イタリアン・コルソ・ドッグの性格や特徴は?寿命・価格・飼い方まで解説

イタリアン・コルソ・ドッグの性格や特徴は?寿命・価格・飼い方まで解説

イタリアン・コルソ・ドッグの飼育を検討中の方へ。性格、飼い方、必要なしつけ、価格相場、寿命まで徹底解説。初心者には難しい理由や、信頼できるブリーダーの探し方も紹介。迎える前に必ず知っておきたい情報を凝縮しました。

イタリアン・コルソ・ドッグはどんな犬種?

芝生の上に伏せているイタリアン・コルソ・ドッグ

  • 名称: Cane Corso(イタリアン・コルソ・ドッグ|カネ・コルソ)
  • 原産国: イタリア
  • 分類: FCIグループ2(モロシード・マスティフタイプ)
  • 体高: オス 64~68cm、メス 60~64cm
  • 体重: 40~50kg(大型犬)
  • 被毛: 短毛のダブルコート
  • 毛色: ブラック、グレー各種、フォーン、スタッグレッド、ブリンドルなど
  • 性格: 家族への愛情と忠誠心が深く、防衛本能が強い
  • 用途: 番犬・護衛犬・作業犬・家庭犬
  • 寿命: 約9~12歳

イタリアン・コルソ・ドッグ(Cane Corso/カネ・コルソ)は、古代ローマ時代の軍用犬を祖先とする、イタリア原産の大型犬です。マスティフ系の犬に分類され、モロシード(マスティフ)タイプの犬種として国際畜犬連盟(FCI)に公認されています。

古くから家畜や財産を守る番犬や、狩猟の際には大型動物を相手にする猟犬、牧畜犬として幅広く活躍してきました。その歴史は非常に古く、伝統的に農村地域を中心に飼育され、農民にとって欠かせない存在となっていました。

絶滅寸前から愛好家により復活した歴史

イタリアン・コルソ・ドッグは、第二次世界大戦後の社会の変化により飼育頭数が激減し、一時は絶滅寸前まで追い込まれました。

しかし1983年、愛好家たちがイタリアで「SACC(Società Amatori Cane Corso)」という犬種保存協会を設立し、体系的な繁殖プログラムを開始。慎重な繁殖管理と熱心な普及活動によって、犬種としての存続と血統の維持に成功しました。

国内では登録数が少なく希少性が高い

日本国内でのカネ・コルソの認知度は、他のメジャーな犬種に比べるとまだ低く、希少犬種の一つとされています。一般的なペットショップでの取り扱いはほぼなく、専門ブリーダー経由での入手が中心です。

近年は、その威厳ある姿と頼もしい性格から、一部の熱心な愛好家の間でじわじわと人気が高まっていますが、それでも年間の犬籍登録頭数は非常に少ない状況が続いています。

イタリアン・コルソ・ドッグの特徴

横向きに立っているイタリアン・コルソ・ドッグ

イタリアン・コルソ・ドッグは、堂々とした存在感を放つ筋肉質で力強い体型が特徴です。

マスティフ系の犬種らしくがっしりとした骨格と引き締まった体つきで、外見には威厳があります。外貌はバランスが取れており、力強さと俊敏性の両方を兼ね備えています。

体高・体格の分類

犬種の標準(FCIスタンダード)によると、成犬時の体高はオスが64~68cm、メスが60~64cmと規定されています。体重にはやや個体差がありますが、一般的には40~50kg程度とされ、大型犬に分類されます。

身体のラインは明瞭で均整が取れており、優れた運動能力を発揮できる体格を備えています。

短毛のタイプ

イタリアン・コルソ・ドッグの被毛は短く密度が高い「ダブルコート」タイプで、表面は滑らかで光沢があります。

短毛のため比較的管理しやすい犬種ですが、春と秋の換毛期には抜け毛が増えます。そのため、日頃のブラッシングが欠かせません。

毛色の種類

毛色の主流は、ブラックやグレー系(鉛色、スレート、ライトグレー)ですが、フォーンやスタッグレッド(赤鹿色・希少色)も存在します。

ブリンドル(縞模様)も人気があり、独特の美しさがあります。顔には黒またはグレーのマスクが入り、胸元や足先などに小さな白斑が許容されています。

マスティフ系特有のよだれ対策が必要

マスティフ系特有の特徴として、よだれの量が比較的多い傾向があります。特に食事後や運動後、興奮時などはよだれが目立つため、室内飼育の場合はこまめなケアが求められます。

タオルや専用のクロスを常備するなど、日頃から対策をとることが重要です。

イタリアン・コルソ・ドッグの寿命

子犬期から成犬期までのイタリアン・コルソ・ドッグ

平均寿命は約9~12歳とされており、適切な健康管理を行えば、寿命を延ばすことも可能です。

イタリアン・コルソ・ドッグは大型犬に分類されますが、同じ大型犬と比較して比較的丈夫で健康的な犬種です。

健康維持のために特に気をつけるべきポイントを具体的に見ていきましょう。

適切な体重を維持する

イタリアン・コルソ・ドッグは食欲が旺盛で肥満になりやすい傾向があり、体重管理は寿命を左右する重要な要素となります。

肥満は関節や心臓に過度な負担をかけるため、質の高い食事を適量与え、定期的に運動をさせることで適正な体重を維持しましょう。理想体型を保つことが健康寿命を伸ばす鍵となります。

