【獣医師監修】ユーラシアってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

【獣医師監修】ユーラシアってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

ユーラシアは、ドイツ原産の中型スピッツ系犬種です。穏やかで家族への愛情が深く、豊かな被毛と落ち着いた雰囲気が魅力。性格や大きさ、毛色、飼い方、価格相場、ブリーダーの探し方、寿命や注意したい病気まで解説します。

SupervisorImage

記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ユーラシアってどんな犬?

並んで座る2頭のユーラシア

  • 犬種名:ユーラシア(Eurasier)
  • 別名:ユーレイシャー、ユーラシアン
  • 原産国:ドイツ
  • 大きさ:中型犬
  • 体高:オス 52cmから60cm、メス 48cmから56cm
  • 体重:オス 22kgから30kg、メス 18kgから26kg
  • 被毛タイプ:中くらいの長さのダブルコート
  • 毛色:レッド、フォーン、ウルフグレー、ブラック、ブラック&タン、セーブル系など
  • 性格:穏やか、家族思い、落ち着きがある、見知らぬ人には慎重
  • 寿命:12〜14年ほど

ユーラシアは、ドイツを原産とする中型のスピッツ系犬種です。

家庭で人と穏やかに暮らすことを目的に作出された犬種で、国際畜犬連盟(FCI)ではスピッツおよびプリミティブタイプの犬種に分類されています。

犬種名の「ユーラシア」は、ユーラシア大陸そのものを原産地として示す名称ではありません。作出に関わった犬種のルーツが、ヨーロッパ系とアジア系にまたがることに由来するとされています。

もともとはチャウ・チャウとウルフスピッツをもとに作出され、当初はウルフ・チャウと呼ばれていました。その後、サモエドの血統が加えられ、現在のユーラシアという犬種名で知られるようになりました。

日本では「ユーラシア」のほか、「ユーレイシャー」と表記されることもあります。英語表記ではEurasierが一般的で、資料によってはEurasianと記される場合もありますが、基本的には同じ犬種を指しています。

国内ではまだ知名度が高い犬種ではありませんが、落ち着いた家庭犬としての魅力を持つ希少な存在です。

迎える際は、見た目の珍しさだけで判断せず、犬種としての成り立ちや暮らし方を理解したうえで検討することが大切です。

ユーラシアの性格

周囲を観察するユーラシア

ユーラシアは、穏やかで落ち着きがあり、家族に対して深い愛情を示す犬種です。

そばにいる人とのつながりを大切にするため、家庭犬として暮らしやすい一方、長時間ひとりで過ごす生活はあまり得意ではありません。

見知らぬ人には慎重に接する傾向があり、誰にでもすぐ甘えるタイプとは限りません。そのため、子犬の頃から人や犬、生活音、外の環境に少しずつ慣れさせ、安心できる経験を重ねることが大切です。

繊細な面もあるため、強く叱って従わせるよりも、家族でルールをそろえながら穏やかに教える方法が向いています。適切な社会化としつけを行えば、家族に寄り添う落ち着いたパートナーになってくれるでしょう。

ユーラシアの特徴

岩場に立つユーラシア

ユーラシアは、スピッツ系らしい整った立ち姿と、やわらかな印象を与える表情が魅力の犬種です。

全体的にバランスの取れた体つきをしており、家庭犬としての落ち着いた雰囲気と、北方系の犬らしい存在感をあわせ持っています。

見た目はふんわりとした印象ですが、実際にはしっかりした骨格を持つ中型犬です。ここでは、ユーラシアの大きさ、被毛、毛色について順番に見ていきましょう。

ユーラシアの大きさ

ユーラシアの体高は、オスで52cmから60cm、メスで48cmから56cmほどが目安です。体重はオスが22kgから30kg程度、メスが18kgから26kg程度とされ、メスのほうがやや小ぶりです。

日本でよく見かける小型犬よりはかなり大きく、柴犬と比べてもひと回り以上しっかりしたサイズ感があります。室内で一緒に暮らす場合は、移動スペースや休める場所を十分に確保しておくと安心です。

成犬になると抱き上げたり、車に乗せたりする際にもある程度の力が必要になります。子犬の頃は小さく見えても成長後は存在感のある大きさになるため、将来の体格をふまえて迎えることが大切です。

ユーラシアの被毛タイプ

ユーラシアの被毛は、やや硬さのある上毛と、厚く柔らかな下毛からなるダブルコートです。首まわりや尾の毛は特に豊かで、スピッツ系らしいふさふさとしたシルエットを作ります。

