【獣医師監修】ダッチ・シャペンドースってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

【獣医師監修】ダッチ・シャペンドースってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

オランダ原産の希少犬種ダッチ・シャペンドースについて、歴史や大きさ、豊かな被毛、毛色、性格を詳しく解説します。国内での価格相場やブリーダーの探し方に加え、必要な運動量、しつけ、被毛ケア、寿命、進行性網膜萎縮症など注意したい病気まで、迎える前に知っておきたい情報をまとめました。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ダッチ・シャペンドースとは

アップのダッチ・シャペンドース

  • 犬種名:ダッチ・シャペンドース(Dutch Schapendoes)
  • 原産国:オランダ
  • 大きさ:中型犬
  • 体高:オス 43cm〜50cm/メス 40cm〜47cm
  • 体重:オス約18kg/メス約13kg(参考値)
  • 被毛:長毛のダブルコート
  • 毛色:すべての毛色が認められ、ブルーグレーからブラックが好ましい
  • 性格:明るく活発、愛情深く友好的、賢く自主性がある
  • 寿命:12歳〜15歳前後

ダッチ・シャペンドースは、オランダ原産の中型犬です。英語では「Dutch Schapendoes」と表記され、日本では「シャーペンドース」と紹介されることもあります。

日本国内では飼育頭数や繁殖例が少なく、一般的なペットショップで見かける機会はほとんどありません。

迎える場合は、国内外のブリーダーや犬種団体を通じて情報を集め、入手方法や必要な費用を事前に確認する必要があります。

家庭犬として暮らすこともできますが、十分な運動や継続的なしつけ、豊かな被毛の手入れに時間をかけられる環境が求められます。

珍しさや外見だけで判断せず、日々の世話に無理なく向き合えるかを考えたうえで迎えることが大切です。

ダッチ・シャペンドースの歴史

牧羊地

ダッチ・シャペンドースの祖先は、かつてオランダ各地の農場や放牧地で働いていた、長い被毛を持つ牧羊犬です。羊の群れをまとめたり、羊飼いの指示に従って移動させたりする実用犬として、人々の暮らしを支えてきました。

当時は外見を統一することよりも、牧羊犬として役立つ能力が重視されていました。そのため、現在のように明確な犬種標準を持つ純血種ではなく、地域ごとにさまざまな姿の犬が飼育されていたと考えられています。

しかし、農業の機械化や牧羊方法の変化に加え、第二次世界大戦による混乱の影響もあり、ダッチ・シャペンドースの基礎となる犬たちは急速に減少しました。

一時は存続が危ぶまれるほど頭数が少なくなりましたが、戦後になると犬種の保存を目指す活動が始まります。

オランダの愛好家たちは、各地に残っていた牧羊犬を探し出して繁殖を進め、1947年には犬種クラブを設立しました。

その後、犬種標準の整備と計画的な繁殖が重ねられ、ダッチ・シャペンドースはオランダを代表する犬種のひとつとして正式に認められるようになりました。

ダッチ・シャペンドースの特徴

座るダッチ・シャペンドース

ダッチ・シャペンドースは、豊かな長毛に包まれた柔らかな印象と、軽快に動けるしなやかな体つきを兼ね備えています。

頭部には長い毛が生え、口まわりのひげやあごひげのような被毛が、親しみのある独特な表情を作り出しています。

耳は比較的高い位置についており、頬に沿うように垂れています。尾にも長い飾り毛があり、歩いたり走ったりする際には、全身の豊かな被毛とともに躍動感のあるシルエットを見せます。

見た目は毛量によって大きく見えますが、被毛の下には重すぎない骨格と引き締まった体があります。牧羊犬らしい機敏な動きができ、弾むような歩様や優れたジャンプ力も、この犬種を特徴づける要素です。

