犬に飲ませても良い水
水道水
犬に飲ませても良い水の中で、最も一般的なのが水道水です。水道水には消毒に使われる塩素や、発がん性物質でもあるトリハロメタンが含まれているため「犬に飲ませるのは危険」という考えを持った飼い主の方もいるでしょう。
ですが、安心してください。日本の蛇口から出てくる水道水は、残留塩素やトリハロメタンは水質基準値以下であるとされています。人間はもちろん犬も安心して飲むことができます。
軟水
犬に水道水を飲ませることに少し不安があるという飼い主の方には、軟水がおすすめです。スーパーやコンビニなどでペットボトルに入った軟水を手軽に買うことができますし、家庭用軟水器、ウォーターサーバーなどでも手軽に軟水を取り入れることができます。
注意したいのは、犬に硬水を飲ませてしまうことです。硬水にはカルシウムやマグネシウムなどが含まれており、尿管結石や尿石症を誘発する可能性があります。水を選ぶときは硬度が0~60mg/L未満のものであることを確認しましょう。
水素水
美容や健康に良いと、近年注目を集めている水素水も、犬に飲ませることができる水です。水素水とは、水素分子のガスを高濃度に溶かした水のことで、体内にある有害な活性酸素を除去する働きが期待できる水です。
水素水は犬の腎疾患、白内障、アレルギーなどに効果があったという報告もあります。最近では、水素水をすすめる獣医師も多くなってきていますが、現段階でははっきりとした効果は実証されていません。
犬に水素水を飲ませる場合は、ペット用の水素水を選びましょう。ペット用の水素水にはミネラル成分が含まれていません。腎臓病を患っている犬に、リン、カリウム、ナトリウムなどのミネラル成分を飲ませると体内に蓄積され死に至る場合もあるので注意が必要です。
ペット用飲料水
犬に飲ませる水として、ペット用に作られた飲料水を選ぶ飼い主の方も多いことでしょう。多くのメーカーから販売されており、ミネラル成分を全く含まない超軟水、海洋深層水や天然水など、種類もさまざまあります。
ペットの体臭や排泄物などの臭いを抑える効果や、免疫を高める効果、毛艶の改善効果があるものなど、犬の健康維持のサポートを目的とした飲料水も多く販売されています。
犬が1日に必要な水分量
犬が1日に必要な水分量は、「体重の0.75乗×132」で求めることができます。
1日に必要な水分量例
- 超小型犬(体重4kg程度)約440ml
- 小型犬(体重10kg程度)約740ml
- 中型犬(体重25kg程度)約1,500ml
- 大型犬(体重30kg程度)約1,700ml
これはあくまでも目安で、食事内容や犬の個体差によりばらつきがあります。ですが、1日に必要な水分量を知っておくと、飲む量が少ないときや飲み過ぎの判断がつきやすくなります。犬の体調の変化にも気づきやすくなるので、日頃からどれぐらいの水分量を摂取しているか、しっかり観察しておきましょう。
犬が水をよく飲む原因
暑さ対策
犬は人間のように汗をかいて体から熱を追い出すことができないので、体を冷やすためにたくさん水を飲むことがあります。舌を出してハァハァと呼吸をするパンティングや、冷たい場所に寝転ぶことも、犬が体を冷やすための手段です。
犬の平熱は37.5~39度で、40度以上になると熱中症になってしまう恐れがあります。そのため、特に夏場は水を切らさないように注意しましょう。
食事の変化
犬は食事内容の変化に応じて水をよく飲むことがあります。缶詰などのウェットフードからドライフードに変えたときや、以前よりも塩分の多いメニューに変えたときなどに、水を飲む量が増えます。
これは喉が渇いていることが原因なので、あまり心配はいらないでしょう。対策として、ドライフードに少量のお湯を加えふやかして水分を含ませる、塩分が高くならないようなメニューに変更するなどの方法があります。
薬の影響
犬が水をよく飲む原因の1つとして、薬の影響も考えられます。アトピー性皮膚炎の治療、皮膚の痒み止めなどとして処方されるステロイド剤や、心不全の治療に使う薬は利尿作用があるため、水を欲しがります。
おしっこの量が増えると体内の水分が多く排出されるため、水を多く飲むようになります。この場合は、水を飲む量が少ないと脱水症状を引き起こすことがあるので、平均水分量よりも多めに水を飲ませてあげましょう。
