【獣医師監修】ボクサーってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

【獣医師監修】ボクサーってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

ボクサーの性格や大きさ、毛色の種類から歴史まで詳しく解説!迫力ある筋肉質な見た目と家族に見せる無邪気なギャップが魅力のボクサー。飼い方のコツや必要な運動量、注意すべき心臓病などの健康管理、似た犬種との違いまで、お迎え前に知りたい情報をお届けします。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ボクサーの特徴

芝生の上で横向きに立っているボクサー

  • 犬種名:ボクサー(Boxer)
  • 原産国:ドイツ
  • 大きさ:中型犬
  • 体高:オス 57~63cm、メス 53~59cm
  • 体重:オス30kg超、メス約25kgが目安
  • 被毛:短く硬めで、光沢があり体に密着するスムースコート
  • 毛色:フォーン、ブリンドル。顔にはブラック・マスクが入り、白い斑が見られることもある
  • 性格:勇敢で自信があり、穏やかで家族に忠実。遊び好きで、見知らぬ人には慎重
  • 寿命:10~12年

ボクサーは、引き締まった筋肉と丈夫な骨格を備えた、力強く均整の取れた体つきが特徴です。全体の輪郭は四角形に近く、短い背中と深い胸、発達した四肢によって、たくましく活動的な印象を与えます。

頭部は体とのバランスが取れた大きさで、幅のあるマズルと前方に突き出た下顎を持ちます。下の前歯が上の前歯より前に出るアンダーショットのかみ合わせも、ボクサーを象徴する特徴のひとつです。

自然な状態の耳は頭部の高い位置から頬に沿って垂れ、尾は一定の長さがあります。一方、かつては断耳や断尾が行われていたため、写真や個体によって耳の形や尾の長さが異なることがあります。

なお、公式に認められたミニチュア・ボクサーや小型タイプは存在しません。小さなボクサーとして紹介されている犬は、体格が小柄な個体や、ほかの犬種とのミックスである可能性があります。

ボクサーの大きさ

ボクサーの体高は、オスが57~63cm、メスが53~59cmです。

体重は体高とのバランスによって異なりますが、体高約60cmのオスでは30kgを超え、体高約56cmのメスでは約25kgが目安とされています。

体高だけを見ると極端に大きな犬種ではありませんが、胸幅があり、全身に筋肉が発達しているため、実際の数値以上にたくましく見えます。

体長は体高とほぼ等しく、横から見ても四角形に近い、まとまりのある体型をしています。

オスはメスよりも骨格が太く、頭部や胸まわりにも厚みが出やすい傾向があります。ただし、体格には個体差があり、成長の速度や最終的な大きさも一頭ごとに異なります。

ボクサーの被毛タイプ

ボクサーの被毛は、短く硬めで、体に密着して生えるスムースコートです。表面にはなめらかな光沢があり、発達した筋肉の輪郭が分かりやすい被毛をしています。

長い飾り毛はなく、全身の毛の長さはほぼ均一です。短毛ではあるものの抜け毛がないわけではなく、短い毛が衣類や布製品に付着することがあります。

被毛が短いため、皮膚の赤みや傷、脱毛、しこりなどの変化を目で確認しやすいことも特徴です。一方で、毛による保護が少なく、寒さや強い日差しの影響を受けやすい面があります。

ボクサーの毛色の種類

ボクサーの基本的な毛色は、フォーンとブリンドルです。

フォーンは淡い黄褐色から濃い赤褐色まで幅があり、なかでも赤みを帯びたレッド・フォーンが代表的です。ブリンドルはフォーンの地色に、肋骨の方向へ沿うような黒い縞模様が入ります。

どちらの毛色でも、顔にはブラック・マスクと呼ばれる黒い色が入ります。マスクはマズルを中心に現れますが、顔全体を覆って表情が分かりにくくなるほど広がらないものが望ましいとされています。

