ジャーマンショートヘアードポインターの飼い方完全ガイド|性格や寿命、価格まで徹底解説

ジャーマンショートヘアードポインターの飼い方完全ガイド|性格や寿命、価格まで徹底解説

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの飼い方をご検討中の方へ。その活発な性格、必要な運動量、しつけのコツを詳しく解説。子犬の価格相場から平均寿命、注意したい病気まで、迎える前に知るべき全ての情報を網羅しました。

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの基本情報

横を向くジャーマンショートヘアードポインター

精悍な見た目と優れた運動能力で知られるジャーマン・ショートヘアード・ポインターの基本的なデータを紹介します。

項目 内容
英語名
German Shorthaired Pointer
原産国 ドイツ
サイズの分類 大型犬
JKCグループ
第7グループ(ポインティング・ドッグ)
体重
オス:25~32kg、メス:20~27kg
体高
オス:62~66cm、メス:58~63cm
毛色の種類
ブラウン、ブラック(それぞれホワイトの斑が入る場合もある)、ローン(かす毛)など

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターは、その名の通りドイツ原産の大型犬です。ジャパンケネルクラブ(JKC)では、第7グループに分類されています。このグループは「ポインティング・ドッグ」と呼ばれ、獲物を見つけると、その方向を飼い主である猟師に鼻先や姿勢で示す(ポイントする)役割を担う犬種が含まれます。

体重や体高は大型犬にふさわしくがっしりとしており、筋肉質で引き締まった体つきが特徴です。

被毛の色はレバー(ブラウン)単色や、レバーにホワイトの斑が入るパーティーカラーが主流です。また、「ローン」と呼ばれる、ベースの色に白い毛が混じってかすんだように見える独特な毛色も存在します。この短く硬い被毛は、鳥猟犬として野山を駆け回る際に体を保護する役割を果たします。

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの性格

足をあげるジャーマンショートヘアードポインター

家庭犬としても素晴らしいパートナーになるジャーマン・ショートヘアード・ポインターの性格を深く掘り下げていきます。

知的で愛情深い

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターは非常に知能が高く、飼い主の指示を理解しようと努める賢い犬種です。そのため、トレーニングの飲み込みが早いという長所があります。また、家族に対して非常に愛情深く、深い絆を築こうとします。飼い主と一緒にいること、特に体を動かす活動を共にすることに大きな喜びを感じる、まさにパートナーという言葉がふさわしい犬種です。

エネルギッシュで遊び好き

もともと広大なフィールドを一日中走り回れるほどのスタミナを持つ鳥猟犬であったため、そのエネルギーレベルは極めて高いです。家庭犬となった現在でもその性質は色濃く残っており、有り余る体力を発散させることが心身の健康に不可欠です。ボール遊びやフライングディスクなどのアクティブな遊びを好み、飼い主と一緒に楽しめるドッグスポーツにも高い適性を発揮します。その遊び好きな姿は、家族に明るい雰囲気をもたらしてくれるでしょう。

警戒心と勇敢さ

家族には深い愛情を示しますが、見知らぬ人や物音に対しては警戒心を働かせることがあります。これは番犬としての素質も持ち合わせていることを意味します。無駄に吠えたてることは少ないですが、縄張り意識から、来訪者などを飼い主に知らせるために吠えることがあります。しかし、本来は人懐っこい性格のため、飼い主が安全だと示せば、穏やかに受け入れることができる社会性も持っています。

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの飼いやすさ

舌を出すジャーマンショートヘアードポインター

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターを家族に迎えるには、その犬種特性を十分に理解する必要があります。この犬種は、日本の一般的な人気犬種であるトイ・プードルや柴犬といった犬たちとは、必要な環境や運動量が大きく異なります。

最大のポイントは、その圧倒的な運動欲求です。毎日1〜2時間以上の散歩に加えて、思い切り走れる時間と場所を確保することが理想です。ドッグランで他の犬と遊ばせたり、広場でボールを投げたりするなど、単調な散歩だけでは満足させることは難しいでしょう。運動不足はストレスの原因となり、家具を破壊するなどの問題行動につながる可能性があります。

