プチブラバンソン｜犬種の特徴と性格、飼い方や子犬の価格相場まで解説

プチブラバンソンの特徴

プチブラバンソンは、短い鼻吻と大きな目が目立つ、コンパクトな体つきの小型犬です。少し前に出た下顎（受け口気味の口元）と、表情がはっきり見える短毛によって、独特の顔立ちが際立ちます。

近縁犬種に「ブリュッセルグリフォン」「ベルジアングリフォン」があり、3種は血統的に近い関係にあります。見分けるうえでわかりやすい違いは被毛で、プチブラバンソンは滑らかな短毛（スムースコート）である点が特徴です。

プチブラバンソンの大きさ

プチブラバンソンは小型犬に分類され、体重は3.5kg〜6kg程度が目安です。体高は団体や資料によって幅があるため一概には言えませんが、一般的には18〜26cm前後として紹介されることが多く、あくまで目安として捉えるのが安心です。

体は引き締まった印象で、四肢は短すぎずバランスが取れています。胸まわりがしっかりした個体も多く、サイズは小さくても骨格の安定感があるタイプと言えます。

プチブラバンソンの被毛タイプ

被毛は短く密に生えるスムースコート（短毛）で、体に沿ってなめらかに生えています。毛質はやわらかすぎず、ツヤが出やすいのも特徴です。

同じ近縁種でも、ブリュッセルグリフォンやベルジアングリフォンは粗剛毛（ラフコート）で顔まわりの飾り毛が目立ちやすいのに対し、プチブラバンソンは短毛のため顔立ちがくっきり見えます。抜け毛はゼロではなく、短い毛が少しずつ落ちることがあります（量には個体差があります）。

プチブラバンソンの毛色の種類

毛色は「レッド」「ブラック」「ブラック＆タン」などが代表的です。レッドでは口元に黒い差し色が入るブラックマスクが見られることもあり、表情の印象が変わります。

同じ犬種でも毛色によって見え方は異なりますが、短毛ならではのツヤが出やすいため、色味の深さや模様がはっきり映りやすい点は共通しています。

プチブラバンソンの性格

プチブラバンソンは、家族と過ごす時間を好み、そばにいる人に強い関心を向けやすい犬種です。気持ちの動きが表情に出やすく、飼い主の反応をよく見て行動を選ぶような一面もあります。

一方で、初対面の相手や慣れない環境では慎重になりやすく、距離感を保とうとすることがあります。状況を見て様子をうかがうタイプのため、急に触られたり、過度に構われたりするとストレスになることもあります。

賢さがあるぶん、ルールが曖昧だと自分なりの判断で動きやすい傾向があります。落ち着いて接し、良い行動をしたときにきちんと褒めるなど、一貫したコミュニケーションを積み重ねることで暮らしやすさが高まります。

吠え方には個体差がありますが、「気づいたことを知らせる」行動が出ることがあります。子犬期から人や物音に慣れさせ、安心できる経験を増やすと、過敏さを和らげやすくなります。

プチブラバンソンの歴史

プチブラバンソンは、19世紀のベルギーで発展した小型犬グループにルーツを持つとされています。もともとは厩舎などで小動物の駆除に関わっていた小型犬が基礎となり、その後、時代の流れとともに家庭犬としての性質が強まっていきました。

近縁犬種のブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォンと同じ流れの中で改良が進み、被毛の違いによってタイプが分かれていった経緯があります。プチブラバンソンは短毛（スムースコート）のタイプとして位置づけられています。

名称の「ブラバンソン」は、ベルギーのブラバント地方に由来するといわれます。愛玩犬として人気が高まり、上流階級にも好まれた背景があることから、現在でも小型ながら存在感のある犬種として知られています。

プチブラバンソンの価格相場

プチブラバンソンは日本国内での流通数が少なく、希少性の高い犬種です。そのため価格はやや高めに設定される傾向があり、目安としては25万円〜40万円前後で紹介されることが多く見られます。

価格に幅が出る理由としては、血統背景、月齢、性別、毛色、繁殖数の少なさなどが挙げられます。特に国内での繁殖頭数が限られているため、時期によっては希望条件に合う子犬がすぐに見つからないこともあります。

なお、希少犬種の場合は「相場」そのものが固定されにくく、掲載時期や地域によって変動しやすい点も理解しておくと安心です。

プチブラバンソンのブリーダーを探す方法

プチブラバンソンを迎える際は、まず犬種名でブリーダー情報を検索することから始めるのが一般的です。犬種専門のブリーダー紹介サイトや、複数のブリーダー情報をまとめたポータルサイトを利用すると、現在の繁殖状況を把握しやすくなります。

初めてブリーダーを探す場合は、「動物取扱業登録があるか」「所在地や連絡先が明確か」といった基本情報を確認することが大切です。あわせて、親犬の様子や飼育環境について写真や説明が掲載されているかもチェックすると判断材料になります。

見学が可能な場合は、実際に飼育環境を見せてもらい、犬たちが落ち着いた様子で過ごしているかを確認すると安心です。質問に対して丁寧に説明してくれるかどうかも、信頼性を見極めるポイントになります。