胸元や首、顔、足先などに白い斑が入ることもあります。白い模様はボクサーらしい外見を引き立てますが、体の地色よりも広い範囲を占めるものは犬種標準から外れます。

全身の大部分が白いホワイト・ボクサーも生まれますが、別の犬種ではありません。ただし、フォーンやブリンドルとは犬種標準上の扱いが異なります。

また、ブラックやグレーは標準的な毛色として認められていません。黒一色に見える個体の多くは、黒い縞模様が密に入った濃いブリンドルです。

ボクサーの性格

おもちゃを引っ張り合って遊ぶ2頭のボクサー

ボクサーは、明るく活発で、家族に対して愛情深い性格の犬種です。飼い主との関わりを好み、成犬になっても無邪気に遊ぶ姿を見せることがあります。

勇敢で警戒心があり、見知らぬ人に対して慎重な態度を取ることもありますが、外見だけで凶暴な犬と判断するのは適切ではありません。落ち着いて状況を見極める面があり、家族には忠実で親しみやすい傾向があります。

一方で、興奮すると飛びついたり、力強く動いたりすることがあります。性格には個体差がありますが、活発さと甘えん坊な一面をあわせ持つことが、ボクサーならではの魅力です。

ボクサーの歴史

原っぱに立って遠くを見つめるボクサー

ボクサーは、19世紀後半のドイツで成立した犬種です。直接の祖先とされているのは、ブレンバイサーと呼ばれる狩猟犬で、大型の獲物を追い詰め、猟師が到着するまで押さえておく役割を担っていました。

狩猟方法の変化によってブレンバイサーの仕事が減ると、より扱いやすく多用途な犬を目指した繁殖が進められました。

その過程で、ブレンバイサーの系統にブルドッグ系の犬などが交配され、現在のボクサーにつながる基礎が築かれたと考えられています。

19世紀末にはドイツのミュンヘンを中心に犬種としての改良が進み、1895年には最初のボクサー犬種クラブが設立されました。その後、犬種標準が整えられ、外見や能力の統一が図られていきます。

ボクサーは優れた体力と作業能力を生かし、番犬や警察犬、軍用犬、伝令犬など、さまざまな役割を担ってきました。

20世紀に入るとドイツ国外にも広まり、作業犬としてだけでなく家庭犬としても親しまれるようになります。

犬種名の由来は明確に確定していません。前足を器用に使って動く姿がボクシング選手を思わせることから名付けられたという説など、いくつかの説が伝えられています。

ボクサーの価格相場

伏せたまま首を傾げるボクサーの子犬

ボクサーの子犬の価格は、20万~30万円前後がひとつの目安です。

ただし、血統や月齢、性別、親犬の実績、健康検査の内容などによって異なり、10万円台で販売される場合もあれば、30万円を超える場合もあります。

ボクサーは国内での流通数が多い犬種ではなく、時期によっては販売中の子犬がほとんど見つからないこともあります。

価格だけで判断せず、希望する条件に合う子犬が生まれるまで待つことも視野に入れて探しましょう。

また、表示されている生体価格とは別に、ワクチン接種、健康診断、マイクロチップの登録、血統書の発行、輸送などの費用がかかることがあります。

問い合わせの際は、表示価格に何が含まれているのかを確認しておくと安心です。

ボクサーのブリーダーを探す方法

ボクサーのブリーダーを探す場合は、まずブリーダー紹介サイトや子犬販売サイトで犬種名を指定して検索します。

インターネットで「ボクサー ブリーダー」と地域名を組み合わせて検索し、専門犬舎の公式サイトや出産情報を確認する方法もあります。

販売中の子犬が見つからない場合は、過去にボクサーを取り扱っていたブリーダーも確認しましょう。今後の出産予定や予約の受け付けについて問い合わせることで、募集開始前の情報を得られる場合があります。

候補が見つかったら、犬舎を見学し、子犬だけでなく親犬の様子や飼育環境も確認します。
清潔な環境で育てられているか、親犬の体格や性格について詳しく説明してもらえるか、子犬が人や生活音に慣れる機会を設けているかを確かめましょう。

ボクサーでは心臓や関節に関する病気が見られるため、親犬が受けた健康検査の内容も重要です。心エコー検査やホルター心電図、股関節の評価などについて、検査結果を確認できるか尋ねてください。

