オリーブオイル、亜麻仁油など、人間の健康に良いと推奨されるオイル食品が近年多く販売されています。実際に毎日、健康のためにと摂取されている方も多いのではないでしょうか。
私たち人間はもちろんですが、愛犬家としては犬の健康にも気を遣ってやりたいもの。なるべく健康に長生きすることを願う方がほとんどでしょう。では、人間にとって健康を増幅させるオイル類は、犬にとってはどう影響するのでしょうか。
犬に油を与えても大丈夫?
犬に油分を与えると聞くと、少し悪いイメージが湧きませんか?確かに油の摂りすぎは、肥満の原因となり、いろいろな病気の原因にもなりますが、これは長期間にわたって、または一度に多量の油を飲んだりしてしまった場合。適度な量であれば問題はありません。実際、ドッグフードには油が使われているものが多く、被毛や皮膚の健康を保つ役割をしています。ドライフードは、見た目もテカテカと艶のあるものが多いですね。
ただし、この油は空気に触れると酸化し、劣化してしまいます。劣化した油は体に悪く、動脈硬化や活性酸素増加の原因となることも。ドッグフードの開封後はなるべく空気に触れないよう、保存方法に工夫が必要です。
犬に与えてもいい油と健康効果・注意点
スーパーフードといった健康食材がブームを起こし、様々なオイル類が人間の健康に良いと指示されるようになりました。テレビやメディアでも、ダイエットや病気予防にと、よく取り上げられていますね。では、こういったオイル類は、犬にとってはどうなのでしょうか。
結論を言うと、人間にとって体に良いとされるオイルには、犬にとってもメリットがあるものが多く、与え方に気を付ければ、犬の健康増進にもつながり得ます。
ここで犬に摂取させて良いオイル類を紹介します。それぞれ与えるのは、人間と同じもので構いませんが、多くても一日に小さなスプーン一杯分程度にしましょう。小型犬なら小さじ半分または4分の1程度でも良いようです。愛犬の様子を見ながら、フードにかけるなどして少量を与えます。また、オイルは酸化しやすいので、封を開けてから時間が経ったものは避けましょう。
亜麻仁油
亜麻仁油には、必須脂肪酸が含まれています。必須脂肪酸とは、体内では合成できず、食事から摂らなければならない脂肪酸のこと。さらにこの必須脂肪酸は、オメガ6と呼ばれるものと、オメガ3と呼ばれるものに分かれます。
どちらも健康を保つために必要なですが、オメガ3脂肪酸は、犬用のフードにはほとんど含まれていません。そして、そんなオメガ3脂肪酸を多く含むのが、亜麻仁油です。効能としては、以下のようなものが挙げられます。
- 癌の発生を抑制
- 血液をさらさらにする
- 脳や神経の働きを助ける
- アレルギー抑制
- 被毛や皮膚を美しく健康に保つ
オリーブ油
オリーブオイルは、ビタミン類の他にオレイン酸を含みます。動物性の脂質は体内で固まってしまうのですが、オレイン酸は不飽和脂肪酸の一つであり、体内で固まらないのが特徴です。血中の中性脂肪やコレステロール値の調整に役立ちます。与えすぎは下痢の原因になるので注意。効能は以下のようなものが挙げられます。
- 抗酸化作用
- 免疫力の向上
- 脳のアンチエイジング
- 被毛や皮膚の健康維持
監修栄養管理士による補足
オイル類を多く摂ると便がゆるくなる場合があるので、便の状態を見ながら量を決めるといいですね。
犬と油・まとめ
犬とオイル類の効果について書いてきましたが、身体に良いと言われる健康食品であっても、スーパーフードであっても、適切な条件で与えることが大切です。どんなものでも、与えすぎは良くありません。
犬にオイル類を与えるときは、個体の健康状態や体質を鑑みた上で、適切な種類のものを適量与えるようにしてください。また、初めて与えるときはごく少量から与え、しばらく様子を見るようにしましょう。一部、健康に良いオイルを用いた犬用のおやつもありますので、試してみるのも良いですね。
上手くオイルを用いることで、愛犬の健康も飼い主さんの健康も保てるよう、努めていきましょう。
監修栄養管理士による補足
効果を期待するあまりに多く与えすぎるのは禁物です。個体差がありますから、うちの子にはどんなオイルが合うのか、いろいろ試すのは良いことですね。
記事で紹介したオイルの他にも、ごま油、えごま油、魚油もオメガ3が豊富に含まれ、血中コレステロールを減らす効果があります。不飽和脂肪酸を特に多く含んでいる亜麻仁油、えごま油、魚油は加熱調理には向かないので生で使いましょう。
ユーザーのコメント
女性 あんず
朝晩のご飯にほんのすこしだけオイルを垂らしてあげています。
匂いもなく抵抗なく食べてくれます。
目に見えて変わるというわけではありませんが、引き続き食べさせて行くつもりです。