犬にライチを食べさせてもいい?期待できる効果や適量、与える注意点など

犬にライチを食べさせてもいい?期待できる効果や適量、与える注意点など

ライチは甘い香りがするので飼い主さんが食べていると愛犬が欲しそうに見つめてくることもあります。犬にライチを食べさせても大丈夫なのでしょうか。ライチの栄養素の効果や適量、与える時の注意点をご紹介します。

犬にライチを食べさせても大丈夫!

更に盛られたライチ

みずみずしくてプリプリとした食感がクセになるライチは、夏になると食べたくなる美味しい南国フルーツです。爽やかな甘さが特徴で、香りにつられて寄ってくる愛犬もいるでしょう。

ライチは犬も食べられる果物です。健康に良い効果が期待できる栄養素も含まれているので、飼い主さんも愛犬も一緒に美味しく食べましょう。

ただし、愛犬がライチを気に入っても好きなだけ食べさせて良いという訳ではありません。それぞれの犬の体格に合った適量を守ることが大切です。

また、犬が食べる際には注意点もあるので、飼い主さんが与える時にしっかり気をつけて、安全に食べさせるようにしてください。

犬がライチを食べることで期待できる効果

免疫力アップ

ライチには、美容や健康に良い栄養素が多く含まれています。期待できる主な効果と栄養素を解説するので、愛犬のために役立ちそうな効果がないか確認してみてください。

貧血予防に効果的

ライチは葉酸の含有量が果物の中でもトップクラスを誇ります。葉酸はビタミンB群の一種で赤血球を作ったり、細胞を生成したりする働きをしています。

赤血球を作り出せることから、通称「造血のビタミン」と呼ばれる成分で貧血予防効果が期待できます。

犬の普段の食事からは葉酸を摂取することがあまりできないため、ライチのような葉酸が豊富な食べ物を与えて足りない分を補ってあげることが大切です。

葉酸は代謝が活発な子犬や妊娠中の犬は、特に気をつけて摂取するようにしたい栄養素です。妊娠中に葉酸を十分に摂取できることは、胎児が正常に成長することにつながるので奇形のリスクを減らせます。

子犬や妊娠中の犬はデリケートなので、ライチを与える時はお腹の調子をくずさないかをいつも以上に様子をチェックしつつ与えてください。

免疫力アップと老化防止で元気で長生きに

ライチはビタミンCが豊富です。ビタミンCは、免疫力をあげてくれる効果があるので、病気にかかりにくい丈夫な体を作ることができます。

また、酸化ストレスから体を守って老化を防止してくれるので、愛犬にいつまでも若々しく元気でいて欲しい飼い主さんにはうれしい成分です。

「ビタミンC」といえば、美容効果の高さでも知られています。これはビタミンCには、コラーゲンの生成をサポートする働きもあるからです。コラーゲンはハリのあるキレイな肌を作るだけでなく、関節炎を改善する効果も期待できます。

関節が健康的な状態に保たれると、高齢になっても愛犬が元気に歩くことができるので積極的に摂取したい成分です。

犬は体内でビタミンCを生成することができますが、食べ物から一切取らなくても十分な量を保持できるとはいえません。特に病気で体調を崩している犬や高齢の犬は、自力で生成できるビタミンCの量が低下しているので、食べやすいもので補給してあげる必要があります。

ライチはさっぱりしているのに甘さもあって、ジューシーなので食欲が落ちているときでも食べやすい果物です。愛犬のビタミンCの補給にぜひ取り入れてみてください。

心臓や腎臓の病気を予防できる

ライチに含まれるカリウムはミネラルの一種で、細胞が正常に働くように整えてくれます。カリウムには体内の余分な塩分を排出する作用もあるため、血圧を下げて心臓に余計な負荷がかからないようにする働きもしています。

カリウムとナトリウム(塩分)をバランスよく摂取することで内臓のサポートができるので、心臓や腎臓の病気の予防効果もあるといわれています。

カリウムを過剰摂取すると、腎臓に負担がかかるという説がありますが、もともと腎臓の機能が低下している犬にとっては、過剰摂取したカリウムをスムーズに排出することが難しいため、体内にカリウムが蓄積してしまうというのが実態です。

健康な犬がカリウムの過剰摂取で腎臓を悪くするという心配はしなくて大丈夫です。ただし、腎臓に疾患がある犬にはカリウムが負担になるので摂取量には注意しましょう。

ドッグフードではなく手作りフードを食べ続けている犬は、食材に含まれるカリウムが調理の過程で水に溶けだして失われてしまっている可能性があります。カリウム不足にならないように、カリウムを含む食べ物も適度に与えましょう。

キレイで健康な皮膚を保つ

ライチにはポリフェノールの一種であるロイコシアニジンという成分も含まれています。

ポリフェノールは抗酸化作用があり、アンチエイジングや美白効果が高いことで注目されている成分です。ポリフェノールを多く含む赤ワインを飲むと美しくなれると、美容に関心の高い女性の間で話題になったこともあります。

犬にとって、ロイコシアニジンがどのように作用するかは今のところはっきりとわかってはいませんが、人間と同じように作用するなら老化を抑制し、キレイで健康な皮膚を保つ効果があるのではないかと期待できます。

犬に食べさせてもいいライチの量

犬に食べさせてもいいライチの量

犬が食べてもいいライチの量は、犬の体格ごとに異なります。ここでは、ライチ1個を皮や種を取り除いた状態で約15gと仮定した上で、一度に何個のライチを与えてもいいか上限の目安をご紹介します。

  • 超小型犬(4kg未満) :1/4~1/2個
  • 小型犬 (10kg以下):1個
  • 中型犬 (25kg以下):1~2個
  • 大型犬 (25kg以上):2~3個

