オーストラリアン・テリアとは
- 犬種名:オーストラリアン・テリア(Australian Terrier)
- 原産国:オーストラリア
- 大きさ:小型犬
- 体高:約25cm
- 体重:オス約6.5kg、メスはオスよりやや軽い
- 被毛:硬く粗い上毛と柔らかな下毛からなるダブルコート
- 毛色:ブルー・アンド・タン、サンディー、レッド
- 性格:明るい、愛情深い、勇敢、好奇心旺盛、警戒心が強い
- 寿命:12歳〜15歳程度
オーストラリアン・テリアは、オーストラリア原産の小型テリアです。農場や住居の周辺でネズミなどの害獣を駆除し、異変を知らせる作業犬として活躍してきました。
オーストラリアの環境に適応できる実用的な犬を目指して作出され、現在では家庭犬としても親しまれています。
名前が似ているオーストラリアン・シルキー・テリアとは、異なる犬種です。
オーストラリアン・シルキー・テリアが光沢のある長い被毛を特徴とするのに対し、オーストラリアン・テリアは作業に適した硬い被毛を持っています。
迎える際は、名前だけでなく犬種ごとの違いを確認しておきましょう。
日本では飼育頭数や繁殖頭数が多い犬種ではなく、ペットショップなどで日常的に見かける機会は限られています。
迎えることを検討する場合は、子犬の入手先だけでなく、テリアとしての性質や必要な飼育環境を理解したうえで、家族の生活に合う犬種かを慎重に判断することが大切です。
オーストラリアン・テリアの性格
オーストラリアン・テリアは、明るく好奇心旺盛で、飼い主や家族に愛情深く接する犬種です。小型ながら勇敢で警戒心があり、周囲の変化に敏感に反応することがあります。
自立心や自己主張の強さも持ち合わせているため、子どもや他の犬との接し方には個体差があります。小動物を追いかけることもあるため、多頭飼育では相性を慎重に確認しましょう。
人と過ごすことを好む一方、退屈が続くと吠えやいたずらにつながる場合があります。家庭犬として迎える際は、活発でテリアらしい気質を理解し、日頃から十分に関わることが大切です。
オーストラリアン・テリアの特徴
オーストラリアン・テリアは、小柄ながら骨格がしっかりとしており、作業犬らしい丈夫で引き締まった体つきをしています。体高よりも胴の長さがやや長く、地面に近い位置を素早く動ける体型です。
頭部には小さな立ち耳があり、鋭く注意深い表情を見せます。首まわりにはほかの部分より長い飾り毛が生え、頭頂部には柔らかな毛が集まったトップノットが見られるのも特徴です。
全体的に素朴で野性味のある外見をしていますが、粗い被毛やコンパクトな体型には、屋外で働いてきた犬種ならではの機能性が表れています。
オーストラリアン・テリアの大きさ
オーストラリアン・テリアの標準的な体高は約25cmです。体重はオスで約6.5kgが目安とされ、メスはオスよりもやや小さく、体重も軽い傾向があります。
小型犬に分類されますが、華奢な体型ではありません。胸はほどよく深く、四肢にはしっかりとした骨量があり、全身のバランスが取れた頑丈な体つきをしています。
オーストラリアン・テリアの被毛タイプ
被毛は、硬くまっすぐな上毛と、短く柔らかな下毛からなるダブルコートです。上毛はおよそ6cmの長さがあり、粗く丈夫な質感をしています。
胴体の被毛は身体に沿って生えていますが、首まわりには襟のような飾り毛があります。頭頂部のトップノットは、胴体の毛よりも柔らかく、犬種らしい独特の表情を作っています。
オーストラリアン・テリアの毛色の種類
オーストラリアン・テリアの主な毛色は、ブルー・アンド・タン、サンディー、レッドです。
ブルー・アンド・タンは、胴体にブルー、スチール・ブルー、ダーク・グレー・ブルーなどの色が入り、顔や耳、脚、腹部などに濃いタンが見られます。頭頂部のトップノットは、ブルーの部分よりも明るい色になります。
サンディーとレッドは、全身が明るい砂色または赤みのある色でまとまった毛色です。いずれの毛色でも、胸や足に白い斑が目立つものは犬種標準では好ましくないとされています。
オーストラリアン・テリアの価格相場
