【獣医師監修】ウェルシュ・コーギー・ペンブロークってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

【獣医師監修】ウェルシュ・コーギー・ペンブロークってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴や性格、歴史、体の大きさ、毛色、価格相場を詳しく解説します。必要な運動量やしつけ、抜け毛のお手入れ、ブリーダーの探し方に加え、カーディガンとの違いや寿命、変性性脊髄症・椎間板ヘルニアなど注意したい病気も紹介。迎える前に知っておきたい飼育のポイントが分かります。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとは

座って正面を見つめるウェルシュ・コーギー・ペンブローク

  • 犬種名:ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(Welsh Corgi Pembroke)
  • 原産国:イギリス
  • 大きさ:中型犬
  • 体高:25~30cm
  • 体重:オス 10~12kg、メス 9~11kg
  • 被毛:短毛のダブルコート
  • 毛色:レッド、セーブル、フォーン、ブラック・アンド・タン(白いマーキングが入る場合あり)
  • 性格:明るい、活発、愛情深い、賢い、警戒心がある
  • 寿命:12~14歳ほど

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、イギリスのウェールズ地方を原産とする牧畜犬です。かつては牛などの家畜を誘導し、人の作業を支える犬として活躍してきました。

一般に「コーギー」と呼ばれる犬には、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとウェルシュ・コーギー・カーディガンの2犬種が存在します。

名前や外見には共通点がありますが、現在はそれぞれ異なる犬種として扱われています。

日本で多く見られるのはペンブロークで、家庭犬として広く親しまれています。
一方で、もともと作業犬として発展してきた犬種であるため、見た目の愛らしさだけでなく、日常的な運動やしつけ、家族とのコミュニケーションが欠かせません。

正式な英語名は「Welsh Corgi Pembroke」です。
日本では「ペンブローク」や「コーギー」と呼ばれることもありますが、「コーギー」という名称だけではカーディガンを指す場合もあるため、犬種を正確に示す際には正式名称を用いると分かりやすいでしょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴

横向きに立つウェルシュ・コーギー・ペンブローク

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、低い体高とやや長い胴体を持つ、胴長短足の体型が特徴です。小柄に見えるものの、骨格や筋肉はしっかりとしており、全体的に引き締まった力強い体つきをしています。

頭部はキツネを思わせる形で、やや丸みのある立ち耳と、いきいきとした表情の目を備えています。

胸は深く、前脚は短くまっすぐで、後ろ脚には十分な筋肉があります。後ろから見たときに丸みのあるおしりも、この犬種を印象づける特徴のひとつです。

しっぽには、生まれつき短い個体と長い個体がいます。そのため、しっぽの長さだけでペンブロークとカーディガンを見分けることはできません。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの大きさ

体高は25~30cmです。体重はオスが10~12kg、メスが9~11kgを目安とします。

体高は低いものの、胸まわりや胴体には厚みがあり、見た目以上に重量感があります。国内では中型犬として扱われることが多く、抱き上げたり移動させたりする際には、ある程度の力が必要です。

横から見ると、体高に対して胴がやや長く、地面との間隔が狭い体型をしています。

ただし、胴が過度に長かったり、脚が極端に短かったりする体つきが理想とされているわけではありません。全身のバランスが取れ、無理なく動ける体格であることが大切です。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの被毛タイプ

被毛は、やや硬さのある上毛と、柔らかく密生した下毛からなるダブルコートです。上毛はまっすぐで中程度の長さがあり、体に沿うように生えています。

首まわりや胸元は被毛がやや豊かで、脚や足先の毛は比較的短く整っています。全身の毛量は多いものの、極端に長い飾り毛や巻き毛は、一般的なペンブロークの被毛とは異なります。

なかには、通常より長い被毛を持つ「フラッフィー」と呼ばれる個体も生まれます。フラッフィーは別の犬種ではなく、長毛の特徴が現れたウェルシュ・コーギー・ペンブロークです。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの毛色の種類

認められている主な毛色は、レッド、セーブル、フォーン、ブラック・アンド・タンです。

胸元や首、脚、口元、腹部などに白い模様が入ることがあり、顔に細い白い筋が見られる個体もいます。

子犬の販売情報などでは、レッドに白い模様が入った毛色を「レッド&ホワイト」、黒・茶・白の3色で構成される毛色を「トライカラー」と表記することがあります。

一方、タンのないブラック&ホワイトやブルー・マールは、標準的なペンブロークの毛色には含まれません。

ブルー・マールはウェルシュ・コーギー・カーディガンでは見られますが、ペンブロークでは認められていない毛色です。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの性格

原っぱを楽しそうに走るウェルシュ・コーギー・ペンブローク

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、明るく活発で、人との関わりを好む犬種です。家族に愛情深く、遊びや共同作業にも意欲的に取り組みます。

知能が高く、周囲の状況を素早く判断できる一方で、自分の意思を通そうとする頑固さが見られることもあります。また、警戒心が強く、物音や来客に反応して吠えやすい傾向があります。

