毛が抜けにくい犬種15選|小型・中型・大型犬までサイズ別に紹介

毛が抜けにくい犬種15選|小型・中型・大型犬までサイズ別に紹介

抜け毛が少ない犬種をお探しですか?この記事では、毛が抜ける犬と抜けない犬の根本的な違いや、アレルギーや掃除が気になる方におすすめの犬種を小型・中型・大型のサイズ別にご紹介。毛が抜けにくい犬ならではの正しいケア方法まで、詳しく解説します。

毛が抜ける犬と抜けない犬の違いは?

抜け毛が散らばるソファの上で伏せる犬

犬の抜け毛の多い・少ないは、主にその犬が持つ被毛の構造によって決まります。被毛には大きく分けて「ダブルコート」と「シングルコート」の2種類が存在します。

ダブルコートの犬は、硬くてしっかりとした上毛である「オーバーコート(トップコート)」と、その下に生える柔らかく密集した下毛の「アンダーコート」の二重構造になっています。

アンダーコートは体温を調節する役割を担っており、季節の変わり目である春と秋に、気候に適応するために大量に生え変わります。これが「換毛期」と呼ばれるもので、この時期に非常に多くの毛が抜けるのが特徴です。代表的な犬種には柴犬やゴールデン・レトリバー、ポメラニアンなどが挙げられます。

一方、シングルコートの犬は、アンダーコートがなくオーバーコートのみで被毛が構成されています。そのため、一度に大量の下毛が抜ける換毛期がありません。

全く毛が抜けないわけではありませんが、人間の髪の毛のように、毛の寿命である「ヘアサイクル(毛周期)」に従って少しずつ生え変わるため、抜け毛が非常に少ないとされています。トイ・プードルやマルチーズなどがこのタイプに当たります。

毛が抜けにくい小型犬5選

トイ・プードル

頭にリボンを付けた2頭のトイ・プードル

クルクルとした巻き毛が特徴的なトイ・プードルは、毛が抜けにくい犬種の代表格です。シングルコートで換毛期がないため、日常的な抜け毛はほとんど気になりません。非常に賢く、しつけがしやすいことからも、日本の家庭で絶大な人気を誇ります。

ただし、毛が伸び続けるうえに絡まりやすいため、美しい被毛と皮膚の健康を保つには、毎日のブラッシングと定期的なトリミング(カット)が不可欠です。

マルチーズ

窓辺に座るロングコートのマルチーズ

純白でシルクのような美しい被毛を持つマルチーズも、抜け毛が少ないシングルコートの犬種です。「抱き犬」として古くから愛されてきた歴史があり、穏やかで飼い主に愛情深い性格をしています。

被毛は細く繊細で、地面に届くほど長く伸びます。毛玉ができやすく、汚れも目立ちやすいため、毎日の丁寧なブラッシングと定期的なシャンプー、カットといったケアが欠かせません。

ヨークシャー・テリア

ロングコートのヨークシャー・テリア

「動く宝石」と称される美しい絹のような被毛が魅力のヨークシャー・テリアも、シングルコートで抜け毛が少ない犬種です。活発で好奇心旺盛な性格ですが、飼い主には忠実です。

その美しい被毛は定期的なケアを必要とし、長く伸ばす場合は毎日のブラッシングが必須となります。短くカットするスタイルも人気があり、お手入れの手間を軽減できます。

シーズー

ロングコートのシーズー

愛嬌のある顔立ちで人気のシーズーは、実はダブルコートの犬種です。しかし、ヘアサイクルが非常に長く、他のダブルコートの犬種のような明確な換毛期がないため、抜け毛が少ないのが特徴です。

ただし、毛量が多く、細く長い毛は非常に絡まりやすいため、毛玉を防ぎ皮膚病を予防するためにも、毎日のブラッシングが極めて重要になります。

ミニチュア・シュナウザー

毛色の違う4頭のミニチュア・シュナウザー

長い眉毛と口ひげが特徴的なミニチュア・シュナウザーは、活発で賢い犬種です。硬いワイヤー状の毛質を持つダブルコートですが、毛が抜けにくい性質を持っています。

この独特の毛質を維持するためには、「プラッキング」という専用のナイフや指で死んだ毛を抜く特殊なトリミング方法が必要になることがあります。一般家庭ではバリカンでカットするスタイルが多く、これによりお手入れが容易になります。

