オーストラリアンシェパードの特徴や性格、ブリーダーから子犬の値段まで

オーストラリアンシェパードの特徴や性格、ブリーダーから子犬の値段まで

「オーストラリアンシェパード」という犬をご存知でしょうか?日本で飼われている頭数は比較的少ない犬種ですが、実はとても飼いやすい犬として海外では人気があります。今回は、高い身体能力を持ち、見た目も美しいオーストラリアンシェパードの魅力をまとめました。おすすめのブリーダーや子犬の値段、あまり知られていない歴史や名前の由来などについても紹介します。

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オーストラリアンシェパードってどんな犬?

オーストラリアンシェパード

「オーストラリアンシェパード(Australian Shepherd)」の起源には諸説あります。1800年代にヨーロッパ・バスク地方の人々がオーストラリアに移住したとき、羊と一緒に連れてきた牧羊犬が祖先犬になるとされています。オーストラリア原産の犬と誤解され「オーストラリアンシェパード」の名前がつけられたと言われています。

その後移民とともにアメリカに渡り、コリーやオーストラリア原産の数種類の犬種と交配されました。そのためオーストラリアンシェパードはアメリカ原産の犬とされ、アメリカでは「オゥシー(Aussie)」の愛称で親しまれています。1950年代まではあまり目立つ犬種ではありませんでしたが、ロデオで芸を披露する犬として映画に出たことで一気に有名になりました。

オーストラリアンシェパードの特徴

オーストラリアンシェパード

大きさ(体重/体高)

  • 体重:オスメスともに約16~32キログラム前後
  • 体高:オス約51~58センチメートル、メス約46~53センチメートル

オーストラリアンシェパードはコリータイプの体型で、体高より体長がわずかに長くなりま
す。平均体重と平均体高からサイズは大型犬に分類されます。

  • 生後2ヶ月:約2~3キログラム
  • 生後3~5ヶ月:約8~15キログラム
  • 生後6~12ヶ月:約14~20キログラム

オーストラリアンシェパードが、子犬から成犬になるまでどのように体重が変化するのかを知っておくと、成長の目安になります。あくまでも目安ではありますが、こういった体重推移の表を参考にしながら、肥満や痩せすぎにならないよう健康健康管理に気をつけましょう。

被毛(毛色/毛質)

オーストラリアンシェパードの被毛は、防水性や保温性に優れたダブルコートの長毛です。上毛は、部分的に直毛の場合とカールがかかっている場合など、個体によって違いがあります。下毛はウェーブのかかった剛毛な毛質と密生した毛質からなり、首周りには豊かな被毛が覆っています。

主な毛色は「ブルーマール」といわれる黒い斑点とグレーの配色、「レッドマール」「ブラック」「レッド」の4種類になります。毛色の組み合わせや模様の入り方は個体により異なり、同じ模様の犬は2頭といないとも言われています。

体の特徴

オーストラリアンシェパードはもともと牧羊犬であったため、骨太でがっしりとした筋肉質の体格をしています。尻尾は、生まれつき短いナチュラルボブテイルか、子犬のころに断尾され短くされています。

また、さわり心地がよい垂れ耳と短めのマズル、大きな目が特徴です。目の色は一般的に茶色であることが多いですが、青色や黒色の個体もおり、アメリカ先住民から「ゴーストアイ」と呼ばれていました。まれに、左右の色が異なる「オッドアイ」になることもあります。

オーストラリアンシェパードの性格

伏せるオーストラリアンシェパード

飼い主さんに忠実

オーストラリアンシェパードの性格は、穏やかでとても忠実です。飼い主さんを喜ばせることが大好きなことから「飼い主の望んでいることを第6感で察することができる犬」とも呼ばれています。オーストラリアンシェパードは飼い主さんに寄り添い愛情を注いでくれる優しい犬種として人気があります。

賢い

オーストラリアンシェパードはとても賢く、しつけもしやすい犬種です。運動能力や持久力、判断能力が非常に高く、牧羊犬として必要な能力を全て持っているとされています。仕事熱心で強い責任感を持ち多才な犬種であることなどから、近年では牧羊犬としてだけではなく、救助犬や介助犬、捜索犬などといった仕事にも適応性があると言われています。

人懐っこく遊び好き

オーストラリアンシェパードは、人懐っこい性格をしているため他の犬ともすぐに仲良く遊ぶことができます。気質はラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーに似ており、活動的で遊び好きな犬種です。悪天候の中でも任務を遂行できるタフさを生かし、犬の障害物競走などでも活躍しています。

