世界一小さい犬種トップ5
このランキングは、あくまでも一般的な平均サイズから「世界一小さい犬種」をランキングにしたものです。犬によって個体差があるためあくまでも目安と考えてください。
1.プラシュスキー・クリザジーク
特徴や性格
プラシュスキー・クリザジークはチェコ原産の犬種で、祖先犬は王族や貴族の抱き犬として、また、ネズミの駆除をする犬として飼われていました。体重が2~2.6キログラム、体高が20~23センチメートルを適正とする超小型犬で、日本では公認されていませんが、世界一小さい犬種の内の一つと言われています。チワワやミニチュアピンシャーに少し似た外見をしており、スムースヘアーやロングヘアーの被毛が特徴的です。
飼い主さんや仲間には従順で友好的ですが、プライドが高く大型犬に立ち向かっていくという勇ましい一面も持ち合わせています。また好奇心旺盛で甘えん坊なところがあり、孤独を嫌うため、人間の膝の上にいるのを好みます。
寿命と病気
プラシュスキー・クリザジークは世界一小さい犬というだけあって、見た目は一見弱々しい体型をしていますが、遺伝的な疾患が少ない犬種です。平均寿命は12~14歳くらいと言われています。
病気の心配は少ないですが、骨格が細い上に動きが俊敏なため、日常生活において骨折などの事故が起こりやすく注意が必要です。
子犬の値段
現在、国内にいるブリーダーさんの数が少ないため、ペットショップなどで会うことは難しい希少な犬種と言われています。値段は様々ですが、子犬で15万円前後になることが多いようです。
2.チワワ(ロングコート・スムース)
特徴や性格
チワワは世界一小さい犬種の中でも、最小の犬として有名です。北アメリカにおいて最も古い犬種とされており、古代メキシコに存在した小さな犬が祖先と考えられています。体重1.5~3キログラム、体高12~20センチメートルが理想的な体型とされ、ギネス世界記録「世界一小さい犬部門」ではチワワの数が圧倒的に多いです。
性格は、陽気で明るく、勇敢なところもあります。一方で保守的な一面もあり、家族と他人とは態度がはっきりと分かれます。
寿命と病気
医療やペットフードの進化により、近年のチワワの平均寿命は15歳くらいだとされています。チワワがかかりやすい心臓病や気管虚脱、膝蓋骨脱臼といった病気を予防できればさらに長く生きることができるでしょう。
子犬の値段
チワワの子犬の平均的な販売価格は、20万円前後になることが多いようです。血統や顔、体型、毛色といった様々な要素が、子犬の価格を決める基準となっています。一般的にチワワのスタンダードに近ければ近いほど、価格は高くなる傾向にあります。
3.ロシアン・トイ・テリア
特徴や性格
ロシアン・トイ・テリアは、別名「ルスキー・トイ」とも呼ばれています。ロシアのモスクワ原産の犬種で、愛玩犬として人気を誇っていました。もともとはイングリッシュトイテリアを祖先犬としていましたが、パピヨンやミニチュア・ピンシャーなどが掛け合わせられ、徐々に見た目が代わり、別犬種として扱われるようになりました。日本国内ではほとんど見かけることのない珍しい犬種ですが、比較的しつけがしやすく、陽気で活動的な性格をしています。
理想体重が1.3~3キログラム、体高が20~28センチメートルのロシアン・トイ・テリアは、世界一小さい犬種とされるチワワに次ぐ小ささとされています。また、被毛はロングとショートヘアの2タイプがあり、ロングコートの個体はチワワに似ているように見えます。
寿命と病気
ロシアン・トイ・テリアの平均寿命は12~14歳と言われています。体が小さいため骨折しやすく、膀胱炎や皮膚炎などの病気にかかりやすいので気をつけましょう。
子犬の値段
ロシアン・トイ・テリアはブリーダーの数はとても少ないため、子犬を探すのは難しいとされています。希少な犬種ですが、価格は12万円前後になることが多いようです。
4.ヨークシャー・テリア
特徴や性格
ヨークシャー・テリアの正確な犬種名は、「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャーテリア」です。ヨークシャー・テリアも、世界一小さい犬とされるチワワに次いで小さな犬種で、体重2.5~3.5キログラム、体高22.5~23.5センチメートルが理想体型とされています。日本ではとても人気があり、「動く宝石」と言われるほど被毛の美しさに定評があります。
性格は、頑固で警戒心が強いテリア気質ということができます。一方で、飼い主さんには甘えん坊で忠実な一面があるので信頼関係を築きやすいされています。
寿命と病気
ヨークシャー・テリアの平均寿命は、13~16歳くらいと言われています。人間の年齢に換算すると、72~80歳くらいまで生きる長寿な犬種です。骨や関節を壊しやすく、本来収まっているはずの溝から膝蓋骨(膝のお皿)が外れた状態になる「膝蓋骨脱臼」や気管が変形して呼吸がしにくくなる「気管虚脱」にかかりやすいため、体調管理には気をつけてあげましょう。
子犬の値段
