犬の下痢症の直接的な原因は冷えではない!?
冬場になるとサイトの検索率が高くなる犬の「下痢症」。犬のお腹が冷えると下痢になるというイメージを持っている方も多いでしょう。しかし、冬の犬の下痢には冷え以外の原因も多いというのをご存知でしょうか?しかし、冷えが全く無関係とは言い切れないのも事実です。
身体が冷えると免疫力が低下する
犬は寒さに比較的強い動物だといわれていますが、寒さに弱い犬種や老犬や子犬、さらには身体が弱い個体は寒さによって免疫力が低下する場合があります。免疫力が低下すると、様々な疾患や感染症にかかりやすくなったり体調を崩しやすくなったりします。その結果、下痢などの症状が見られることも珍しくはありません。寒さによる冷えが直接的な原因ではなくても、冷えにより免疫力が低下し下痢を引き起こす可能性は十分にあります。
冷えによる持病の悪化が原因になることも
身体の冷えは筋肉や内臓への血液の巡りを悪くします。その結果、腎臓病、心臓病などが悪化することがあり、間接的に下痢症に繋がっていることもあります。
また、身体の冷えによって持病を悪化させる恐れもあります。冷えが下痢の直接的な原因になっていなくても、冷えにより何らかの体調不良を引き起こし下痢になっている可能性は十分にあります。
寒い時期の犬の下痢に多い原因3つ
冷えが直接的な原因となっていなくても、冬に下痢になる犬が多いのは事実です。では犬の下痢の原因はどのようなものがあるのでしょうか?
①ウイルスによる感染症
人も、冬になると風邪を引きやすくなりますよね。これはウイルスが乾燥を好むためだそうです。犬に下痢を起こすウイルス感染症はいくつかあり、それらのウイルスの中には人の風邪を起こすウイルスと同様に乾燥した環境にとても適しているものもあります。
犬のウイルス感染症の多くは、季節に関係なく犬の出入りが多い所、免疫を持たない犬がいる場所で発生しますが、乾燥した環境を好むウイルスによる下痢は冬に多くなるかもしれません。また、混合ワクチンをで予防できるウイルス感染症もいくつかあり、ワクチン定期的に追加接種していれば、感染の可能性はまずないでしょう。
またワクチンのない下痢を起こすウイルス感染症でも、十分な免疫力を持つ成犬であれば発症しないことがほとんどです。もし、家に迎えいれたばかりの子犬やこれまでのワクチン接種歴が分からない犬で下痢が見られたら、下痢は獣医師に相談をし、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
②いつもと違う食事
続いて考えられるのが食事です。クリスマス、大晦日、お正月など、冬はイベントが多く飼い主の食事も豪華になる傾向があります。それに伴い「犬にもいつより少し贅沢な食事を」という考えから、変わった食材を与えてしまいがちです。
もしかしたら、その食材が身体に合わず、また食べ過ぎたりして下痢を引き起こしているのかもしれません。食材の中には、中毒症状を引き起こす食べ物もありますので、与えたことがない食材を与える時は十分に注意をしましょう。
③ストレス
実は、犬の下痢の原因で意外と多いのが「ストレス」です。年末年始は来客が増えたり、ペットホテルに預けられたりと、いつもと違う環境に置かれることがあります。これが犬にとって大きなストレスになり、下痢症を引き起こしているのかもしれません。
人はストレスを感じたら下痢を引き起こすことが多いですが、犬の場合は、状況が落ち着き緊張状態が解けてから症状が現れることも多くあります。そのため、多くの飼い主がいつもと違う環境に置かれたストレスと下痢の関係に気づかずに「寒さや冷えが原因で下痢になったのでは?」と考えることがあるようです。
犬の冷え対策と下痢の対処法
「冷えは万病の元」という言葉があるように、東洋医学では冷えによって様々な病気が引き起こされると考えられています。下痢の直接的な原因ではないにしても、やはり冷え対策はとても重要といえます。
冷える原因から考える「冷え対策」
犬の身体が冷える原因でもっとも多いのが、急激な気温の変化です。時間帯によって全く違う温度に、身体がついていかず冷えてしまうケースがとても多いです。特に気温の変化に弱い犬種や、老犬、持病を持つ犬では十分に注意をしてあげましょう。また夏の冷房も身体の冷えの原因となります。もし、身体が冷えているかも、と感じるようなら身体を温めてあげましょう。
外に出る時は服を着せたり、家の中では暖房器具だけではなく布団やベッドなどで暖かくいられる場所を作ってあげましょう。
下痢以外の症状が見られたら病院へ!
犬の下痢が長期間に渡って見られる、または、下痢以外の症状も併発しているようであれば、深刻な病気をかかえている恐れもあります。すぐに病院に連れて行きましょう。
- 便の状態
- におい
- 血便はないか
- 回数
- いつもと違う食べ物を与えていないか
- 誤食の可能性
- 環境の変化、ストレスになるようなことはなかったか
- 普段と違う様子はなかったか
まとめ
冬に起きる犬の下痢は、めずらしい症状ではありません。食べ過ぎたときや、いつもと違う食べ物を食べたときにお腹を壊しているようであれば、食の調整をすることで改善されます。犬にストレスがかかっていないか、今一度生活を見直すことも大切です。