オーストラリアン・テリアの子犬を日本国内で迎える場合、価格の目安は30万円〜50万円程度です。ただし、国内での繁殖数や販売例が少ないため、常にこの価格帯で購入できるとは限りません。
実際の価格は、子犬の月齢や血統、繁殖・飼育環境などによって異なります。希望する時期に国内で子犬が見つからず、長期間の予約待ちになることもあるでしょう。
海外のブリーダーから迎える場合は、子犬自体の価格に加えて、輸送費や検疫に関する費用、手続きの代行費用などが発生します。そのため、国内から迎える場合よりも総額が高くなる可能性があります。
なお、上記の価格は子犬の購入代金のみの目安です。迎える際には、ケージや食器などの飼育用品、健康診断、ワクチン接種などの初期費用も別途必要になります。
オーストラリアン・テリアのブリーダーを探す方法
オーストラリアン・テリアのブリーダーを探す場合は、まずブリーダー紹介サイトや犬舎の公式サイトで、現在の繁殖状況を確認しましょう。
販売中の子犬が見つからない場合は、過去にこの犬種を扱っていたブリーダーへ、今後の繁殖予定を問い合わせる方法もあります。
犬種団体やドッグショーの出陳者情報を手がかりに、オーストラリアン・テリアを繁殖している犬舎を探す方法もあります。希少犬種のため、近隣地域だけに限定せず、全国を対象に情報を集めることが大切です。
候補となるブリーダーが見つかったら、可能な限り犬舎を見学してください。飼育環境の衛生状態や親犬の様子を確認し、健康診断や遺伝性疾患への取り組み、子犬の社会化、引き渡し後の相談体制について説明を受けましょう。
質問に十分答えてくれない、見学を受け付けない、契約を急がせるといった場合は、慎重に判断する必要があります。価格や見た目だけで決めず、犬の健康や生活環境を大切にしているブリーダーを選びましょう。
オーストラリアン・テリアの飼い方
オーストラリアン・テリアを飼う際は、毎日の運動だけでなく、好奇心を満たせる遊びや家族とのコミュニケーションを取り入れることが大切です。
小型犬ではありますが、室内で静かに過ごすだけでは運動や刺激が不足しやすいため、活動的な生活を意識しましょう。
室内では、落ち着いて休めるクレートやベッドを用意し、滑りやすい床にはマットを敷きます。
害獣駆除に使われてきた犬種であり、小さく動くものを追いかけることがあるため、散歩中のリード管理や庭からの脱走防止にも注意が必要です。
留守番をさせる場合は、短時間から少しずつ慣らしてください。退屈が長く続くと、吠えや家具をかじる行動につながることがあるため、安全に遊べるおもちゃを用意し、留守番の前後には散歩や遊びの時間を確保しましょう。
オーストラリアン・テリアの運動量
散歩は1日2回、1回30分程度をひとつの目安とし、年齢や体調、気温、その日の活動量に合わせて調整します。活発な犬種のため、ゆっくり歩くだけでなく、においを嗅ぐ時間やテンポよく歩く時間も取り入れるとよいでしょう。
室内では、ボール遊びや引っ張り遊び、フードを探させる知育玩具などを取り入れると、身体だけでなく頭も使わせられます。
同じ散歩コースや遊びばかりでは飽きることもあるため、無理のない範囲で内容に変化をつけてください。
ドッグランを利用する場合は、柵で囲まれた管理された施設を選びましょう。小動物やほかの犬を追いかけることがあるため、呼び戻しができる場合でも目を離さず、相手との相性を確認しながら利用することが大切です。
オーストラリアン・テリアのしつけ方
しつけでは、家族全員が同じルールを守り、できた行動をその場で褒める方法が適しています。自分で判断して行動しやすい面があるため、長時間繰り返すよりも、短い練習を毎日積み重ねるほうが集中しやすいでしょう。
子犬の頃から、さまざまな人や犬、生活音、外の環境に無理なく慣らしておくことも大切です。
警戒して吠えたときに大声で叱ると、飼い主も一緒に反応していると受け取ることがあります。静かにできた瞬間を褒め、落ち着いた行動を覚えさせましょう。
散歩中の引っ張りや小動物への飛び出しを防ぐため、「待て」「おいで」「離して」などの合図も練習しておくと安心です。