ダッチ・シャペンドースの大きさ

ジャパンケネルクラブの犬種標準では、成犬の体高はオスが43cm〜50cm、メスが40cm〜47cmとされています。中型犬に分類され、オスのほうがメスよりもやや大きくなる傾向があります。

体重については、ジャパンケネルクラブの犬種標準に明確な規定はありません。個体差がありますが、海外の犬種資料ではオスが18kg前後、メスが13kg前後を目安とする例があります。

ただし、体重は骨格や筋肉量によっても変わるため、数値だけで適正かどうかを判断することはできません。肋骨に無理なく触れられるか、腰のくびれが確認できるかなど、体型全体を見ながら適正体重を保つことが大切です。

ダッチ・シャペンドースの被毛タイプ

ダッチ・シャペンドースは、上毛と下毛の二層からなるダブルコートの犬種です。下毛は密に生えており、その上を長く豊かな上毛が覆っています。

上毛は細く乾いた質感で、まっすぐではなく緩やかに波打っています。強く巻いた巻き毛ではなく、全体に自然なボリュームとわずかなうねりが見られるのが特徴です。

特に頭頂部や顔まわり、耳、尾には長い毛が豊富に生えています。被毛の下にある体の輪郭が見えにくいほど毛量が多く、ふんわりとした外見を作り出しています。

ダッチ・シャペンドースの毛色の種類

ダッチ・シャペンドースの毛色は、犬種標準ではすべての色が認められています。そのなかでも、ブルーグレーからブラックにかけての色合いが好ましいとされています。

実際には、ブラックやグレーを中心とした単色のほか、白と黒、白とグレーなどが組み合わさった毛色も見られます。ブラウン系の色を含む個体もおり、色の入り方や濃淡には幅があります。

長い被毛が重なり合うため、光の当たり方や毛の流れによって色の印象が変わることもあります。また、子犬から成犬へ成長する過程で、毛色がやや薄くなったり濃淡が目立つようになったりする場合があります。

ダッチ・シャペンドースの性格

花畑の中にいるダッチ・シャペンドース

ダッチ・シャペンドースは、明るく活発で、人との関わりを好む犬種です。家族に対して愛情深く、遊びやコミュニケーションを通じて親密な関係を築きます。

賢く状況をよく見て行動する一方で、牧羊犬らしい自主性を見せることもあります。見知らぬ人には慎重になる場合がありますが、適切に社会化されていれば、子どもやほかの犬とも良好な関係を築きやすいでしょう。

家族と過ごす時間を好むため、長時間ひとりで過ごす生活にはあまり向いていません。活動的で知的好奇心も旺盛なため、日常的に人と関われる家庭に適しています。

ダッチ・シャペンドースの価格相場

ダッチ・シャペンドースは日本国内での販売例が非常に少なく、一般的な価格相場は形成されていません。そのため、国内で迎える場合の値段を一律に示すことは困難です。

海外の犬種情報では、FCIの血統書が付いた子犬の価格は平均1,500ユーロ前後とされています。日本円では約28万円が目安ですが、これは海外で購入する場合の子犬自体の参考価格であり、日本で支払う総額ではありません。

海外から迎える場合は、子犬の代金とは別に、健康診断や必要な予防接種、マイクロチップの装着、健康証明書の取得、国際輸送、輸入手続きなどの費用がかかります。

輸送を代行業者へ依頼する場合は手数料も加わるため、最終的な総額は子犬の参考価格を大きく上回る可能性があります。

国内で繁殖された子犬が見つかった場合も、血統や親犬の健康検査、月齢などによって価格は異なります。

掲載された金額だけで判断せず、価格に含まれる健康診断、ワクチン接種、血統書、マイクロチップなどの内容も確認しましょう。

ダッチ・シャペンドースのブリーダーを探す方法

まずは犬種名で子犬販売サイトやブリーダー紹介サイトを検索し、現在の出産情報を確認します。

ただし、国内では掲載がない時期も多いため、見つからない場合はジャパンケネルクラブのドッグショーや犬種に詳しい団体を通じて、飼育者や繁殖者の情報を探す方法もあります。

