アメリカン・フォックスハウンドの性格と特徴、価格や寿命など

アメリカン・フォックスハウンドの性格と特徴、価格や寿命など

フォックスハウンドとは、聞きなれない犬種ですが、その名のとおりキツネ狩りの猟犬です。イギリス原産のイングリッシュフォックスハウンドと、アメリカ原産のアメリカンフォックスハウンドに分けられます。どうして2つの系統に分かれたのでしょう?この記事では、フォックスハウンドの特徴や歴史についてご紹介いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

アメリカン・フォックスハウンドとはキツネの猟犬

馬の足元で群れをなすアメリカンフォックスハウンド

フォックスハウンドとは、もともとイギリスでキツネ狩りに使われていた犬種です。イギリスの貴族たちが、スポーツとしてキツネ狩りを行っており、キツネを追い立てる役目を担っていたのがフォックスハウンドです。

フォックスハウンドは単独ではなく、何頭もの群れでキツネを追い立てます。体力に加えて、統率のとれた行動をとる能力も高いです。映画や海外ドラマで、キツネ狩りのシーンを見たことのある方もいるのではないでしょうか。

ライフルを持って馬に乗った貴族が、群れをなして獲物を追う犬たちを見ているシーンが思い浮かびますね。

イギリス原産のイングリッシュフォックスハウンドは、その他のフォックスハウンドの原型です。アメリカに渡ったフォックスハウンドから、アメリカンフォックスハウンドが作られ、他にもジュライハウンド、トリッグハウンドなど、様々な猟犬が生み出されることになりました。

アメリカン・フォックスハウンドの性格

屋外に立つフォックスハウンド

フォックスハウンドは今でも猟犬としての性質を色濃く残す犬種で、飼い主の命令に従って行動するのが得意です。勇敢で行動力があり、野性味のあるところが魅力です。

飼い主をリーダーと認めると、忠実ではありますが、反面他の人には警戒心を抱きます。愛玩犬を飼う感覚でフォックスハウンドを迎えてしまうと、しつけに難儀するかもしれません。

フォックスハウンドは群れで行動する性質があるので、仲間と認めた犬とは仲良く遊ぶことができますが、それ以外の犬に対しては少々乱暴な面もあるようです。多頭飼いに向いていますが、散歩で他の犬とすれ違う時には注意が必要です。

また、狩りの最中は吠えてコミュニケーションをとるので、大きな声で吠える犬種でもあります。フォックスハウンドを家族に迎えるならば、飼い主としてきっちりとリーダーシップをとり、犬が安心してついていけるように、してあげましょう。

アメリカン・フォックスハウンドの特徴

ソファでくつろぐフォックスハウンド

フォックスハウンドは大型犬に分類され、体高は58cm~69cm、体重は25kg~35kg程度です。筋肉質な体で、比較的脚が長いです。長距離を走るようにできているので、運動量も豊富です。イングリッシュフォックスハウンドより、アメリカンフォックスハウンドのほうが、ややスリムな印象を受けます。

フォックスハウンドの毛は短毛で、毛色は様々です。ビーグルのような毛色から、単色や霜降り模様まで、いろいろな毛色があります。短毛なので、お手入れは簡単です。時々ブラッシングして、抜け毛をとってあげる程度で大丈夫です。

フォックスハウンドの飼育で気をつけなければいけないのは、やはり運動です。野原を駆け回ってキツネを追い立てる犬種なだけに、かなりの運動を必要とします。最低でも1時間の散歩に1日2回連れて行ってあげましょう。一緒にジョギングできる飼い主さんが良さそうですね。

また、フォックスハウンドは狩猟本能を色濃く残す犬種なので、鳥などを見かけると追いかける本能があります。ボール投げなど、別の形で狩猟欲求を満たしてあげてください。あるいは、実際に狩猟をされる飼い主さんと暮らすのが幸せかもしれません。

アメリカン・フォックスハウンドの価格

フォックスハウンドの子犬

フォックスハウンドは日本ではほとんど飼育されていないため、海外から輸入することになります。子犬の価格に加えて、各種手数料がかかりますので、最低でも50万円はかかります。

イングリッシュフォックスハウンドならイギリス、アメリカンフォックスハウンドならアメリカのブリーダーを探しましょう。イングリッシュフォックスハウンドは今でも猟に特化した犬種なので、猟犬にするつもりがないなら、まだしもアメリカンフォックスハウンドのショードッグを迎えるほうがいいかもしれません。

いずれにしても、すぐに子犬が手に入るわけではありませんので、ブリーダーにコンタクトをとって、子犬が産まれるのを気長に待ちましょう。

アメリカン・フォックスハウンドの歴史

群れで走るフォックスハウンド

フォックスハウンドは、もともとイギリスで13世紀ごろから鹿狩りに使われていた猟犬です。その猟犬たちから、スピードを重視して改良され、17世紀ごろキツネ狩り用にフォックスハウンドが確立されました。

近代に入り、狩猟が減ったことからフォックスハウンドの数も減り、今では猟犬としてイングリッシュフォックスハウンドを飼う人々によって保たれています。

一方、1650年ごろアメリカに渡ったフォックスハウンドは、1700年代に入り、アメリカの初代大統領ワシントンに愛され、そこから独自の道をたどります。

ワシントン大統領が血統の維持に努め、フォックスハウンドはさらにフランスの猟犬などをかけ合わせてサイズを大きくしたり、スピードを増したりするように改良されました。1886年にアメリカのケネルクラブに犬種登録され、現在では猟犬のほかにショードッグとして活躍しています。

まとめ

猟を待つフォックスハウンド

現在でも猟犬としての性質を色濃く残すフォックスハウンド。野性的で素敵ですね。もし猟犬を探しているなら、候補に加えてはいかがでしょうか。

フォックスハウンドは群れで仕事をするので、多頭飼いしてあげるのが幸せなようです。大型犬の多頭飼いはハードルが高いですが、大きな犬が好きな方には、とてもいいパートナーになりそうです。思いきり運動できる広場で駆けまわらせてあげたいですね。

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