【獣医師監修】ブルドッグの種類|代表犬種の特徴・大きさ・毛色の違いを解説

【獣医師監修】ブルドッグの種類|代表犬種の特徴・大きさ・毛色の違いを解説

ブルドッグの種類を、イングリッシュ・ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、アメリカン・ブルドッグを中心に解説。歴史上のトイ・ブルドッグ、毛色、ボストン・テリアとの違い、迎える前の注意点まで整理します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

ブルドッグの種類

芝生の上に立って正面を見つめるブルドッグ

ブルドッグと聞くと、低重心でがっしりした体つきの「ブルドッグ」を思い浮かべる方が多いでしょう。

日本の主要な血統登録団体であるジャパンケネルクラブ(JKC)では、一般的にイングリッシュ・ブルドッグと呼ばれる犬種が、正式には「ブルドッグ」と表記されています。

一方で、ブルドッグという名前が付く犬には、フレンチ・ブルドッグやアメリカン・ブルドッグのように、体格や成り立ちが大きく異なる犬種もいます。

さらに、歴史上の呼び名や毛色の違い、見た目が似ている別犬種まで含めて語られることがあるため、初めて調べる方には分かりにくく感じられるかもしれません。

現在、家庭犬としてよく知られている代表的なブルドッグ系の犬種は、イングリッシュ・ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、アメリカン・ブルドッグの3つです。

まずは、それぞれがどのような犬なのかを整理して見ていきましょう。

代表的なブルドッグ系犬種

フレンチ・アメリカン・イングリッシュブルドッグが並ぶ光景

代表的なブルドッグ系犬種は、名前に共通点があっても、原産国や作出の背景、体格、家庭犬としての向き合い方が異なります。ここでは、現在よく知られている3犬種について、基本的な特徴を中心に紹介します。

イングリッシュ・ブルドッグ

イングリッシュ・ブルドッグは、一般的に「ブルドッグ」と呼ばれる犬種です。原産国はイギリスで、JKCでは犬種名が「ブルドッグ」と表記されています。

かつては牛と犬を戦わせるブル・ベイティングという残酷な見世物競技に関わっていた歴史がありますが、その後は愛好家たちによって家庭犬として改良されてきました。

現在では、穏やかで人に寄り添いやすい犬として親しまれています。

犬種標準における体重の目安は、オスが約25kg、メスが約23kgです。体高に明確な数値規定はありませんが、体は低く、胸幅が広く、全体的に重厚な印象を持っています。

短いマズル、深いしわ、がっしりした骨格が特徴で、見た目には迫力があります。

一方で、家族に対しては愛情深く、落ち着いた性格の個体が多いとされています。ただし、性格には個体差があり、育った環境やしつけによっても変わります。

フレンチ・ブルドッグ

フレンチ・ブルドッグは、日本でも人気の高い小型のブルドッグ系犬種です。原産国はフランスで、イギリスから渡った小型のブルドッグをもとに、異種交配を経て愛玩犬として発展したとされています。

JKCの犬種標準では、体高の目安はオスが27cmから35cm、メスが24cmから32cmです。体重はオスが9kgから14kg、メスが8kgから13kgとされています。

最大の特徴は、ピンと立った大きな「コウモリ耳」です。短いマズルと筋肉質な体つきを持ちながら、イングリッシュ・ブルドッグよりもコンパクトで、家庭犬として迎えやすいサイズ感があります。

性格は明るく、人とのふれあいや遊びを好む傾向があります。社交的な個体も多い一方で、興奮しやすさや頑固さが見られることもあるため、子犬期から無理のない社会化と基本的なしつけを行うことが大切です。

アメリカン・ブルドッグ

アメリカン・ブルドッグは、アメリカで作業犬として発展してきた大型のブルドッグ系犬種です。農場の番犬や家畜の管理、狩猟などに関わってきた背景があり、現在も力強く活動的な犬として知られています。

体格は登録団体や系統によって幅があり、ブリー(Bully)タイプやスタンダード・タイプなどに分けて語られることがあります。

一般的には、体高が50cm台から60cm台、体重が30kgを超える大型犬として扱われます。

イングリッシュ・ブルドッグやフレンチ・ブルドッグに比べると脚が長く、マズルもやや長めで、筋肉質ながらスポーティーな印象があります。家庭犬として暮らす場合でも、十分な運動量と落ち着いた管理が必要です。

