チワワの原産国はどこ?その歴史と知られざるルーツを徹底解説

チワワの原産国はどこ?その歴史と知られざるルーツを徹底解説

チワワの原産国はメキシコです。そのルーツは古代犬「テチチ」まで遡ります。この記事では、チワワの壮大な歴史、世界へ広まった経緯、そして日本で不動の人気犬種となった理由を詳しく解説。大人気の犬種「チワワ」の知られざる物語を知り、絆を深めましょう。

チワワの原産国はどこ?

地図上のメキシコ

チワワの原産国はメキシコです。FCI(国際畜犬連盟)の犬種標準において正式に認定されており、国際的にも共通認識となっています。

現在、日本を含む世界各国のケネルクラブも、チワワの原産地をメキシコとして記録しています。

犬種の原産国とは?国際基準での定義

犬種の原産国とは、その犬種が誕生し、その発展に最も大きな影響を与えた国のことを指します。FCIをはじめ、AKC(アメリカンケネルクラブ)やイギリスのKC(ザ・ケネルクラブ)といった世界的に認められた畜犬団体が定めています。

例えば、柴犬は日本、トイ・プードルはフランスとされているように、犬種ごとに唯一の原産国が公式に決められています。

チワワがアメリカ原産と誤解される背景

チワワについて調べると、原産国が「アメリカ」と記載されていることもあります。これは、アメリカがチワワの品種改良や普及に大きく関わったためです。

19世紀後半にメキシコからアメリカに渡ったチワワは、米国で本格的な繁殖が始まり、1904年にAKCに初めて登録されました。そのため、チワワを「アメリカで発展した犬種」と紹介する場合がありますが、公式な原産国はメキシコです。

チワワという名前の由来はメキシコの地名

「チワワ」という犬種名は、メキシコ北部にあるチワワ州(Estado de Chihuahua)に由来します。

1850年代頃、チワワ州を訪れたアメリカ人旅行者が、市場で原住民に売られていた小型犬を見つけ、その土地の名を取って「チワワ」と名付けました。このことからも、チワワがメキシコで発見された犬種であることがよく分かります。

考古学が明かすチワワのルーツ

チワワのメキシコ起源説は、考古学的な研究成果によっても強く支持されています。メキシコ中央高原のトルテカ文明の遺跡から、チワワの祖先と推測される小型犬「テチチ」によく似た犬の遺骨や陶器が多数出土しているのです。

これらはおよそ9世紀頃のものとされており、チワワの祖先犬がメキシコの古代文明で飼育されていたことを示す重要な証拠となっています。

チワワの歴史やルーツ

本と虫眼鏡

チワワのルーツは非常に古く、古代メキシコの文明まで遡ります。その祖先犬として知られるのが、トルテカ文明で飼育されていた「テチチ」という小型犬です。

チワワは長い歴史の中で絶滅の危機に瀕したこともありますが、さまざまな困難を乗り越えて現代へと繋がっています。

チワワのルーツとされる古代犬「テチチ」

現在のチワワの祖先と考えられている犬が「テチチ(Techichi)」です。テチチは9世紀頃のトルテカ文明の時代に、メキシコ中央高原で飼われていました。

出土した遺骨などから、テチチは現在のチワワと骨格的に共通点が多いことが分かっています。また、伝承ではテチチは非常に物静かな犬だったとされていますが、詳細な記録は残っていません。

古代メキシコで犬は神聖な存在だった

トルテカ文明や、その後のアステカ文明では、テチチをはじめとした犬は単なるペット以上の意味を持っていました。宗教的儀式に使われたほか、特にショロイツクィンツレなどの犬は死後の世界で飼い主を安全に導くと信じられていました。

このため、犬が人間と共に埋葬される例も多く確認されています。また、儀式の際の供物や食用とされたという説も残っていますが、これについては諸説あり、詳細は明らかになっていません。

征服と混乱のなかで消えかけた祖先犬

16世紀、スペイン人がメキシコを征服した際、アステカ文明の宗教や文化は徹底的に破壊されました。その過程で神聖視されていたテチチの多くが殺されたり、一部は食用にされたという記録もあります。

ただし詳細な状況は明らかになっていません。その後、生き延びた少数の犬たちが辺境の村落でひそかに飼育され続け、後のチワワの祖となりました。

19世紀の再発見がチワワの転機に

長らく歴史の影に隠れていたテチチの子孫が再び注目されたのは、19世紀半ばの1850年代頃です。メキシコ北部のチワワ州を訪れたアメリカ人旅行者によって見出され、アメリカへ持ち帰られました。

アメリカでは小型化を中心とした品種改良が盛んに行われ、1904年にアメリカンケネルクラブ(AKC)へ正式に犬種登録されました。これが世界的に人気犬種となる最初の一歩となりました。

ロングコートチワワ誕生の背景

チワワには、短毛のスムースコートと長毛のロングコートという2種類の被毛があります。

ロングコートがどのように誕生したかについては諸説ありますが、AKCは「ロングコートは同じチワワ犬種内での純粋な改良によるものであり、他犬種との交配によるものではない」という公式見解を示しています。

チワワが日本で人気の犬種となった経緯

女の子の膝の上に頭を乗せる2匹のチワワ

日本でチワワが広く知られるようになった背景には、アメリカを経由した輸入と住宅事情に合った飼いやすさ、さらに2000年代初頭に放送されたテレビCMの影響がありました。

現在もチワワは、多くの日本人に愛される代表的な小型犬の一つとなっています。

1970年代頃に日本への輸入が本格化

日本でチワワが一般的に知られるようになったのは、1970年代頃からです。戦後の1950年代に在日米軍関係者によって初めて日本に持ち込まれたという記録がありますが、当時はまだ一般家庭に広く知られる存在ではありませんでした。

1970年代に入り、アメリカから本格的に輸入され始めたことで、次第に注目されるようになりました。

2002年CMで一躍大ブームに

日本でチワワが一躍注目を浴びるきっかけとなったのは、2002年8月末から放送された消費者金融・アイフルのテレビCMです。

「くぅ〜ちゃん」という名前のチワワが出演し、その可愛らしい姿と仕草が全国的な話題となりました。このCMの大ヒットを機にチワワ人気は爆発的に高まり、ペットショップではチワワを求める人が急増しました。

日本の住宅事情に合った犬として定着

CMによるブームが落ち着いた後もチワワ人気が衰えなかった理由として、日本の住宅事情との相性の良さがあります。

小型犬の中でも特に小さいチワワは、都市部の限られた居住空間やマンション、アパートでも飼育しやすいという利点がありました。また、室内運動だけでも十分満足でき、長時間の散歩が不要という飼いやすさも、日本人の生活スタイルと非常に相性が良かったのです。

人気が衰えないチワワの魅力

チワワが現在でも高い人気を維持している最大の理由は、その特徴的な小さい体と大きく潤んだ瞳がもたらす、圧倒的な可愛らしさにあります。

また、飼い主に対して忠実で愛情深い性格や豊富な毛色のバリエーションがあるため、自分だけの特別なパートナーを求める日本の飼い主の心を掴み続けているのです。

まとめ

顔を出すチワワ

チワワの原産国はメキシコで、古代犬「テチチ」を祖先とする非常に歴史の古い犬種です。スペイン征服後に絶滅の危機を乗り越え、1850年代に再発見されました。

アメリカでの品種改良を経て1904年に正式な犬種として登録され、世界中に広まりました。日本では1970年代頃から知られるようになり、特に2002年のテレビCMによって爆発的に人気が上昇しました。

都市部の住宅環境に適した小さな体や、愛情深い性格が、現在も日本で愛され続けている理由となっています。

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