毛が抜けにくい中型犬5選

ミディアム・プードル

毛色の違う4頭のミディアム・プードル

トイ・プードルとスタンダード・プードルの中間にあたるサイズのプードルです。プードル種共通の特徴として、シングルコートの巻き毛は抜け毛が非常に少なく、犬特有の体臭もほとんどありません。高い知性を持ち、しつけがしやすいことから家庭犬として非常に人気があります。

ただし、活発で運動量を必要とするため、毎日の散歩や遊びの時間は十分に確保する必要があります。絡まりやすい毛質のため、毎日のブラッシングと定期的なトリミングは欠かせません。

ワイヤー・フォックス・テリア

芝生の上に立つワイヤー・フォックス・テリア

かつてキツネ狩りで活躍していた、活発で陽気な性格のテリアです。その名の通り、硬く針金のようなワイヤー状の被毛(ワイヤーコート)で覆われており、この被毛は密度が高く抜けにくいのが大きな特徴です。

テリアらしい好奇心旺盛で遊び好きな一面を持つ一方、頑固な面もあるため、子犬の頃からのしつけが重要になります。独特の毛質を維持するためには、「プラッキング」という古い毛を抜く専門的なトリミングが必要になることもあります。

バセンジー

倒木に足をかけて周囲を見渡すバセンジー

アフリカ原産の古代犬種で、「吠えない犬」として知られています。ただし、声帯の構造が他の犬と異なるだけで、普通に吠える代わりにヨーデルのような独特の声を出します。

非常に短く滑らかなシングルコートの被毛は抜け毛が少なく、自分で体をきれいにするグルーミングの習性があるため、手入れは比較的容易です。独立心が強く、賢いですが、やや頑固な一面もあるため、信頼関係を築きながらトレーニングすることが大切です。

ケリー・ブルー・テリア

横向きに立つケリー・ブルー・テリア

アイルランド原産の犬種で、生まれたときは黒い被毛ですが、成長するにつれて独特の美しいブルーグレーの色合いに変化していくのが最大の特徴です。柔らかくウェーブしたシングルコートで、抜け毛はほとんどありません。

陽気で遊び好きですが、テリアらしい気の強さも持ち合わせています。その美しい被毛を維持するためには、毛玉を防ぐ毎日のブラッシングと、定期的なトリミングが不可欠です。

エアデール・テリア

芝生の上に立つエアデール・テリア

「テリアの王様」と称される、テリア種の中で最も大きな体格を持つ犬種です。知的で勇敢、忠実な性格から、家庭犬だけでなく警察犬や軍用犬としても活躍してきました。硬いワイヤーコートのダブルコートで、抜け毛が少ないのが特徴です。

多くの運動量を必要とするため、アクティブなライフスタイルの家庭に向いています。被毛の健康を保つために、定期的なブラッシングと専門的なトリミングが必要です。

毛が抜けにくい大型犬5選

スタンダード・プードル

真っ白のスタンダード・プードル

全プードルの中で最も大きなサイズを誇り、その歴史は最も古いとされています。高い知性と優れた運動能力を兼ね備え、サーカスやドッグスポーツでも活躍してきました。

クルクルとしたシングルコートの被毛は、抜け毛が極めて少ないのが最大の特徴で、アレルギーを持つ人々のパートナーとしても選ばれることが多い犬種です。ただし、毛は伸び続けるため、毎日のブラッシングで毛玉を防ぎ、月に一度はトリミング(カット)で体を清潔に保つ必要があります。

ジャイアント・シュナウザー

芝生の上に立つジャイアント・シュナウザー

その名の通り、シュナウザー種の中で最も大きな体を持ち、堂々とした風格が特徴です。元々はドイツで家畜の警備や運搬をしていた犬種で、非常に賢く、飼い主家族への忠誠心が強いことで知られています。

硬いワイヤー状の被毛は密度が高く、抜け毛が少ない性質を持っています。豊富な運動量を必要とし、その頑丈な体を維持するためには、定期的なブラッシングと専門的なトリミングが欠かせません。

ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ

芝生の上に立つポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ

ポルトガルの海岸で、漁師が網を引いたり、海に落ちた道具を回収したりするのを手伝っていた歴史を持つ犬種です。活発で学習意欲が高く、水遊びが大好きです。

被毛は抜け落ちることのないシングルコートで、アレルギーフレンドリーな犬種としても知られています。毛が伸び続けるため、定期的なブラッシングとカットは必須です。働くことが好きな犬種なので、毎日の十分な運動や頭を使う遊びを取り入れることが理想的です。

