犬はカシューナッツを食べてはいけない!
カシューナッツを含むナッツ類は栄養価がとても高く、ダイエット効果や健康面からも最近注目されている食材です。そのため、犬にも健康に良さそうなイメージがあり、食べられるのか気になるかと思います。
ですが、犬がカシューナッツなどのナッツ類を食べてしまうと、体調を崩してしまったり命に関わる危険性があります。ナッツといっても様々な種類があり、代表なものを以下にあげてみました。
- カシューナッツ
- アーモンド
- ピーナッツ
- くるみ
- マカダミアナッツ
- ピーカンナッツ
このナッツ類の中でも、特に「マカダミアナッツ」と「ピーカンナッツ」は、犬が食べてしまうと摂取量にもよりますが、中毒成分が含まれており命を落としてしまう危険性があるため絶対に食べさせていけません。
カシューナッツに関しても食べてしまうことで、犬の健康に悪影響を及ぼす危険性があるため控えるようにしましょう。
犬にカシューナッツを与えない方がいい理由
中毒成分が含まれている
カシューナッツに関しては、直接害を及ぼす中毒成分が含まれていませんが、マカダミアナッツには中毒成分が入っており大変危険です。
また、ピーカンナッツでは「ジュクロン」という中毒成分が含まれており、食べてしまうと消化器症状を起こしてしまいます。
中毒症状には、下痢や嘔吐のほかにもケイレンや発熱、食欲不振、元気喪失などの症状が現れ、最悪の場合は死亡する危険があります。
腸閉塞を起こす危険性
基本的に犬は食べ物をほぼ丸飲みして食べる傾向があります。そのため、カシューナッツをあまり噛まずに丸飲みしてしまうと消化管に詰まり、腸閉塞を起こしてしまう危険性があります。
完全に消化管が閉塞を起こしてしまうと激しい嘔吐が続いたり、閉塞部分の血行が悪く壊死してしまうため緊急手術が必要になります。
アレルギーを引き起こす
ナッツの種類や摂取量などにもよりますが、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。アレルギー反応には皮膚が激しく痒がったり、目や口周りが腫れるなどの皮膚症状のほか、下痢や嘔吐の消化器症状などがあげられます。
しかし稀ですが、重症化するアナフィラキシー反応を起こしてしまう可能性があります。血圧の低下などのショック状態に陥り、最悪の場合は命を落としてしまいます。
消化不良を起こす
カシューナッツは消化しにくいため、食べてしまうと胃腸に負担がかかってしまい、下痢や嘔吐といった消化器症状を起こす原因になります。
カシューナッツのみならず、ナッツ類の代表的なアーモンドやくるみも同様で消化によくありません。そのため犬にアーモンドやくるみを食べてしまう場合も消化不良を起こすことがあります。
肥満の原因になる
カシューナッツは栄養価が高い分、含まれている脂質は非常に高く、100gあたりおよそ43gといわれています。脂質は生きるうえで欠かせない栄養素の1つでもありますが、過剰摂取してしまうと、高脂血症や脂質異常症、膵炎を引き起こす原因になってしまいます。
また、カシューナッツは脂質だけではなくカロリーも非常に高いため、犬にカシューナッツをたくさん与えてしまうとカロリーオーバーとなり、肥満になる原因にもなります。
たとえ少量でも数粒で1日に必要なカロリーを簡単に超えてしまうため、肥満のリスクが高くなります。
カシューナッツだけではなく、ピーナッツも中にはバターなどで加工しているものが多いため、塩分過剰により体に悪影響を及ぼしてしまいます。
特に、犬に多い心臓病や腎臓病を患っている場合はさらに危険性が高くなり、重症化する場合があります。
犬にとって危険なカシューナッツの摂取量
具体的に、どれくらいの量のカシューナッツ、またはナッツ類を食べて中毒症状を起こしてしまうのは個体差があり、症状が現れるまでの時間も異なる傾向がみられます。
ですが、ある調査では犬に危険なマカダミアナッツを体重1kgあたり0.7gぐらいの量を摂取して中毒症状を起こしたケースが報告されています。
カシューナッツやアーモンドなどは、中毒症状を引き起こす成分が含まれておりませんが、硬く粒自体が大きいため、飲み込んで気管に詰まる恐れがあります。
特に体格が小さな小型犬では、たった1粒でも大きいまま飲み込んで気管に詰まり、窒息する危険性が非常に高いです。
犬が誤ってカシューナッツを食べた時の対処法
動物病院に受診する
飼い主さんが、犬にカシューナッツを直接与えてしまう場合もありますが、多くはテーブルやキッチンに置きっぱなしの時に誤って食べてしまうケースです。
また、飼い主さんが留守中にイタズラしたり、ゴミ箱をあさって誤食してしまうケースも多くみられます。犬が下痢や嘔吐などの症状がみられた際は、すぐに動物病院へ受診するようにしてください。
もし、何かしらの症状がみられない場合でも今後症状がでてきたり、摂取量や粒の大きさによっては命に関わってくる可能性も考えられるため、念のため動物病院に連れていくようにしてください。
いつ、どれくらいの量を食べたか確認する
犬がいつ、どれくらいのカシューナッツを食べたか、しっかり確認しておく必要があります。致死量は、犬の体重や年齢、体質、犬種などによって異なるため、パッケージの残量や家族間での情報共有することも非常に大切です。
カシューナッツといっても加工していないものなのか、あるいはバターやチョコレートなどでコーティングされているもの、ほかの種類のナッツもミックスされたものなど様々あるため商品名もきちんと確認しておくことも非常に大事です。
あらかじめ確認しておくことで、落ち着いて獣医師に正しく伝えることができ、迅速で適切な治療につながります。
犬がいる周辺に危険なものがないかチェックする
カシューナッツだけでなく犬にとって危険なものが日常生活にたくさんあります。テーブルやキッチンの上に置きっぱなしにするなど、犬の手に届く範囲にあると誤飲事故につながりますので周辺に危険なものがないか注意してください。
食べ物以外でもお菓子の包装紙や串、おもちゃの破片、クッションの綿、最近ではマスクなども誤飲するケースが多くみられます。
ほかにも、観葉植物でも中毒をひきおこすものもあれば、タバコや洗剤なども危険です。犬がいる周辺に危険なものを置かないようにしたり、すぐに片付ける習慣をつける、留守中はゲージに入れるなどの防止対策をおこなうことも大事です。
まとめ
カシューナッツを含むナッツ類は栄養価が高いこともあるため、一見犬にも健康に良いイメージがあると思います。しかしカシューナッツは消化が悪いため消化不良を起こしたり、脂質やカロリーが高いため肥満の原因になるなど様々な理由から与えない方がいいです。
また、カシューナッツだけではなくアーモンドやピーナッツなどのナッツ類も、犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があったり、マカダミアナッツなど中毒成分が含まれているものもあります。
もし、犬がカシューナッツなどのナッツ類を食べてしまった場合は、症状の有無に関わらずすぐに動物病院に受診、電話してください。
カシューナッツ以外にも犬にとって危険なものが日常生活にたくさんあり、誤飲事故を引き起こす原因につながります。普段からテーブルやキッチンなどに置きっぱなしにしないなど、犬がいる周辺に危険なものがないように気をつけましょう。