スタンダードシュナウザーの特徴と性格、価格や寿命についても

スタンダードシュナウザーの特徴と性格、価格や寿命についても

スタンダードシュナウザーは世界的に人気が高い犬種です。ですが、周りではミニチュアシュナウザーと暮らす方は多い中、スタンダードシュナウザーは見かけることはあまりないと思います。この記事では、日本では希少な犬種スタンダードシュナウザーの性格や特徴、歴史までをご紹介します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

スタンダードシュナウザーの性格

スタンダードシュナウザーの顔

  • 利口で活発
  • 遊び好き
  • 勇敢
  • しつけやすい

スタンダードシュナウザーは、とても利口で活発な犬種です。遊ぶのが大好きで、愛犬と楽しく過ごしたい飼い主さんにぴったりです。活発ですが、騒がしくないところも、スタンダードシュナウザーの美点です。

スタンダードシュナウザーは、番犬として重宝されてきた犬種で、トレーニングにもよくついてきます。飼い主の役に立ちたいという思いが強いので、その気質をうまく利用してトレーニングすると、スタンダードシュナウザーにとっても幸せでしょう。

また、スタンダードシュナウザーは勇敢で、怖いもの知らずな一面もあります。これも番犬としての気質をよく残していると言えます。飼い主を守ろうと、知らない人に吠えることもありますので、神経質になる必要はないと、落ち着いた態度で示してあげましょう。

スタンダードシュナウザーの特徴

スタンダードシュナウザーの全身

  • 体高:45cm~50cm
  • 体重:14kg~20kg

スタンダードシュナウザーは中型犬に分類され、体高は45cm~50cm、体重は14kg~20kg程度です。がっしりとした体格で、四角いシルエットが特徴です。

シュナウザーの特徴と言えば、長い「ひげ」と「眉毛」ですね。スタンダードシュナウザーもその特徴を備えています。おじいさんのようにも見えますが、この外見がかわいくてたまらない方も、少なくないと思います。トリミングで少し短くすることもできるので、カットする楽しみがある犬種でもあります。

スタンダードシュナウザーの被毛は硬めで、ダブルコートです。どんな天候にも順応することができると言われています。とはいえ、さすがに近年の日本の暑さは過酷ですから、冷房をつけて熱中症対策をしましょう。また、被毛のお手入れも必要です。

スタンダードシュナウザーの毛色は、黒の単色とソルト&ペッパーです。ソルト&ペッパーの場合も、マスクは黒くなければいけないと、スタンダードで定められています。体の色は、さまざまな色調のグレーが基調になります。いずれの毛色も美しく、スタンダードシュナウザーの引き締まった体つきを引き立てます。

スタンダードシュナウザーの価格

スタンダードシュナウザーの子犬

スタンダードシュナウザーの子犬の価格は、20万円~40万円程度と言われています。日本では希少な犬種のため、ペットショップで売られていることはまずありません。

そのため、スタンダードシュナウザーの子犬が欲しい場合は、ブリーダーから直接譲り受けることになります。しかしながら、この記事を書くために、国内のスタンダードシュナウザーのブリーダーを探してみましたが、見つかりませんでした。ブリーダーを探す代行業者がいますので、そのような業者に依頼したほうがよさそうです。

海外から輸入する方法もありますが、その前にジャパンケンネルクラブ(JKC)の品評会を見学してみるのはいかがでしょうか。国内で希少な犬種は、その分飼い主さんも犬種に惚れ込んで、積極的に品評会に参加していることがあります。スタンダードシュナウザーを出品している方に、子犬の入手方法をたずねてみることもできます。もしその方が、愛犬の繁殖を考えているようなら、子犬が欲しいとお願いしてみるのもいいかもしれません。

