ビーグルの性格|飼う前に知りたい長所・短所としつけのコツ

ビーグルの性格|飼う前に知りたい長所・短所としつけのコツ

ビーグルの性格や特徴を初心者向けに解説。明るく社交的で子どもとも仲良くできる一方、頑固で吠え癖もあるため飼い方にはコツが必要です。寿命を延ばすポイントやしつけの方法、気をつけたい病気まで詳しく紹介します。

ビーグルの性格

1匹のビーグル

ビーグルは、その明るく社交的な性格から多くの人に愛されています。古くから集団で狩りをする猟犬として人間や他犬との協調性が重視されてきたため、基本的に友好的で愛情深く、遊び好きな気質を備えています。

一方で、猟犬ならではの独立心や頑固さ、吠えやすさなど、飼う前にしっかり理解しておきたい特徴も持ち合わせています。

長所は抜群の社交性と明るさ

ビーグルは人にも他の犬にもフレンドリーに接する傾向があります。特に家族には深い愛情を示し、子どもや多頭飼いの家庭とも相性が良いことが多い犬種です。

好奇心旺盛で活動的なため、アウトドアを楽しむ家庭や活発なライフスタイルを好む飼い主にとって、相性抜群なパートナーになります。見知らぬ人に対しても比較的友好的で、番犬には不向きとされるほど社交性が高いのが特徴です。

短所は猟犬由来の頑固さと吠え癖

ビーグルの性格には頑固でマイペースな一面があり、興味を惹かれた対象に集中すると飼い主の指示が届きにくくなることがあります。また、狩猟犬の習性として獲物や異変を知らせるための特徴的な吠え声(ベイイング:baying)がよく響くため、集合住宅で飼う場合は特に注意が必要です。食欲が非常に旺盛で、拾い食いなど食べ物に関する問題行動を起こしやすい点も理解しておきましょう。

成長に伴う性格の変化

ビーグルの性格は年齢によって少しずつ変化します。子犬の頃はエネルギッシュで好奇心に溢れ、見るものすべてに興味を持ちますが、時にイタズラ好きな一面も見られます。

成犬になると、落ち着きを見せるようになり、飼い主との関係性が深まることで愛情深さも増します。高齢期(7歳以降)に入ると活動量は徐々に低下しますが、性格の根幹にある陽気さや人懐っこさは維持されます。食欲は落ちにくいため、肥満対策が必要です。

オスは甘えん坊、メスは自立心が高い傾向

性別による一般的な傾向として、ビーグルのオスはメスよりも甘えん坊で、飼い主に構ってもらいたがる性質があります。一方、メスは比較的自立心が高く、やや落ち着いた性格になる場合が多いです。しかし、性格には個体差が大きく、性別だけで性格を決めつけることはできません。性別にこだわらず、個々の性格や相性をよく観察することが重要です。

初心者が飼うためには十分な理解が必要

ビーグルは明るくフレンドリーなため、一見すると初心者にも飼いやすそうですが、実際はそうとも言い切れません。特に吠え声が大きいことや、食べ物への強い執着心による問題行動、豊富な運動量の確保、頑固さへの対処法など、飼育に際して理解しておくべきことが多数あります。

初心者でも、ビーグルの特性をよく理解し、適切なしつけと十分な運動が提供できる環境を整えられれば、良いパートナーになれるでしょう。

他の犬や子どもとの相性は比較的良好

ビーグルはその歴史的背景から他の犬に対して非常に社交的で、多頭飼いにも適しています。子どもに対しても愛情深く接することが多く、遊び相手としても優秀です。ただし、興奮すると遊びが過熱することもあるため、小さな子どもがいる家庭では常に大人が見守ることが大切です。

アクティブで忍耐強い飼い主に向いている

ビーグルに最も適した飼い主のタイプは、毎日の散歩や遊びに十分な時間を割けるアクティブな人です。猟犬の特性を理解し、一貫したルールで根気強くしつけられる忍耐力も必要です。ビーグルの陽気な性格と活発さを楽しみ、コミュニケーションを積極的に取れる方であれば、最高の関係を築くことができます。

ビーグルの特徴

ビーグルの大きい耳

ビーグルは見た目にも魅力的な中型犬で、世界的に愛されている犬種の一つです。比較的コンパクトで筋肉質な体型を持ち、非常に頑丈で健康的な印象を与えます。猟犬として活躍した歴史が、現在のビーグルの特徴的な外見や運動能力に大きく影響しています。

平均的な体高・体重

ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準では、ビーグルの体高は33cmを超え40cmを超えない範囲内と規定されています。

また、国際的には「13インチ(約33〜38cm)」と「15インチ(約38〜40cm)」という2つのサイズ区分が一般的に認識されています。体重は10kg〜15kgが目安ですが、個体差もあります。

毛の特徴と毛色の種類

ビーグルの被毛は、雨風や寒さに強い短毛のダブルコート構造(硬いトップコートと密集した柔らかいアンダーコート)で、換毛期には特に多くの抜け毛があります。

毛色は黒・茶・白の3色からなるトライカラーが最も代表的です。他にも、ホワイト&タン、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト、レモン&ホワイトなど多彩なカラーバリエーションがあり、これらはJKCで公式に認められています。