第一種動物取扱業の登録情報、血統書の有無、ワクチンやマイクロチップの状況、引き渡し後の相談体制も確認します。

質問に具体的に答えない、見学を受け付けない、契約を急がせるといった場合は、慎重に判断することが大切です。

遠方のブリーダーから迎える場合でも、価格や移動距離だけで決めるのは避けましょう。長く付き合える相手かどうかを見極め、子犬の健康や育て方について十分な説明を受けてから契約してください。

ボクサーの飼い方

室内の犬用ベッドでくつろぐボクサー

ボクサーを飼う際は、力強い動きに対応できる生活環境と、毎日しっかり向き合える時間を確保することが大切です。室内では落ち着いて休める広めのクレートやベッドを用意し、床には滑りにくいマットを敷きましょう。

人と過ごすことを好むため、長時間の留守番が続く家庭にはあまり向いていません。退屈すると物をかじったり、落ち着きを失ったりすることがあるため、留守番の前後には散歩や遊びの時間を設けます。

また、短いマズルと短毛の体は気温の影響を受けやすいため、夏は涼しい室内を保ち、冬は暖かく休める場所を整えてください。屋外で飼い続けるのではなく、家族と一緒に室内で暮らす飼い方が適しています。

ボクサーの運動量

ボクサーは活動的で体力があり、毎日の十分な運動が必要です。健康な成犬であれば、1日2回、それぞれ30分~1時間程度の散歩を目安にし、年齢や体調に合わせて調整しましょう。

ただ歩くだけでなく、においを嗅ぎながらゆっくり歩く時間や、短いトレーニング、ボール遊び、引っ張り遊びなどを組み合わせると、心身を満たしやすくなります。知育玩具を活用し、頭を使う遊びを取り入れるのもおすすめです。

成長途中の子犬には、長距離のランニングや高い場所からの飛び降りなど、体に強い負担がかかる運動をさせすぎないようにします。

シニア犬も体力に合わせて距離や速度を調整し、短時間の散歩を複数回に分けるとよいでしょう。

暑い時間帯の散歩や激しい運動は避け、夏は早朝や日没後など、気温の低い時間を選びます。呼吸が荒くなった場合は無理をさせず、涼しい場所で休ませてください。

ボクサーのしつけ方

ボクサーは理解力が高く、人と一緒に取り組むことを好むため、遊びを交えながら楽しく教える方法が向いています。望ましい行動ができた直後に褒め、おやつや遊びを使って繰り返し覚えさせましょう。

体が大きくなると、悪気のない飛びつきやリードの引っ張りでも事故につながることがあります。

子犬の頃から「待て」「おいで」「ハウス」などの基本的な指示に加え、落ち着いて歩くことや、人に飛びつかないことを教えておく必要があります。

家族によってルールが異なると混乱しやすいため、ソファに乗せるか、食事中に近づかせるかなど、生活上の決まりを統一してください。

大声で叱ったり力で押さえつけたりする方法ではなく、短時間の練習を毎日積み重ねることが大切です。

子犬期には、無理のない範囲でさまざまな人や犬、車の音、来客、動物病院などに慣らします。怖がっているときに無理に近づけるのではなく、安心できる距離から少しずつ経験させましょう。

ボクサーのケア方法

ボクサーは短毛のため大がかりなトリミングは必要ありませんが、週に1~2回を目安にブラッシングを行います。

ラバーブラシなどで抜け毛や汚れを取り除きながら、皮膚の赤み、傷、脱毛、しこりがないか確認しましょう。

シャンプーは汚れやにおいが気になるときに行い、洗いすぎによる乾燥を避けます。シャンプー後は被毛だけでなく、耳の周囲や指の間までしっかり乾かしてください。

垂れ耳は湿気や汚れがこもることがあるため、耳垢やにおい、赤みを定期的に確認します。自宅で耳の奥まで綿棒を入れず、異常がある場合は動物病院で診てもらいましょう。

歯磨きはできるだけ毎日行い、難しい場合でも少しずつ口元に触れられるよう練習します。爪も伸びすぎる前に切り、歩くと床に爪が当たる音がする場合は長さを確認してください。