牧畜犬としての習性から、動くものを追いかけたり、人や動物の足元を追って口を当てようとしたりする場合があります。個体差はありますが、好奇心と行動力に富み、家族と積極的に関わることを好む性格です。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史

羊を誘導するウェルシュ・コーギー・ペンブローク

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、イギリスのウェールズ地方で古くから受け継がれてきた犬種です。主にペンブロークシャー地方で飼育され、農場では牛をはじめとする家畜の移動や管理を支えてきました。

祖先犬の起源については、フランドル地方から移住した織物職人がウェールズへ連れてきた犬に由来するという説があります。

また、バイキングとともに渡来したスウェーデン系の犬が祖先になったという説もあり、正確な成り立ちは明らかになっていません。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンとは現在では別の犬種として扱われていますが、19世紀半ば以前には両者が交配されていた時期もありました。そのため、体型や外見などに共通点が見られます。

その後、英国王室で長年にわたり愛育されたことをきっかけに広く知られるようになり、イギリス国外でも人気が高まりました。現在では、ウェールズを代表する犬種のひとつとして世界各地で親しまれています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの価格相場

並んで前を見つめる3頭のウェルシュ・コーギー・ペンブロークの子犬たち

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの子犬の価格は、20万円台後半から40万円前後がひとつの目安です。ただし、月齢や性別、血統、親犬の展覧会実績、外見や毛色の人気などによって価格は変動します。

通常より長い被毛を持つフラッフィーや、人気の高い毛色であることを理由に、相場より高い価格が設定される場合もあります。

珍しさや価格だけで判断せず、子犬の健康状態や飼育環境、迎えた後のサポートまで確認することが大切です。

子犬の購入費用とは別に、ケージや首輪、リード、トイレ用品などをそろえる初期費用がかかります。さらに、フード代、予防接種、健康診断、ペット保険、日用品などの継続的な費用も必要です。

迎える前に、購入後の支出まで含めて無理なく飼育できるか検討しましょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのブリーダーを探す方法

初めてブリーダーを探す場合は、犬種名と居住地域を組み合わせて検索するほか、ブリーダー紹介サイトや犬舎のWebサイトを利用すると探しやすくなります。

複数の犬舎を比較し、子犬の価格だけでなく、飼育方針や健康管理、引き渡し後の対応も確認してください。

気になるブリーダーが見つかったら、問い合わせを行い、犬舎の見学を申し込みます。見学時には、子犬や母犬の様子、犬舎の清潔さ、犬たちが人に対して過度に怯えていないかなどを確認しましょう。

健康面では、親犬が受けた股関節の評価や眼科検査、変性性脊髄症などのDNA検査について尋ねます。

検査を受けている場合は、結果を見せてもらうだけでなく、その結果が子犬にどのような意味を持つのか説明を受けることも大切です。

ワクチン接種歴、健康診断の結果、血統書の有無、引き渡し時期、契約内容についても事前に確認してください。

質問に丁寧に答えず、見学や飼育環境の確認を合理的な理由なく断る場合や、購入を急かす場合は慎重に判断しましょう。

また、地域の動物愛護センターや保護団体で、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークやそのミックス犬が新しい飼い主を募集している場合もあります。購入だけでなく、保護犬を迎える選択肢も含めて探すとよいでしょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼い方

飼い主を見上げながら散歩するウェルシュ・コーギー・ペンブローク

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークと暮らすうえでは、十分な運動の時間を確保し、体重を適切に管理することが大切です。

食欲旺盛な個体も多いため、フードは目分量で与えず、年齢や活動量、体型に合わせて量を調整しましょう。

室内では、フローリングに滑り止めマットやカーペットを敷き、日常的に足を滑らせにくい環境を整えます。

ソファなど高い場所から何度も飛び降りないよう、家具の配置を工夫したり、必要に応じてスロープを設置したりする方法もあります。

家族との関わりを好むため、散歩や遊びだけでなく、声をかけたり簡単な練習をしたりする時間も設けましょう。運動、食事、休息の時間をできるだけ一定にすると、落ち着いて生活しやすくなります。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの運動量

体力があり活動的な犬種のため、散歩は朝夕の1日2回、それぞれ30分から1時間程度を目安にします。

ただし、必要な運動量は年齢や体力、健康状態によって異なるため、その日の様子に合わせて時間や距離を調整してください。

歩くだけの散歩に加えて、ボール遊びや引っ張り遊び、匂いを探すノーズワーク、知育トイなどを取り入れると、頭と体の両方を使えます。

安全な場所で無理のない範囲で遊ばせ、単調にならないよう内容に変化をつけましょう。

運動不足になると、体重が増えやすくなるだけでなく、吠える、物をかじる、落ち着かなくなるといった行動につながることがあります。

一方で、高い場所からの飛び降りや急旋回の反復、無理な階段移動など、腰や関節に強い負担をかける動きは避けてください。

暑い時期は早朝や日没後など、気温の低い時間帯を選びます。地面の熱さも確認し、息が荒い、歩きたがらないなどの様子が見られたら、運動を切り上げて休ませましょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのしつけ方