垂れ耳と白い尾先(サーベルテイル)が象徴的

ビーグルの外見的特徴として特に有名なのが、長く垂れ下がった耳と白く先端の目立つ尾(サーベルテイル)です。垂れ耳は、嗅覚を高めるため地面の匂いを顔の近くに集める役割があるとされています。

サーベルテイルは猟の最中、茂みや草むらの中でも飼い主がビーグルの位置を容易に確認できるように進化したと言われています。

体力があり活発、運動が必須の犬種

ビーグルは狩猟犬だった歴史から非常に体力があり、日常的に豊富な運動量を必要とします。毎日の散歩に加えて、定期的にドッグランなどで十分に走らせてあげることが推奨されます。運動不足になると問題行動につながりやすいため、ビーグルの身体的・精神的な欲求を満たす運動を確保することが重要です。

ビーグルの歴史

イギリス

ビーグルはイギリスを原産とする犬種で、その起源は古く、古代ギリシャ時代にまでさかのぼるとされます。ローマ人が英国に持ち込んだ小型の猟犬が祖先と言われ、ウサギやキツネなど小型の獲物を追うために改良を重ねられ、現代のビーグルへとつながっています。

16世紀イギリスで大流行した小型猟犬

16世紀のイギリスでエリザベス1世女王をはじめとする王侯貴族に愛好され、ビーグル人気が高まりました。特にウサギ狩りでの活躍が評価され、猟犬としてだけでなく愛玩犬としても広く飼われました。

名前の由来は諸説あり、吠え声の響きが関係?

ビーグル(Beagle)という名前の語源は諸説ありますが、フランス語の俗語で「大口をきく人」を意味する『begueule(ベギュール)』から派生したという説が有力視されています。この名称はビーグルのよく響く特徴的な吠え声(ベイイング:baying)に由来すると考えられています。

パックハウンドとして集団猟を行ってきた歴史

ビーグルは単独ではなくパック(群れ)で狩りを行う猟犬として育成されてきました。この集団狩猟スタイルにより、他犬や人間との協調性が培われました。

また、猟の最中に獲物を発見すると、大きな吠え声で仲間に知らせる役割も担っていました。このような習性が、現代ビーグルの吠えやすさや頑固さに強く影響しています。

猟犬から家庭犬としての定着

19世紀頃から次第に猟犬としての役割は薄れていき、家庭犬や愛玩犬として飼われることが増えました。特にアメリカをはじめ世界各地で家庭犬としての人気が定着し、その愛らしい見た目と明るい性格が愛され続けています。漫画「ピーナッツ」のキャラクター、スヌーピーのモデルとしても知られ、世界的な人気犬種となっています。

ビーグルの寿命

ぐったりするビーグル

ビーグルの平均寿命は12~15歳で、中型犬の中でも標準的な長さです。健康で快適な生活を送ることができれば、15歳を超えて長生きするケースも珍しくありません。ビーグルが元気で長生きするためには、肥満の防止や適度な運動、定期的な健康管理が不可欠です。

肥満防止が健康寿命に直結

ビーグルは非常に食欲が旺盛で太りやすい体質のため、肥満が寿命を縮める主な要因になります。適正体重を保つことで、心臓病や糖尿病、関節疾患など肥満に関連する病気のリスクを大幅に軽減でき、結果として健康寿命を延ばすことにつながります。

適度な運動が寿命を延ばす

ビーグルは活動的な犬種なので、毎日の散歩や遊びを欠かさず継続することが重要です。適度な運動は筋力維持や肥満予防だけでなく、精神的ストレスを軽減し、日々の生活の質を高めることで長生きにも寄与します。

歯周病予防が健康の鍵

歯周病は口内のトラブルだけでなく、心臓病や腎臓病などの全身疾患の原因にもなります。子犬の頃から歯磨きの習慣をつけ、口内環境を清潔に保つことで、健康な長寿を支えることができます。

健康診断で病気を予防

特に7歳以上のシニア期を迎えたビーグルは、半年に1回程度の定期健康診断を受けることで病気の早期発見・早期治療につながります。体調不良を隠しやすい犬の特性を考えると、定期健診はビーグルが長生きするための重要なポイントです。

ビーグルのしつけ

人に従うビーグル

ビーグルは猟犬として培われた自立心や頑固な性格を持つため、しつけには根気強さが求められます。基本的なコマンドを身につけさせることで、安全に楽しく生活を送ることが可能になります。特にビーグル特有の「吠え癖」と「拾い食い」をコントロールするしつけが重要です。

子犬期の社会化が重要

子犬の頃に様々な人や犬、生活環境に慣れさせる社会化トレーニングを行うことで、成犬時に問題行動(吠え癖や警戒心の強さなど)を起こしにくくなります。ワクチン終了後は積極的に外出し、様々な刺激を経験させましょう。

集中型トレーニングのすすめ

ビーグルは飽きっぽく頑固な一面もあるため、「おすわり」「ふせ」「まて」などの基本コマンドのトレーニングは短時間集中型で行うと効果的です。家族全員が同じルールで一貫性を持って接することが成功の鍵です。