ストレス
犬が水をよく飲む原因として、思いのほか多いのがストレスです。飼い主の気を引きたい時や、近所で騒音のする工事が始まった時、お留守番の時間が長くなった時など、精神的に不安定になると水をよく飲む場合があります。
対策としては、ストレスの原因を突き止め、取り除いてあげることが一番です。それができない場合にはスキンシップをはかるなど積極的にコミュニケーションをとって、安心感を与えてあげると良いでしょう。
病気の影響
犬が水をよく飲むようになったけれども、原因がわからないということもあります。その場合は、病気が影響していることもあります。多飲多尿以外に体重減少、食欲減退、嘔吐、体表のしこり、毛薄や被毛の艶がなくなるといったような症状がある場合は早めに獣医に診察してもらいましょう。
こうした症状が見られる場合は、腎臓病や子宮蓄膿症、糖尿病などの病気が疑われます。早期発見、早期治療はその後の犬との生活にも大きく影響します。普段から犬の様子を観察しておくことが大切です。
犬が水を飲まない原因
生活環境
生活環境が原因で犬が水を飲まないことがあります。引っ越しをして新しい環境に慣れない時や、排泄のタイミングがなく我慢してしまう時などによくあるようです。また、水道水など水質の変化により水を飲まなくなることもあります。
こういった場合、しばらくは1匹でお留守番させないようにする、散歩の回数を増やす、室内のトイレを教える、犬用の飲料水に変えてみるなど、原因に合わせた対策を取り様子を見てみましょう。
気温の変化
夏と比べて、冬は水を飲む量が少なくなることがあります。気温の変化によるものなのであまり心配はいりませんが、1日の水分摂取量よりも大幅に少なかったり、全く飲まなかったりするときは注意が必要です。
犬は喉が渇かないと水を飲まない傾向にあるので、飼い主が水分摂取量を管理してあげましょう。犬も寒い冬に冷たい水を飲むのは嫌なものです。ぬるま湯、または室温と同じくらいの温度の水を用意してあげましょう。
加齢
老犬になると、食事の量とともに水を飲む量が減ってくる場合もあります。年をとると代謝が落ちて、1日中あまり動かないようになるためと言われています。水を全く飲まないというのは心配ですが、少ないながらも毎日一定量を飲んでいるのであればさほど問題はないでしょう。
おしっこの色が濃い黄色になっていたら水分不足である可能性があります。水分の多い食事に変えてみたり、少量の果汁を水に混ぜてみたりと工夫をして、水分補給を促してあげましょう。
病気や手術後の痛み
病気や手術後は痛みが原因で、犬が水を飲みたくても飲めない場合もあります。特に避妊手術後、去勢手術後が多い傾向にあります。
ヘルニアや骨折を患っているときも、水を飲む姿勢になると痛みが走り、水を飲まなくなることがあります。無理のない姿勢で水が飲めるように、水飲み場の設置方法や高さを変えてあげると良いでしょう。それでも犬が水を飲まない場合には、すぐに獣医師に診察してもらいましょう。
犬に水を飲ませる方法
犬に水を飲ませるグッズとして、オーソドックスな器型やウォーターディスペンサーなどいろいろなタイプの商品が販売されています。犬が水を飲んだ時に咽るような場合は、設置場所が低すぎたり高すぎたりしているかもしれません。
そのままにしておくと首の頸椎を痛める恐れや、水を飲まなくなる可能性もあります。高さを調節してあげたり、他の水飲み用グッズを試したりしてみるなど対策しましょう。
また、水の温度は冷たすぎても熱すぎても良くありません。常温がベストですが、暑い日には少し冷たい水をあげるなど、季節に応じて温度を調節してあげましょう。また、ほこりやよだれなどで水が汚れやすいので、定期的にきれいな水に交換してあげましょう。
犬の水飲みおすすめ商品9選
1. ヘルスウォーター ボウル
独特の深い色味が美しいこの商品は、天然希土類元素の成分を含む鉱物と、バイオセラミックスから作られた人工機能石を、高温で焼成した陶器製のウォーターボウルです。
時間をおくほど水がおいしく変化していくとされており、あまり水を飲まなかった犬が水をたくさん飲むようになったなど、多くのレビューが集まる、人気の水飲みボウルです。
2. マギッソ ペットウォーターボウル