大人しい

オーストラリアンシェパードは大人しい性格でもあるので、滅多に犬同士でケンカをすることはなく、そのため家庭で飼いたい犬として人気があります。子犬のころからしっかりと社会のルールを学びしつけをすることで、家の中でも飼いやすくなります。

防衛本能が強い

オーストラリアンシェパードは防衛本能が強く、飼い主さんを守ろうとする愛情深い性格をしています。また辛抱強い一面もあるので、子どものいる家庭でも比較的飼いやすい犬種だと言われています。

オーストラリアンシェパードの子犬の価格

オーストラリアンシェパード子犬達

オーストラリアンシェパードの子犬の価格相場は、15万~25万円前後となっています。しかし血統や人気のある毛色によって値段に幅があり、30万円くらいで販売していることもあります。特に人気色のブルーマールは、他よりも少し値段が高くなりますが数万円程度の価格差だと言われています。

オーストラリアンシェパードをブリーダーから迎えるには

二匹のオーストラリアンシェパード

オーストラリアンシェパードを迎えるには、まず信頼できるブリーダーを見つけましょう。優良なブリーダーを見極めるポイントとしては、オーストラリアンシェパードについて十分な知識を持ち、親犬や犬舎の見学に応じてくれること、購入後にも飼育の相談やサポートにのってくれるかどうかなどが挙げられます。

オーストラリアンシェパードの里親になるには

オーストラリアンシェパード

保護されたオーストラリアンシェパードの里親になるために、里親制度を利用する方法があります。里親制度とは、捨てられてしまった犬や何らかの事情から飼えなくなってしまった犬の新しい飼い主さんを探すための仕組みのことを指します。国や市町村が開催している譲渡会やインターネットの里親募集サイトから探すことが可能です。

ペットのおうち

オーストラリアンシェパードは人気がある犬種なので、気になる犬を見つけた場合にはすぐに会いにいくことをおすすめします。費用や引き取りまでに時間が掛かったり、引き取った犬がすぐに病気になってしまったりという事例もあります。詳しい条件や犬の状態など、予めしっかりと確認するようにしましょう。

オーストラリアンシェパードの飼い方

走るオーストラリアンシェパード

環境

オーストラリアンシェパードは牧羊犬として働いていた名残からか、動くものに衝動的についていく習性があります。不意に脱走してしまうことがないよう、頑丈で高さのある柵やフェンスの設置が必要です。

また寂しがり屋な一面もあるので、できれば家族と一緒に室内で暮らすことが理想とされています。人間とコミュニケーションを取ることが大好きな犬種なので、飼い主さんと一緒に過ごす環境を整えることがとても大切です。

運動

牧羊犬として活躍してきたオーストラリアンシェパードは、成犬になっても落ち着かないと言われるほどエネルギッシュな犬種です。まとまった運動量が確保できないとストレスが溜まってしまいますので、かけ足などの運動を取り入れた散歩を最低でも60分程度、毎日2回を目安に行いましょう。

ドッグランなど、ノーリードで走り回れる環境を使い、体力を十分に発散させてあげることをおすすめします。フリスビーや障害物競技といった、身体と頭を使う遊びもおすすめです。

しつけ

オーストラリアンシェパードは賢いので、しつけやルール、ドッグダンスなどのトレーニングの飲み込みも早い犬種です。飼い主さんに応えることに喜びを感じるため、学習させれば何でもこなせるようになります。

オーストラリアンシェパードが持つ「判断能力」は、飼い主さんが正しくコントロールしてあげないと自分勝手に行動を始めてしまう可能性があります。褒められるとやる気が出る性格なので、叱ると褒めるのメリハリをつけながらしつけることが大切です。忠実な犬種が本来持っているよい面を引き出し、よきパートナーになってもらいましょう。

オーストラリアンシェパードの主食には、好みを重視した餌ではなく、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られた「総合栄養食」をおすすめします。犬は年齢や成長によって必要な栄養素の量が異なります。「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、目的に応じたフードを与えましょう。

またオーストラリアンシェパードは関節疾患になりやすいため、予防のためにもグルコサミンやコンドロイチン、関節の炎症を抑える成分が含まれているフードがおすすめです。

お手入れ

オーストラリアンシェパードのお手入れは週に1~2回くらいを目安に、ブラッシングやコーミングを行います。シャンプーは汚れが気になってからでもよいでしょう。ただし皮膚炎などの病気を防ぐためには、換毛期の丁寧なブラッシングで抜け毛をしっかり取り除く必要があります。

