犬に寿司を与えても大丈夫?食べられるネタの種類や注意点

犬に寿司を与えても大丈夫?食べられるネタの種類や注意点

家族でお寿司を食べていると、愛犬も食べたそうに見つめてくることがありますが、犬に寿司を与えても良いのでしょうか?今回は、犬が食べられる寿司ネタや与える際の注意点について紹介します。

犬に寿司を食べさせても大丈夫?

犬に寿司を食べさせても大丈夫?

犬に寿司を与えてもいいのか?という疑問をお持ちの方がいると思います。

寿司ネタによって、犬に与えても良いものと与えてはいけないものがあります。また、犬が食べられる寿司ネタでも、私たち人間と同じように食べさせるのは危険です。

例えば、寿司の酢飯に使われている砂糖や塩などは、過剰に摂取すると犬の体に悪影響を与えてしまうので、与え方に注意しなければなりません。

また、ネタの生魚は犬に与えても良いですが、魚の種類によっては、アレルギーの原因になったり犬の体質に合わなかったりして、体調を崩してしまうこともあります。

ただ、新鮮な生魚は犬の健康に良い影響を与える効果もあります。犬に食べさせられるネタの種類や与えても問題のない量、与える時に注意することなどをしっかりと把握することで、家族と一緒にお寿司を楽しませることができます。

犬が食べられる寿司の種類や部位

犬が食べられる寿司の種類や部位

犬に安全に寿司を食べさせるには、食べさせても大丈夫な寿司ネタを知っておきましょう。また、食べられるネタでも部位によっては、与えない方が良いこともあります。

ここでは、犬が食べられる寿司ネタや部位について詳しく解説します。

酢飯

酢飯の材料は、ご飯、米酢、砂糖、塩が使われています。犬は少量であればご飯を食べることができますが、調味料が含まれている寿司飯を食べさせても良いのか気になる方も多いでしょう。

犬は米酢や砂糖、塩も少量なら食べることができるので、与え方をしっかり守れば、酢飯を食べさせることができます。

また、米酢は米を原料としたお酢なので、犬の体に悪い影響を及ぼすものではありません。それに犬の体にとって大切な酢酸、クエン酸、アミノ酸などの栄養素も含まれています。

米酢に含まれる酢酸は脂肪の蓄積を防ぎ、クエン酸が代謝を高めて体内脂肪をエネルギーにし、アミノ酸が脂肪の燃焼を促します。さらに、お酢には血糖値の上昇を抑える効果のある成分も含まれており、腸内環境を整える効果も期待できます。

このように、健康な体を維持するのに大切な栄養素が多く含まれる米酢ですが、米が原料ということでアレルギー反応を起こすこともあります。初めてお酢を口にする場合、少ない量から食べさせて問題がないか様子をみてください。

また、酢飯を食べさせる時に注意が必要なのは砂糖と塩の量です。人間が食べる酢飯に含まれる砂糖と塩の量は犬には多すぎるので、犬が安全に食べられるように量を調節して作ってあげましょう。

マグロ

マグロはお寿司の定番ネタとして人気がありますが、犬にマグロのような生魚を食べさせても良いのでしょうか?

犬はもともと野生動物で、その頃は狩りをして生活をしており生肉を主食としていました。現在では、人間と暮らすようになり、狩りをすることもなくなり雑食性が強くなっています。

ただ、野性時代の名残として、生肉と同じように栄養素が豊富な生魚を与えても問題ないと考えられています。生魚にはたんぱく質が豊富に含まれており、ドッグフードの主原料としても使われています。

特にマグロはオメガ3脂肪酸が豊富で、犬の皮膚や被毛、血液、骨などの健康維持に欠かせない栄養素です。また、マグロを犬に与える際は、マグロの部位によって与え方や注意点があるので、十分に確認してください。

〈赤身〉
マグロの赤身には、たんぱく質が非常に多く含まれています。高たんぱく低カロリーで脂肪も少ないのが特徴です。

〈血合い〉
血合いとは赤黒い色の筋肉のことで、赤身よりも鉄分、タウリン、ビタミンB1、ビタミンB2などの栄養素が多く含まれています。

人が食べる場合、生臭さを消すために塩や調味料で味付けをしますが、犬に与える場合は味付けをせずに茹でるだけにしてください。

またマグロの骨は太いので、犬が食べると口の中や消化管を傷つけたり、詰まらせたりする恐れがあるので、骨をしっかり取り除いてから与えましょう。

〈トロ〉
脂肪分の多いトロは、EHA、DHA、ビタミンAやD、Eなどの栄養素が豊富に含まれています。DHAは記憶力や集中力を高める効果があると言われ、子犬用のドッグフードにも使われています。

ただし、トロは脂肪が多くカロリーが赤身の約3倍もあるので、与えすぎに注意が必要です。トロを与える時は、1日の必要摂取カロリーをオーバーしないように、必ず主食のドッグフードの量を調整しましょう。

鮭(サーモン)

鮭やサーモンは「サーモンピンク」と呼ばれるように、身が赤系の色をしているので赤身の魚と思われがちですが、実は白身魚です。

この独特の色は、アスタキサンチンというカロテン色素によるもので、魚では鮭だけに含まれています。アスタキサンチンは、体内の活性酸素を取り除いて免疫力を上げて、がんの予防効果も期待されています。

鮭やサーモンには、抗酸化作用に優れたビタミンEも含まれており、活性酸素を除去するのに有効で、老化や免疫力の低下防止に効果的です。

「目のビタミン」と呼ばれているビタミンAも豊富に含まれ、白内障を防いだり角膜を修復するのに重要です。また、健康な皮膚や被毛を維持するためにも大切な栄養素です。

健康や頭に良い栄養素として知られている、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)も多く含まれています。

DHAは脳を活性化する働きがあるので成長期の子犬に最適ですし、認知症予防にも効果的なので老犬にもおすすめです。EPAについては、アレルギー性皮膚炎を改善する効果あると言われています。

犬に寿司を与える時の注意点

犬に寿司を与える時の注意点

犬にも寿司を食べさせることができますし、ネタによっては健康に良い効果があります。しかし、人間と同じように食べさせるのは危険です。

ここからは、寿司を与える時に気をつけることを紹介します。愛犬に安心して食べさせられるように、十分に確認しておきましょう。

わさびや醤油がついた部分は避ける

寿司に醤油やわさびを付けた方が美味しいと感じるのは人間の感覚です。犬の嗅覚は大変優れているので、何も付けなくても味に問題ありません。

また、わさびや醤油は犬に強い刺激を与え健康に良くないので、味付けを何もせずに与えましょう。

生のイカ・エビ・タコ・貝類は与えない

寿司ネタのイカは生の状態ですが、犬に生のイカを与えてはいけません。生のイカにはチアミナーゼが含まれており、ビタミンB1を破壊しビタミンB1欠乏症になってしまう恐れがあります。

同様にタコも生の状態で犬に食べさせてはいけません。犬にとって消化に悪い食べ物なので、下痢や嘔吐などの症状が現れる場合があります。

エビもイカと同じで、ビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性があるので、生では与えていけません。

特に注意が必要なのは貝類です。犬には貝類を消化する酵素を持っていないので、食べると下痢や嘔吐といった消化不良を引き起こしてしまいます。

また、寿司ネタの貝類には生のものもありますが、生の貝類には毒を含んでいることもあります。加熱処理すれば食べられることもありますが、熱を加えても犬にとって危険な場合もあります。

さらに、生の貝類にもチアミナーゼが含まれており、大量に摂取するとビタミンB1欠乏症になって、神経機能に悪い影響を与えてしまう恐れもあります。これらのことから、犬に貝類は与えないように気をつけましょう。

食べ慣れない食材は消化不良を起こしやすい

犬に食べさせても良いとされる生魚でも、普段食べ慣れていなかったり初めて食べさせたりする場合は、体調不良を引き起こすことがあります。最初は小さく刻んで様子を見ながら少しずつ与えましょう。

万が一、下痢や嘔吐などの症状が見られたら、早めに動物病院へ連れていきましょう。

寄生虫予防のために加熱する

スーパーなどで購入したお寿司であれば可能性が低いですが、生のマグロや鮭には食中毒の原因となる寄生虫のアニサキスが寄生している恐れがあります。

寄生した魚を犬が食べるとアニサキス症にかかってしまい、激しい腹痛や下痢、嘔吐などの症状が現れます。アニサキスは加熱することで死滅するので、犬に与える際は必ず熱を加えましょう。

まとめ

楽しいイベントやお祝い事に食べられることが多いお寿司。愛犬も楽しそうな雰囲気を感じ取り、同じものを食べたくてキラキラとした眼差しを向けてくるかもしれません。

酢飯にさまざまなネタを組み合わせた寿司は犬に与えても良いのか不安ですが、食べられるネタの種類と正しい与え方を把握していれば、安心して食べさせることはできます。

正しい知識を身につけて、愛犬の健康と幸福度の向上に役立てましょう。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい