犬にケチャップを食べさせても大丈夫?
愛犬のためにご飯を手作りしてあげたり、トッピングやおやつに野菜を与えたりと、愛犬の食べる物に色々な工夫をしている人もいると思います。
また、飼い主さんが食事をしていると欲しがる子もいると思いますが、野菜ならいいかな?と思う人も多いのではないでしょうか。
犬に与えてもいい野菜の一つがトマトです。では、トマトを主な原材料としているケチャップはどうでしょうか?少しならなめさせてあげてもいいかな?と思うかもしれません。
しかし、犬にケチャップを食べさせることには危険が伴います。特に超小型犬では、人間にとっては少量でも、体に害を与える量を食べてしまっている可能性が高くなるのでより注意が必要です。
犬がケチャップを食べてはいけない理由
犬にケチャップをあげてはいけない一番の理由は、犬にとって危険な成分が含まれていることがあるからです。
ケチャップには、製品によって異なりますが、玉ねぎやニンニク、様々な調味料や香辛料が含まれています。
玉ねぎは犬が食べてはいけないものだと知っている飼い主さんは多いと思います。生でも加熱してあっても犬に有害な成分を含み、量によっては犬にとってとても危険なものになってしまいます。
他にも、ケチャップに含まれる砂糖や塩は、主食以外で摂取してしまうと過剰摂取になってしまい、肥満や病気のリスクを高める原因となってしまいます。
また、ケチャップライスや、人が食べるハンバーガーにもケチャップが入っていたり、ケチャップをつけて食べることがあるハンバーグにも、玉ねぎや香辛料が含まれているので犬に与えてはいけません。
ドッグフード以外の食べ物を犬に与える場合、犬のために専門家が考えたレシピであれば大丈夫ですが、人のためのレシピで作られた料理や加工食品などは、犬の健康に良くないものが使われていたり、犬が食べると特定の成分を摂り過ぎたりすることが多いので、犬には与えないようにしましょう。
犬がケチャップを食べてしまった時の症状
犬の体格と食べてしまった量によっては、特に問題が起こらないことも多くあります。しかし、ケチャップに含まれる成分が犬の体に異常をきたす場合は、以下のような症状が見られます。
ケチャップに含まれている玉ねぎの成分は、血液中の赤血球を酸化させ、ヘモグロビンや赤血球そのものを壊し、いわゆる貧血の状態にしてしまいます。
玉ねぎ中毒が起こった場合、元気がない、下痢や嘔吐などが現れますが、重症の場合には、血尿や呼吸困難、けいれんなどの症状が出てきます。体がふらついたり歯肉が白っぽい場合などは非常に危険な状態だと考えられます。
特に体の小さな子犬や超小型犬では、少しの量でも命の危険がある量となってしまうことがあります。このような玉ねぎやにんにくなどを含んだケチャップを犬が口にすることがないよう、注意が必要です。
他には、ケチャップに含まれる塩分によって、水をたくさん飲むようになることも考えられます。
犬がケチャップを食べてしまった時の対処法
まず、体の小さい犬の場合でも、ひとなめした程度であれば問題とならないことが多いでしょう。食欲や元気、尿の色などに異常が出ないか、様子を観察しましょう。
ケチャップをぺろぺろと何回もなめてしまった、ケチャップのたくさん入った料理を食べてしまった場合などでは、食べてしまった量や体格などによって差がありますが、玉ねぎ中毒の症状は食べてから数時間~数日後に現れます。
状況確認をする
万が一犬がケチャップを食べてしまったら、玉ねぎが入ってる!と、とても焦ってパニックになってしまうかもしれません。
落ち着いて、いつ、どれくらいの量食べたか、他にも食べたものはないかなど、確認できることを正確に把握し、忘れないためにメモを取りましょう。
なめた直後なら口の周りをよく洗い、ケチャップが口の中に残っていないかも確認しましょう。
動物病院へ
ひとなめしただけ、という程度でなければ、動物病院に相談した方が良いでしょう。かかりつけの病院や、信頼できる病院へまず電話をし、指示を受けましょう。様子を見ているうちに悪化した場合、中毒症状が出てからだと治療が難しくなる場合が多くなります。