それでもやはり海外から輸入しようという場合、最低でも50万円は見積もっておきましょう。子犬の価格に加えて、各種手数料がかかりますので、その分高額になります。スタンダードシュナウザーの原産地ドイツのほかに、ドッグショーが盛んなアメリカなども視野に入れるといいです。輸入元の国で狂犬病が発生していると、日本での検疫が厳しくなり、拘留期間も長くなりますので、狂犬病が発生していない国から輸入しましょう。

スタンダードシュナウザーの寿命

草むらに横たわるスタンダードシュナウザー

スタンダードシュナウザーの寿命は、13歳~16歳と言われています。中型犬としては、平均的な寿命ですね。もちろん個体差もありますし、飼育環境によって寿命も変わってきますので、あくまで参考程度にとどめておいてくださいね。

スタンダードシュナウザーがかかりやすい病気に、股関節形成不全が挙げられます。大腿骨と骨盤の寛骨臼(くぼみ)がうまくかみ合わず、股関節に問題が出る病気で、生後6ヶ月ごろから発症しやすいと言われています。歩くときに腰を振るなどの動作が見られたら、動物病院で診察を受けましょう。

関節に負担がかからないように、肥満にも注意が必要です。犬にとって、肥満はさまざまな病気を引き起こす元になりますので、体重を適正に保つようにしましょう。肥満により心臓疾患を発症するなど、命に関わる病気になることがあります。スタンダードシュナウザーも例外ではありませんので、十分な運動と適正な食事量を心がけましょう。

また、スタンダードシュナウザーは、アレルギー性の皮膚病にかかりやすいとも言われています。かゆみを伴う皮膚病は、犬にとって大きなストレスになりますので、皮膚に発疹が見られたり、同じ場所をいつまでもかいていたりする場合は、動物病院で診察を受けましょう。アレルギー検査の結果、 アレルゲンが特定されれば、環境や食事の改善ができます。犬がかきこわして出血するなど悪化する前に、早めに診察を受けてください。

スタンダードシュナウザーの歴史

こちらを見るスタンダードシュナウザー

シュナウザーと呼ばれる犬種には、ジャイアント、スタンダード、ミニチュアの3種ありますが、元になったのはスタンダードシュナウザー(Standard Schnauzer )です。古くから南ドイツで厩舎の番をしていて、家畜を守り、ネズミなどの害獣駆除を行っていました。「ネズミ捕り」の愛称で呼ばれていたこともあります。現在は、英語の頭文字をとって、「SS」と略される場合もあります。

1895年にドイツで、ピンシャー・シュナウザー・クラブが設立されたとき、スタンダードシュナウザーは「ラフヘアードピンシャー」と呼ばれていました。ピンシャーとシュナウザーは血統が近く、元になった犬は同じです。スムースコートの犬はピンシャーとして、ワイヤーヘアーの犬はシュナウザーとして発展していきました。

その後、スタンダードシュナウザーという犬種名が固定して、現在に至ります。頭の良さを買われて、家庭犬だけでなく、警察犬や番犬といった使役犬としても活躍しています。

日本では、ミニチュアシュナウザーのほうが、スタンダードシュナウザーよりも圧倒的に有名ですね。ミニチュアシュナウザーは、スタンダードシュナウザーを小型化した犬種です。ミニチュアシュナウザーのほうが、スタンダードシュナウザーより体高が10cm程度低く、日本の住宅事情に合っているのかもしれませんね。

ミニチュアシュナウザーもスタンダードシュナウザーと同じく、とても頭が良く、番犬もできるほどですので、小さくても頼りになるパートナーになることでしょう。

まとめ

草むらを駆けるスタンダードシュナウザー

スタンダードシュナウザーは、とても利口で勇敢、落ち着いた気質と、かなり理想的な性質を備えた犬種です。がっしりとした体つきも頼もしいですね。

とても遊び好きな犬種なので、飼い主さんと楽しく過ごせそうですね。中型犬を家族に迎えようと考えている方は、スタンダードシュナウザーを候補に入れてはいかがでしょうか。日本では入手困難ではありますが、手間をかけるだけの価値がある犬種ですよ。

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