犬の頻尿の症状
犬の「頻尿」というのは、読んだ字のごとく、「犬が頻繁に尿を出す症状」の事で、排尿の間隔が通常よりも短くなる状態の事を言います。
- 尿の間隔が短い
- 1日のおしっこ回数が多い
- トイレ以外の場所でおしっこしてしまう
- おもらし(失禁)してしまう
犬の頻尿の症状
いつもよりもやけに排尿回数が多いなと思った場合や、排尿に失敗するようになったりだとか、排尿のポーズをしていても尿が出ていないなどの異変が見られたら、もしかしたら犬の身体に異常が起こっているサインであるという可能性があります。
普段から犬の尿の頻度を確認することが大切
病気が原因で「頻尿」が起こっている場合には、排尿時の痛みや血尿など他の症状も一緒にあらわれる事が多いので、犬の様子をよく観察してみてください。犬は痛みや苦しさなどを言葉で表すことは出来ません。
普段から犬の行動を良く見る事ができる飼い主さんであれば、犬の異常にすぐに気づく事が出来るかと思います。
生理的な理由で頻尿になる場合もあります
例えば、オスのマーキングなど、生理的な事で頻尿が起きている場合があります。その場合、問題が無い事もあります。
ただし、素人では見分けにくいため、疑問に思ったらまずはかかりつけの獣医さんに相談して、実際に頻尿であるか聞いてみると良いでしょう。
犬の頻尿の原因となる病気と治療や対処法
膀胱炎
人間でも良く聞く症状ですが、犬の場合にも頻尿の時には膀胱炎にかかっている事が疑われるそうです。膀胱炎とは細菌が尿道を通って感染し、膀胱に炎症が起きてしまう病気です。
頻尿と同時に血尿が見られる事もあり、また排尿の時に痛そうな様子だったり一回の排尿の量が少なくなったりなどのサインが見られます。
特に膀胱炎になりやすいのは尿道の長いオスよりも、尿道の短いメスの方がなりやすいと言えます。また、身体の抵抗力が弱い高齢犬もかかりやすい病気です。
治療としては抗生物質の投与などが行われます。頻尿や血尿など、普段と違う症状が見られたら獣医さんの診察を受けてください。
糖尿病
犬が糖尿病になってしまった場合にも、頻尿の症状があらわれることがあります。その場合には、同時に「お水を大量に飲む」「体重減少や食欲の増加」などの症状が一緒にあらわれる事が多いそうです。
糖尿病は運動不足などで肥満傾向のワンちゃんがなりやすい病気です。頻尿の他にも、こんな症状がそろっていたら糖尿病を疑って病院へ連れて行ってあげてくださいね。
尿路結石症
尿路に結晶や結石が出来てしまう結石症も、頻繁におしっこをする姿勢をするも出にくいなどの頻尿の症状があらわれます。他に、血尿や排尿時の痛みなども同時にあらわれやすく膀胱炎と併発することもあります。
結石の種類には「ストルバイト尿石」や「シュウ酸カルシウム尿石」などがあります。悪化すると結石が尿路を完全に塞いでしまい、おしっこが全く出なくなってしまう事もあり、この場合には数日でも命の危険性がありますので速やかに病院へ掛かってください。
結石症は予防するためのフードが販売されてたりもするので、利用してみると良いかもしれません。
子宮蓄膿症
避妊していないメスの犬が発症しやすいこの病気でも、多飲多尿や頻尿の症状があらわれて発覚する事が多いです。子宮に膿が溜まってしまい、発生してしまった毒素が水の再吸収をコントロールするホルモンに影響を与えるために、おしっこの量が多くなるのだそうです。
外見上からは分からない事も多いので、多飲多尿や頻尿の症状をチェックすることで早期発見の目安にもなります。高齢で、避妊していないメスのワンちゃんにこんな症状があらわれたらお医者さんに相談してみましょう。
慢性腎不全
腎臓機能が低下した犬は、水分の再吸収がうまくいかなくなるので多飲多尿により頻尿の症状もあらわれるそうです。慢性腎不全は高齢の犬が発症しやすい病気なのですが、発見が早ければ早いほど病気を食い止められる確率も上がります。
獣医さんの指示で与える療法食やお薬などで、腎不全の進行を遅らせることも出来るので、高齢のワンちゃんにこのような症状があらわれたなら、悪化する前に獣医さんに相談しましょう。
犬の頻尿で注意すべき事
生理的な頻尿の場合もあります
「頻尿」の原因には病気が原因ではないものも含まれます。例えば、オス犬のマーキングもそうですし、メス犬の発情期にはホルモンの影響で頻尿になりやすくなります。また、妊娠中の犬も胎児が膀胱を圧迫して頻尿になることがあります。
このような場合には、獣医さんで受ける血液検査などで正常かどうかが分かります。定期的に血液検査を受ける事は、犬の健康対策としてもオススメです。
水を多く飲む頻尿は注意
多飲多尿で頻尿の症状があらわれる時には、特に重大な病気が潜んでいる事が多いので獣医さんへ行くことをおすすめします。特に、尿が出ないという事態はとても危険なのですぐに病院へ行ってください。
