コーギーの断尾が行われてきた6つの理由

コーギーの断尾が行われてきた6つの理由

コーギーは胴長短足の体型と大きく立った耳、つぶらな瞳のかわいらしい犬です。 イギリスのエリザベス女王の愛犬として有名です。 ぷりぷりお尻にどうしてしっぽがついていないのか、コーギーが断尾(だんび)される理由をあなたは知っていますか?

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コーギーの断尾が行われてきた6つの理由について

ハサミ

コーギーの断尾(だんび)とは、文字通り、コーギーの尻尾を切り落とす事を指します。コーギーのしっぽは古くからの習慣により、生後1週間以内に切り落とします。

  1. 転倒防止のため
  2. 税金対策のため
  3. ケガ防止のため
  4. キツネと間違われないため
  5. 不潔になるのを防ぐため
  6. 単なるデザイン性の問題

1.転倒防止のため

走るコーギー

コーギーは昔、牛追いの使役犬として飼われていました。牛追いをするために走り回る時に、長いしっぽを牛に踏まれて転んだり、転んだところを他の牛に踏み潰されて命をおとすのを防ぐためにコーギーの断尾が行われていました。

2.税金対策のため

お金と税金

昔のイギリスでは、犬にしっぽがあることで税金を納めなければならなかったため、税金逃れのためにコーギーが断尾されていました。そもそも、なぜ犬にしっぽがあると税金を納めなければならなかったのかというと、当時、イギリス王室では鹿のゲーム・ハンティングが盛んで、鹿が農夫たちの犬に荒らされないように、犬はつま先を切り落とすか、大腿部を傷つけて早く走れないように命じました。

それでは牛追いの犬として仕事ができないので、農夫たちは税金を納めることで犬を傷つけないことを免除されていたのですが、お金のない農夫たちが考えついたのがコーギーの断尾でした。コーギーが断尾されると早く走れない、早く走れないので鹿を傷つけることはないと考えられていたからです。

3.ケガ防止のため

藪の中を走る時に、しっぽが藪のトゲでケガをするのを防ぐため。しっぽが藪のトゲにひっかかって、ケガをしやすく、そのケガから感染症になるのを避けていたのです。

4.キツネと間違われないため

キツネの後ろ姿

キツネと間違えて狩猟者に銃で撃たれるのを防ぐために、コーギーのふさふさ尻尾が断尾されていました。

5.不潔になるのを防ぐため

オフロに入っている犬

尾にフンがついて不潔になるのを防ぐため断尾されていたとも言われています。

6.単なるデザイン性の問題

こーぎーのしっぽ

短い足に桃のようなぷりぷりのお尻がかわいくて飼いたいと思う人が多くなるよう、消費者の好みや欲求のためのデザインに応えたコーギーの断尾といえます。

コーギーの断尾が行われるときの2つの方法

コーギーとハサミ

メスやハサミで切り落とす方法

生まれたての子犬には麻酔はリスクが高くて使用できないので、麻酔をしないままメスやハサミなどで切り落とします。

ハンディング法

しっぽの根本をゴムできつく縛り腐らせ、人為的な血行障害を起こし、壊死させることでしっぽを切り落とします。これは、ブリーダーがよく行いますが、下手をすれば死に至ることもあります。

コーギーの断尾は痛くはないの?

泣き叫ぶ子供

生まれたての子犬は、神経系統がまだ発達していないので、痛みを感じないといわれていますが、実際、2つの方法は大きな痛みを伴う方法といえます。

コーギーが断尾したときのダメージについて

体へのダメージ

犬のレントゲン

死に至る可能性が高い

外科的に切除する方法、しっぽの根本をゴムで縛り腐らせるハンディング法も傷口の感染症や、痛みによるショックに耐えきれず、死に至る可能性は高いといわれます。

病気になりやすくなる

しっぽにはバランスをとったり、寒い時には体をまるめて鼻を覆って、冷気を体内に入れないようにする働きもあります。断尾をした犬は、バランス感覚が失われて、転落などの事故にあう可能性が高くなります。冷気を直接吸い込むので、呼吸器系の病気を引き起こす割合が高くなるといわれています。

心へのダメージ

犬とハートのおもちゃ

心の病におかされる

大きな痛みのトラウマから、心の病におかされやすく、急に攻撃的になる面も出やすくなります。

感情表現ができない

犬はしっぽで感情表現をします。喜びをあらわす時にしっぽを振ったり、強い犬と遭遇した時にしっぽを足の間にまきこんで、服従の意思をあらわします。しかし、断尾をした犬はしっぽによる大切なコミュニーションの手段を失ってしまいます。犬仲間から、あらぬ誤解を受け、ケンカに巻き込まれることもあります。

断尾していないコーギ-を迎え入れる方法

コーギーの子犬たち

ペットショップで手に入れる場合

ペットショップでは、基本的に断尾されていないコーギーは販売されていません。どうしてもしっぽ付きのコーギーを迎え入れたい場合は、ブリーダーにお願いしてみましょう。

ブリーダーで手に入れる場合

ブリーダーに、コーギーの赤ちゃんが生まれたら、しっぽを残すようにお願いする方法があります。ただ、しっぽを残した赤ちゃんは、必ず引き取ってもらわないと困るので、前払いをしなければならない可能性があります。