マギッソペットウォーターボウルは、自然冷却機能を備えた水飲みボウルです。メーカー独自の高い冷却効果を持つクーリングセラミックス素材を使用しており、使用前に本体に水を1分程しみこませると、蒸発する際の気化熱の働きで冷却効果が期待できます。
一度ボウルを冷やすと約1.5時間温度をキープすることが可能です。夏場、犬にお留守番をさせることが多い飼い主の方におすすめの商品です。
3. リッチェル ウォーターディッシュ
リッチェルウォーターディッシュは、ゲージに取り付けて使用するタイプの商品です。ゲージに固定できるので、犬が水を飲んでいるときに水をこぼしてしまう心配がありません。
また、ボトルには目盛りがついており、どれくらい水を飲んだかが一目でわかります。飼っている犬に合わせて高さを微調整できる点も人気のようです。犬の健康管理に気をつけている飼い主の方におすすめの給水器です。
4. ボンビ 給水ノズル
ボンビ給水ノズルは、ペットボトルを貯水タンクとして使用できる給水器です。ミルキーカラーのブラウン、グリーン、ブルー、ピンクのカラーバリエーションがあり、見た目もキュートです。
ゲージに取り付けて使うタイプで、犬の飲みやすい高さに合わせて使用することができます。また、ノズルの先にはキャップがついており、散歩などの外出にも持ち運びができます。2Lまでのペットボトルが装着可能です。
5. ジェックスピュアクリスタル
ジェックスのピュアクリスタルは、ピンク×ホワイトの循環式給水器です。水がキラキラと輝きながら循環する様子は、名前の通りクリスタルを連想させます。
循環しながら水をフィルターに通すことにより、犬の食べかすやほこりを濾過し、いつでも清潔な水を飲むことができます。容器は半透明になっているので、水の残量が一目でわかります。お手入れもしやすく、カートリッジの交換も簡単にできます。
6. セルフウォーター1500
セルフウォーター1500の魅力はとにかく経済的なことです。犬が飲んで水量が減ると、一定の水位までペットボトルから自動的に給水される仕組みになっています。
貯水用のペットボトルは500mlから2Lのものを使用することができます。容器は洗いやすいポリプロピレン製なので、お手入れも簡単です。
7. ハリオ ワンコプレート
ハリオのワンコプレートは、楕円形のボウルが特徴です。ミニチュアダックスフンドやトイプードルなどの鼻が長い犬種、パピヨンやシーズーなどの垂れ耳の犬種が水を飲みやすいように開発されました。
器は日本が誇る有田焼で作られており、食洗器の使用も可能です。スタンドはシリコン製で、水を飲んでいる時に器がずれる心配がありません。衛生面と安定性を兼ね備えたおすすめの商品です。
8. フードボウル スタンドセット
towerは、キッチンや水回りなどの生活雑貨を取り扱うメーカーとして有名ですが、ペット用の雑貨も販売しています。このフードボウルは取り外し可能な2つのボウルが一体化しており、フードと水、おやつと水など組み合わせ次第で使い分けることができます。
ボウルは陶器製、フレームはスチール製で、一見犬のフードボウルには見えないシンプルでモダンなデザインです。インテリアの雰囲気を邪魔することがなく、生活感を出したくない飼い主の方におすすめです。
9. PETKITウォーターボトル
PETKITウォーターボトルは、散歩中に犬に水を飲ませるときに便利な給水器です。リードを持ったままでも片手で水をあげられる使い勝手の良さがポイントです。ロック機能もあり、飲み残しの水が漏れることもなく、安全に持ち運びすることができます。
ココナッツ活性炭フィルターが水を循環してくれるので、散歩中でもおいしい水を飲ませることができます。コンパクトなデザインながらも、犬が水を飲むときの特性を考慮した飲みやすい形状になっており、機能性にも優れた商品です。
まとめ
水の種類は多く、犬にどのような水を飲ませるのか選択肢もたくさんあります。しかし、水の種類や与え方を間違えると思わぬ病気やケガにつながる場合もあるため、飼い主がきちんと犬に与える水について知っておくことが必要です。
犬も日々成長していくので、体格に変化が表れたときには、水の飲み方にも注意して、飲みにくそうな場合は対策をしてあげましょう。犬にお留守番をさせる場合には水を切らさないようにたっぷりと貯水してくことを忘れないでおきたいですね。