ワイマラナー

木のそばに立つワイマラナー

「灰色の幽霊(グレーゴースト)」という異名を持つ、銀灰色の滑らかな短毛が美しいドイツ原産の狩猟犬です。知的でエネルギッシュ、そして飼い主に対して非常に深い愛情を示します。

被毛はシングルコートで非常に短く、抜け毛が少ないためお手入れは比較的簡単です。しかし、狩猟犬としてのルーツから極めて高い運動能力を持っており、毎日の長時間の散歩やドッグランでの全力疾走など、豊富な運動量を満たしてあげることが心身の健康のために不可欠です。

カーリーコーテッド・レトリバー

伏せているカーリーコーテッド・レトリバー

レトリバー種の中でも最も古い歴史を持つ犬種の一つです。その名の通り、体全体が硬く小さな巻き毛でびっしりと覆われているのが特徴です。この撥水性のある被毛はシングルコートで、春と秋に換毛はありますが、他のレトリバー種に比べると抜け毛は少ないとされています。

賢く落ち着きがあり、飼い主に忠実です。被毛のお手入れは独特で、ブラッシングをしすぎるとカールが伸びてしまうため、普段は手で軽く整える程度にし、必要に応じてシャンプーを行います。

毛が抜けない・抜け毛が少ない犬のケア方法

コームで毛をといてもらっているマルチーズ

定期的なブラッシングの重要性

抜け毛が少ない犬種であっても、ブラッシングは絶対に欠かせない重要なお手入れです。その目的は、ただ抜け毛を取り除くだけではありません。毛の絡まりや毛玉を防ぎ、皮膚への通気性を良くして皮膚病を予防します。

また、皮膚を適度に刺激することで血行を促進し、健康な被毛の育成を助けます。そして何より、飼い主との大切なコミュニケーションの時間にもなります。特にプードルやマルチーズのような毛が伸び続ける犬種は、毎日ブラッシングを行うのが理想です。

シャンプーとトリミング(カット)

皮膚を清潔に保ち、フケや汚れを取り除くために、定期的なシャンプーが必要です。犬種や皮膚の状態によって適切な頻度は異なりますが、一般的には月に1回から2回程度が目安とされています。シャンプーのしすぎは、かえって皮膚の油分を奪い乾燥を招くこともあるため注意が必要です。

また、プードルやシーズー、シュナウザーなど毛が伸び続ける犬種は、定期的にトリミングサロンなどでカットをしなければなりません。カットは見た目を美しくするだけでなく、目や口周りを清潔に保ち、衛生管理の面でも非常に重要です。

プラッキングが必要な犬種について

ミニチュア・シュナウザーやエアデール・テリアなどのワイヤーコートを持つ犬種には、「プラッキング」という特殊なケア方法があります。これは、指やプラッキングナイフと呼ばれる専用の道具を使って、休止期にある古い死毛を毛根から抜くトリミング技術です。

プラッキングを行うことで、ワイヤーコート特有の硬い毛質と鮮やかな色を維持し、皮膚の新陳代謝を促す効果があります。家庭で行うのは難しく、専門的な知識と技術が必要なため、希望する場合はプラッキングに対応しているトリミングサロンに相談するのが一般的です。

まとめ

抜け毛のお手入れグッズのそばで寝転がるミニチュア・シュナウザー

毛が抜けにくい犬は、犬アレルギーを持つご家族や、掃除の手間を少しでも減らしたいと考えている方にとって、素晴らしいパートナー候補となり得ます。シングルコートの犬種や、ダブルコートでも毛が抜けにくい特性を持つ犬種を選ぶことで、抜け毛に関する悩みの多くは解消されるでしょう。

しかし、忘れてはならないのは、「毛が抜けにくい」ことと「手入れが不要」であることは全く違うということです。むしろ、抜けにくい犬種の多くは、毛が絡まったり、伸び続けたりするため、毛玉防止のための毎日のブラッシングや、皮膚の健康と衛生を保つための定期的なトリミングが不可欠です。

また、毛が抜けにくい犬種であっても、犬の唾液やフケなどを通じて犬アレルギーの症状が出る可能性もあります。

それぞれの犬種が持つ被毛の特性と、それに伴う必要なケアを正しく理解すること。そして、ご自身のライフスタイルや家族構成に合った犬種を慎重に選ぶことが、犬と人との幸せで快適な暮らしを実現するための最も大切な鍵となります。

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