高麗人参ってなに?
高麗人参とは、ウコギ科の多年生植物のことで、日本では朝鮮人参や、オタネニンジンともよばれます。2000年前の中国の文献に記載されているほど歴史が長い食材で、高級なものとして食べられています。
健康マニアとして有名な徳川家康や、世界三大美女の楊貴妃、天才軍師である黒田官兵衛などの偉人たちが、高麗人参を愛飲したり、研究したりしていたといわれています。
高麗人参に含まれている「サポニン」という成分が健康に良いとされ、根の形が人間の体に似ているものほど、品質が良いといわれています。老若男女問わず、健康や美容に良いといわれ、近年では美容品や栄養ドリンクに含まれることが多くなりました。
サポニンの効果
- 抗酸化作用
- 免疫力の向上
- 血流の改善により代謝向上
犬に高麗人参を与えるメリット
高麗人参は、人間の健康にとって良いとご紹介しましたが、犬の健康にも効果を発揮します。犬が高麗人参を消化吸収しやすいように研究・開発されたドッグフードや、サプリなどが販売され、注目を集めています。
被毛がキレイになる
高麗人参を食べている犬と食べていない犬の一番の違いは、被毛です。毛並みを滑らかにし、艶があらわれます。
病気の症状を緩和させる
高麗人参に含まれるサポニンには、血流を活性化する働きがあります。そのため、様々な病気を緩和したという事例も挙がっています。
例えば、フィラリアを発症した犬の場合。
フィラリアとは、蚊を媒体として血管に入った卵が孵化し、その幼虫が心臓まで流れ込んで寄生する病気で、痛みや痒みを伴うため、毛をむしってしまったり、腹水を併発してしまったり、最悪の場合、死に至る恐ろしい病気です。
このようなフィラリアで苦しむ犬に高麗人参を与えたところ、痛みや痒みなどが緩和されたというケースが発表されています。
しかし、症状の緩和までに約2年もかかったとのことから、病気の治療ではなく、予防として与えることが適切な服用だと考えられます。
「高麗人参を食べれば病気が治る」というわけではないので、病気を発症した場合は、すぐに獣医師さんに診てもらいましょう。
犬に高麗人参を与えるときの注意点
高麗人参が含まれているドッグフードやサプリを選ぶときは、サポニンの含有量を見てみましょう。またサポニンの一種である「ジンセノサイド」という成分も健康成分として挙げられます。
選ぶときは、パッケージに記載の成分表示を確認してみましょう。
人と犬では、内臓の大きさも栄養成分の吸収力も異なります。
その子に合った量をきちんと与えることが重要となります。獣医師さんと相談するのも良いかもしれません。
また、高麗人参は高級食材であるため、ドッグフードやサプリといっても他のサプリと比べて価格は高くなります。購入の際は、お財布と相談しましょう。
水参
高麗人参には、加工方法によって3種類に分類されます。水参とは生人参のことで、水分量が80%含まれています。日本でも人気の料理「サムゲタン」で使用されるのは、この水参です。水分量が多いため腐りやすく、長期保存は望めないので注意が必要です。
白参
水参の皮をそのままに、あるいは剥がした状態で乾燥させて水分量が12%以下になったものを、白参といいます。水分量が減ったとはいえ、長期保存には適しません。皮にジンセノサイドが多く含まれていることが特徴です。
紅参
水参の皮を剥がさずに蒸し、水分量が14%以下になるまで乾燥させて加工したものを、紅参といいます。
紅色になるまで乾燥することで、ジンセノサイドが増加するため、高麗人参の中でも品質の良いものとされています。長期保存もでき、人はもちろん、犬にとっても、紅参が一番効果が望めると考えられます。
まとめ
高麗人参は、病気やケガの治療に直接作用するということではなく、生まれながらにして備わっている自然治癒力を高め、体のバランスを整える働きをします。
人間と共生している犬は、その自然治癒力が低下しているといわれています。
運動不足や栄養不足、紫外線や猛暑などの外的ストレスなどの要因が、病気やケガを発症しやすい体へと退化させてしまったのです。
高麗人参を与えることで、様々な病気の予防として期待できるのではないでしょうか。
健康管理、健康維持の方法の一つとして、与えてみてはいかがでしょうか。