ヨークシャー・テリアは人気の犬種で、成犬に比べ子犬の方が値段が高い傾向にあります。個体により差はありますが、平均価格は15~20万円前後になります。子犬の選ぶ際は、骨格や動き方、被毛の状態など様々なポイントをチェックしてから購入することをおすすめします。
5.ポメラニアン
特徴や性格
ポメラニアンは、フワフワの被毛がかわいく魅力的な犬種です。体重が2~3キログラム、体高が22~28センチメートルが理想の体型と言われており、世界一小さい犬種の一つとして数えられています。人間や他の犬に対してフレンドリーな性格をしており、活発で遊ぶことが大好きです。
寿命と病気
もともと中型犬であったポメラニアンは、小型化する過程で骨格が小さくなり、膝蓋骨脱臼を起こしやすい犬種と言われています。また、ポメラニアン独特の皮膚病や頭蓋骨内に水がたまる水頭症、呼吸が荒くなる気管虚脱などにかかりやすいとされています。
個体によって大きな差がありますが、ポメラニアンの平均寿命は12~16歳です。中には、18歳を超えるところまで長生きするポメラニアンもいます。
子犬の値段
一般的な子犬の価格は15~30万円程度です。ポメラニアンは被毛のカラーバリエーションが豊富な犬種なので、それにより価格が細かく区分されます。また、親によっても価格が変動し、優秀な血統の犬やドッグショーで表彰されたことがある犬を親に持つと価格が上がり、60万ほどになる場合もあるようです。
その他にも、公認犬種ではない「ティーカッププードル」という犬種もいます。体重が1.5~1.8キログラム前後、体高が20センチメートル以下なので、サイズだけで言えば世界一小さい犬種です。しかし、プードルは大きくなる遺伝子を持っているため、大きく成長する可能性があります。
世界一小さい犬のギネス記録は?
世界一小さい犬のギネス世界記録は、「体高部門」「体長部門」に分かれています。体高部門とは、犬の足先から肩の高さまでを計測する部門なのに対し、犬の鼻先から尻尾の先までを計測するのが体長部門です。いずれも1歳以上からのエントリーとなり、最も数値の低い犬(小さい)犬が世界一小さい犬となります。
ギネス世界記録は、あくまでも生きている犬に限られた記録です。しかし「生きている犬の中で」を除いた場合、最も小さな犬として記録に残っている犬がいます。1945年に死亡したヨークシャテリアの「シルヴィア」は、体重113グラム、体高6.5センチメートル、体長8.25センチメートルという極小サイズだったそうです。
「体高部門」
体高部門で世界一小さい犬のギネス記録を保持している犬は、チワワの「ミラクルミリー」2013年2月に計測した時点で、体重450グラム、体高9.65センチメートルという記録を持っています。
「体長部門」
体長部門で世界一小さい犬の記録を保持している犬は、同じチワワの「ヘブンセントブランディ」です。アメリカのフロリダ州で暮らすヘブンセントブランディは、2003年12月31日に生まれたメスのチワワです。2005年の計測では体長15.2センチメートル、体重は1キログラムにも満たない900グラムでした。
小さい犬はなぜ人気なの?飼いやすいから?
「世界一小さい犬」のギネス記録が塗り替えられるなど、次々と最小な犬が作られています。小型犬が人気の理由としては、「散歩にかかる時間」「体力」「飼育費用」が大型犬に比べ半分程度ですむことなどが挙げられます。
マンションやアパートといった現代の集合住宅では、限られたスペースで飼育することが多くなりますが、体が小さい小型犬は室内だけで十分な運動量を確保することができます。また、食費や医療費といった経済的負担が、大型犬に比べ少なくて済むところも大きなポイントです。
超小型犬が抱えるリスク
小型犬の中でも、世界一小さい犬に挙げられるような小さな犬たちは「超小型犬」に分類されます。飼いやすさからも人気のある犬種ですが、あまりにも小さい体の犬を飼うには、それなりのリスクも伴うことを知っておきましょう。
- 骨折しやすい
- 温度管理が必要
- のどを詰まらせやすい
- 散歩中に踏まれる危険がある
超小型犬の足は非常に細く、少しの衝撃でも骨折してしまいます。また、食道も非常に細いため、ドッグフードなどでのどを詰まらせないよう注意が必要です。食事は超小型犬専用のドッグフードを選んだり、大きいフードは細かく砕いたりといった工夫をしましょう。
多くの犬は暑さや寒さに弱い傾向があります。その中でも、体の小さな超小型犬であれば、なおさら注意しなくてはいけません。そのため、暖房器具やブランケット、犬用の服などで温度管理をすることが大切です。こういったあらゆるリスクに備え、大切な命を守ってあげましょう。
まとめ
「世界一小さい犬」のギネス記録を持つ犬など、最小化が進んでいる小型犬。しかし、体の大きさが小さくなるほど体が弱い犬が多く、先天性の疾患を持っているケースも多いです。そのため、犬を迎え入れる前には超小型犬についての知識を十分に得ることをおすすめします。
また、年に1回の健康診断を受けることでリスクを最小限にとどめ、小さな命を守ってあげられるとよいですね。