国内で繁殖者を見つけられない場合は、原産国であるオランダの犬種団体へ問い合わせる方法があります。現地の犬種団体では、所属するブリーダーや現在生まれている子犬、今後の出産予定などを案内していることがあります。

候補となるブリーダーが見つかったら、犬舎を見学し、子犬だけでなく親犬の性格や健康状態、生活環境も確認します。

遠方や海外で見学が難しい場合は、写真だけでなくビデオ通話などを利用し、親犬や飼育環境を見せてもらいましょう。

あわせて、親犬が進行性網膜萎縮症に関する遺伝子検査や眼科検査を受けているか、結果を確認できる書類があるかも尋ねます。

検査を受けていることだけでなく、その結果を踏まえて適切な繁殖計画が立てられているかを確認することが大切です。

質問への回答が曖昧である、親犬や飼育環境を見せない、健康検査の結果を提示しない、すぐに代金を支払うよう迫るといった場合は慎重に判断してください。

引き渡し後の健康相談や飼育相談に応じてもらえるかも、ブリーダーを選ぶ際の重要な確認事項です。

海外から迎える場合は、購入を決める前に動物検疫所へ問い合わせ、日本への輸入条件と必要な手続きを確認します。必要な準備には長い期間がかかることもあるため、ブリーダーや輸送業者と相談しながら計画的に進めましょう。

ダッチ・シャペンドースの飼い方

こちらを見つめるダッチ・シャペンドース

ダッチ・シャペンドースと暮らすには、毎日の運動時間を確保できることに加え、人と関わりながら頭を使える環境を整えることが大切です。活動的な犬種のため、散歩だけでなく遊びやトレーニングも日常に取り入れましょう。

室内では落ち着いて休める場所を用意し、滑りやすい床にはマットを敷くなど、足腰への負担を減らします。優れたジャンプ力を持つため、庭や玄関には十分な高さの柵やゲートを設け、飛び出しや脱走を防いでください。

豊かな被毛を持つため、暑い時期は熱中症にも注意が必要です。室温や湿度を調整し、散歩は気温の低い時間帯に行います。常に新鮮な水を飲めるようにし、呼吸が荒い、動きたがらないといった変化がないか確認しましょう。

ダッチ・シャペンドースの運動量

牧羊犬として働いてきたダッチ・シャペンドースは、高い持久力と機動性を備えています。成犬では、1日合計1時間前後をひとつの目安として、朝夕に分けて散歩する方法が考えられます。

ただし、必要な運動量は年齢や体調、個体の活動性によって異なります。散歩だけで満足できないこともあるため、ボール遊びや探索遊び、知育玩具などを組み合わせ、頭と体の両方を使わせましょう。

アジリティーやオビディエンス、ノーズワークなど、飼い主と一緒に取り組める活動とも相性がよい犬種です。

一方、子犬期は骨や関節が成長途中にあるため、高い場所からの跳び下りや過度なジャンプ、長時間の激しい運動は避けてください。

ダッチ・シャペンドースのしつけ方

賢く学習意欲が高いため、望ましい行動ができたときに褒めたり、ごほうびを与えたりする方法が向いています。大声で叱るよりも、短い練習を繰り返しながら、してほしい行動を分かりやすく教えましょう。

子犬期から、人やほかの犬、車の音、来客、動物病院など、日常で出会うさまざまな刺激に少しずつ慣れさせます。無理に近づけるのではなく、落ち着いて受け入れられる距離から経験を重ねることが大切です。

散歩中に人や動物を追いかける、前へ回り込むといった牧羊犬らしい行動が見られる場合は、呼び戻しや飼い主へ注意を向ける練習を行います。家族によって指示やルールが変わらないよう、合図や対応方法を統一してください。