誰も見ていない時に犬がケチャップを食べた場合、残った料理やゴミなどから食べてしまった量を推測しましょう。しかし、食べてしまった量が正確には分からない場合は、たくさん食べてしまっている可能性を考えて動物病院に相談した方が良いでしょう。
すでに何かしらの症状が出ている場合は、迷わず動物病院に連れて行きましょう。この場合も、やはり事前に電話連絡をしてから連れて行くと良いでしょう。電話越しに応急処置の指示があればそれに従い、落ち着いて行動しましょう。
命にかかわる緊急事態の時に愛犬を助ける方法は、速やかに適切な治療を受けさせることです。夜間や休日に診てもらえる病院を、予め調べておきましょう。
犬が注意すべきトマトケチャップ以外の調味料
ケチャップ以外にも気をつけなければいけない調味料があります。普段、身の回りにあって、ついついあげたくなってしまうものもあります。
しかし、犬が食べると健康を害する可能性が考えられるのです。
マヨネーズ
マヨネーズにはたくさんの食用油や酢、卵などが含まれており、とても高カロリーな食べ物です。もし大量に、または継続的に食べた場合には肥満の原因となる可能性があります。また、脂肪分をたくさん摂取することは、嘔吐や下痢だけではなく、膵炎を起こす原因になることがあります。卵アレルギーのある犬であれば、マヨネーズに含まれている卵でも症状が出るでしょう。
カロリーオフのマヨネーズなら大丈夫なの?と思うかもしれません。カロリーオフのマヨネーズは、通常のマヨネーズに比べてエネルギー量や脂質量は半分以下になっているものもありますが、製品によっては依然多くの脂肪を含んでいたり、様々な添加物が含まれていることがあるでしょう。
そもそも、マヨネーズは犬に与える必要は一切ありませんので、カロリーオフマヨネーズであっても犬に食べさせない方がいいでしょう。
マスタード
マスタードのような香辛料は、胃腸を刺激するので、体質や食べた量によっては胃腸障害を引き起こし、下痢や嘔吐の原因となります。
犬はにおいの強い香辛料や酸味をもともと好みませんが、何かのはずみで食べてしまったり、時には変わった食べ物を好む犬もいます。
また、マスタードは好まないけれどもソーセージ食べたさにマスタードたっぷりのホットドッグを食べてしまった、などということも起きえます。くれぐれも、人の食べ物や食材を犬が口にしてしまうことがないように注意しましょう。
醤油
醤油は主に、大豆・小麦・塩でできています。その中で犬にとって危険なのは「塩」です。人間と同様、塩分の過剰摂取はよくありません。
塩分を短時間に大量摂取すると、血液の中に含まれるナトリウムの濃度が高くなり過ぎて、塩中毒を引き起こします。塩中毒を起こすと、脳をはじめとした体の全ての臓器に影響が及び、命にかかわる恐れもあります。
また、一度の摂取は少量であっても、継続的に主食以外でも塩分を摂取すれば、塩分の摂り過ぎとなります。醤油に限らず、犬が塩分を大量に摂取しないようにしましょう。
もし醤油をなめてしまったら、量と犬の体格によってはかかりつけの病院へ電話し、すぐに連れて行った方が良い場合があります。
まとめ
犬にはケチャップを与えないようにしましょう。食べ物が体に害を及ぼす場合、食べてから症状が現れるまでに少し時間がかかることもありますし、重症だと命に関わる場合もあります。少しでも気になることがある場合は、迷わず病院へ連れて行ってあげてください。
犬にあげてもいいものかどうか迷った食べ物は、与えないという選択肢が最も安全で確実でしょう。また、犬に与えてはいけない食べ物については、なぜ与えてはいけないのかを知ることで、より愛犬を危険から守ることができます。
普段どれだけ気をつけていても、ちょっとした隙に...ということもあります。万が一、愛犬が人間の食べ物や食材を誤食してしまった時、飼い主さんには正しい判断が求められます。正しい知識で愛犬の健康を守ってあげましょう。