運命の一匹との出会い
保護施設への訪問
時は2011年まで遡ります。
その前の年(2010年)の10月に、豆柴の愛犬が14歳で亡くなり、家族の中にもなんとなく空虚感が漂っているようでした。
そんな中、父が家族に見せてきたのは、ボランティアで成り立っているという、動物を保護する団体の、里親募集ページでした。
色々な理由で生きる場所を無くして保護された、沢山のわんちゃん達の写真が載せられていました。飼い犬だったのに捨てられてしまった成犬も、多く保護されていました。
ホームページで見ているだけでは埒が明かないと考え、週末に家族みんなで、実際に保護されている保護施設に足を運びました。
保護施設にて
ひっそりとした小さな施設に窮屈に詰め込まれた沢山の犬や猫を見ました。
中には、人を見ただけで怖くて震え、オシッコをしてしまうワンちゃんもいました。
施設に足を運んで初めて、これは現実で、本当に非常事態なんだと気づきました。
施設内を見て回った中で、3匹一緒に山の中のお寺の裏で発見されたという、雑種犬の3つ子の子犬が目に留まりました。
小さく震え、どこか不安そうな目をしていました。
その団体では、殺処分0を目指すために、メスには避妊手術を受けさせているということで、その手術代と予防注射代、手数料などを払い、その次の週に家に連れて帰りました。
ちゃちゃとの生活
楽しく生きて欲しいという願いを込めて、「おもちゃのチャチャチャ」の歌から、"ちゃちゃ"と名付けました。
保護犬なので、いつ生まれたのか分からず、生後3ヶ月程だという事しか予測出来ないため、家族で覚えやすい日にちを、その子の誕生日として決めてあげました。
慣れるまで、最初は震えて夜泣きもひどく、小さくてどこか悲しげな目をしているように見えました。リラックス音楽を流したり、部屋を暖かくしたり、誰かが側にいてあげたり、様々工夫をして、過ごしやすい環境作りをしました。
数週間経ち落ち着くと、おもちゃで遊ぶのが大好きで、家に来るお客さんが大好きで、人懐っこく元気な暴れん坊に成長しました。
年月を経て
いくつか芸を覚えさせ、躾も根気強くおこないました。
祖父母もちゃちゃを気に入り、祖父母の家に行き来する回数が増え、家族の絆も強くなったように感じます。
ちゃちゃを見ているだけで癒されるし、ストレスも解消してしまいます。
ちゃちゃは、柴犬の強い雑種ですが、柴犬より足や鼻や胴体が長く、散歩をしていると「スタイルが良い犬だ」と言われます。
信頼関係が確立し、芸をこなすのも留守番をするのも、きちんと出来ます。
さいごに
保護犬を迎えるという経験をした事で、ペットに対する考えが変わりました。
よくニュースで見たり、街頭で保護犬の募金をしていたり、かわいそうだな、大変だなと、他人事のように考えてしまいがちですが、犬や猫の殺処分は、本当に起きています。
ペットとして犬や猫を迎えることは、軽く考えられる事ではありません。家族が一人増えるという大変責任の重い決断です。
動物は、自分からは何も言えないし、出来ないので、お世話しなければならないことは多いです。自分の気分が悪い時でも、土砂降りの雨でも、外に散歩に行かなくてはならない場合もあるかもしれません。だから、そのペットを家族として、最後まで一緒に過ごすんだ、としっかり決心をしてください。
そして、ペットを迎えたなら、その子を家族として大切にして、楽しく、過ごしてくださいね。
どのペットも飼い主も、幸せでいられますことを願っています。