海外産の輸入ライチは1個が15gほどですが、国内産のライチはもっと1個が大きい場合もあるので、大きめのライチを与える時は個数よりも重さを基準に調整してください。

また消化器官が未発達の子犬は、体重に見合った量のライチを与えても消化不良を起こす可能性があります。まずは、ごく少量を与えて下痢や嘔吐などの症状が出ないか様子を見てください。

もしも、便が緩かったり体調がいつもと違ったりすることに気づいたら、ライチをそれ以上与えるのはやめておきましょう。

消化不良が心配な場合は子犬のうちは与えずに、成犬になって消化器官が丈夫になってから食べさせてあげるとよいでしょう。

犬にライチを食べさせる時の与え方と注意点

注意点

健康や美容への良い効果が期待できるライチですが、犬に食べさせる時には気をつけたい点もいくつかあります。愛犬が安全に美味しくライチを食べられるように注意点を押さえておきましょう。

完熟したライチを選んで適量を守る

ライチには植物性自然毒のヒポグリシンという成分が含まれています。ヒポグリシンの過剰摂取により、血中グルコース値が著しく低下したことで「ライチ病」と呼ばれる低血糖症になった事例もあり注意が必要です。

報告によると、空腹を満たすために一日中ライチを食べ続けた海外の子どもたち複数人が脳炎を引き起こし死に至ったという事故があったとされています。

一般的に大量のライチを一日に食べてしまうということはまず考えられませんが、どのくらいの量のヒポグリシンを摂取すると中毒症状が出るのかは不明なので、適量を越えてライチ食べることは人間にとっても犬にとっても避けるべきです。

ヒポグリシンは未成熟のライチに多く含まれるので、ライチは完熟したものを選んで食べさせましょう。

そして一度に大量に与えないことと、空腹時に与えないことに気をつけてください。空腹時はただでさえ血糖値が低くなっているので、ライチを食べることでより血糖値が下がり命にかかわるほどの低血糖になってしまう危険性があります。

皮と種は取り除き、果実のみを与える

ライチを犬に与える時には、皮と種は取り除きましょう。皮や種は消化に悪く、犬の消化器官は人間ほど消化吸収能力がないので消化不良を起こしてしまう可能性があります。

またライチの種には、アミグダリンという化合物が含まれており、摂取すると急性中毒を引き起こすことがあるので注意しましょう。

皮や種が喉に詰まる危険性をなくすためにも、愛犬に食べさせる前に処理しておきましょう。果実は柔らかいので食べやすく、お腹の負担にもなりません。

アレルギーがないか確認する

どのような食べ物でも、アレルギーに注意しなくてはなりません。ライチを食べ慣れていない犬に与える際には、少量ずつ与えて体調に変化がないか様子を見ましょう。

ライチを食べた後で嘔吐する、下痢をする、体をかゆがる、目や耳が赤くなる、フケが出るなどの異常が現れたらアレルギーである可能性が高いです。それ以上ライチを与えるのはやめましょう。アレルギー症状が重いようなら動物病院に相談してください。

はじめて食べたときに問題がなくても、続けて食べているうちにアレルギー症状が出てしまうケースもあります。異常に早く気づけるように、愛犬の体調チェックは習慣にしましょう。

普段から様々な食べ物を愛犬に与える機会が多いという場合は、思い切って動物病院でアレルギー検査を受けてみるのもおすすめです。体質に合わない食材がハッキリすることで、手作りフードのレシピやおやつに何をあげるかを考えやすくなります。

またアレルギーではなくても、慣れない食べ物で消化不良を起こして下痢をしてしまうこともあるので、アレルギー検査でライチを食べても問題がないとわかっている場合でも、はじめて食べさせる時はごく少量を与えて様子を見て、少しずつ量を増やしていきましょう。

冷凍ライチはしっかり解凍してから与える

市販のライチは冷凍のものも多く流通しています。冷凍の果物も十分美味しいのでよく食べているという方もいるでしょう。

犬に冷凍ライチを与える時には、しっかり解凍された状態で食べさせるようにしてください。解凍しきれていないライチを食べるとお腹を冷やしてしまう可能性があります。

お腹が冷えると腹痛や下痢の原因になるので、冷たすぎる食べ物は与えないでください。

ライチを使った加工品は与えない

ライチジュースやライチゼリーのようにライチを使用した製品があります。人間にとって美味しいように加工された製品には、予想以上の砂糖が入っていたり香料が使用されていたりすることが多いです。

犬の体にとって人間用の加工品は健康上よくないので、食べさせないようにしましょう。ライチゼリーなど犬用に作れるデザートのレシピもネット上で見つけられるので、愛犬に食べさせてあげたい場合は手作りするのがおすすめです。

まとめ

飼い主とご飯を食べている犬

みずみずしくて甘いライチは飼い主さんも犬も一緒に食べたい果物のひとつです。栄養素も豊富なので、美味しく食べながら健康の促進を目指せます。

貧血予防や免疫力アップ、老化防止などの様々な効果が期待できる一方で、食べすぎると「ライチ病」と呼ばれる低血糖症を引き起こしてしまう危険性もあります。

愛犬の安全のために、ライチはそれぞれの犬の体格に合った適量を守って与えるよう心がけてください。

また皮と種を取り除いて果実のみを与える、冷凍ライチはお腹を冷やさないようにしっかり解凍してから食べさせる、アレルギーの可能性があるので体調をチェックしつつ与える、ゼリーなどの加工品は砂糖や香料が含まれているので犬には与えないという注意点も忘れないようにしましょう。

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