犬が『骨のおやつ』で死亡する?!実際にあった事例を解説

犬が『骨のおやつ』で死亡する?!実際にあった事例を解説

犬の骨のおやつによる死亡事故が増加しているという警告が、米国政府機関によって出されました。犬が喜んで食べるはずの骨のおやつはなぜ危険なのでしょうか?また、どのようなことに気をつけて与えればいいのでしょうか。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬が骨のおやつで死亡する事故が増加

ベッドの上でおやつをかじるビーグル犬

米食品医薬品局(FDA)が、犬用おやつによって起こる死亡事故が増加していることを確認し、特定のおやつが犬を死亡させる可能性があることを指摘しています。特定のおやつに当たるものは牛や豚、鶏などの骨を使用したもので、骨を加工したり他の素材を骨でコーティングしたりしたおやつに、その危険があると警告を出しています。

FDAによると、それらの骨タイプのおやつによって2015年に8匹、2016年に15匹の犬が死亡していることが確認されています。この他にも70匹が病気になったり誤飲事故を起こしたりしているとされています。

報告によると、骨タイプのおやつを食べた犬が喉に詰まらせて窒息したり、消化不良を起こして消化器官に傷をつけたり負担をかけたりするとのこと。犬はしっかり噛んでいるように見えても、大きな塊のまま飲み込んでしまうことが多く、その他にも長い期間をかけて食べることでおやつにカビが生えてしまっていることなどもあるとされています。

犬の骨のおやつはなぜ危険?

大きな骨をかじる白い犬

骨タイプのおやつは、犬のおやつとして定番とも言えるほど人気があります。しかし、FDAから死亡例が増加されているという警告が出され、不安に感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか?

犬の骨のおやつによる危険を避けるためには、まずなぜ骨が犬にとって危険なのかという理由を知ることが大切だと思います。

理由は大きく分けて2つあります。1つ目の原因として考えられるのは、骨が喉に詰まって窒息してしまう急性の食道閉塞の可能性です。

2つ目は、とがった骨によって消化器官が傷つけられてしまったり、大きい状態に飲み込んでしまうことで消化不良を起こしてしまったりすることが考えられます。当然のことながら骨のおやつはとても硬く、太さによっては簡単に噛み砕くことはできず、長時間かけて少しずつ削り取るようにして食べることになります。

しかし、早く食べたい気持ちが強かったり、飼い主さんや同居犬に取られないように慌てて食べたりすることで、大きな塊のまま飲み込んでしまうことがあるのです。食道閉塞が起きた場合、直後から大量のよだれを垂らしたり嘔吐したりするような仕草が見られます。次第に呼吸困難を起こして最悪の場合、死に至ります。

犬に骨のおやつを安全に与える方法

人が持つおやつのガムを噛むコーギー

骨を含め、牛皮で作られたガムなど硬く大きな犬のおやつは長く楽しむことができるため、多くの飼い主さんが与えていると思います。これらのおやつを安全に食べさせるためには、いくつか注意しておくべきことがあります。

あまりにも太く硬すぎるものは犬の歯が折れたりエナメル質が削れたりしてしまうことがありますし、かみ砕くことができないことで丸飲みしようとしてしまう犬もいるので注意が必要です。

特に気をつけたいのがまっすぐ伸びた部分の両サイドが丸くなっている牛骨や両サイドが結んである牛皮ガムなどは、丸い部分を飲み込んでしまいがちなので十分気をつけなければなりません。

また、食べさせるときにも犬に与えっぱなしにするのではなく、犬がどのように食べているか観察したり、骨を手で持って反対側を犬にかじらせたりするなどして、丸飲みしないようにしましょう。

特に初めて食べるおやつは犬も食べ方もわからず勢いで食べようとして飲み込んで喉に詰まらせることが多いので、必ず飼い主さんの監視下で食べる練習をさせてください。万が一喉に詰まらせた場合に備えて、初めてのおやつを留守番中に与えることはできるだけ避けましょう。

まとめ

舌を出しているチワワ

骨のおやつは犬も喜んで食べますし、静かにしていてほしいときなどにもとても便利です。しかし、選び方や与え方によっては犬の健康はおろか命さえも脅かしかねないということを忘れないようにしましょう。上手に与えて安全におやつを楽しむことができるように、観察と配慮を心がけましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    50代以上 男性 ただ犬

    ケ○タ○キーの食べかすを今から40年位前におやつ代わりに与えていて、ある日、急に夕食を食べなくなり、水も飲まなくなりました。おかしいなと思って閉院間際の時間だったけど獣医に見せたら獣医が一にあずかるといっていろいろ検査をしてくれました。食道や胃が傷をしていて食欲が減退し、水も飲まなくなっていたことがわかり、それからは骨を与えるのはやめました。

    一番最初に飼った犬は飼い主の無知のせいでいろいろと迷惑をかけました。
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