「褒めるしつけ」が効果的

ビーグルの旺盛な食欲をしつけにうまく活用し、好ましい行動をした際におやつやフードで褒める「ポジティブリンフォースメント(正の強化)」が効果的です。叱ることよりも褒めることで、自発的に良い行動を学ぶようになります。

吠えを減らすための工夫

ビーグルの吠え癖には、要求吠え・警戒吠え・興奮吠えなど種類があります。吠えの原因を理解し、それに応じた適切な対応(無視や落ち着かせるコマンド)を行うことで、問題を改善できます。「静かに」などのコマンドを覚えさせるのも効果的です。

拾い食い防止トレーニング

散歩中の拾い食い対策は、飼い主が周囲に注意を払うことに加え、「ちょうだい」「放せ」などのコマンドを教えることで予防できます。コマンドを徹底することで誤飲事故のリスクを大幅に減らせます。

ビーグルの飼い方

テーブルの上にある肉を食らうビーグル

ビーグルの飼育には、彼らの猟犬としての特性や旺盛な食欲、豊富な運動量を理解したうえで、適切な生活環境や健康管理を整えることが必要です。

毎日の食事管理、運動、被毛や耳のケアなど、ビーグル特有の飼い方のポイントを知っておくことで、愛犬が健康で快適な暮らしを送れます。

肥満を防ぐ食事管理法

ビーグルは非常に食欲旺盛で与えられたものをすべて食べてしまう傾向があります。そのため、フードは必ず給与量を守り、決まった時間に与え、置き餌は避けることが重要です。適正体重の維持が椎間板ヘルニアや心疾患などの病気予防につながります。

問題行動を減らす散歩法

ビーグルの散歩は運動量を満たすだけでなく、「匂いを嗅ぐ」という猟犬としての本能を満たす時間が不可欠です。1日2回、それぞれ30分~1時間を目安に、十分に嗅覚を使わせる散歩を行うことで、ストレスや問題行動の軽減に繋がります。

抜け毛対策には週2〜3回のブラッシングが効果的

ビーグルは短毛ながらもダブルコートのため抜け毛が多く、換毛期には特に頻繁なブラッシングが必要になります。週に2〜3回ブラッシングを行うことで抜け毛を減らし、皮膚の健康を維持できます。

耳掃除で外耳炎予防

ビーグルの垂れ耳は通気性が悪く、湿気がこもりやすいため、外耳炎を起こしやすい構造です。耳の内部を定期的にチェックし、汚れがあればイヤーローションなどで清潔に保つことで、病気を防ぐことができます。

歯磨き習慣のすすめ

ビーグルは歯周病リスクが高いため、毎日の歯磨き習慣が重要です。子犬期から歯磨きを習慣化することで口内の健康を守り、将来的な全身疾患の予防にもつながります。

ビーグルがかかりやすい病気

聴診器を付けたビーグル

ビーグルは比較的丈夫な犬種ですが、遺伝的な要因や体の構造上、いくつか注意すべき病気があります。定期的な観察とケアを行い、病気の早期発見と予防に努めることが重要です。

椎間板ヘルニア

ビーグルは比較的標準的な中型犬の体型ですが、肥満や高所からの飛び降り、激しい運動が原因となって椎間板ヘルニアを発症しやすい傾向があります。段差を避ける生活環境の整備や肥満予防が最も効果的な予防策です。

外耳炎

ビーグルの垂れ耳は湿気がこもりやすく、外耳炎を発症することがあります。耳を頻繁にかく、頭を振る、耳から異臭がする場合は注意が必要です。定期的な耳掃除を行うことで外耳炎の予防ができます。

白内障・緑内障

ビーグルは眼の病気を発症するリスクが比較的高い犬種です。白内障は水晶体の濁りを伴い、緑内障は眼圧の上昇による視神経の障害を起こします。眼が濁っている、しょぼしょぼしているなどの異常が見られた場合は、早期の動物病院受診が失明予防に繋がります。

肥満関連の疾患

ビーグルは太りやすく、肥満が原因となる糖尿病や関節疾患、心疾患、呼吸器疾患などに注意が必要です。日頃の体重管理や運動量の確保で、これらの疾患リスクを大幅に軽減することが可能です。

てんかん

ビーグルは遺伝的な要素から特発性てんかんが比較的多く見られます。発作を起こした場合は症状や時間を記録し、速やかに獣医師に相談することで、適切な治療や管理方法を確立できます。

まとめ

木の棒を咥えて走るビーグル

ビーグルはフレンドリーで社交的な性格を持ち、子どもや他の犬がいる家庭でも愛情深く接することができる犬種です。一方で、猟犬としての強い本能から頑固さや吠え癖があり、飼育には十分な運動時間や根気強いしつけが不可欠です。

また、旺盛な食欲による肥満が健康寿命に大きく影響するため、適正な食事管理や定期的な健康診断も必要です。ビーグル特有の性質を理解し、正しく飼育することで、素晴らしい家族の一員となるでしょう。

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