【獣医師監修】犬に梨をあげても大丈夫?与え方と適量、皮・芯・種の注意点を詳しく解説

【獣医師監修】犬に梨をあげても大丈夫?与え方と適量、皮・芯・種の注意点を詳しく解説

犬に梨をあげても大丈夫!基本的に完熟した果肉なら少量OKです。この記事では、水分補給に役立つ栄養素や、体重別の給与量目安、喉に詰まらせる窒息事故を防ぐカット方法、皮や種の危険性まで網羅。正しい知識で愛犬と安全に旬の味覚を楽しみましょう。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬に梨をあげても大丈夫

梨がのったお皿のそばで伏せている犬

基本的に、完熟した梨の果肉であれば犬に与えても問題ないとされています。梨は水分が多く、みずみずしい食感を楽しめる果物なので、暑い時期のちょっとしたおやつにも向いています。

ただし、梨は主食の代わりになるものではなく、あくまで「おやつ」や「トッピング」として取り入れるのが前提です。与えすぎるとお腹がゆるくなるなど体調を崩すことがあるため、最初はひと口程度から様子を見ましょう。

また、犬によって体質や体調は異なります。初めて与える場合は、食後に下痢・嘔吐・かゆみなどの変化がないか確認し、気になる症状が出たときは中止して獣医師に相談してください。

和梨(幸水・豊水など)も洋梨(ラ・フランスなど)も、基本的には完熟した果肉を少量という考え方は同じです。甘みが強い品種ほど与えすぎないよう注意しながら、無理のない範囲で楽しみましょう。

梨に含まれる栄養素と犬への影響

半分に切って断面が見える梨

梨は水分が多い果物で、季節の楽しみとして少量を取り入れやすい食材です。一方で、果物ならではの糖質も含むため、犬の体質や体調によってはお腹がゆるくなるなどの変化が出ることがあります。

ここでは、梨に含まれる主な栄養素と、犬にとっての影響を整理します。

水分

梨はみずみずしく、水分を食事から摂りたいときの補助になります。乾燥しやすい時期や、いつもより水分摂取が少ないと感じるときに、食べ物から水分を補える点はメリットです。

ただし、水分の多いものを一度に食べると胃腸に負担がかかり、軟便や下痢につながることがあります。体調の変化が出やすい犬は、少量で様子を見ることが大切です。

カリウム

カリウムは体内の水分バランスや細胞の働きに関わるミネラルで、健康維持に必要な栄養素のひとつです。食事全体の中で適量を摂れていることが望ましく、果物から少量摂取する分には一般的に問題になりにくい成分です。

一方で、腎臓の機能が低下している犬ではカリウムの調整が必要になる場合があります。療法食を食べている、血液検査で指摘を受けているなどのケースでは、果物を追加する前に獣医師の方針に合わせてください。

食物繊維

梨には水溶性・不溶性の食物繊維が含まれており、適量であればお腹の調子を整える助けになることがあります。普段の食事に少し加えることで、便通のサポートとして役立つ場合もあります。

ただし、食物繊維は摂りすぎると消化不良や軟便の原因になることがあります。もともとお腹が弱い犬や、食物繊維の多い食事をとっている犬は、体調を見ながら控えめにするのが無難です。

糖質

梨には果物由来の糖質(果糖など)が含まれます。少量であれば嗜好性が高く、食欲が落ちているときに食べやすいこともあります。

一方で、糖質を摂りすぎると体重管理の妨げになったり、持病がある犬では血糖コントロールに影響する可能性があります。

特に糖尿病の犬は「原因になる」と断定できるものではないものの、食事内容が血糖の変動に関わることがあるため、与える場合は獣医師の指示に沿って調整してください。

犬に与えてもいい梨の量

飼い主の手からおやつをもらっている犬

犬に梨を与えるときは、主食(総合栄養食)の量を減らす必要がない範囲で、「おやつ」として少量にとどめるのが基本です。果物は水分が多くても糖質を含むため、量を増やしすぎないことが健康管理のポイントになります。

