ちぎったパンや残り物のご飯、愛犬にこんな炭水化物に分類される食べ物を与えたことのある方は多いのではないでしょうか。
人間が食事をするに当たって炭水化物は欠かせないものでありますが、元々は肉食であった犬にとってはどうなのでしょうか。ここでは、犬と炭水化物の関係について詳しくご紹介して参ります。
炭水化物とは
炭水化物は、炭素・水素・酸素の化合物です。衣食の原料として重要であり、体内で吸収されエネルギー源となる糖質と吸収されない食物繊維に分かれます。脂肪・たんぱく質・炭水化物は、多くの生物にとって主となる栄養素であり、「三大栄養素」と呼ばれます。
犬に炭水化物は必要か
犬に炭水化物は必要!
犬は脂肪・タンパク質・炭水化物から成る三大栄養素や、ミネラル、ビタミンを食物から摂取して健康な身体を保っています。人間と同じですね。
ただ犬と人間で必要な栄養素の割合は異なります。飼い主がこの割合を理解していないで犬に食べ物を与えていると、栄養が偏ってしまったり、肥満になったりとペットの身体を害してしまうのです。
犬は雑食の動物
元々肉食であった犬ですが、現在は雑食とされています。これは古くから人間との共同生活により、雑食性が進んだためです。三代栄養素の必要割合は人間と似ているものの、タンパク質がより多く必要となります。
犬は炭水化物の消化は苦手
犬にとって炭水化物は必要な栄養素ですが、その消化は少し苦手であると言われています。人間よりも唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素が少ないためです。
以前は、犬は炭水化物を消化できないという説が強かったのですが、近年では人間には劣るものの消化は可能であるため気にしすぎる必要はないという考え方も。つまり炭水化物は犬にとっても必要栄養素ですが、念のため、できるだけ消化しやすい与え方をした方が良いということです。
炭水化物3つの食べ物の与え方
1.米
米は加熱することで結合が崩れ、水の分子入り込みやすいくなり、消化吸収しやすく変化します。犬に与える場合はしっかりと加熱したものを人肌に冷まして与えましょう。
加熱後冷やしてしまうと、再度消化しづらい状態に戻るので注意が必要です。またカロリーが高めなので与える量にも気をつけましょう。
2.パン
人間用のパンはプレーンなものであっても、砂糖や食塩、バター、保存料などが使用されています。これらは犬にはあまり与えたくないもの。ですので人間用のパンを犬に与える事はお勧めできません。
ペットショップや一部のパン屋さんでは、犬用のパンが売られていることもあります。パンをあげたい場合はそれらを与えましょう。また小麦などに対し、アレルギーを持つ犬も。与える際は原料をよく確認し、慎重に。
3.トウモロコシ
犬のフードに使われることもあるトウモロコシ。これを犬にとって良いものではないと思われている方は多いのではないでしょうか。私も長らくそのように思っていました。しかしトウモロコシ自体は優れた食材で、犬にとっても栄養分の高い食材であるとのこと。
トウモロコシは以前、アメリカでトウモロコシの皮や髭、芯といった消化に悪い部分を使用したドッグフードが販売され、これが問題になったことから悪いイメージを持たれるようになりました。
しかし茹でたトウモロコシの人間が食べる身の部分を与える分には問題ありません。ただトウモロコシの身の部分といっても、更にその中身だけ。薄皮は与えてはいけません。
代表的な炭水化物を挙げましたが、他にも様々な食材に炭水化物が含まれています。ほとんどのドッグフードに含まれるとともに、野菜や魚類にも。
ドッグフードは犬の食事バランスを考えて作られているため、わざわざ別に米やパンを与える必要はないかもしれません。また牛乳や果物に含まれる炭水化物分は犬にとって比較的消化しにくく、お腹を壊すこともあります。
愛犬の健康のために
人間にとっての主食であり味も良いため、ついつい愛犬にも与えたくなる炭水化物食品ですが、与え方や体質、量には十分注意しましょう。犬は食べる事が大好きな動物。食べ物が身体に大きな影響を与えます。
必要な栄養素を理解した上で食べ物を与えていけば、愛犬の長寿にも繋がるのではないでしょうか。バランスの良い食事で、愛犬達が活き活きと健康な毎日を送れると良いですね。