しつけが難しい場合や攻撃的な行動が見られる場合は、早めにドッグトレーナーなどの専門家へ相談してください。
オーストラリアン・テリアのケア方法
被毛は週に2〜3回程度を目安にブラッシングし、抜け毛や汚れを取り除きます。首まわりや脚の付け根などは毛がもつれやすいため、皮膚に赤みや傷、できものがないかも一緒に確認しましょう。
シャンプーは回数を一律に決めず、汚れやにおい、皮膚の状態に応じて行います。洗いすぎると皮膚が乾燥したり、硬い被毛の質感が変わったりすることがあるため、犬用シャンプーを使い、十分にすすいで乾かしてください。
硬い被毛の質感を整えるために、不要な毛を抜いて整える手入れが行われることもあります。家庭で難しい場合は、犬種の被毛を扱えるトリミングサロンへ相談すると安心です。
このほか、歯みがきはできるだけ毎日行い、爪切りや耳の確認も定期的に行いましょう。子犬の頃から口元や足先、耳に触れられる練習をしておくと、日常のケアを受け入れやすくなります。
オーストラリアン・テリアの寿命と病気
オーストラリアン・テリアの平均寿命は、12歳〜15歳程度が目安です。ただし、寿命には遺伝的な体質や飼育環境、日頃の健康管理などが影響するため、個体差があります。
健康を維持するには、年齢や活動量に合った食事を与えて適正体重を保ち、定期的に健康診断を受けることが大切です。
歩き方の変化、水を飲む量や尿量の増加、食欲や体重の変化などが見られた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
オーストラリアン・テリアのかかりやすい病気
注意したい病気には、膝のお皿が正常な位置から外れる膝蓋骨脱臼や、大腿骨頭への血流が滞って骨が壊死するレッグ・ペルテス病などがあります。足を上げて歩く、足をかばう、運動を嫌がるといった様子が見られた場合は、関節や骨に異常がないか診察を受けてください。
また、オーストラリアン・テリアは糖尿病にも注意が必要とされる犬種です。犬の糖尿病には体質や慢性膵炎、ホルモン異常など複数の要因が関わるため、肥満や特定の食べ物が原因とはいえません。
適正体重を保つことは健康管理のひとつですが、水を飲む量や尿量が増える、食べているのに痩せるなどの変化があれば、早めに獣医師へ相談しましょう。
オーストラリアン・テリアの歴史
オーストラリアン・テリアは、19世紀にオーストラリアへ渡ったイギリス系のテリアをもとに作出されました。
当時の入植者が持ち込んだ複数のテリアを交配し、オーストラリアの気候や生活環境に適応できる犬へと改良されたと考えられています。
作出には、スカイ・テリアやスコティッシュ・テリア、ダンディ・ディンモント・テリアなどが関わったとされ、のちにヨークシャー・テリアも導入されました。
祖先となった犬種については諸説ありますが、いずれも小型で実用性の高いテリアが基礎になっています。
農場や住居では、ネズミやヘビなどを駆除するほか、異変を知らせる番犬としても重宝されました。厳しい環境のなかで幅広い役割を担ったことから、丈夫で機敏な犬種へと発達していきます。
その後は犬種としての特徴が整えられ、オーストラリア国外にも広まりました。また、オーストラリアン・シルキー・テリアの成立にも関わったとされますが、現在はそれぞれ異なる犬種として扱われています。
まとめ
オーストラリアン・テリアは、オーストラリアで害獣駆除や番犬として活躍してきた、丈夫で活発な小型テリアです。
家族には愛情深く接する一方、警戒心や自立心、動くものを追いかける本能もあるため、子犬の頃からの社会化と一貫したしつけが欠かせません。
毎日の散歩に加えて、知育玩具や探索遊びなどで好奇心を満たすことも大切です。硬いダブルコートは定期的にブラッシングし、洗いすぎを避けながら清潔に保ちましょう。
国内では繁殖数が少なく、迎えられる時期や価格には幅があります。信頼できるブリーダーを探し、親犬の健康状態や飼育環境、引き渡し後の支援体制まで確認してください。
膝蓋骨脱臼やレッグ・ペルテス病、糖尿病などにも注意し、日頃の観察と定期的な健康診断を続けることが、健やかな暮らしにつながります。