しつけは、家庭に迎えた直後から少しずつ始めます。名前を呼ぶと飼い主を見る、呼び戻しに応じる、落ち着いて待つといった基本的な練習を、短時間ずつ繰り返しましょう。

理解が早い一方で、自分で判断して行動することもあります。体罰や強い叱責で抑えようとせず、望ましい行動ができた直後に褒めたり、ごほうびを与えたりする方法が適しています。

家族によって指示やルールが変わらないよう、言葉や対応を統一することも大切です。

子犬の時期から、さまざまな人や犬、生活音、車、外の環境に無理のない範囲で慣らします。急に多くの刺激を与えるのではなく、怖がらない距離から少しずつ経験させてください。

動くものを追ったり、人の足元へ口を当てようとしたりする場合は、追いかける対象から距離を取り、別の行動へ誘導します。

来客やインターホンに反応して吠える場合も、叱り続けるのではなく、飼い主のもとへ戻る、所定の場所で待つといった行動を教えていきましょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのケア方法

普段は週に数回ブラッシングを行い、抜け毛や汚れを取り除きます。春や秋を中心とした換毛期には下毛が大量に抜けるため、毎日を目安にブラッシングすると室内への抜け毛の拡散も抑えやすくなります。

ブラッシングでは、背中だけでなく、首まわり、胸元、わきの下、おなか、脚の付け根まで確認します。強く引っ張らず、皮膚を傷つけないよう少しずつ毛をとかしてください。

シャンプーは汚れやにおいが気になる時期を目安に行い、洗った後は下毛の根元まで十分に乾かします。被毛を短く刈り込む必要は基本的になく、足裏から伸びた毛や爪を定期的に整える程度で構いません。

立ち耳は比較的蒸れにくいものの、耳の中の赤みやにおい、汚れがないか定期的に確認します。

歯磨きもできるだけ毎日の習慣にし、口元や足先に触れられることへ子犬の頃から慣らしておくと、日常のお手入れを行いやすくなります。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの寿命と病気

獣医師に聴診されているウェルシュ・コーギー・ペンブローク

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの平均寿命は、12~14歳ほどが目安です。ただし、寿命には遺伝的な要因や食生活、運動量、体重、生活環境などが関係するため、個体差があります。

健康を保つためには、年齢や体調に合った食事を与え、適正体重を維持することが大切です。歩き方や食欲、排せつ、目の状態などを日頃から観察し、定期的に健康診断を受けましょう。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのかかりやすい病気

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークでは、遺伝的な素因や体型に関連する神経・骨関節の病気に注意が必要です。歩き方や立ち上がり方に異変が見られた場合は、早めに動物病院を受診してください。

変性性脊髄症

変性性脊髄症は、脊髄の神経組織が徐々に変性し、後ろ足のふらつきや麻痺が進行する病気です。初期には爪先を擦る、足がもつれるといった変化が見られます。

根本的な治療法は確立されておらず、リハビリや歩行補助具などを用いて生活の質を保つ対応が中心です。遺伝子検査は発症リスクを考える参考になりますが、検査結果だけで発症や診断が確定するわけではありません。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が変性して突出・脱出し、脊髄や神経を圧迫する病気です。背中を丸める、抱き上げると痛がる、後ろ足を引きずるなどの症状が見られます。

重症になると歩行や排せつが困難になることもあります。突然立てなくなった場合や強い痛みが疑われる場合は、速やかに動物病院を受診してください。

股関節形成不全

股関節形成不全は、股関節のかみ合わせが不安定になり、痛みや関節炎を引き起こす病気です。腰を左右に振って歩く、立ち上がるのを嫌がる、走りたがらないといった変化が見られることがあります。

症状や重症度に応じて、体重管理や運動の調整、投薬、リハビリなどを行い、重度の場合は手術が検討されます。

まとめ

芝生の上に座る3頭のウェルシュ・コーギー・ペンブローク

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、イギリスのウェールズ地方を原産とする牧畜犬です。胴長短足の愛らしい姿が印象的ですが、しっかりとした筋肉と豊富な体力、高い知能を備えています。

明るく家族との関わりを好む一方、警戒吠えや動くものを追う行動が見られることもあるため、子犬の頃からの社会化と一貫したしつけが大切です。毎日の散歩に加えて、ノーズワークや知育トイなどの遊びも取り入れましょう。

また、食事量を管理して適正体重を保ち、滑りにくい床や段差への対策を行うことも欠かせません。抜け毛が多いため定期的なブラッシングを続け、歩き方や体調の変化にも注意してください。

必要な運動や日常のお手入れ、健康管理を継続できる家庭であれば、愛情深く頼もしいパートナーとなるでしょう。

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