被毛には十分な厚みがあるため、寒さには比較的強い一方で、暑さや湿気には注意が必要です。見た目の美しさを保つには、毛のもつれや毛玉を防ぎ、皮膚の状態を清潔に保つことが欠かせません。

換毛期には抜け毛が増えやすく、日常的なブラッシングが重要になります。被毛のボリュームがある犬種なので、表面だけでなく根元まで空気を通すように整えることがポイントです。

ユーラシアの毛色の種類

ユーラシアは、毛色のバリエーションが豊富な犬種です。代表的な毛色には、レッド、フォーン、ウルフグレー、ブラック、ブラック&タン、セーブル系などがあります。

同じ毛色名でも、濃淡や差し色の入り方によって印象が変わります。明るくやわらかな雰囲気の個体もいれば、落ち着いた色合いで引き締まって見える個体もいます。

犬種標準では、白斑、純白、レバー、マールなどは認められていません。ただし、家庭犬として迎える場合は、毛色だけで判断するのではなく、健康状態や性格、育った環境を含めて総合的に見ることが大切です。

ユーラシアの価格相場

ぬいぐるみのおもちゃで遊ぶユーラシアの子犬

ユーラシアは日本国内での流通数が少ない犬種のため、子犬の価格相場を一律に示すことは難しい犬種です。

ただし、国内で迎える場合の生体価格の目安としては、50万円前後から80万円程度を見込んでおくとよいでしょう。

この金額は、あくまで子犬そのものの価格を想定した目安です。実際には、血統、月齢、健康状態、親犬の検査状況、ブリーダーの飼育方針、国内での出産頭数などによって変動します。

また、海外から迎える場合は、生体価格に加えて輸送費、輸入手続きに関わる費用、検疫に関する費用などが発生することがあります。そのため、総額では生体価格だけを見た場合より高くなる可能性があります。

お迎えの際には、子犬代だけでなく、ワクチン接種費用、犬の登録や狂犬病予防注射に関する費用、マイクロチップの変更登録手数料、ケージやトイレ用品、フード、保険、日用品なども必要です。

価格が極端に安い場合や、健康状態・親犬・飼育環境について十分な説明がない場合は注意が必要です。珍しい犬種だからこそ、価格だけで判断せず、信頼できる相手から迎えることを重視しましょう。

ユーラシアのブリーダーを探す方法

ユーラシアを迎えたい場合、まずは犬種名で検索して、国内でユーラシアを扱っているブリーダーや犬舎があるかを調べるところから始めます。

一般的なペットショップの店頭で出会える機会は多くないため、ブリーダーへ直接問い合わせる方法が中心になります。

探す際は、ブリーダー検索サイトだけでなく、犬舎の公式サイトやSNS、犬種クラブ、過去の出産情報なども確認するとよいでしょう。

すぐに子犬が見つからない場合でも、今後の出産予定や予約の可否を問い合わせられることがあります。

問い合わせる際は、子犬の価格だけでなく、親犬の健康状態、遺伝性疾患への検査、飼育環境、社会化の進め方、引き渡し時期、ワクチン接種の状況、引き渡し後の相談対応について確認しましょう。

犬舎を見学できる場合は、清潔に管理されているか、親犬や子犬が落ち着いて過ごしているか、ブリーダーが犬種の特徴や注意点を丁寧に説明してくれるかを見ることが大切です。

見学を断られる、説明が曖昧、即決を強く迫られる、極端に安い価格だけを強調する、といった場合は慎重に判断しましょう。ユーラシアは希少な犬種だからこそ、時間をかけて信頼できる迎え先を探すことが大切です。

ユーラシアの飼い方

屋外を駆けるユーラシア

ユーラシアを飼ううえでは、家族と一緒に過ごせる室内環境を整えることが大切です。

落ち着いた家庭犬として暮らしやすい犬種ですが、十分な運動、丁寧なしつけ、こまめなお手入れを継続できる生活リズムが求められます。

また、厚い被毛を持つため、日本の高温多湿な季節には室温や湿度の管理にも気を配る必要があります。床が滑りやすい場合はマットを敷くなど、足腰に負担をかけにくい住環境を整えておくと安心です。

ユーラシアの運動量

ユーラシアは、激しい運動を長時間続けるタイプではありませんが、毎日の散歩や遊びは欠かせません。散歩は1日2回、1回30分から1時間程度を目安にするとよいでしょう。

ただ歩くだけでなく、においを嗅ぎながら歩く時間や、室内で知育玩具を使う遊びを取り入れると、心身の満足につながります。家族と一緒に過ごす時間そのものも、ユーラシアにとって大切な刺激になります。

