犬に雑穀米は与えても大丈夫!
結論から申し上げると、犬に雑穀米を与えても大丈夫です!
基本的に『雑穀』とは、米、小麦、大麦を除く穀類及び類似穀類のことを指す用語で、雑穀米とは様々な穀物を主食となる白米などにブレンドして作られたお米のことをいいます。
主に、あわ、きび、玄米、ヒエ、アマランサスなど使用した穀類の数によって同じ雑穀米でも、十穀米や十六穀米、十八穀米などと呼ばれます。
しかし、数が多くなれば体に良いという訳でもなく、その栄養価の高さがかえって犬にとっては消化不良を引き起こす原因になることも。
今回は上記で記載した穀物類を例に、犬にどれぐらい雑穀米を与えても良いのか詳しくご紹介します。
犬が雑穀米を食べることで期待できる効果
ここからは、犬が雑穀米を食べることで期待できる効果について紹介します。その前に少し犬の食性についておさらいしましょう。
犬はイヌ科で元々肉食だと言われていましたが、人と生活を共にするにつれ食性が変わっていき、現在では肉食に近い雑食性が犬の食性だと言われています。
そのため、穀物の消化は苦手だと言われる犬であっても、ある程度であれば犬に与えることができ、栄養価も高く効果が期待できます。
では、主にどのような栄養価があるのか、順を追って見ていきましょう。
抗酸化作用によりガン予防
犬に雑穀米を与えることにより期待できる効果のひとつ目として、がん予防効果についてご紹介します。
雑穀の中でも玄米はビタミンB郡が豊富です。糖質の代謝を促進しエネルギーに変換する働きがあり、疲労回復の効果も発揮します。また、玄米に含まれているビタミンEは、がん予防だけではなく動脈硬化予防にも効果が期待できます。
お米は基本的に胚芽と米粒の外側に栄養素が集中しているため、これらを取り除き胚乳(精米)された白米よりも、精米されていない状態の玄米の方が栄養価豊富です。
こうした重要な栄養素は犬に体力をつけさせ、虚弱体質の改善にも有効だとされています。雑穀米として玄米が含まれているものは、がん予防としてとても効果が期待できると言えるでしょう。
食物繊維により腸内環境の改善
犬に雑穀米を与えることで期待できる効果のひとつが、食物繊維による腸内環境改善です。雑穀は主に白米や小麦のような加工する工程を省いていることが多いため、食物繊維に優れ、腸内環境を整えてくれます。
中でもヒエは食物繊維が豊富です。他にも骨や歯の作成の手助けをするマグネシウムなどの栄養素が豊富で穀物アレルギーになりにくいため、腸内環境改善だけではなく子犬の発育などへの効果が期待できるでしょう。
腸内環境が改善されれば、便秘気味の子や皮膚や被毛に不安がある子などにも効果的と言えます。そういった悩みを持っている子には、ヒエの入った雑穀米を与えてみるのが良いかもしれません。
カルシウムや鉄分で骨粗しょう症、貧血予防
犬に雑穀米を与えることで期待できる三つ目の効果には、骨粗しょう症、貧血予防効果が挙げられます。
雑穀米には食物繊維などの栄養価だけでなく、タンパク質やカルシウムなどを豊富に含むものも存在します。中でもアマランサスは雑穀内でもタンパク質を多く含み、白米よりカルシウムが32倍、鉄が12倍、ビタミンEが11倍、そして食物繊維を15倍も含みます。
そのため、シニア期に入る成犬の子や足腰に不安がある子にとっては、骨粗しょう症予防や貧血予防に効果が期待できると言えるでしょう。
他にもビタミンEの抗酸化作用があり老化予防にも効果が期待できます。老化が気になり出したら、アマランサスが入っている雑穀米を与えてあげてみると良いかもしれません。
必須アミノ酸のロイシンによって肝機能の向上、筋肉強化やダイエットにも
また、他にも肝機能の向上や筋力強化、ダイエットなどにも効果的な雑穀米。穀物と聞くとなんだか糖質が高くダイエットとは正反対のイメージがありますが、雑穀米に至ってはそうとも限りません。
中でもあわは、肝機能の向上や筋肉強化に効果的だと言われています。また、食物繊維ももちろん含まれていて、体内の老廃物を吸着させ体外に排出する働きがありダイエット効果も期待ができる食材です。
あわはタンパク質や脂質、鉄分も豊富で特に必須アミノ酸の一つであるロイシンが多く含まれております。ロイシンは主に筋肉のエネルギー源となるBCAA(分岐鎖アミノ酸)に分類されていて、筋肉の強化だけでなく肝臓の機能を高める効果も。
肝機能低下が気になる子や筋肉の衰えたシニア犬などには、あわが配合されている雑穀米を与えてみると、特に効果的ではないでしょうか。
犬に与えても良い雑穀米の量
実際に犬に雑穀米を与える場合、どのくらいの量を目安に与えれば良いのかをご紹介します。
