犬の飼育数が初めて猫の飼育数を下回った!
昨年末、2017年の「全国犬猫飼育実態調査」の結果が発表されました。この調査結果によると、猫の推計飼育数が調査開始以来初めて、犬の数を上回ったとのことです。
1994年に調査が始まってから、ずっと犬が猫の飼育数を上回っていました。しかしここ数年、猫の飼育数はほぼ横ばいであったのに対し、犬の飼育数は減少が続き、両者の差は縮まってきていました。そのため、犬と猫の飼育数が逆転を迎える日は近いと予想されていたのですが、ついにそれが現実となったのです。
2017年の推計飼育数は、犬が892万匹、猫が952万6千匹。前年の2016年と比較すると、犬は43万6千匹減(4.7%減)、猫は21万7千匹増(2.3%増)となっています。
全国犬猫飼育実態調査とは
全国犬猫飼育実態調査は、ペットフードの事業者で組織された「一般社会法人ペットフード協会」が毎年インターネットで実施しています。2017年は、20歳~79歳の男女を対象に調査が行われました。
犬と猫の飼育数については、集められた5万人分の回答を基に、総務省発表の世帯数から推計しています。犬と猫の飼育数に関する継続的な大規模調査は、国内ではこの調査のほかにないそうです。
推計飼育数のほか、年代別の現在の犬と猫の飼育状況や今後の飼育意向、犬と猫の平均寿命、1ヶ月当たりの支出総額などさまざまな調査が行われています。
飼い主の数は犬の方が多い!
飼育数では猫が犬を上回りましたが、飼育世帯数では犬が猫を上回っています。飼育世帯数の推計値は猫が546万世帯であるのに対し、犬は722万世帯。これは、飼育数では猫の方が多いにもかかわらず、飼い主の数は犬の方が依然として多いということです。
なぜこのような結果になるのかというと、犬は1匹のみ、猫は複数匹を飼うケースが多いためとみられています。
176万世帯もの差があるのですが、飼育世帯数においても犬は減少傾向にあるようです。
犬の飼育数が減少している理由は?
飼育世帯数では犬の方が上回っているとはいえ、飼育数は年々減少の一途をたどっています。その理由とはなんでしょうか?主な理由として考えられているのは、次の二つです。
日本の高齢化
犬の飼育数が減少する背景には、今の日本の高齢化があると考えられています。犬を飼育するためには、きちんとしたしつけや毎日の散歩が必要になり、猫に比べると世話が大変です。それを負担に感じる人は少なくありません。
特に高齢者はそう感じるようで、飼育の負担が大きい犬を飼うのは諦め、犬に比べて飼育の負担が少ない猫を飼う高齢者が増えているそうです。言い換えれば、高齢化によって犬を飼える人が減ったということになるでしょう。
犬の飼育にかかる費用の高さ
2017年の全国犬猫飼育実態調査の結果によると、1ヶ月当たりの総支出額は医療費を含め、犬は10,818円、猫は7,475円です。1ヶ月で3,343円、1年間にすると40,116円もの差が出ます。この差は、かなり大きいと言えるでしょう。
また、一生涯にかかる費用は、犬は約160万円、猫は約108万円という結果が出ています。こうした犬の飼育にかかる費用の高さも、飼育数減少の理由のひとつとされています。
まとめ
犬の飼育数は減少傾向にあり、その主な理由は日本の高齢化と飼育にかかる費用の高さにあると考えられています。
2017年に初めて犬が猫の飼育数を下回りましたが、犬には犬のよさがあり、猫には猫のよさがあります。そして、犬が好きな人もいれば、猫が好きな人もいます。両方好きという人もいるでしょう。自分に合ったペットを家族として迎え入れ、人間とペットがお互いに充実した幸せな毎日が送れたら、飼育数の数字なんて関係ないですよね。
とはいえ、犬の再逆転はあるのか、今後の調査結果がちょっぴり気になるところです。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
また犬より猫のほうが躾に関しても少ないし発情期でなければ鳴き声もあまり煩くないので_。