定期的に健康診断を受ける

飼い主が気づいたときには病状が進んでいることが多いため、定期的な健康診断を欠かさないことが重要です。

若いうちは年に1回、7歳以上のシニア期に入ったら半年に1回を目安に、動物病院で検診を受けましょう。定期健診で病気を早期発見できれば、治療効果が高まり寿命延長につながります。

ストレスを溜めないように注意する

イタリアン・コルソ・ドッグは非常に飼い主や家族との絆を重視する犬種で、長時間の孤独や運動不足はストレスの原因となります。

日々の十分な運動とコミュニケーションを心がけ、安定した生活リズムを作ってあげることで、精神的にも肉体的にも健康を維持できるでしょう。ストレスフリーな環境を整えることが、長く健康でいるために欠かせません。

イタリアン・コルソ・ドッグの性格

穏やかな表情で正面を見つめながら首を傾げるイタリアン・コルソ・ドッグ

イタリアン・コルソ・ドッグは、見た目の迫力からは想像がつかないほど家族に対しては愛情深く、忠誠心が強い犬種です。

その一方、元々護衛犬として働いてきた歴史があるため、非常に警戒心が強く、見知らぬ人や犬に対しては慎重で防衛的な面を持っています。家庭犬として迎える際に理解しておきたい性格の特徴を紹介します。

忠誠心が強く愛情深い

イタリアン・コルソ・ドッグは飼い主とその家族に対して並外れた愛情と忠誠心を示します。特に子どもに対しては忍耐強く、保護的な行動を取ることが多いです。

一方で、この深い忠誠心ゆえに、外部の人間や動物に対しては警戒心が強く、信頼関係を築くまでは距離を取ろうとします。

警戒心が強く勇敢

歴史的に番犬や護衛犬として飼われてきたため、警戒心と縄張り意識が非常に強く、自宅や家族を守るためなら勇敢に行動します。

不審な物音や知らない訪問者に対しては敏感に反応し、警戒する態度を示すでしょう。そのため、不必要に興奮させないよう適切な社会化とトレーニングが欠かせません。

初心者には飼育が難しい犬種

強い個性と警戒心を持つため、飼育初心者には難しい犬種です。明確なルールや一貫したしつけ、穏やかで毅然とした態度を取れる経験豊富な飼い主が求められます。

逆に、適切なしつけとトレーニングができる飼い主に迎えられた場合には、信頼できる素晴らしい家族の一員となり、頼れるパートナーとして生涯を共にすることができます。

イタリアン・コルソ・ドッグの価格相場

ブランケットの上で伏せているイタリアン・コルソ・ドッグの子犬

イタリアン・コルソ・ドッグは日本では希少な犬種であるため、入手には一定のコストがかかります。子犬の価格は血統、毛色、ブリーダーの知名度や実績などにより幅があります。国内外を含めた一般的な相場と入手方法を紹介します。

価格相場(日本・海外)

日本国内で専門ブリーダーから子犬を迎える場合の価格は、平均的に45万円から70万円程度が目安です。ただし、希少な血統や人気の高い毛色を持つ子犬の場合は、100万円を超えることもあります。

また海外から直接輸入する場合、子犬代金に加えて輸送費用や輸入検疫費用(マイクロチップ、狂犬病ワクチン、抗体検査など)が発生するため、さらに高額となる傾向があります。

国内の専門ブリーダーでの購入がおすすめ

希少犬種のため一般的なペットショップでの取り扱いはほぼなく、国内でイタリアン・コルソ・ドッグを入手する場合は、ジャパンケネルクラブ(JKC)登録の専門ブリーダーを探すことが推奨されます。

信頼できるブリーダーを見つけるためには、犬舎の評判や実績、飼育環境、健康管理体制などを必ず直接確認しましょう。

海外輸入の場合は「代行業者」を通すと安心

希望に合う子犬が国内にいない場合、ヨーロッパなど海外の有名犬舎から輸入する方法もあります。

ただし、輸入には子犬の代金以外にも、空輸費用や手続き費用、狂犬病予防接種の条件を満たさない場合の長期係留費用(最大180日)などがかかります。手続きも煩雑なため、専門の輸入代行業者を利用するほうが安全です。

イタリアン・コルソ・ドッグをしつける際のポイント

飼い主の足元で伏せをするイタリアン・コルソ・ドッグ

イタリアン・コルソ・ドッグは優れた護衛犬としての資質を備えているため、適切な社会化とトレーニングが不可欠です。犬が持つ高い知性や防衛本能を良い方向に伸ばし、安全で快適な共同生活を送るために必要なポイントを紹介します。