コーギーを含む犬への断尾に対して各国の対応

イギリス

イギリスの対応

断尾を禁止する法律は、1993年に施行されています。「断尾は獣医師にのみが行う。素人による断尾は禁じる」という寛容なものです。

アメリカの対応

今まで通り断尾が行われています。今後も断尾が禁止されることはないであろうという姿勢を示しています。

日本の対応

基本的にはコーギーの原産国であるイギリスに習っています。しかし外国産の犬はアメリカ産が大半を占めているので、実際には、アメリカの断尾の影響を受けています。

断尾の対象となっていた2種類のコーギー

ウェルッシュ・コーギー・ベンブローク

ウェルッシュ・コーギー・ベンブローク

特徴

一般的に知られており、耳は丸みをおびて、断尾をしているのが、ウェルッシュ・コーギー・ベンブロークです。

起源

ベンブロークはスピッツ系に分類されます。ウェールズのベンブローク地方に連れてこられたとの説が有力です。

ウェルッシュ・コーギー・カーディガン

ウェルッシュ・コーギー・カーディガン

特徴

断尾は定められていません。キツネのような長いしっぽをしており、耳先はやや尖っています。日本では、「カーディガン」は珍しく、コーギーといえば「ベンブローク」といえます。

起源

カーディガンはダックスフンドが起源で、ウェールズのカディガンシャー地方に持ち込まれたと考えられています。

2種類の違い

比べた通り、見た目は似ていても「ベンブローク」も「カーディガン」は別の犬種です。イギリスのウェールズが発祥の地ですが、この2つの犬種は全く違う流れからきているといえます。

ウェルシュ・コーギー・ベンブロークの基準(犬種標準)

自室のコーギー

KC(ケネルクラブ:各国において犬の品種の認定およびスタンダードの指定などを行っている団体)でのコーギーの尾についてのスタンダードは以下のように定められています。

尾について

尾は短く、できれば生まれつき短いのが理想的。

断尾している場合、断尾していない場合

断尾している場合は短く、断尾していない場合はトップラインからまっすぐ伸びる形で背より上に巻き上がらないこと。

動いている時、停止している時の姿

動いている時、背と一直線上にあり、止まっている時は、背より低くあること。

生まれつきしっぽが短い「ナチュラル・ボブ」

尻尾の短いコーギー

ナチュラル・ボブとは、生まれつきにして、しっぽがないか、極端に短いしっぽをもつ犬です。コーギーの断尾をヨーロッパの国々が禁止した今、コーギーのしっぽのない姿を残そうと、ナチュラル・ボブに注目が集まっています。不要な痛みを与えなくてすみ、しっぽのないぷりぷりお尻をもつナチュラル・ボブの存在はベンブロークへの期待となっています。

一般的なコーギーの性格

  • 明るくて、頭が良い
  • 活動的で好奇心旺盛
  • 優しい性格で、人間が大好き(そのため飼い主には従順です)
  • 体力があり、運動能力が高い
  • 勇敢

一般的なコーギーの特徴

コーギーは、飼い主と良い関係を築きやすい犬種だといえます。ただし、ペットショップで手に入るコーギーは、断尾をして、肉体的にも精神的にも弱っている状態である可能性もあります。だからこそ、家族にコーギーを迎えたら、愛情をたくさん注いで育てあげてくださいね。

コーギーの断尾についてのまとめ

抱かれるコーギー

日本には「動物の愛護及び管理に関する法律」があります。その内容には「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、または苦しめる事のないようにするのみでなく、人間と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して取り扱うようにしなければならない」とあります。

中には、「犬はファッションでもアクセサリーでもないので、自然のままが良いに決まっている」という意見もあります。ですが一方、コーギーはしっぽがないのが魅力的だという意見もあるのも事実です。

人間のエゴではなく、動物愛護の精神に基づき、断尾について考えることが必要になってきた時代ともいえます。コーギーだけでなく、他の犬や動物を飼う時には、その動物の事を考えて、良きパートナーとして家族に迎えられるといいですね。

▼コーギーについて詳しく知りたい方はこちら

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 ベル

    コーギーの断尾の理由を知って驚きました。人間の都合のためにできたような風習によるものだったのですね。今はヨーロッパでは断尾禁止が決められているようですが、日本では今でも生まれたての子犬の尾をメスやハサミで切ってからペットショップなどに並ぶのですね・・。

    時には死にいたるほどの痛みのトラウマで、心の病気になったり、体力的にも弱ってしまったりするだなんて、本当にかわいそうで、聞いているだけでつらい気持ちになりました。以前にコーギーが日本でもとても流行っていたことがありましたよね。この記事を読んで、狩猟とは関係ないペットとしてコーギーなら、そんなにつらい思いをさせてまでの断尾はコーギーにとっては無意味で、必要ないように思いました。
  • 投稿者

