犬はかぶを食べても大丈夫!
栄養豊富なかぶは、犬も食べることができる野菜です。消化を助ける酵素が含まれているため、消化不良や便秘の解消に効果があり、犬の胃腸にも優しい食材です。
かぶは、通年出荷されていますが、旬の時期が2回あります。春ものと呼ばれる3月~5月のかぶは、肉質が柔らかいのが特徴です。秋ものと呼ばれる10月~1月には、最も多く出荷され、味も甘みが強くなると言われています。
薬膳では、かぶは胃腸を温める効能や肺を潤す働きがあると考えられていて、冷えからくるお腹の痛みがある犬や乾いた咳をする犬に効果的だと言われています。
その他にもかぶには、以下の栄養成分が含まれていて犬にも効果が期待できます。
βカロテン
βカロテンは、かぶの葉に多く含まれている栄養素です。抗酸化作用があり免疫力を高めてくれるので、がん予防や老化防止にも効果があると言われています。
また、βカロテンは、体内に吸収されることでビタミンAに変換されるため皮膚の健康維持や視力の維持にも効果が期待できます。
ビタミンC
ビタミンCもかぶの葉に多く含まれている栄養素です。抗酸化作用や疲労回復効果があります。また、コラーゲンの生成にもかかわるビタミンで、関節炎を予防する効果と皮膚や毛並みを健康的に保つ働きがあります。
アミラーゼ
アミラーゼは、ジアスターゼとも呼ばれ、デンプンやグリコーゲンを分解する消化酵素の総称です。かぶの根に多く含まれていて、胃酸をコントロールしてくれます。そのため食欲不振や消化不良の改善に期待ができます。
イソチオシアネート
イソチオシアネートは、アブラナ科の野菜に含まれている辛み成分で、すりおろしたり細かく切ったりすることで生成します。加熱すると効果がおちるので、すりおろして生で与えるのがおすすめです。
抗酸化作用や免疫力を高める効果に加え、抗ガン作用にも効果が期待できます。また、食欲を増進する効果や解毒作用、殺菌作用もあります。
カリウム
カリウムには、体内の余分な塩分を尿と一緒に排出する働きがあり、高血圧の予防に効果があると言われています。また、免疫機能を健全に保ち筋肉の機能を調整する役割もあります。
葉酸
葉酸は、犬の細胞や赤血球を作るのに重要な働きをする成分です。葉酸は、犬の体内でも少量は、生成されますが、食事からも摂取する必要があります。
犬に与えてもいいかぶの量
かぶには食物繊維が豊富に含まれているため、犬には消化しにくい食材です。そのため、与えすぎには注意が必要です。
また、総合栄養食を主食にしている場合には、犬に必要な栄養素は全て含まれています。そのため、犬にかぶを与える場合には、ドッグフードのトッピングやおやつとして少量を与えるようにしましょう。苦手な犬には、無理に与える必要はありません。
ドッグフードにかぶをトッピングする場合の量は、犬の年齢や体重、運動量によって異なります。子犬の時期は、消化器官が未熟なため、かぶを与えるのはおすすめできません。シニア犬には、加熱してから与えるようにしましょう。
成犬に与える場合の1日の目安量を以下に記載します。愛犬に合わせて量を調整して与えて下さい。
- 超小型犬(4kg以下) ・・・5g~10g
- 小型犬 (10kg以下)・・・20g~40g
- 中型犬 (25kg以下)・・・80g~100g
- 大型犬 (25kg以上)・・・120~160g
犬へのかぶの与え方
かぶは、根の部分の表面に艶があり、ずっしりと重みがあるものを選びましょう。葉がついている場合は、みずみずしく付け根が、しっかりとしていて硬さがあり、きれいなものが新鮮です。
保存する時には、根と葉を切り分けて別々に保存しましょう。葉っぱをつけたまま保存すると、葉っぱが根の養分や水分を吸い取ってしまい、根の部分がスカスカになってしまいます。
かぶを与える場合には、葉っぱの部分は、必ず茹でるなどの加熱調理をしてから細かく刻んで与えるようにしましょう。
根の部分は、生でも与えることができますが、皮を剥いてから与えてください。生で与える時には、すりおろすことで、熱に弱い栄養素を摂取することができ、消化も良くなります。加熱する場合にも、小さくカットしてから与えるようにして下さい。
かぶは手作りご飯でもよく使われている食材です。食べ合わせの良い鮭と一緒に調理するとDHAやEPAも摂取できるのでアンチエイジング効果が期待できます。
ほかにも、鶏肉や豚肉と合わせると疲労回復効果、小松菜やかぼちゃと合わせると老化防止に効果があります。手作りご飯を調理する時には、味付けしないで、細かく切って与えるようにしましょう。
犬にかぶを与える時の注意点
犬は、人間よりも腸が短く野菜などの食物繊維を消化することが苦手です。そのためかぶを、与えすぎると消化不良を起こす可能性や犬によっては、体調を崩す場合もあり注意が必要です。
食物アレルギーに注意する
稀ですが、犬によってはかぶを食べることで、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。
初めて与える場合には、少量を与えるようにして摂取後には、体調に変化がないか確認しましょう。数時間経ってから症状が出る可能性もあるため、できれば、与えてから半日~1日程は様子を見て下さい。
アレルギー反応は、嘔吐や下痢、皮膚を痒がるなどの症状の他にも、口の中に炎症が起こることがあります。口のなかに炎症が起こると、餌やおやつを食べなかったり水を飲まなくなったりします。
もし異常が現れた場合には、病院で診察して貰ってください。異常が見られた時にすぐに病院に行くことができるように、診察時間帯に与えるようにしておくと慌てずにすむと思います。
甲状腺に疾患がある犬には与えない
かぶはアブラナ科に属する野菜です。アブラナ科の野菜には、グルコシノレートという成分が含まれており、体内でゴイトロゲンという物質に変化します。
ゴイトロゲンは、ヨウ素の吸収を阻害すると言われており過剰に摂取することで甲状腺ホルモンが生成できなくなる可能性があります。
甲状腺に疾患がある犬や、甲状腺ホルモン剤を飲んでいる犬には、症状を悪化させないためにも、かぶは与えないようにしましょう。
食物繊維の多い皮や葉っぱには注意が必要
かぶは、葉っぱも根の部分も犬に与えることができます。生で与える方が栄養を効率よく摂取することができますが、皮には食物繊維が多く含まれているため、お腹の弱い犬には、下痢の原因になる可能性があるため必ず剥いてから与えてください。
葉っぱは、栄養豊富ですが消化の面で不安があるため与える場合には、加熱してから細かく刻んで少量を与えるようにしましょう。
まとめ
かぶは、適量を与えることで犬にもメリットがある食材です。抗酸化作用や疲労回復効果などがあり消化酵素も含まれているため胃腸に優しい野菜ですが、与えすぎには注意が必要です。甲状腺に疾患がある場合には、与えないようにして下さい。
葉っぱも根の部分も与えることができます。葉っぱの方が栄養価は高いですが、食物繊維が多く含まれているので、小さく刻んで加熱してから与えるようにしましょう。根の部分は、生で与えることができますが、加熱することで柔らかくなり消化されやすくなります。
保存は野菜室で大丈夫ですが、使い切れない場合には、冷凍保存や天日干しをしてから保存する方法もあります。かぶは、冬の寒い時期におすすめの野菜です。愛犬と一緒に食べてみてください。