子犬期に「社会化トレーニング」を行う

子犬期(生後3週~16週齢頃)は社会化期と呼ばれ、この時期に多様な人や犬、環境に触れさせることが非常に重要です。

イタリアン・コルソ・ドッグは特に警戒心が強い犬種であるため、早期から適切な社会化を行うことで、過剰な警戒心や攻撃的な行動を防ぐことができます。

犬との「信頼関係」を築くことが重要

身体的に非常に強い犬種であるため、力任せのしつけやトレーニングは通用しません。正しいトレーニング方法は「犬に信頼されるリーダー」になることです。

犬が飼い主をリーダーとして自然に認めるような関係性を築くことが、トレーニングの成功への近道です。的確なタイミングで褒め、冷静な指示を与えることで良い関係が維持できます。

家族の間でしつけのルールを統一する

イタリアン・コルソ・ドッグは非常に賢く、飼い主の行動をよく観察しています。曖昧な態度やルールに一貫性がないと犬を混乱させ、問題行動の原因になります。

家庭内で統一したルールを設け、穏やかで毅然とした態度をとることで犬は飼い主を信頼し、スムーズなトレーニングが可能になります。

イタリアン・コルソ・ドッグの飼い方

飼い主と一緒に芝生の上を散歩するイタリアン・コルソ・ドッグ

イタリアン・コルソ・ドッグを迎えるにあたり、特有のニーズを満たす飼育環境を整えることが重要です。

大型犬であり、体力や知能も非常に高いため、飼育方法にはいくつかの注意点があります。適切なケアを行い、日々の生活を快適に過ごせるように配慮しましょう。

散歩は基本毎日、1日2回が理想

元来が作業犬で運動量が豊富なため、毎日朝夕各1時間程度の散歩を行う必要があります。

ただ歩くだけでなく、途中で「お座り」や「待て」など基本的なトレーニングを交えたり、ドッグランで自由に運動させたりすることで、心身ともに満足させることができます。十分な運動を与えることで、犬のストレスを軽減し、問題行動を防ぐ効果もあります。

遊びを通じてストレス解消

頭を使った遊びを取り入れることで、イタリアン・コルソ・ドッグの知的好奇心を満たし、精神的ストレスを軽減できます。

ノーズワークや知育玩具を活用して脳を刺激し、飼い主とのコミュニケーションを増やしましょう。知的に満足感を得られることで、退屈からくる問題行動を防ぐことができます。

夏はエアコンが必須

密度の高い被毛と短めのマズルを持つため、高温多湿な日本の夏は苦手です。特に夏季は熱中症リスクが高まるため、散歩は早朝や夜間の涼しい時間帯に行い、日中の散歩は避けましょう。

室内ではエアコンを利用し、室温は25℃前後、湿度は低めを維持することで、犬が快適かつ安全に過ごせます。

イタリアン・コルソ・ドッグがかかりやすい病気

悲しげな表情で伏せているイタリアン・コルソ・ドッグ

イタリアン・コルソ・ドッグは全般的に丈夫な犬種ですが、大型犬に共通する疾患や遺伝性疾患のリスクがあります。飼い主として病気の兆候や予防法を理解し、早期に対応できるように備えることが大切です。

股関節形成不全

股関節形成不全は大型犬に多く、遺伝要因が強い疾患です。発症すると歩行困難や関節痛を引き起こし、犬の生活の質を大きく低下させます。

症状の予防・悪化防止には、成長期の過度な運動や肥満を避けることが重要であり、早期診断のためにも定期的な健康診断を受けることを推奨します。

胃捻転

胃捻転(胃拡張・胃捻転症候群)は、大型犬の生命に関わる重篤な疾患で、特に胸が深い体型を持つ犬に発生しやすい傾向があります。

食後すぐの運動が発症リスクを高めるため、食後1〜2時間は激しい運動を避けましょう。症状として腹部の膨満や吐き気、よだれの増加などが現れた場合は、すぐに動物病院へ連れていく必要があります。

チェリーアイ

チェリーアイ(第三眼瞼腺脱出)は、目頭付近が赤く腫れて突出する病気で、多くの犬種で発症の可能性がありますが、イタリアン・コルソ・ドッグではまれなケースです。

外科的手術で整復することが可能で、早期発見・早期治療により予後は良好です。日頃から目の異常がないか定期的にチェックを行いましょう。

まとめ

草むらに座ってどこかを見つめるイタリアン・コルソ・ドッグ

イタリアン・コルソ・ドッグ(カネ・コルソ)は古代ローマ時代から番犬や護衛犬として活躍してきたイタリア原産の大型犬です。

筋肉質で力強い外見を持ち、忠誠心や愛情深さが魅力ですが、警戒心と防衛本能が非常に強いため、初心者向きの犬種ではありません。

飼育には十分な運動量の確保、早期の社会化、体重管理、暑さ対策などが不可欠で、経験豊富な飼い主のもとでこそその能力を最大限発揮します。

入手には専門ブリーダーを利用し、病気のリスク管理を徹底すれば、頼もしい家族となるでしょう。

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