目安として、おやつ全体は1日の総摂取カロリーの10%以内に収め、梨はその中でも控えめにしましょう。初めて与える場合は体重にかかわらず、まずは小さく切ったひと口分から始め、便の状態やお腹の張りなどに変化がないか確認してください。

体重別の目安量は以下のとおりです。犬の年齢や活動量、体調によって適量は変わるため、迷う場合は少なめに調整してください。

犬の体格(体重) 1日の給与目安量
超小型犬(3kg以下) 10g(ひと口〜2口程度)
小型犬(5kg〜10kg未満) 20g〜40g
中型犬(10kg〜20kg未満) 50g〜90g
大型犬(20kg以上) 約100g程度まで

梨は毎日与えるものではなく、季節の楽しみとして「たまに」取り入れる程度が安心です。子犬や老犬は消化器官がデリケートなことがあるため、成犬の目安よりさらに減らし、少量から様子を見てください。

犬に梨を与える際の注意点

梨の皮をむいている様子

梨は犬に与えられる果物のひとつですが、与え方を誤ると窒息や体調不良につながることがあります。安全に楽しむために、与える前の下処理と体調チェックのポイントを押さえておきましょう。

芯と種は必ず取り除く

梨の芯は硬く、飲み込むと喉に引っかかったり消化管で詰まったりする原因になります。必ず芯の部分は取り除いてください。

また、梨の種(茎や葉も含む)には微量のシアン化合物を含むことがあるため、誤食を防ぐ意味でも与えないことが大切です。果肉だけを取り分け、種が混ざっていないか確認しましょう。

皮はよく洗い、心配ならむく

皮つきのまま与える場合は、まず流水でよく洗い、汚れや農薬が気になるときはこすり洗いをしてください。

ただし、皮は果肉より消化しにくく、犬によってはお腹がゆるくなることがあります。胃腸が弱い犬や初めて与える犬は、皮をむいて果肉のみから始めると安心です。

喉に詰まらない大きさにする

犬は食べ物を噛まずに飲み込みやすいため、梨を大きいまま与えるのは危険です。薄切りや大きな角切りではなく、犬の口の大きさに合わせて小さめにカットしてください。

目安として、超小型犬は5mm角程度、小型犬は7〜10mm角程度、中型犬以上でも1cm角程度を意識すると、喉に詰まらせるリスクを下げられます。

加工された梨は与えない

熟しすぎて柔らかくなった部分や、変色・異臭がある部分は与えないようにしてください。果物は傷み始めると胃腸に負担がかかりやすく、下痢や嘔吐の原因になることがあります。

与える前に状態を確認し、少しでも不安があれば無理に与えず処分するのが安全です。

砂糖入りの加工品は避ける

梨の缶詰やゼリー、コンポートなどの加工品は、砂糖やシロップが多く使われていることがあります。また、商品によっては甘味料が含まれる可能性もあります。

犬に与えるのは、味付けのない生の梨の果肉に限りましょう。

持病がある犬は獣医師に相談

梨を食べた後に下痢、嘔吐、口の周りの赤み、かゆみなどが見られる場合は、体質に合っていない可能性があります。すぐに給与を中止し、症状が続くときは動物病院に相談してください。

また、腎臓病などで食事管理をしている犬や、糖尿病で血糖コントロールが必要な犬は、果物の追加が体調に影響する可能性があります。与える前に、かかりつけの獣医師の指示に沿って調整しましょう。

まとめ

皮をむいてカットした梨

梨は、完熟した果肉であれば犬に少量与えても基本的に問題ない果物です。ただし主食の代わりにはならないため、おやつとして控えめに取り入れましょう。

与える前は流水でよく洗い、芯と種は必ず取り除きます。皮は消化しにくいことがあるため、胃腸が弱い犬や初めての犬はむいて与えると安心です。

窒息を防ぐため小さく切り、加工品は糖分や甘味料のリスクがあるので避けてください。食後に下痢や嘔吐、かゆみなどの異変が出た場合は中止し、必要に応じて獣医師に相談しましょう。

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