チワワのマール色ってどんな色?性格や特徴、遺伝的リスクから値段の相場まで徹底解説

チワワのマール色ってどんな色?性格や特徴、遺伝的リスクから値段の相場まで徹底解説

チワワの珍しい毛色「マール」を徹底解説。ブルーマール等の種類、性格、値段の相場から、繁殖が禁止される理由や遺伝疾患のリスクまで詳しく紹介します。お迎えする前に知っておきたい注意点をまとめました。

チワワのマール色ってどんな色?

並んで座っている3頭のマール系のチワワ

チワワのマール色とは、ベースとなる毛色の上に、まだら模様や斑点模様が入った、非常に特徴的で美しい毛色のことを指します。まるで大理石のような独特の模様は、マール遺伝子という特殊な遺伝子の働きによって生み出されます。

この遺伝子は、犬の毛色の元となるメラニン色素の生成を部分的に抑制する効果があり、その結果としてベースカラーの一部が薄まり、独特の斑模様が現れるのです。

マールという毛色はチワワ特有のものではなく、オーストラリアン・シェパードやボーダー・コリー、ダックスフンドといった他の犬種にも見られる人気のカラーバリエーションです。一つとして同じ模様はなく、その個体だけの特別な外見を持つことが、マール色のチワワが持つ最大の魅力と言えるでしょう。

チワワのマール色は禁止されている?

前を見つめて座っているマールのチワワの子犬

結論から言うと、チワワのマール色自体が禁止されているわけではありません。ただ、血統書を発行する国内最大の畜犬団体であるジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準(スタンダード)では非公認となっています。その特殊な遺伝子の性質から、繁殖には厳格なルールが定められている事を理解しましょう。

まず、マール遺伝子を持つ個体同士の交配は、JKCでは固く禁じられています。その理由は、マール遺伝子を両親から一つずつ受け継いだ「ダブルマール」と呼ばれる子犬が生まれるリスクが非常に高いためです。

ダブルマールの子犬は、視覚や聴覚に深刻な先天性疾患を持って生まれてくる可能性が極めて高く、例えば目が異常に小さい「小眼球症」や、生まれつき耳が聞こえないといった障害が報告されています。

このような不幸な子犬を産み出さないために、知識と倫理観を持ったブリーダーは、必ずマール遺伝子を持たない犬を片親にして交配を行います。

マール色のチワワを迎えることを検討する際には、こうした遺伝的背景を正しく理解し、健全な繁殖を行っている信頼できる場所から迎えることが何よりも重要です。

マール色のチワワの性格

まっすぐにどこかを見つめるマールのチワワのアップ

毛色と性格の間に、科学的に証明された直接的な因果関係はありません。マール色のチワワも、他の毛色のチワワと同様に、犬種本来の気質を受け継いでいます。

チワワは、その小さな体とは裏腹に、非常に勇敢でプライドが高い一面を持っています。飼い主に対しては深い愛情と忠誠心を示し、甘えん坊な姿を見せてくれるでしょう。一方で、見知らぬ人や他の犬に対しては警戒心が強く、臆病な態度を取ることもあります。

マール色だからといって特別な性格になるわけではなく、その子の個性や育った環境、社会化トレーニングなどが性格形成に大きく影響します。愛情を持って適切なしつけを行えば、素晴らしい家庭犬となってくれるでしょう。

マール色のチワワの主なバリエーション

横向きに立っているチョコマールのチワワ

マール模様は、ベースとなる地色によってその印象が大きく変わります。ここでは、代表的なマール色のバリエーションをいくつかご紹介します。

ブルーマール

ブルーマールは、マール色のチワワの中で最もよく知られている代表的なカラーです。ベースとなるブラックの毛色がマール遺伝子の影響で部分的にブルーグレーやシルバーのように薄まり、黒い斑模様が美しく散りばめられています。クールで神秘的な印象を与える人気の毛色です。

イザベラマール

イザベラマールは、イザベラと呼ばれる薄いフォーン系の毛色をベースにした、非常に希少なカラーです。全体的に淡く、クリーム色やライラックのような優しい色合いの地に、薄いまだら模様が入ります。その儚げで上品な美しさから、高い人気を誇ります。

チョコマール

チョコマールは、チョコレート(レバー)色の毛色をベースにしています。暖かみのあるブラウン系の地に、それより薄い色合いの斑模様が入るのが特徴です。優しく柔らかな印象を与え、愛らしい雰囲気を持っています。

