犬はエリンギを食べても大丈夫?
火を通したエリンギには、犬にとって害のある成分は含まれていないので、犬もエリンギを食べることができます。
日本にはエリンギが生えていないので、私たちが食べているエリンギは、100%人工栽培されたものです。年間を通してエリンギを食べることができるので、エリンギは愛犬にも与えやすい食材のひとつです。
犬はエリンギを食べられますが、与えるときには注意していただきたいこともありますので、今回はエリンギの栄養と調理法、注意点も紹介していきます。
エリンギの成分と犬への効能
エリンギの成分には、体を健康に保つために必要な栄養素が豊富に含まれています。
犬と人の体の構造は違うので、共通して当てはまるというわけではありませんが、エリンギには犬の健康維持にとっても重要な成分も多く含まれています。
エリンギを愛犬に食べてもらうにあたって、初めに注目したいエリンギの成分と効能を見ていきましょう。
「食物繊維」で腸内環境の改善
エリンギには100gあたりに、3. 4gの食物繊維が含まれています。不溶性の食物繊維が多く含まれているので、排便を促す効果も期待できます。
食物繊維は便の排泄だけではなく、腸内の善玉菌を活性化させて、腸内環境を改善する働きもあります。
骨を丈夫にする働きがある「ビタミンD」
ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を助ける脂溶性のビタミンです。ビタミンDは骨を丈夫にする働きや免疫力を高める働きがあります。
人間は太陽の光(紫外線)を浴びることで、体内でビタミンDを合成することができますが、犬は体内でビタミンⅮをつくることができないので、食べ物から摂取する必要があります。
「β‐グルカン」は免疫力を高める働きがある
β-グルカンは、キノコ類に多く含まれています。免疫力を高める働きがあり、がんの予防の効果もあると言われています。
β-グルカンは、体内に入ってきたウイルスなどを退治して、病気にならないように体を守る働きもあるので、愛犬にも積極的に摂ってもらいたい成分です。
皮膚を乾燥から保護する「ナイアシン」
ナイアシン(ビタミンB3)は、水溶性ビタミンで、ほとんどの食品に含まれていますが、肉や魚、穀類に多く含まれています。
犬は体内でナイアシンを合成することができますが、それだけでは足りないので、食材から摂取する必要があります。ナイアシンは皮膚を乾燥から保護する機能があり、不足すると皮膚のトラブルを起こすことがあります。
「オルニチン」で疲れにくい体に!
オルニチンはアミノ酸の一種で、シジミに多く含まれていることで有名です。オルニチンは疲労を軽減して、疲れにくい体をつくることに役立ちます。
食材でも摂取ができますが、サプリメントやパウダーなどでも販売されているので、気になる方は探してみてください。
犬にエリンギを食べさせる時の与え方
エリンギを食べてもらう方法は、ドッグフードに混ぜて与える、手作りごはんをつくって与えるなど、バリエーションが豊富です。
愛犬が食べやすいようにアレンジして、おいしく食べてもらいましょう。
加熱してから与える
生のエリンギには「シアン」という毒となる成分が微量ですが含まれています。
加熱していない生のエリンギや生焼けの状態で食べてしまうと、食中毒になる可能性があるので、人が食べるときはもちろん、犬に与えるときにもしっかりと加熱をしてください。
シアンは加熱をすることで害はなくなるので、火の通ったエリンギは食べても問題はありません。エリンギだけではなく、ほかのキノコを犬に与えるときにも、しっかり加熱をしてください。
炒めるときに油を使うことがあるかと思いますが、油の量が多いと肥満の原因になりますので注意してください。火を通すと香りや食感もよくなるので、炒めたり、蒸したりして愛犬においしく食べてもらいましょう。
細かく刻む
エリンギは縦に繊維が通っているので、細かく刻むことで、食べやすくなるだけではなく消化しやすくなります。細かく切ってドッグフードに混ぜたり、ほかの食材と炒めてもよいかもしれません。
料理をする
エリンギを使ったレシピもネットで多く公開されているので、エリンギの手作りごはんをつくってあげるのもよいかもしれません。
エリンギを細かく刻むという特性を生かして、エリンギのレシピは「おじや」や「あんかけ」などが多いです。鶏肉と炒めたレシピなどもあるので、愛犬が好きな調理法で料理にチャレンジしてみてください。
犬にエリンギを与える時の注意点
エリンギは犬の体によい成分がたくさん含まれていて、愛犬にもぜひ食べさせたいと思われた飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
犬はエリンギを食べることができますが、犬にエリンギを与えるときには、火をしっかりと通すことや与える量に注意してください。
たくさん与えない
エリンギは食物繊維や水分が豊富に含まれているので、犬がたくさん食べてしまうと、消化できずに下痢をしてしまうことがあります。
また、細かく切らずに大きいサイズで与えてしまうと、同じく消化不良で下痢をしてしまうことがあるので、細かく切ってから与えてください。
ドッグフードに混ぜて食べさせるときは、量が多すぎると肥満の原因になる可能性があります。肥満にならないためにも、たくさんあげすぎないように注意してください。
保存方法に注意
エリンギは水分が付着していると腐りやすくなります。
変色しているときやぬめりがあるとき、カビが生えているときは、愛犬に食べさせないようにしてください。
切って冷凍しておくと保存できる期間が長くなるので、常温や冷蔵庫で保存するよりも、水分を拭き取ってから冷凍庫で保存する方法がおすすめです。
エリンギが傷んでしまうと食中毒などの原因になりますので、特に夏場の保管は注意してください。
まとめ
今回は、愛犬はエリンギを食べられるのかというテーマで、エリンギの成分や調理方法、注意点を紹介しました。
エリンギは年間を通して食べられますが、キノコは秋の食材というイメージがありますよね。
秋は暑い夏を乗り切った疲れた体を癒して、冬に向けて体調を崩さないようにするための期間でもありますので、免疫力を上げる食材を食べることも大切です。
エリンギには、ビタミンDやβ-グルカンなどの免疫力を高める成分が含まれているので、愛犬の健康をキープするためにもおすすめです。
エリンギやそのほかのキノコを犬が食べても一般的には問題はありませんが、アレルギーを起こすこともあるので、痒がったり下痢をしているときは、獣医さんに相談するようにしてください。