同じ練習を長く続けると集中が切れることもあります。1回の練習は短時間にとどめ、内容に変化をつけながら、成功したところで終えると学習を続けやすくなります。

ダッチ・シャペンドースのケア方法

長く豊かな被毛は、表面だけでなく根元まで定期的に確認します。耳の後ろ、わきの下、胸元、内股、首輪やハーネスが当たる部分はもつれやすいため、こまめに毛をかき分けてチェックしましょう。

全身のブラッシングやコーミングは、毛量や生活環境に合わせて行います。散歩後は植物の種、小枝、泥などが付着していないか確認し、見つけた場合は毛を無理に引っ張らず、少しずつ取り除いてください。

シャンプーは一定の間隔で必ず行うのではなく、汚れやにおいが気になるときなど、必要に応じて行います。洗ったあとは被毛の内側まで十分に乾かし、湿気が残らないようにしましょう。

顔まわりの毛が豊かなため、目の充血や涙、目やになどの変化を見落とさないよう注意します。口まわりも食事や水で汚れやすいため、濡れた場合は清潔な布で拭き取り、蒸れた状態を長く残さないようにしてください。

耳は異臭、赤み、耳垢、かゆみがないかを定期的に確認します。耳道の奥まで綿棒を入れたり、自己判断で頻繁に洗浄したりせず、異変がある場合は動物病院を受診しましょう。

被毛を極端に短く刈ることは避け、カットが必要な場合は、ダッチ・シャペンドースの被毛に詳しいトリマーへ相談してください。

歯磨きや爪切り、足裏の毛の手入れも、犬が嫌がらないよう子犬期から少しずつ慣れさせることが大切です。

ダッチ・シャペンドースの寿命と病気

ダッチ・シャペンドースの寿命は、12歳〜15歳前後が目安とされています。ただし、実際の寿命は遺伝的な体質だけでなく、食事内容や運動量、体重管理、生活環境、医療ケアなどによっても変わります。

健康を保つためには、定期的な健康診断を受けるとともに、食欲や排泄、歩き方、目の見え方など、日常の小さな変化を見逃さないことが大切です。

特に目に関する遺伝性疾患が知られているため、暗い場所で動きにくそうにするなどの異変があれば、早めに動物病院へ相談しましょう。

ダッチ・シャペンドースのかかりやすい病気

ダッチ・シャペンドースで注意したい病気には、進行性網膜萎縮症があります。

網膜の機能が徐々に失われる遺伝性の眼疾患で、初期には暗い場所で物にぶつかる、夜の散歩を嫌がるといった変化が見られることがあります。

根本的な治療は難しいため、親犬の遺伝子検査や眼科検査の結果を確認することが、発症リスクを抑えるうえで重要です。

このほか、眼球に向かって余分なまつ毛が生える睫毛重生や白内障、出生後も心臓近くの血管が閉じずに残る動脈管開存症が報告されています。

いずれも外見だけでは判断しにくいことがあるため、定期健診に加え、呼吸が速い、疲れやすい、目が白く濁るといった変化があれば早めに受診してください。

まとめ

森の中で座るダッチ・シャペンドース

ダッチ・シャペンドースは、オランダの放牧地で牧羊犬として活躍してきた、豊かな長毛としなやかな体つきが印象的な中型犬です。明るく愛情深い一方、自ら状況を判断する賢さや自主性も備えています。

日本では飼育頭数や販売例が少なく、迎える際は国内外のブリーダーを慎重に探し、子犬の価格だけでなく輸送や検疫にかかる費用も確認することが大切です。

暮らし始めてからは、毎日の散歩に遊びやトレーニングを組み合わせ、定期的な被毛の手入れを続ける必要があります。

また、進行性網膜萎縮症などの遺伝性疾患について理解し、親犬の検査結果や繁殖方針を確認しましょう。運動やしつけ、健康管理に継続して取り組める家庭に向いている犬種です。

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