運動不足になると、ストレスや体重増加につながることがあります。特に夏場は暑さを避け、早朝や夜の涼しい時間帯に散歩するなど、季節に合わせて無理のない運動量に調整しましょう。

ユーラシアのしつけ方

ユーラシアのしつけでは、子犬の頃から人や犬、生活音、外の環境に少しずつ慣れさせることが大切です。慎重な面があるため、無理に刺激を与えるのではなく、安心できる経験を重ねながら慣らしていきましょう。

家族の中でルールがばらばらだと、犬が混乱しやすくなります。入ってよい場所、吠えたときの対応、留守番の練習、散歩時の歩き方などは、家族全員で方針をそろえて教えることが大切です。

大きな声で叱ったり、力で抑え込んだりするしつけは向いていません。できた行動を褒めながら、落ち着いた態度で繰り返し教えることで、ユーラシア本来の穏やかさを伸ばしやすくなります。

ユーラシアのケア方法

ユーラシアのお手入れで特に大切なのは、豊かなダブルコートを清潔に保つことです。普段からブラッシングを行い、毛のもつれや毛玉、皮膚の赤みがないかを確認しましょう。

換毛期には抜け毛が増えるため、表面だけでなく被毛の根元まで空気を通すように整えることがポイントです。被毛の中に湿気がこもると皮膚トラブルにつながることがあるため、シャンプー後はしっかり乾かしてください。

シャンプーは汚れや皮膚の状態に応じて行い、頻度に迷う場合は獣医師やトリマーに相談すると安心です。あわせて、爪切り、足裏の毛のカット、歯磨き、耳のチェックも日常的なケアとして習慣にしておきましょう。

ユーラシアの寿命と病気

床に伏せて休んでいるユーラシアのアップ

ユーラシアの平均寿命は、12年から14年ほどが一般的な目安です。ただし、寿命には個体差があり、食事や運動、医療ケア、生活環境によっても変わります。

健康に過ごすためには、適正体重の維持、無理のない運動、日々の観察、定期的な健康診断が大切です。歩き方や食欲、皮膚の状態、目の様子などに変化が見られた場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。

ユーラシアのかかりやすい病気

ユーラシアで注意したい病気には、股関節形成不全、肘関節形成不全、膝蓋骨脱臼などの関節トラブルがあります。歩き方が不自然、立ち上がりにくい、足をかばうような様子が見られる場合は、早めの受診が必要です。

また、甲状腺機能低下症や眼疾患が見られることもあります。元気がない、体重が増えやすい、被毛の状態が悪い、目を気にするなどの変化があれば、自己判断せず獣医師に相談しましょう。

厚い被毛を持つため、皮膚の蒸れやかゆみ、赤みなどにも注意が必要です。日頃から体を触って異変に気づけるようにし、健康診断では関節、目、甲状腺などについても確認しておくと安心です。

ユーラシアの歴史

飼い主の足の間に座って穏やかな表情を浮かべるユーラシア

ユーラシアは、1950年代後半から1960年頃のドイツで作出が始まった、比較的新しい犬種です。家庭で穏やかに暮らせる犬を目指し、計画的な交配によって生み出されました。

最初に用いられたのは、チャウ・チャウとウルフスピッツです。この組み合わせから生まれた犬たちは、当初「ウルフ・チャウ」と呼ばれていました。

その後、より現在のユーラシアに近い姿や気質へ整えるため、サモエドの血統が加えられました。こうして、ヨーロッパ系とアジア系の犬種の特徴を受け継ぐ犬として、ユーラシアという名称が使われるようになります。

1973年には、ドイツの畜犬団体や国際畜犬連盟(FCI)に犬種として認められました。長い歴史を持つ古代犬ではありませんが、明確な目的を持って作出された背景があり、現在も落ち着いた家庭犬として愛されています。

まとめ

花畑の中で立っているユーラシア

ユーラシアは、ドイツで家庭犬として作出された中型のスピッツ系犬種です。

穏やかで家族への愛情が深く、落ち着いた暮らしに向いていますが、見知らぬ人には慎重な面があるため、子犬の頃から無理のない社会化が大切です。

豊かなダブルコートは魅力のひとつですが、抜け毛や蒸れを防ぐためのブラッシングは欠かせません。国内では流通数が少なく、迎える際は価格だけでなく、ブリーダーの飼育環境や親犬の健康状態も確認しましょう。

毎日の散歩や穏やかなしつけ、室温管理、定期的な健康チェックを続けられる家庭であれば、ユーラシアは家族に寄り添う心強いパートナーになってくれるでしょう。

はてな
LINE
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい