【獣医師監修】犬はしらすを食べても大丈夫?塩分に注意した与え方と適量の目安を解説

【獣医師監修】犬はしらすを食べても大丈夫?塩分に注意した与え方と適量の目安を解説

犬にしらすを与えても大丈夫?与える際の注意点や適切な量、釜揚げしらす・しらす干しの「塩抜き」方法を解説。カルシウムやDHAなどの栄養メリットから、生しらすのリスク、アレルギー、持病がある犬への配慮まで。愛犬に安全にしらすを与えるためのガイドです。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

犬はしらすを食べても大丈夫

飼い主が差し出す食器を見つめる犬

犬はしらすを食べることができます。しらすは小魚のため消化しやすく、ドッグフードのトッピングやおやつとして少量を取り入れると、食事の風味付けにも役立ちます。

ただし、与える際は人用の味付きや塩分が強いものを避け、できるだけ食塩不使用のしらすを選ぶことが大切です。釜揚げしらすやしらす干しなど食塩を使った商品は、下処理をしてから与えるようにしましょう。

また、魚に慣れていない犬では体質によってお腹がゆるくなることがあります。初めて与えるときはごく少量から試し、下痢や嘔吐、かゆみなどの変化がないか確認してください。

持病がある犬や療法食を食べている犬は、自己判断で追加せず、かかりつけの獣医師に相談してから取り入れると安心です。

しらすに含まれる栄養素と犬への影響

ざるの上に盛られたしらす

しらすは小魚を丸ごと食べられる食品のため、骨や身に含まれる栄養素をまとめて摂りやすい特徴があります。日々の食事の栄養バランスを整えるうえで、補助的に役立つ成分が含まれています。

一方で、栄養素にはそれぞれ適した摂取バランスがあります。特定の成分を集中的に摂ると、体内バランスが偏る可能性もあるため、健康面への影響は「メリット」と「過不足の影響」の両面から理解しておきましょう。

カルシウム

カルシウムは骨や歯の形成に欠かせないミネラルで、筋肉の収縮や神経伝達にも関わります。しらすは骨ごと食べられるため、カルシウムを摂取しやすい食材です。

ただし、カルシウムは他のミネラルとのバランスが重要で、偏りが続くと体内のミネラルバランスが乱れる可能性があります。

体質によっては泌尿器のトラブルにつながることもあるため、総合的な食事設計の中で捉えることが大切です。

DHA(ドコサヘキサエン酸)

DHAはオメガ3脂肪酸の一種で、脳や神経の働きを支える成分として知られています。加齢に伴う認知機能の健康維持や、学習・反応性を支える栄養素として注目されています。

また、皮膚や被毛の健康を内側から支える働きも期待され、乾燥が気になる犬の栄養面のサポートとして語られることがあります。

EPA(エイコサペンタエン酸)

EPAもオメガ3脂肪酸の一種で、体内の炎症反応に関わるバランスを整える働きが知られています。関節や皮膚など、炎症が関与しやすい部位のコンディション維持を栄養面から支える可能性があります。

栄養学的には、オメガ3脂肪酸は酸化の影響を受けやすい性質があるため、鮮度の観点も含めて評価される成分です。

タンパク質

タンパク質は筋肉や皮膚、被毛、内臓など体の基礎を作る主要栄養素です。しらすのタンパク質は魚由来で、食事のバリエーションを広げたいときの選択肢になります。

ただし、タンパク質は「多いほどよい」というものではなく、犬の状態や食事全体の設計によって適した量や比率が変わります。過不足の影響は個体差があるため、体調の変化がないかを前提に考えると安心です。

ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸収・利用に関わる脂溶性ビタミンで、骨の健康維持を支える要素のひとつです。しらすのような魚介類にはビタミンDが含まれることがあります。

