犬は油揚げを食べてもOK!しかし注意点もある
油揚げは豆腐の水分を抜き、薄揚げにした大豆の加工品です。豆腐でできているので、犬にも安心して与えることのできる食べ物です。
犬の健康に与える影響を知った上で、正しく与えましょう。
そのままであげない
犬に油揚げを与える時は、人が食べる時と同じく、生のままではなく、必ず茹でるなどをして熱湯を通して加熱し、油分を落としてから与えるようにしましょう。
食べやすくする
犬は食材を細かくかみ砕くことなく、丸呑みする傾向があります。油揚げはあまり消化が良くないので、消化不良を防ぐために細かく刻んで食べやすくしてあげましょう。
アレルギーに気をつける
犬は消化能力が人より弱いため、食べ物によってはアレルギー反応を起こしてしまいます。
大豆のアレルギーは稀と言われていますが、中には大豆製品にアレルギーがある犬もいるので、犬が油揚げを食べたときに変わった様子が見られたら、すぐに与えるのをやめましょう。
特に消化器官が未発達な1歳未満の子犬は、食べ物アレルギーになりやすいと言われています。また、子犬に与えると消化不良を起こし、下痢や嘔吐をしてしまう可能性もあるので与えない方が良いでしょう。
犬の体は人よりも小さいので、人の感覚で食べ物を与えると体に悪影響を及ぼすことがあります。また、投薬中や治療中の犬は体調を崩してしまう可能性もあるので、新しい食べ物を与える時は注意が必要です。
与えすぎない
油揚げのような薄揚げは、2度3度と十分に揚げる作り方が特徴なので、油分が多く、カロリー過多になってしまい、肥満やそれに関連した健康上の問題につながる可能性があります。
油ものは大量の油を使用しているため、食べた犬が体調不良を起こすこともあるので、与えすぎには注意が必要です。
持病を抱えている犬の場合は、油の摂りすぎからなる肥満によって症状が悪化することも考えられます。体重管理という意味でも与えすぎはやめましょう。
犬に油揚げを与えてもいい量
豆腐から作られている油揚げには、たくさんの栄養素が含まれていますが、一日に必要な栄養がバランスよく含まれているわけではありません。
普段の食事に上手に摂り入れることで、犬にもある程度の健康効果を期待することができるでしょう。
しかし、犬が一日に必要とする栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれているので、与えすぎは逆効果になってしまいます。
総合栄養食と記載されているドッグフードには、犬のライフステージに合わせた配合で作られているため、通常は犬にとって必要な栄養が不足することはありません。犬に油揚げを与える場合は、ドッグフードのトッピングやおやつ程度の量に抑えるようにしましょう。
基本的に犬に副食を与える時は、一日の食事の10%を目安にすることが勧められています。体重が1kg~ 3kgの犬のごはんの量が100g〜200g程度だと、油揚げを10g〜20g程度を上限に与えることができます。
市販されている油揚げが一枚約30gなので、1/3程度を与えられることになります。これは油揚げだけを副食として与えた場合なので、油揚げ以外にも副食を与える場合には、もっと量を減らす必要があります。
必要以上にドッグフード以外のものを与えると、おいしいものを覚えてしまって、バランスの取れた食事を取らなくなリ、結果的に栄養のバランスを損なうことになってしまう可能性もあります。むやみに与えるのはやめましょう。
犬が油揚げを食べることで期待できる効果
人にも犬にも大豆製品に含まれる栄養成分には、健康維持に役立つ様々な効果が期待できます。犬の食事に取り入れることで、どのような栄養を摂ることができ、どのような健康効果があるのでしょうか。
犬の成長期の体作りに役立つ
油揚げには、植物性タンパク質やカルシウムが含まれています。タンパク質は、筋肉や血液、皮膚、毛などを作り、カルシウムは骨を作ってくれます。
体の基本となる筋肉や血液を作る大切な栄養素となり、健康的な体作りに役立ちます。
健康な骨を作る
油揚げに多く含まれる、カルシウムやリン、マグネシウムなどのミネラルは、骨を強く維持する働きがあります。
マグネシウムとカルシウムが協力して、筋肉の働きを調整する役割もあり、さらに体内の酵素の働きを助けて、エネルギーの生産にも関わっています。
アンチエイジング
大豆に含まれているサポニンは強い抗酸化作用があり、代謝を促進し血液をサラサラにしたり、毛や皮膚を美しく保つ効果があります。
コレステロール値を下げたり、がんを予防したり、悪玉コレステロールの酸化を抑え、動脈硬化を予防したり、血圧を下げる効果も期待できます。
大豆イソフラボンには、骨粗しょう症や循環器系の疾患を予防する効果があるとされています。
イソフラボンは、女性ホルモンと構造が似ていて、女性における卵巣がんや更年期の血管障害、乳がんなどの予防に効果があると期待されています。
老化を予防
油揚げに含まれているレシチンには、血液をサラサラにする効果が見込めることから、血栓症予防や高齢犬の認知症に予防効果があるとされています。
血管にこびりついたコレステロールを洗い流す働きがあり、動脈硬化の予防にも有効だと言われています。
しかし、上記に揚げた「サポニン」「イソフラボン」「レシチン」の作用については、人において言われていることであり、犬においては断片的なデータしかないため、すべての犬に当てはまるとは言えません。
犬での効果や安全性はわかっていないため、犬に多く与えることが推奨されているわけではなく、体にいいからといって、油揚げのような油物をたくさん与えるのはやめましょう。
犬に油揚げを食べさせる時の与え方
油揚げにはいろいろな調理方法がありますが、味つけされたものをそのまま与えるのはやめましょう。
犬は食べ物のニオイが強いものを好みます。嗅覚が鋭いため、臭いが強いほど食欲がそそられます。
しかし、砂糖や醤油などで味付けされたものは、糖分や塩分の過剰摂取で犬の体の負担になり、健康被害の原因になります。
結果的に体調を崩し、長期的な治療などをしてストレスを与えることになり、愛犬に辛い思いをさせてしまいます。
油揚げを与える時は、加熱して油を落とし、味のないものにしましょう。
まとめ
油揚げは、犬に与えると健康上での様々なメリットが期待できます。しかし、必ずしも与えなくてはいけないものではありません。
健康にいいと言われるどんな食べ物でも、与えすぎは体に悪影響を及ぼします。
犬に与えて良いものであれば、ぜひ一緒に食べて楽しみたいものですが、万が一の時が起こらないようにするためにも、与え方には十分注意が必要な食材であることを覚えておきましょう。
特に初めて与える際には、愛犬にアレルギー反応が出る可能性も視野に入れておく必要があります。
大切な愛犬の健康を守れるのは飼い主さんだけです。なぜ与えたいのか考え、愛犬に与える際は、主食に影響しない範囲で、正しい与え方で適量を食べさせるように十分に気をつけましょう。