犬の頻尿の判断方法
飲水量で判断する方法
- 多飲の判断基準・・・24時間の飲水量が「体重1kg当たりに対して100ml以上」の場合
測定方法
①1日の初めの時間を決め、測定期間を決めておきましょう(たとえば朝の9時~翌朝の9時)
②最初に給水機へ水を入れる際に、あらかじめ軽量カップなどで水の量を測って、水の量を把握しましょう。
③犬が水を飲んで、途中で水を注ぎ足すときも、同様に計量カップなどで測りながら補充しましょう。
④24時間が経過した時点で1日の水分量を測定します。測定開始時の水の量と注ぎ足した水の量から、その時点で残っている水の量を引きます。計算された水の量をメモして、上記の基準を超えていないか確認してみましょう。
尿量で判断する方法
- 頻尿の判断基準・・・24時間の尿量が「体重1kgに対して50ml以上」の場合
測定方法
1か所のペットシートやペットトイレにすべての尿をしてくれる場合なら、使用後のペットシートの重さを測り、そこからペットシート単体の重さを引く事で尿の量を測る事ができます。
ただし、1か所で尿を集めるのはとても難しいと思いますので、「排尿回数」や「尿の範囲」で、頻尿かどうかチェックしましょう。
もし、尿の量を測定できた場合は、上記の基準を超えていないか確認してみましょう。
「年齢」「その他の部位の病気」が原因の場合もあります
高齢犬などが頻尿になるケースもあります。その際、おしっこを失敗する事もあるので、犬用オムツを履かせるなどの対処法が必要になるかもしれません。
そのほかにも、犬が頻繁に排尿ポーズを取るけれど「尿が出ない」または「出が少ない」という時には、注意が必要です。
頻尿ではなく、尿路関係の病気で尿が出にくくなるケースもあります。
まとめ
犬の頻尿は、生理的な原因のものと病気が原因のものとに別れます。ですから、犬の様子を見てそれを見極めることが飼い主としては大事な事ですよね。
もし判断に迷うようでしたら、獣医さんに相談すると病気が原因かそうでないかが見分けられるので安心出来ます。
また、いつもより明らかに変化したという事があれば、やはり異常が起こっている可能性は高そうです。例え病気が発覚したとしても、適切な治療を受ければ治癒する病気も多いので、早めの対処が肝心ですね。
私も、出来るだけ異変に早めに気が付くことのできる飼い主でありたいと思いました。
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犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識
ユーザーのコメント
50代以上 女性 フーガ
私は、日頃から犬の様子を見て、早めの気づくことが肝心だと思っています。また定期的に血液検査を受ける事も、大事な健康対策になるのではないでしょうか。
愛犬の健康のためにも私たち飼い主が気を付けてあげたいですね。
30代 女性 MAI
20代 女性 こなつ
成犬になっても減ってこないようだったら何か原因あると疑った方がいいかもしれませんね。
20代 女性 ねんねこ
愛犬はトイレをするとオヤツをあげて褒めるやり方で、トレーニングをしているのでオヤツがほしくて何度も何度もトイレをします。最後はトイレが出てなくてもだそうとします。なのでオヤツ欲しさに何度も絞り出そうと頻尿になってる場合もあります。
特に尿の色や回数が頻尿程度ならあまり気にしないです。
もう一匹のわんこは何度か尿に血液が混じっていたことがあり検査をしてもらうと膀胱炎になってました。二度ほどストルバイトになりかけていて、尿にキラキラしたものが混じってました。膀胱炎もストルバイトも早めに治療すれば飲み薬や療法食のフードで治すことや予防することが出来るそうで、愛犬もすぐ治りました。
膀胱炎やストルバイトはすぐ治療すれば治りやすいものの、繰り返しなる可能性もあるのでストルバイトの場合はフードやおやつなどの食生活の見直し、膀胱炎の場合は清潔にしたりお水を飲む量を増やしたり、クランベリーなどのサプリメントなどの摂取など、癖になる前にならないようにしてあげると良いと思います。
室内でトイレをするわんちゃんの場合は普段よりシートでしてる尿の量や色など見てあげると良いと思います。トイレシートで、酸性、中性、アルカリ性とPHが計れるものや、チェックできる紙のテープシートなんかもあります。
尿をした後キラキラ光るような感じが有ればストルバイトの可能性もありますし、尿検査だけなら採尿したものを病院に持って行くと数百円〜で検査してくれます。なるべく採尿したばかりの物を持って行くと良いですよ。
尿トラブルは繰り返すと癖になるので早めに気づいて予防してあげたいなぁと思いました。