家族に対して忠実で、防衛本能が強く出ることもあります。そのため、力を制御できる飼い主の体力や判断力、子犬期からの社会化、継続的なしつけが欠かせません。

なお、日本ではJKCに公認されておらず、FCIでも公認犬種には含まれていません。

絶滅したブルドッグや歴史上の種類

2頭のブルドッグのうち小柄な1頭が振り向いている様子

ブルドッグについて調べていると、現在の犬種として登録されているものだけでなく、歴史上の呼び名や、現代では正式な犬種として扱われていない名称に出会うことがあります。

ここでは、特に「小さなブルドッグ」として語られることの多いミニチュア・ブルドッグとトイ・ブルドッグについて整理します。

ミニチュア・ブルドッグ(旧称:トイ・ブルドッグ)

ミニチュア・ブルドッグやトイ・ブルドッグという名前は、現在でも「小型のブルドッグ」を探している人の目に入りやすい呼び名です。

ただし、現代の主要な血統登録団体で、イングリッシュ・ブルドッグやフレンチ・ブルドッグのように独立した公認犬種として扱われているわけではありません。

歴史的には、18世紀から19世紀のイギリスで、標準的なブルドッグよりも小柄な個体が「トイ・ブルドッグ」と呼ばれていました。

愛玩犬として小型化されたブルドッグの一系統で、後にフランスへ渡った小型ブルドッグたちは、フレンチ・ブルドッグの成立にも関わったとされています。

しかし、当時のトイ・ブルドッグは独立した犬種として現在まで残ったわけではなく、歴史の中で絶滅した犬として扱われます。

そのため、現在「トイ・ブルドッグ」や「ミニチュア・ブルドッグ」という名前で紹介されている犬が、当時の犬種そのものを指しているとは限りません。

現代でこれらの名称が使われる場合は、小柄なブルドッグ個体や、ブルドッグ系の特徴を持つミックス犬、販売上の呼称として使われているケースがあります。

迎えることを検討する際は、名称だけで判断せず、親犬の犬種、血統書の有無、登録団体での扱いを確認することが大切です。

ブルドッグの種類ごとの違い

2頭並んでいるイングリッシュ・ブルドッグとフレンチ・ブルドッグ

ブルドッグ系の犬たちは、名前に共通点があっても、体格や印象、暮らしの中で必要になる配慮が大きく異なります。

ここでは、代表的な3犬種であるイングリッシュ・ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、アメリカン・ブルドッグを比較しながら、それぞれの違いを整理します。

大きさ・体格の違い

3犬種の中で最もコンパクトなのはフレンチ・ブルドッグです。小型犬に分類されることが多いものの、骨格はしっかりしており、一般的な小型犬よりも筋肉質な印象があります。

イングリッシュ・ブルドッグは、体高だけを見るとそれほど大きく見えない場合がありますが、胸幅が広く、体重もあるため、実際にはずっしりとした存在感があります。

抱き上げたり、散歩中に支えたりする場面では、見た目以上の重さを感じやすい犬種です。

アメリカン・ブルドッグは、3犬種の中で最も大きく、体高・体重ともに大型犬として考える必要があります。家庭に迎える場合は、室内の広さだけでなく、日常的に犬の力を安全に扱えるかどうかも重要です。

見た目の違い

フレンチ・ブルドッグは、ピンと立った大きな耳と、四角く引き締まった体つきが特徴です。コンパクトながら筋肉質で、愛嬌のある表情が目を引きます。

イングリッシュ・ブルドッグは、低い姿勢、広い胸、深いしわ、短いマズルが印象的です。全体的に重厚で、どっしりとしたシルエットをしています。

アメリカン・ブルドッグは、他の2犬種に比べて脚が長く、マズルもやや長めです。筋肉質で力強い一方、動きのあるスポーティーな体型に見える点が大きな違いです。

性格の違い

性格には個体差がありますが、犬種ごとに語られやすい傾向はあります。イングリッシュ・ブルドッグは、落ち着きがあり、家族とゆったり過ごすことを好む個体が多いとされています。