口元が汚れたり、よだれが付着したりしたときは、やわらかい布でこまめに拭き取ります。首輪やハーネスが皮膚に擦れていないかも確認し、体に合ったサイズを使用しましょう。

ボクサーの寿命と病気

床に伏せているボクサーの顔のアップ

ボクサーの平均寿命は10~12年ほどです。ただし、寿命には遺伝的な体質や生活環境、日頃の健康管理などが関係するため、すべての個体に当てはまるわけではありません。

健康を保つためには、適正体重を維持し、年齢や体調に合った運動と食事を続けることが大切です。元気に見えていても定期健診を受け、心音や皮膚、目、関節などの状態を確認してもらいましょう。

呼吸が荒い、疲れやすい、ふらつく、突然倒れる、目を開けにくそうにする、体にしこりができるなどの変化が見られた場合は、早めに動物病院を受診してください。

ボクサーのかかりやすい病気

ボクサーで注意したい病気のひとつが、不整脈原性右室心筋症です。

ボクサー心筋症とも呼ばれ、不整脈によってふらつきや失神が起こり、まれに突然死につながることがあります。初期には目立った症状がない場合もあるため、検査の時期や内容を獣医師に相談しましょう。

心臓から全身へ血液を送り出す通り道が狭くなる大動脈弁下狭窄症にも注意が必要です。

疲れやすさや運動後のふらつき、失神などが見られることがあり、心雑音を指摘された場合は心エコー検査などで詳しく調べます。

目では、角膜の傷が治りにくい難治性角膜潰瘍が見られることがあります。涙が増える、目を細める、前足でこするなどの様子がある場合は、悪化する前に受診してください。

そのほか、股関節形成不全、肥満細胞腫などの腫瘍、アトピー性皮膚炎などにも注意が必要です。歩き方の変化や皮膚の赤み、かゆみ、脱毛、しこりなどを見つけた場合は、小さな変化でも獣医師に相談しましょう。

胸の深い体型をしているため、胃拡張・胃捻転症候群を起こす可能性もあります。

吐こうとしても吐けない、お腹が急に膨らむ、落ち着かず大量のよだれを流すといった症状が見られた場合は、夜間でも速やかな受診が必要です。

ボクサーに似た犬種

並んで座るボクサーの子犬とボストン・テリア

ボクサーは、短いマズルや筋肉質な体つきから、ブルドッグやボストン・テリア、アメリカン・ピット・ブル・テリア、ドーベルマンなどと似て見えることがあります。

ブルドッグは低重心で幅広い体型をしており、脚が長く引き締まったボクサーとはシルエットが異なります。ボストン・テリアは顔立ちや白い模様が似ていますが、ボクサーよりもかなり小柄です。

アメリカン・ピット・ブル・テリアは、短毛で筋肉質な体型が共通していますが、頭部の幅や体の輪郭に違いがあります。ドーベルマンは体高が高く、マズルが長いため、ボクサーよりも細身ですっきりとした印象です。

似て見える犬種でも、体格や必要な運動量、飼育時に求められる管理は異なります。外見だけで判断せず、それぞれの犬種の特徴を確認することが大切です。

まとめ

野花が咲く原っぱに立っているボクサー

ボクサーは、筋肉質で引き締まった体と短いマズルを持ち、力強い外見とは対照的に、家族には明るく愛情深い姿を見せる犬種です。

活発で体力があるため、毎日の十分な散歩や遊びに加え、子犬の頃から飛びつきや引っ張りを抑えるしつけが欠かせません。短毛で大がかりなトリミングは不要ですが、皮膚や耳、歯などの日常的な確認は必要です。

また、暑さに弱く、不整脈原性右室心筋症や大動脈弁下狭窄症、難治性角膜潰瘍、胃拡張・胃捻転症候群などにも注意が求められます。

迎える際は価格や外見だけで判断せず、親犬の健康検査や飼育環境を確認し、運動時間や医療費まで含めて長く責任を持てるか検討しましょう。

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