ホワイトブルーマール

ホワイトブルーマールは、ブルーマールにホワイトの毛色が加わったバリエーションです。ブルーマールの模様に加えて、首回りや顔、手足などにホワイトが配色されることで、より一層華やかで明るい印象になります。色のコントラストがはっきりしているのが特徴です。

マール色のチワワの被毛タイプ

床に伏せているロングコートのブルーマールチワワ

チワワには「ロングコート」と「スムースコート」の2種類の被毛タイプが存在し、マール色もそれぞれのタイプで見られます。被毛の長さによって、マール模様の印象も異なります。

ロングコート

長く優雅な飾り毛が特徴のロングコート(長毛)。マール模様も被毛の長さに乗って広がり、ふんわりと柔らかなグラデーションのように見えます。ゴージャスでエレガントな印象が強く、定期的なブラッシングなどのお手入れが美しい被毛を保つポイントです。

スムースコート(短毛)

短く光沢のある被毛が特徴のスムースコート(短毛)。被毛が短いため、マール模様のコントラストがはっきりと体に現れます。まだら模様の一つ一つが鮮明に見え、活発でスタイリッシュな印象を与えます。お手入れが比較的簡単なのも魅力です。

マール色のチワワの値段

伏せをしている生まれて間もないマールのチワワの子犬

チワワのマール色の価格相場は30万円~60万円程度です。希少な毛色であることや、遺伝的知識を要する繁殖の難しさから、一般的な毛色のチワワと比較して高額になる傾向があります。

特に、淡い色合いで人気のイザベラマールや、模様の入り方が美しい個体は、さらに高値で取引されることもあります。価格は毛色のバリエーションだけでなく、性別、月齢、血統、健康状態、そしてブリーダーやペットショップの方針によって大きく変動します。

価格だけでなく、どのような環境で生まれ育ったのかを重視して選ぶことが大切です。

マール色のチワワを迎える方法

人の手に抱きかかえられているマールのチワワの子犬

マール色のチワワを新しい家族として迎えるには、主に3つの窓口があります。それぞれにメリットと注意点があるため、特徴をよく理解し、ご自身のライフスタイルや考え方に合った方法を選びましょう。

ペットショップ

ペットショップは、ショッピングモールなどにも併設されていることが多く、気軽に立ち寄って子犬に会えるのが最大のメリットです。飼育に必要なグッズも一緒に揃えることができ、初めて犬を飼う方にとっては相談しやすい場所でもあります。

ただし、親犬や兄弟犬、育った環境を直接確認することが難しい場合がほとんどです。マール色の子犬を迎える際は、どのような繁殖を経てきたのか、健康状態は万全かなどをスタッフに詳しく確認することが重要です。

ブリーダー

ブリーダーは、特定の犬種を専門に繁殖しているため、その犬種に関する深い知識と経験を持っています。親犬や兄弟犬に会って性格や健康状態を確認できたり、子犬が育った衛生的な環境を見学させてもらえたりする点は、大きな安心材料となるでしょう。

特に遺伝的な配慮が不可欠なマール色の場合、遺伝疾患のリスクを熟知し、倫理観を持って健全な繁殖計画を立てている優良なブリーダーを探すことが、健康な子犬を迎えるための最も確実な方法と言えます。

里親

様々な事情により飼い主を失った犬を、保護団体などから譲り受ける方法です。命を救うという観点から非常に意義のある選択肢ですが、希少なマール色のチワワが里親募集に出るケースは極めて稀です。

もし出会いの機会があった場合は、その子がどのような経緯で保護されたのかを理解し、心身のケアが必要な場合があることも含めて、生涯にわたって寄り添う強い覚悟が求められます。

まとめ

バスケットの中から顔を出しているマールのチワワ

チワワのマール色は、個性的で大変美しい魅力を持っています。その一方で、その美しさはマール遺伝子という特殊な遺伝子の働きによるものであり、繁殖には専門的な知識と高い倫理観が不可欠です。

マール色のチワワを家族として迎えたいと考えるなら、まずはその遺伝的背景や注意点を正しく理解することがスタートラインです。

そして、見た目の美しさだけにとらわれず、健全な環境で愛情いっぱいに育てられた子犬を、信頼できるブリーダーやペットショップから迎えるようにしましょう。正しい知識を持つことが、あなたと愛犬の幸せな未来に繋がります。

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