フレンチ・ブルドッグは、人とのふれあいや遊びを好み、明るく社交的な印象を持たれやすい犬種です。一方で、興奮しやすさや頑固さが見られることもあるため、日頃から落ち着いて接することが大切です。

アメリカン・ブルドッグは、作業犬としての背景から、活動的で家族への意識が強い傾向があります。頼もしいパートナーになり得る一方、力の強さや防衛本能を踏まえた接し方が必要です。

飼いやすさの違い

飼いやすさは、体の大きさだけで決まるものではありません。フレンチ・ブルドッグは比較的コンパクトで住環境に合わせやすい一方、短頭種ならではの体質に配慮しながら暮らす必要があります。

イングリッシュ・ブルドッグは運動量が極端に多い犬種ではありませんが、体重があるため、移動や通院、日常のお世話で飼い主側の体力が求められる場面があります。

落ち着いた性格の個体が多い反面、健康管理を丁寧に行うことが大切です。

アメリカン・ブルドッグは、十分な運動としつけの時間を確保できる家庭に向いています。体が大きく力も強いため、初めて犬を飼う人よりも、大型犬の扱いに慣れた人に向きやすい犬種です。

どの犬種を選ぶ場合も、見た目や人気だけで判断せず、家の広さ、毎日のお世話に使える時間、飼い主の体力、家族構成に合っているかを確認してから検討するとよいでしょう。

ブルドッグ系の毛色・カラーの種類

異なる毛色の5頭のフレンチ・ブルドッグが並んでいる光景

ブルドッグ系の犬を見比べると、体格や顔立ちだけでなく、毛色によっても印象が大きく変わります。ただし、毛色は犬種そのものの違いではなく、同じ犬種の中に見られる外見上のバリエーションです。

ここでは、特に毛色の種類が注目されやすいイングリッシュ・ブルドッグとフレンチ・ブルドッグについて、代表的なカラーを整理します。

イングリッシュ・ブルドッグの毛色

イングリッシュ・ブルドッグには、レッド、フォーン、ブリンドル、ホワイト、パイドなど、さまざまな毛色があります。

レッドやフォーンは茶系の色合いで、ブルドッグらしい重厚感とやわらかい雰囲気をあわせ持つカラーです。

ブリンドルは、地色に黒っぽい縞模様が入る毛色で、虎柄のように見えることがあります。ホワイトは白を基調とした毛色で、パイドは白地にレッドやフォーン、ブリンドルなどの斑が入るタイプです。

また、ブラックのマスクやマズルを伴う「スマット」と呼ばれる表現もあります。顔まわりに黒い差し色が入ることで、表情が引き締まって見えるのが特徴です。

毛色によって見た目の印象は変わりますが、性格が毛色だけで決まるわけではありません。迎える際は、カラーの好みだけでなく、体格や健康状態、性格、飼育環境との相性も含めて確認することが大切です。

フレンチ・ブルドッグの毛色

フレンチ・ブルドッグは、毛色への関心が特に高い犬種です。一般的によく知られているカラーには、ブリンドル、フォーン、パイド、クリームなどがあります。

ブリンドルは黒っぽい地色に差し毛が入るカラーで、落ち着いた印象があります。フォーンは明るい茶系の毛色で、濃淡によってやわらかく見えたり、はっきりした印象になったりします。

パイドは白をベースに、ブリンドルやフォーンなどの斑が入る毛色です。クリームは販売上よく使われる呼び方で、淡い毛色として人気がありますが、犬種標準上の表記とは異なる場合があります。

近年は、ブルーやチョコレートなどの珍しいカラーを見かけることもあります。ただし、こうした色は犬種標準外として扱われる場合があり、見た目の珍しさだけで選ぶのは避けたほうが安心です。