    30代 女性 あー

    断尾に関連した話題で、数年前、原産国でもあるイギリスでコーギーが絶滅の危機に直面しているという衝撃的なニュースがありましたね。これは、2013年にイギリスで登録されたウエルッシュコーギーペンブロークの頭数がわずか241頭という数字であったことからケネルクラブの要注意リストにコーギーが載せられたというものです。コーギーの頭数がここまで減ってしまった原因と言われているのが断尾禁止法みたいで。この法律によって犬の体の一部を切り取る行為を禁じていますが、獣医師のみが断尾を許可されたことや、断尾禁止法に反対するブリーダーやコーギーの外見が変わってしまうことをよく思わない多くのブリーダーが繁殖をやめてしまったことが大きな原因となっているみたいです。今現在のコーギーの頭数はわかりませんが、なんだかちょっと複雑な気持ちになりました。
  • 投稿者

    女性 mocmoc

    基本的には断尾反対なので、尻尾があってもいいじゃないかと思っています。断尾をする必要があったのは過去のことです。現在ではあっても問題がないので、あえて断尾する必要はないと思います。

    記事にある断尾の理由は納得できるものと、完全に人間のエゴである理由が様々ですね。デザイン性の問題となってしまうと、動物という認識があまりないのかな?と思ってしまいます。

    断尾の方法ですがどちらでも痛みは感じますし、確実に成功するとも限りません。ハンディング法は特に荒い方法ですし、獣医ではない人が行うので感染症の心配は大いにあります。上手く断尾できずに尻尾が倍以上に腫れあがってしまったりすることもあり、酷くなると外科手術が必要になります。これでは本末転倒です。

    コーギーには本当はとても立派な尻尾があります。尻尾があるコーギーも十分に魅力的です。尻尾を振って喜んでくれるコーギーは可愛いです。
    少しずつでも断尾をしていない犬種が増えてくれるといいなと思います。
  • 投稿者

    女性 匿名

    我が家の愛犬達は、初代と4代目以外は、コーギーではないけど、断尾する犬種です。
    2代目と3代目はヨーキープーの姉妹で、しっぽはプードルくらいの長さでした。
    5代目と6代目は、同じ犬舎出身のトイプードルで、5代目の子は普通だけど、6代目の子はしっぽが普通のトイプードルの2~3倍の長さがあります。断尾し忘れた?と思ってかかりつけの動物病院で聞いてみたら、断尾しないと、もっと長いらしいです。
    だいぶ前に見たことがある生まれたてのトイプードルの赤ちゃんのしっぽの長さから考えると、うちの子のしっぽは、断尾しなかったみたい…。
    しっぽが長いコーギーも見たことがあるけど、ふさふさでかわいかったです。
    しっぽが長いトイプードルも、ちょっと不思議な感じだけど、かわいいですよ!
  • 投稿者

    40代 女性 海斗ママ

    コーギーにとっての本来の仕事である狩りのためなどにコーギー自身を守るために断尾するのは納得できるのですがそれ以外はよくわかりませんね。
    今の日本のコーギーに関していえば、見た目の問題以外ではまったくもって必要性がないですからね。飼い主さんも断尾していることすら知らない場合もあるかも…。
    こういう犬種なんだって思っている人もいるんじゃないかな?そろそろ断尾や断耳の必要性を真剣に考えるべきだと思う。
  • 投稿者

    10代 女性 はる

    コーギーってしっぽが元々、短い犬種なんだと思っていました。断尾なんてしているんですね。なんだかこわくなりました。確かにしっぽの長いコーギーを見たことがないから、長くなったら見慣れないかもしれないです。もしくは変だななんて思うのかも…。でも廃止になって時が経てば短い時の方が変になるはずです。今はしっぽがあってもさほど問題ないのですから、こういう意味のない虐待紛いのことは無くすべきですね。
  • 投稿者

    40代 男性 匿名

    うちのミックスには尻尾があります

    嬉しい時は振り
    ショボーンとすれば下がり

    散歩では自慢の尻尾を背方向に巻きながら
    の「自慢の尻尾」です

  • 投稿者

    女性 ぷく

    コーギーといえばぷりぷりの大きなお尻だと思っていたので、じつはキツネのような立派な尻尾があるとは知りませんでした。断尾が推奨されてきた背景にはいろいろあるのでしょうが、犬の幸せを思うと、今の時代ペットで買うのならば断尾の必要性は感じません。ふさふさの大きな尻尾を揺らすキュートなお尻も見てみたいです。
  • 投稿者

    50代以上 女性 モモ丸、モモ太ママ

    今のモモ太で二代目のコーギーです。断尾をしていてもとても表情が豊かです。身体一杯感情表現してくれます。初代も二代目も私にとっては大事な子供たちです。
    でも、人間の勝手で痛い思いはしてほしくないです。沢山の愛情をくれるワンちゃん達がみんな幸せになれますように。
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