脂溶性ビタミンは体内に蓄積しやすい性質があるため、食事全体の中でバランスよく摂ることが重要です。

ビタミンB12

ビタミンB12は赤血球の産生や神経の働きに関わるビタミンで、犬の代謝を支える栄養素のひとつです。魚介類に含まれやすい成分として知られています。

食事の偏りがある場合、こうしたビタミン群が不足しやすくなることもあるため、栄養素の幅を確保する視点で役立つことがあります。

犬にしらすを与える際の注意点

食器の横に伏せて口元を舌で舐めている犬

しらすは犬に与えられる食品ですが、与え方によっては体調を崩す原因になることがあります。安全に取り入れるためには、塩分や衛生面、犬の体質への配慮が欠かせません。

ここでは、しらすを与える前に押さえておきたいポイントを整理します。

塩分過多を防ぐため塩抜きする

市販の釜揚げしらすやしらす干しは、製造工程で食塩が使われていることが多く、そのまま与えると塩分を摂りすぎるおそれがあります。犬にとって過剰な塩分は、体調不良を引き起こす可能性があります。

人用のしらすを使う場合は、熱湯を回しかける、または短時間湯に浸すなどして、余分な塩分を落としてから与えるようにしましょう。食塩不使用の商品であっても、成分表示を確認することが大切です。

食中毒リスクを避けるため生は控える

生のしらすは鮮度が落ちやすく、細菌や寄生虫による衛生面のリスクが指摘されています。犬の消化器官は人とは異なるため、体調を崩す原因になることがあります。

家庭で与える場合は、加熱処理されたしらすを選び、十分に冷ましてから与えることで、安全性を高めることができます。

無塩でも成分表示を確認して選ぶ

ペット用として販売されている無塩・無添加のしらすは、手軽に使える点がメリットです。ただし、商品によっては風味付けなどを目的とした原材料が使われている場合もあります。

「犬用」と表示されていても安心しきらず、原材料や成分表示を確認し、余計な調味料や添加物が含まれていないものを選びましょう。

持病がある犬は獣医師に相談する

しらすはミネラルを含む食品のため、体調や持病の内容によっては食事管理に影響することがあります。特に、食事制限が必要な犬では注意が必要です。

また、魚に慣れていない犬では、下痢や嘔吐などの消化器症状が出ることもあります。初めて与える場合や健康面に不安がある場合は、かかりつけの獣医師に相談してから取り入れると安心です。

体調が崩れたらすぐに中止する

しらすを与えたあとに、便の状態が変わる、吐き戻す、体をかゆがるといった変化が見られた場合は、体質に合っていない可能性があります。

その場合は無理に与え続けず、しらすの使用を中止し、症状が続くようであれば動物病院を受診してください。初回はごく少量から試すことが、トラブルを防ぐポイントです。

犬に与えてもいいしらすの量

しらすをスプーンですくっている様子

しらすは少量で風味や栄養をプラスできる反面、与えすぎると食事全体のバランスが崩れやすくなります。主食の代わりではなく、トッピングやおやつとして控えめに取り入れることが基本です。

目安としては、1回あたりを少量にとどめ、犬の体重や体格に合わせて調整します。下の表は、塩抜きや下処理をしたしらすを与える場合の、あくまで参考量です。

犬の体重 1回の目安量
〜4kg(超小型犬) 2〜3g(ひとつまみ程度)
5〜10kg(小型犬) 約5g(小さじ1杯程度)
11〜20kg(中型犬) 8〜10g(小さじ2杯程度)
21kg以上(大型犬) 12〜15g(大さじ1杯弱)

初めて与える場合は、表の量よりもさらに少なめから始め、便の状態や体調に変化がないかを確認してください。また、毎日与えるのではなく、食事に変化をつけるための不定期なトッピングとして使うと安心です。

しらすの種類や水分量によって同じ量でも重さが変わるため、見た目の量はあくまでイメージとして捉え、愛犬の様子を見ながら調整しましょう。

まとめ

食器からフードを食べている犬

しらすは、犬に与えることができる食品で、いつもの食事に風味や変化を加えたいときに役立ちます。ただし、主食として与えるのではなく、あくまでトッピングやおやつとして少量にとどめることが大切です。

人用のしらすには塩分が含まれている場合が多いため、食塩不使用のものを選ぶか、必要に応じて下処理を行いましょう。

また、栄養が豊富な一方で、与えすぎると食事全体のバランスが偏る可能性があります。犬の体重や体質に合わせて量を調整し、初めて与える際は体調の変化がないかをよく観察してください。

持病がある犬や食事管理が必要な場合は、獣医師に相談したうえで取り入れると安心です。正しい与え方を心がけることで、しらすは愛犬の食事を楽しませる選択肢のひとつになります。

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