知能が高くしつけやすい反面、その賢さが裏目に出ることもあります。一貫性のない曖昧な指示は通用せず、飼い主にはリーダーシップが求められます。そのため、犬の飼育経験がある人、特に大型犬や活発な犬種の飼育経験者に適した犬種といえます。週末にアウトドアアクティビティを一緒に楽しめるような、アクティブなライフスタイルの家庭には最高のパートナーとなるでしょう。

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの歴史やルーツ

猟銃とジャーマンショートヘアードポインター

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの歴史は、19世紀のドイツに遡ります。当時のドイツの猟師たちは、鳥猟、獣猟、そして獲物の回収まで、あらゆる狩猟シーンで活躍できる「オールマイティ(万能)な猟犬」を求めていました。

その作出の基礎となったのは、獲物を発見すると静かに身を伏せて主人に知らせる能力に長けていたスパニッシュ・ポインターという犬種です。この犬種に、より優れた嗅覚を持つハウンド種や、俊敏性と鳥猟能力を高めるためのイングリッシュ・ポインターなどを計画的に交配させることで、改良が重ねられました。

その結果、陸上でも水中でも獲物を回収でき、優れた嗅覚とスタミナ、そして知性を兼ね備えた理想的なポインティング・ドッグが誕生しました。単なる猟犬としてだけでなく、その美しい容姿と家庭犬としての優れた適性から、現在では世界中の愛犬家に広く親しまれています。

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの平均寿命と注意したい病気

伏せるジャーマンショートヘアードポインター

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの平均寿命は、一般的に12歳から14歳とされています。これは大型犬としては比較的長寿な部類に入ります。日々の健康管理と適切な飼育環境を整えることで、より長く健やかな時間を共に過ごすことが可能です。しかし、犬種としてかかりやすいとされる病気も存在するため、その兆候を早期に発見できるよう注意が必要です。

胃捻転・胃拡張症候群

胸が深い体型の大型犬に多く見られる、命に関わる緊急性の高い病気です。胃がガスで膨れ上がり(胃拡張)、さらにねじれてしまう(胃捻転)ことで、血流が滞り、短時間でショック状態に陥ります。食後すぐの激しい運動が引き金になりやすいとされています。一度に大量の食事や水を与えるのを避け、食事は1日に2〜3回に分ける、食後はしばらく安静にさせるといった対策が予防につながります。

股関節形成不全

成長期に股関節が正常に形成されない遺伝性の疾患です。腰を振るように歩く、走るのを嫌がる、立ち上がりにくそうにするといった症状が見られます。体重管理が非常に重要で、肥満は関節への負担を増大させ、症状を悪化させる原因となります。滑りやすい床材を避けるなどの生活環境の見直しも有効な対策です。

進行性網膜萎縮症(PRA)

眼の奥にある網膜が徐々に機能しなくなり、最終的には失明に至る遺伝性の眼疾患です。初期症状としては、暗い場所で物が見えにくくなる「夜盲」が見られます。病気の進行を遅らせる根本的な治療法は現在のところ確立されていませんが、定期的な眼科検診で早期に発見することが大切です。

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの価格相場

上を向くジャーマンショートヘアードポインター

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの子犬の価格相場は、おおよそ30万円から60万円程度です。ただし、この価格は様々な要因によって変動します。

例えば、両親がドッグショーで優秀な成績を収めているチャンピオン犬の血統であったり、有名なブリーダーから譲り受ける場合は、価格が高くなる傾向があります。また、毛色や性別によっても価格に差が出ることがあります。

子犬を選ぶ際は、価格だけで判断するのではなく、ブリーダーの飼育環境が衛生的であるか、親犬や兄弟犬の健康状態や性格はどうか、遺伝性疾患に対する配慮がなされているかなどを総合的に確認することが非常に重要です。信頼できるブリーダーから迎えることが、その後の健全な成長につながります。

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの飼育費用

リードを咥えるジャーマンショートヘアードポインター

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターを家族として迎えるには、生涯にわたる飼育費用を計画しておく必要があります。ここでは、子犬の購入費用を除いた、主なランニングコストについて解説します。