流通数が少ない犬種のため、条件にこだわりすぎると出会いまで時間がかかることもあります。無理に急がず、情報収集を続けながらタイミングを待つ姿勢も大切です。

プチブラバンソンの飼い方

プチブラバンソンと快適に暮らすためには、体のつくりや性質を踏まえた生活環境づくりが重要です。室内飼育に向いている犬種ですが、温度や足元の安全など、日常の細かな配慮が暮らしやすさに直結します。

鼻吻が短い体型のため、暑さには特に注意が必要です。夏場は室温が上がりすぎないよう管理し、冬場も冷え込みやすい環境では体を冷やさない工夫をすると安心です。

また、関節への負担を減らすため、滑りやすい床にはマットを敷くなど、動線を整えておくと日常の動きが安定しやすくなります。

プチブラバンソンの運動量

運動量はそれほど多くは必要なく、毎日の散歩を無理のない範囲で行うことが基本になります。目安としては、1日2回、20分前後の散歩で十分な刺激になります。

体力や年齢、気温によって適した運動量は変わるため、歩くペースや距離は様子を見ながら調整してください。暑い時期は短時間で切り上げるなど、負担をかけないことが大切です。

屋外だけでなく、室内での遊びや軽い頭を使う遊びを取り入れることで、運動と気分転換の両方を補うことができます。

プチブラバンソンのしつけ方

理解力があり、人の反応をよく見て行動するタイプのため、落ち着いた接し方がしつけの基本になります。指示が一貫していないと混乱しやすいため、家庭内でルールを揃えておくことが大切です。

望ましい行動をしたときに褒めることで、「その行動をすると良いことがある」と学びやすくなります。叱ることよりも、成功体験を積み重ねる意識で接すると関係性が安定しやすくなります。

子犬の頃から人や音、生活環境に慣れさせておくと、成長後の警戒心や戸惑いを和らげることにもつながります。

プチブラバンソンのケア方法

短毛のため被毛のお手入れは比較的簡単ですが、定期的なブラッシングで抜け毛を取り除き、皮膚の状態を確認する習慣をつけておくと安心です。

鼻まわりのくぼみや目元は汚れがたまりやすい部分のため、食後や散歩後に軽く拭き取ると清潔を保ちやすくなります。爪切りや耳の状態確認なども含め、全身を定期的にチェックすることが大切です。

歯のトラブルを防ぐため、歯磨きなどの口腔ケアもできるだけ日常的に取り入れると、年齢を重ねたときの負担を減らしやすくなります。

プチブラバンソンの寿命と病気

プチブラバンソンの寿命は、一般的に12〜15歳前後が目安とされています。小型犬としては標準的な範囲ですが、体のつくりに由来する注意点があるため、日々の体調管理や定期的な健康チェックが大切です。

年齢を重ねるにつれて現れやすい変化を早めに把握できるよう、若いうちから生活リズムや体調の傾向を把握しておくと、シニア期のケアにもつながります。

プチブラバンソンのかかりやすい病気

体が小さく、鼻吻が短い体型のため、特定の部位に負担がかかりやすい傾向があります。いずれも早期に気づきやすいサインがあるため、日常の様子をよく観察することが重要です。

短頭種気道症候群

鼻腔が狭い、軟口蓋が長いなどの要因が重なり、呼吸がしづらくなる状態を指します。寝ているときのいびきが大きい、興奮時や暑い日に呼吸が荒くなるといった様子が見られることがあります。

軽度でも暑さや運動で症状が出やすいため、無理をさせず、呼吸の様子に違和感があれば早めに動物病院で相談することが安心につながります。

膝蓋骨脱臼（パテラ）

後ろ足の膝のお皿が本来の位置からずれてしまう状態で、小型犬によく見られます。歩行中に足を一瞬浮かせる、スキップするような歩き方をする場合は注意が必要です。

軽度のうちは日常生活に大きな支障が出ないこともありますが、悪化すると痛みを伴うことがあります。違和感に気づいた時点で診察を受けることで、進行を抑えやすくなります。

眼科疾患（角膜炎・結膜炎など）

目が大きく前に出ているため、ホコリや異物の刺激を受けやすい傾向があります。充血、目やにの増加、しょぼしょぼと目を細める様子が見られた場合は注意が必要です。

なお、涙が多く出て目の周りが変色する「涙やけ」は病名ではなく症状のひとつです。背景に炎症や刺激が隠れていることもあるため、状態が続く場合は原因を確認してもらうと安心です。

まとめ

プチブラバンソンは、短い鼻吻と印象的な表情を持つ小型犬で、近縁のグリフォン系犬種の中でも短毛タイプとして知られています。

体はコンパクトながら骨格は安定しており、室内飼育にも適したサイズ感が特徴です。性格は人との距離が近く、状況をよく観察する賢さを備えています。

一方で、慎重さや警戒心が出ることもあるため、落ち着いた関わり方が大切です。飼育では温度管理や足元への配慮、日常的なケアを欠かさないことが健康維持につながります。

流通数が少なく、迎え方や情報収集には時間を要する場合もありますが、特徴を理解したうえで向き合えば、暮らしに深い充実感をもたらしてくれる存在と言えるでしょう。