基本的にドッグフードを主食とした場合のトッピング程度であれば、主食の10%と言われています。雑穀米を使ったレシピを愛犬に与える場合、主に手作り食で一日に必要な栄養素を補っている飼い主さんがほとんど。
そういった場合、全体の食材比率はタンパク質4:炭水化物3:野菜類3という割合が目安です。ちなみに雑穀米は炭水化物の分類となるので、「炭水化物3」に含まれるという点だけ、覚えておいてください。
ここでは全ての愛犬の食事を手作り食で与えている場合の体重別適正量を小型犬〜大型犬に分けてご紹介します。
- 4kg未満の小型犬…1日の食事量100~200g:雑穀米30~60g
- 10kg以下の小型犬…1日の食事量300~500g:雑穀米90~150g
- 25kg以下の中型犬…1日の食事量500~1000g:雑穀米150~300g
- 25kg以上の大型犬…1日の食事量1000g以上:雑穀米300g以上
いかがでしょうか?それぞれ体重別に分けた目安量はこのようになります。ただし、専門家によっての栄養素の割合については、それぞれ見解が異なるため、あくまで目安量としてお考え下さい。
犬に雑穀米を与える時の注意点
続いて、犬に雑穀米を与える際の注意点にはどのようなものがあるのか、ご紹介します。
ただ、その前に知っておいて欲しいこととして、犬の雑食性は人と生活を共にすることで培われてきたものである一方、基本的には穀物消化は苦手なことや、目安量を超えての給餌はかえって愛犬の負担になってしまう点などを考慮した上で、与える必要があります。
そのため、雑穀米の栄養価が高いからと言って、愛犬に必ず与えなくてはいけないというような考えを持つのではなく、適材適所という考えで、必要な時に雑穀米を与えるのが良いと思います。
それでは、雑穀米を与える際の詳しい注意点などをここからはご紹介します。
その注意点に少しでも当てはまるようなことがあれば、即時に与えるのを中断して、早めのうちに獣医師さんに見てもらい、診断名や状況によって適切な給与量を教えてもらってください。
柔らかくした雑穀米を与える
これは、人がお米を食べる際にも同様ですが、犬たちにとっても雑穀米はしっかりと炊いた状態で与えましょう。
基本的には、白米よりも長めに炊くことが大切で、芯が残らないよう十分注意してあげてください。場合によってはお粥ほどのやわらかさにしても良いと思います。
量を与えすぎない
これは、先程にも少し触れましたが目安量以上に与えないように気をつけましょう。
基本的に与え過ぎた場合には、犬は消化不良の影響で下痢や軟便などを起こしてしまいます。与える際は給餌量に十分注意し、目安量以内で与えるように心掛けてあげてください。
アレルギーに注意する
穀物アレルギーは、犬においてはもっとも分かりづらいものと言えます。
実際に一度犬に与えてみなければ分からないため、最初は目安量以下の雑穀米で試してみて、それで問題がなければ量を少しずつ増やすようにしましょう。もしくはアレルギー検査を受けた上で与えるようにしてあげてください。
犬のための雑穀ごはんもある!
これまでご自身での手作り食を愛犬に食べさせること前提にお話ししてきましたが、現在では雑穀を使った犬専用のドッグフードなどが売られています。
中でもアニマル・ワンが販売する「犬の雑穀ごはん」は、九州産の「あたりどり」や野菜、雑穀には大麦や玄米、黒米を使ったドッグフードです。
ドッグフード自体の種類も実に豊富で、成長期の子犬~成犬向けの「機能性アクティブ」や7歳以上のシニア期用の「機能性セブン」、体重が気になる愛犬に食べさせたい「機能性ライト」があります。
無添加ドッグフードには珍しいライフステージに合わせたドッグフードが新発売されていて、楽天やAmazonでも軒並み高評価が多く、「もう何年も食べている」と言った感想から、「安心しています!」といった信頼できる口コミまで寄せられています。
手作り食にはイマイチ自信が無い方にとっては、栄養バランスの整った食事を食べさせるために上記のような選択肢もあるため、検討しても良いかもしれませんね。
まとめ
いかがだったでしょうか?雑穀は様々な種類がある上に、栄養価の高いものが豊富でなので、犬に与えたい食材ではあります。
しかし、その場合にはしっかりと目安量の調整やアレルギーの有無などを確認するのはもちろんのこと、その愛犬の年齢についても配慮してあげることが大切です。
中でも子犬は消化機能がまだ発育段階で、老犬は逆に衰えてきている場合も少なくありません。雑穀米を愛犬に与える際には、その子に合った雑穀を選んであげるように心掛けましょう。
特に子犬や老犬の雑穀米給与には十分に注意し、そして、もしも万が一異変が生じてしまった時は、できるだけ早急に獣医師さんに連絡して適切な処置を施してもらってください。