犬に栗を与えても大丈夫
犬に栗を与えても大丈夫です。味付けをしていない栗をよく加熱し、殻と渋皮を取り除いた可食部を少量なら、おやつとして楽しめます。
ただし、栗は炭水化物が多く、与えすぎると体重管理の負担になりやすい食材です。最初はごく少量から試し、食後に下痢や嘔吐、かゆみなどが出ないか様子を見てください。
また、散歩中などに落ちている木の実を拾い食いしないよう注意しましょう。栗に似た実の中には犬にとって有害なものもあるため、外で見つけた実は与えないのが安全です。
安全に楽しむための基本は、加熱する・殻と渋皮を除く・少量にとどめるの3点です。これらを守れば、季節のおやつとして取り入れやすい食材といえます。
栗に含まれる栄養素と犬への影響
栗は芋類に近い性質を持ち、ナッツの中では脂質が少なめで、炭水化物が多いのが特徴です。栄養素の働きを知っておくと、体質や体調に合わせて取り入れやすくなります。
ここでは、栗に含まれる代表的な栄養素と、犬にとってのメリット・気をつけたい点を整理します。
炭水化物
栗の主成分は炭水化物で、体を動かすためのエネルギー源になります。少量なら、普段のおやつの選択肢として楽しめます。
一方で、炭水化物は摂りすぎると余剰分が体にたまりやすく、体重管理の負担になることがあります。糖尿病で治療中の犬は、糖質が多い食品で血糖コントロールが乱れる可能性があるため、与える前に獣医師に相談すると安心です。
食物繊維
栗には食物繊維が含まれており、適量であれば便通をサポートする働きが期待できます。食事の内容によっては、腸内環境を整える助けになることもあります。
ただし、犬は食物繊維を一度に多く摂るとお腹が張ったり、軟便になったりすることがあります。胃腸がデリケートな犬は特に、少量から様子を見てください。
カリウム
カリウムは体内の水分バランスを保ち、筋肉や神経の働きを支えるミネラルです。食事から適度に摂れること自体は、体の機能を保つうえで役立ちます。
一方で、腎臓病などで食事療法を行っている犬は、カリウム制限が必要な場合があります。制限の有無や範囲は病状で変わるため、自己判断で与えず獣医師に確認しましょう。
ビタミンC
栗にはビタミンCが含まれており、健康維持を支える栄養素のひとつです。犬は体内でビタミンCを合成できるため、通常は不足しにくいとされています。
それでも、おやつから少量を補える点はメリットです。ただし、体質や既往歴によっては配慮が必要な場合があります。尿路結石の経験がある犬は、与える前に獣医師に相談しておくと安心です。
犬に与えてもいい栗の量
栗はおやつとして少量なら取り入れやすい一方、炭水化物が多くカロリーも高めです。与える量は1日の総摂取カロリーの10%以内を目安にし、ほかのおやつを与える日はその分を減らして調整しましょう。
また、栗は大きさにばらつきがあるため、「個数」だけでなく「可食部の重さ」でも考えると管理しやすくなります。下の表は健康な成犬の目安量です。
| 犬のサイズ(体重) | 1日の目安量(可食部) | 個数の目安(小さめの栗換算) |
|---|---|---|
| 超小型犬(〜4kg) | 〜5g | 1/4個程度 |
| 小型犬(〜10kg) | 〜10g | 1/2個程度 |
| 中型犬(〜25kg) | 〜20g | 1個程度 |
| 大型犬(25kg〜) | 〜30g | 1〜1.5個程度 |
子犬は消化器が未熟で体調を崩しやすく、シニア犬は代謝や噛む力が落ちやすい傾向があります。どちらも上の目安より控えめにし、初めて与える場合は耳かき1杯ほどから始めて様子を見てください。
なお、体重管理中の犬や持病がある犬は、適量の考え方が変わることがあります。食事療法をしている場合は、与える前にかかりつけの獣医師に相談すると安心です。
犬への栗の与え方
犬に栗を与えるときは、生のままではなく、必ず加熱したものを用意します。茹でるか焼くことで中まで柔らかくなり、消化しやすい状態になります。
加熱後は、外側の硬い殻と内側の渋皮を丁寧に取り除き、黄色い可食部だけにしてください。渋皮は繊維質が強く、犬の胃腸では消化しにくいため、取り残しがないよう注意が必要です。
与える際は、犬の体格や噛む力に合わせて大きさを調整しましょう。小型犬や丸のみしやすい犬には細かく刻み、シニア犬には潰してやわらかくすると安心です。
調理直後の栗は熱くなっていることがあるため、必ず人肌程度まで冷ましてから与えてください。口の中や舌をやけどするのを防げます。
普段のフードに少量をトッピングすると食いつきが良くなることがあります。その場合は、主食の量を少し減らして全体のカロリーが増えすぎないようにしましょう。
作り置きする場合は、味付けをせずに保存し、冷蔵や冷凍後は傷みや異臭がないか確認してから与えることが大切です。
犬に栗を与える際の注意点
栗は正しく扱えば犬も楽しめる食材ですが、体調や与え方によってはトラブルにつながることがあります。ここでは、与える前に知っておきたい注意点を整理します。
食べすぎは下痢や嘔吐につながる
栗は炭水化物や食物繊維を多く含むため、一度にたくさん食べると消化が追いつかず、下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。
特に胃腸が弱い犬や、初めて栗を食べる犬は、少量でもお腹がゆるくなることがあります。食後は便の状態や元気の有無を確認し、異変があれば無理に与え続けないようにしましょう。
皮や殻は窒息や腸閉塞の危険
栗の殻や渋皮、イガは硬く消化されないため、誤って飲み込むと喉に詰まったり、腸で詰まってしまう危険があります。
また、可食部であっても大きいまま与えると丸のみしやすく、小型犬では窒息のリスクが高まります。必ず食べやすい大きさにしてから与えてください。
人用の加工品は健康リスクが高い
栗の甘露煮やマロングラッセなど、人向けの加工品には砂糖や油脂、香料などが使われていることが多く、犬には不向きです。
原材料を確認せずに与えると、カロリーや糖質の過剰摂取につながり、体重管理の負担になります。人用のお菓子は与えないようにしましょう。
持病がある犬は事前の確認が必要
腎臓病や尿路結石などで食事療法を行っている犬は、栗に含まれる成分が食事内容に影響することがあります。
また、糖尿病で治療中の犬では、糖質が多い食品を与えることで血糖コントロールが乱れる可能性も考えられます。持病がある場合は、自己判断で与えず、事前に獣医師へ相談すると安心です。
散歩中の拾い食いは中毒リスクがある
散歩中に落ちている木の実の中には、見た目が似ていても犬にとって有害なものがあります。栗に似た実を拾って口にしないよう、日頃から拾い食いをさせない工夫や声かけを心がけることも大切です。
まとめ
栗は、味付けなしでよく加熱し、殻と渋皮を取り除いた可食部であれば、犬も少量なら楽しめます。
一方で炭水化物が多く、与えすぎは下痢や嘔吐、体重増加につながることがあるため、おやつは1日の総摂取カロリーの10%以内を目安にしましょう。
与えるときは小さく切って丸のみを防ぎ、必ず冷ましてから与えるのが安全です。人用の加工品は避け、腎臓病や結石、糖尿病で治療中など持病がある場合は事前に獣医師へ相談してください。散歩中の拾い食いにも注意しましょう。