迎える際の初期費用

まず、子犬を迎える際に必要となる初期費用です。これにはケージやサークル、ベッド、食器、トイレ用品、首輪やリード、おもちゃ、ドッグフードなどが含まれます。大型犬用のサイズが必要になるため、総額で5万円から10万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

毎月の飼育費用

月々継続的にかかる費用としては、ドッグフード代が最も大きな割合を占めます。体を維持し、活発に動くためのエネルギーを補うため、良質で栄養価の高いフードを選ぶ必要があります。大型犬用のフードは、体格と活動量により月 1~3 万円程度が目安となります。これに加えて、トイレシーツなどの消耗品代、おやつの費用がかかります。

年間の飼育費用

毎年定期的に必要となる費用もあります。狂犬病予防接種、混合ワクチン接種、ノミ・ダニ予防薬、フィラリア予防薬といった医療関連の費用が主です。これらは合計で年間5万円から8万円程度が目安となります。さらに、年に1〜2回の健康診断を受けることで、病気の早期発見につながります。ペット保険に加入する場合は、別途保険料が必要になります。

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの飼い方としつけ方

走るジャーマンショートヘアードポインター

知的でエネルギッシュなジャーマン・ショートヘアード・ポインターと良好な関係を築くためには、その特性に合った飼い方としつけ方が不可欠です。

運動と環境の整え方

この犬種の飼育において最も重要なのは、運動欲求を十分に満たすことです。毎日の長時間の散歩に加え、定期的にドッグランなどで自由に走り回れる機会を設けることが理想的です。知的な刺激も好むため、ボールやフライングディスクを使った遊びや、嗅覚を使う「ノーズワーク」という遊びを取り入れると、心身ともに満足度が高まります。食事は、筋肉質な体を維持するための高タンパクなフードを選び、胃捻転予防のために1日2〜3回に分けて与えましょう。

一貫性のあるしつけ

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターは非常に賢く、物覚えが良い犬種です。そのため、良いことも悪いこともすぐに学習します。しつけにおいては、家族内でルールを統一し、一貫した態度で接することが重要です。褒めて伸ばす「陽性強化」というトレーニング方法が適しており、おやつや褒め言葉を効果的に使いながら、楽しみながら学べる環境を作ってあげましょう。特に、幼い頃からの社会化トレーニングは必須です。子犬の時期に他の犬や様々な人、物音などに慣れさせておくことで、成犬になった際に落ち着いて対応できる社交的な犬に育ちます。

日頃のケア方法

被毛は短毛で、ダブルコートではありませんが抜け毛は多い方です。週に2〜3回程度、ラバーブラシなどでブラッシングを行い、死毛を取り除いてあげることで皮膚の健康を保てます。垂れ耳のため、耳の中が蒸れて外耳炎などのトラブルを起こしやすい傾向があります。定期的に耳の中をチェックし、汚れていればイヤーローションなどを使って優しく拭き取ってあげましょう。また、運動量が多い犬種ですが、爪は自然に削れるとは限らないため、伸びすぎていないか定期的に確認し、必要であれば爪切りを行います。

まとめ

森のジャーマンショートヘアードポインター

ジャーマン・ショートヘアード・ポインターは、美しい容姿と類まれな運動能力、そして家族への深い愛情を兼ね備えた、魅力あふれる犬種です。その知性とエネルギッシュな性質は、飼い主との間に強い絆を生み出し、共にアクティビティを楽しむ最高のパートナーとなり得ます。

しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、飼い主の深い理解と努力が不可欠です。十分な運動量の確保、一貫性のあるトレーニング、そして愛情のこもったコミュニケーションが、この犬種と幸せに暮らすための鍵となります。家族に迎えることを検討する際は、自身のライフスタイルがこの犬種の要求に応えられるかを真剣に考え、終生にわたり責任を持てるかを見極めることが重要です。適切な環境と愛情を注げば、ジャーマン・ショートヘアード・ポインターはあなたの人生を何倍にも豊かにしてくれる、かけがえのない存在となるでしょう。

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