血統書上の表記や親犬の情報、繁殖方針を確認し、信頼できるブリーダーや専門家に相談しながら検討しましょう。

ブルドッグの種類と間違えやすい犬

路上に立っているボストン・テリア

ブルドッグ系の犬を調べていると、名前に「ブルドッグ」と付かなくても、見た目が似ているために同じ仲間のように扱われる犬種があります。

中でもボストン・テリアは、フレンチ・ブルドッグと混同されやすい代表的な犬種です。

ボストン・テリアとの違い

ボストン・テリアは、ブルドッグの種類ではなく、アメリカ原産の独立した犬種です。

作出の過程でブルドッグ系の犬が関わった背景はありますが、現在はフレンチ・ブルドッグやイングリッシュ・ブルドッグとは別の犬種として扱われます。

フレンチ・ブルドッグと見分けるときは、まず体型に注目すると分かりやすいでしょう。フレンチ・ブルドッグは骨太で低重心、胴が詰まったような力強い体つきです。

一方、ボストン・テリアは比較的すっきりした体型で、脚がやや長く、全体的にスマートな印象があります。

耳や顔立ちにも違いがあります。フレンチ・ブルドッグの耳は大きく、丸みを帯びたコウモリ耳と表現されます。ボストン・テリアの耳は先端がやや尖って見え、顔のしわもフレンチ・ブルドッグほど目立ちません。

また、ボストン・テリアは「タキシードカラー」と呼ばれる白黒の配色がよく知られています。ただし、毛色だけで犬種を判断するのは難しいため、迎える際は犬種名、血統書、登録団体の情報を確認することが大切です。

ブルドッグ系を迎える前に知っておきたいこと

診察台の上にいるイングリッシュ・ブルドッグとフレンチ・ブルドッグ

ブルドッグ系の犬は、愛嬌のある表情や個性的な体型が魅力ですが、体のつくりに合わせた日常管理が欠かせません。迎える前に、特に注意しておきたい暑さ・呼吸・皮膚・体重管理について確認しておきましょう。

暑さと呼吸への配慮

イングリッシュ・ブルドッグやフレンチ・ブルドッグのようにマズルが短い犬は、短頭種と呼ばれます。短頭種は呼吸によって体の熱を逃がすのが苦手なため、暑さや湿度の影響を受けやすい傾向があります。

夏場の散歩は、日中を避けて早朝や夜の涼しい時間帯を選ぶことが大切です。気温が高い日は無理に外へ出さず、室内で落ち着いて過ごせる環境を整えましょう。

室内ではエアコンを活用し、犬が暑がっていないかをこまめに確認します。車内への置き去りは、短時間であっても熱中症につながる危険があるため絶対に避けてください。

呼吸音がいつもより大きい、息が荒い、散歩中にすぐ座り込む、舌の色が悪いといった様子が見られる場合は注意が必要です。普段と違う呼吸の乱れが続くときは、早めに動物病院へ相談しましょう。

皮膚のしわと体重管理

ブルドッグ系の顔や体に見られるしわは、魅力のひとつです。一方で、しわの間には汚れや湿気がたまりやすく、放置すると皮膚トラブルやにおいの原因になることがあります。

日常のお手入れでは、しわの間をやさしく拭き、清潔で乾いた状態を保つことが大切です。赤み、かゆみ、ただれ、強いにおいがある場合は、自己判断で放置せず動物病院に相談してください。

また、ブルドッグ系は体に厚みがあり、太っているかどうかを見た目だけで判断しにくいことがあります。体重が増えすぎると、呼吸や関節、心臓への負担が大きくなり、日常生活にも影響しやすくなります。

食事量は年齢や体格、運動量に合わせて調整し、おやつの与えすぎにも注意しましょう。体に負担をかけない範囲で適度に散歩を続け、定期的に体重や体型を確認することが、健康維持につながります。

まとめ

2頭でじゃれ合うフレンチ・ブルドッグの子犬とイングリッシュ・ブルドッグ

ブルドッグには、一般的に「ブルドッグ」と呼ばれるイングリッシュ・ブルドッグのほか、フレンチ・ブルドッグ、アメリカン・ブルドッグなど、成り立ちや体格の異なる犬種がいます。

さらに、歴史上はトイ・ブルドッグのように現在は絶滅した犬も存在し、毛色や見た目が似た犬種まで含めると、混同しやすい点も少なくありません。

迎える際は、名前や見た目だけで判断せず、大きさ、性格の傾向、必要な運動量、暑さや呼吸への配慮、皮膚のしわや体重管理まで理解することが大切です。

家庭の住環境やお世話に使える時間、飼い主の体力に合う犬種かを確認し、無理なく健やかに暮らせる相性を見極めましょう。

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