オーストラリアンシェパードを飼う上での注意点

オーストラリアンシェパード

ひとりぼっちにしない

オーストラリアンシェパードは寂しがりやな性格をしています。そのため飼い主さんとのコミュニケーションが不足し、ひとりぼっちの生活が長くなるとストレスが溜まり健康にも影響を及ぼします。神経質になった犬は「吠える」「暴れる」といった乱暴な行動を取るようになるので気をつけましょう。

熱中症対策をする

オーストラリアンシェパードのようなダブルコートの被毛を持つ犬種は、毛が豊富なため夏の暑さに弱く熱中症にならないよう室内の温度管理に配慮する必要があります。被毛を短くカットしたりペット用のクールマットや保冷材を使ってあげたりすることで、犬が快適に過ごせるように気をつけてあげてください。

オーストラリアンシェパードのカットは必要か

水遊びするオーストラリアンシェパード

オーストラリアンシェパードのトリミングは、気温が高くなる夏場に行うのがおすすめです。暑さや熱中症対策として、被毛を短めにカットするサマーカットを施す飼い主さんが多いようです。しかしサマーカットには「紫外線が直接皮膚に当たる」「怪我をしやすい」「毛質が変わる」などいくつか注意点があることも知っておきましょう。

オーストラリアンシェパードの寿命

伏せするオーストラリアンシェパード

オーストラリアンシェパードの平均寿命は12~15年程度です。ボーダーコリーなどと比較しても、このタイプの犬種としては平均的な寿命と言えます。オーストラリアンシェパードにできるだけ健康な状態で長生きしてもらうためにも、日頃から適切な運動量の確保や体重管理をしっかりと行い、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。

オーストラリアンシェパードのかかりやすい病気

オーストラリアンシェパード

オーストラリアンシェパードは乱繁殖の影響により、様々な遺伝性疾患や難聴といった先天性異常を発症する可能性が高いとされています。

特に、両親ともにブルーマールのオーストラリアンシェパードは遺伝子に欠陥が出やすい傾向があり、平均寿命が短かったり遺伝性疾患のリスクが高まったりすることが分かっています。そのためブルーマールの子犬を探している場合は、親犬を見せてもらうなど納得した上で迎えるようにしましょう。

目の疾患

オーストラリアンシェパードのかかりやすい病気には、遺伝性疾患で染色体異常による病気「コリー眼異常」、水晶体が白く濁る「遺伝性白内障」、網膜部分に異常が生じて網膜が次第に萎縮していく「進行性網膜萎縮症」などが挙げられます。進行性網膜萎縮症は、最終的に失明に至るという恐ろしい病気です。

コリーノーズ(日光性皮膚炎)

オーストラリアンシェパードが気をつけたい病気に、コリーノーズという皮膚病があります。コリーノーズは日光性皮膚炎とも言われ、鼻の周辺にある皮膚が長い時間紫外線を浴びることで赤くなってしまう皮膚炎です。犬が症状を気にして舐めると、潰瘍やかさぶたができることがあります。

コリーノーズは、オーストラリアンシェパードのようなメラニン色素が遺伝的に少ない犬種がかかりやすいとされています。

股関節形成不全

股関節形成不全もオーストラリアンシェパードが気をつけたい病気の1つです。症状としては成長の段階で股関節に異常が起こり、日常の運動や歩行に支障をきたすとされています。生後4~12ヶ月ころにあらわれることが多いのですが、2~3歳のころでも見られることがあります。

オーストラリアンシェパードとボーダーコリーの違いと見分け方

ボーダーコリー

オーストラリアンシェパードもボーダーコリーも、もともとは優秀な牧羊犬でした。それぞれ別の場所で発展したというだけで、顔立ちや毛質など似ている部分が多い犬種です。

オーストラリアンシェパードはがっしりとした筋肉質の体型に対し、ボーダーコリーはすらっとした体型をしています。また尻尾にも違いがあり、オーストラリアンシェパードは生まれつき短いか断尾していますが、尻尾ありのボーダーコリーは低く垂れ下がっています。

まとめ

オーストラリアンシェパード

オーストラリアンシェパードは飼い主さんに忠実でとても賢く、愛情深い犬種です。オーストラリアンシェパードを新しい家族として迎えた場合、スキンシップやコミュニケーションをできるだけ取りながら、適切な運動量を確保しストレスを溜めないようにしましょう。

日頃から健康管理に気を配り、病院で定期検診などを受けながら、オーストラリアンシェパードとできるだけ長く楽しく生活できるとよいですね。

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