに見えますが、健康被害が出たなんていうネット記事などを読んだこともあります。実際にはどうなのでしょうか?

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬と猫の体のつくりは全然違う

犬と猫

私達人間にとって、犬と猫は飼育数も多くとても馴染み深い動物です。同じ環境下で暮らすこともあり、つい混同してしまいがちですが、そもそも犬と猫の体のつくりの相違はたくさんあります。違いを理解して飼育する事で犬と猫の健康を守ることに繋がります。

犬は肉食?

犬は野生で暮らしている頃は肉食でした。様々な意見があり年代は確定していませんが、オオカミが人間になつき始めイエイヌになったのは1万9000年~3万2000前とも言われています。

その後、肉や乳を利用する家畜から、豚や牛などの人間の財産である家畜を外敵から守ってくれる番犬としてのパートナーへと変化します。暖房器具がない時代には、保温用に犬を手元近くに置きました。また、残飯処理といった役割も担っていたようです。

その中で肉以外の食べ物も消化出来る体へと変化していきます。現在、猫は肉食、犬は雑食と分けられています。

キャットフードの特性は?

食事する猫

キャットフードは、犬よりも嗅覚が弱い猫の為に食欲を誘う「匂い」をドッグーフードよりも強くしています。また、少量でも栄養が摂れるようにカロリーも高くなっています。このような事もあり、ドッグフードよりも嗜好性が高いと言える為、犬がキャットフードを食べたがることもあるのです。

キャットフードには、塩分・脂質・たんぱく質が多いので、摂取を続けると腎臓病や肝臓病の罹患の心配があります。
また、犬は体内でタウリン(目の健康に必要なアミノ酸)を作ることが出来ますが、猫は出来ないためキャットフードにはタウリンがたくさん含まれています。体内でタウリンが生成出来る犬が、キャットフードを常に食べるとタウリン過多になってしまいます。

肉食の猫用のキャットフードは、ドッグフードより動物由来の栄養素がたくさん含まれています。

犬と猫の味覚の違い

ベロを出す犬と猫

人間の味覚はとても発達しており、季節に合わせた野菜や果物から淡い味や苦味などからも「うまみ」を感じます。味を感じるのは舌にある味蕾という器官です。この味蕾の数により感じる味の度合いが変わってきます。

味蕾の数は、人間が約9000個。甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の5種類です。犬は約2000個でその為、人間よりも味覚が劣ります。甘味・苦味・酸味・塩味の4種類のみ感じる事が出来ます。その中で甘味を特に好みます。酸味や苦味は腐りかけていたり毒がある危険な物が多くあるので身を守る為に苦味に敏感に反応する体になりました。

猫はどうでしょうか。猫の味蕾の数は犬よりもさらに少ない500から1000個ほどです。肉食の猫は甘味を感じる事はなく、塩味・酸味・苦味のみです。味を感じにくい猫の為に食欲をそそるよう肉や魚のエキスが多く含まれ製造されています。猫より犬の方が味覚が発達したのは、人間と暮らすようになり肉食から雑食に変化した為、味蕾の数も増えたようです。

まとめ

食事する犬と猫

犬と猫の舌にある味蕾数の数から、味覚の敏感さが違う、食事から摂取しなければいけない栄養素が違うことから、ドッグフードとキャットフードの特性が違うように製造されているのがわかりました。犬がつまみ食いでキャットフードを食べてしまう事にはすぐに健康に影響を及ぼしませんが、継続して摂取したり、嗜好性に慣れてしまいドッグフードを食べなくなるのは問題です。なるべく食べさせないように気を付けましょう。

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