街中や散歩コースなどで盲導犬を見かけた際に、正しい接し方ができるという人はどのくらいいるでしょうか。
お互いがマナーを守ることで過ごしやすい環境が出来上がりますが、これは盲導犬に対しても同様にいえることです。
今回は注意すべき行動や、正しい接し方、マナーなどをご紹介していきます。
盲導犬を見かけたときの注意点
1.触らない、撫でない、音を鳴らさない
可愛いといって盲導犬を撫でたり、声をかけると気が散ってしまい大きな事故の原因になることがありますので決して声をかけないようにしましょう。
また、盲導犬の興味を引くように口笛を吹く行為もNGです。
2.むやみに食べ物を与えない
盲導犬は厳しい訓練を重ね、一日一回決まった時間帯に食事を摂るようしつけられています。
また外では食べ物を欲しがらないようにトレーニングされているので、欲しがることはないかもしれませんが、しつけの妨害に繋がる為、食べ物を与えることはやめましょう。
障害者の方が気づいたらもう食べ物を与えられていたということも多いようです。
他の人が食べ物を与えることを繰り返すことで、通り過ぎる人に物を欲しがったり、地面に食べ物がないか探るような行動の原因になってしまいます。
3.自分のペットとコミニュケーションを取らせようとしない
散歩中に盲導犬と出くわした際に、自分のペットを近づけてコミニュケーションを取るような行動も控えてください。
盲導犬はペットではなく、パートナーを安全に目的地へ導く仕事をしているので無意味な接触もNGです。
盲導犬は仕事中だということを忘れず、温かく見守りましょう。しかし、子供は可愛いワンちゃんがいれば触りたがったり、声をかけようとするかもしれません。
そのときに、きちんと状況を説明してなぜ接触してはいけないのか教えてあげるのも大事な私たちの役割でもあります。
例外として盲導犬の手助けになる行為
注意すべき点をご紹介しましたが、実は例外もあります。
信号待ちをしている場合
盲導犬は信号の色まで識別することができません。障害者の方も車や周りの音を頼りに判断して横断歩道を渡っているそうです。
そんなときは
「青になりましたよ」「一緒に渡りましょう」
などと声をかけてみましょう。その一言が大きな安心に繋がります。
何か困っているような場合
信号待ち以外にも、障害者の方や盲導犬が道に迷ったり、周囲の状況が危険な場面などに出くわすことがあるかもしれません。
そのときは
「何かお困りですか?」
「お手伝いしましょうか」
「ここは危ないですよ」
と勇気を出して声をかけたいものです。
声をかけるときは盲導犬がいない方から、直接障害者の方に声をかけましょう。
悲しい事故を防ぐため
立派に仕事をこなしている盲導犬ですが、それでも悲しいことに事故が起きてしまうこともあります。
昨年の8月、駅のホームから盲導犬を連れていた男性が誤って転落し、死亡してしまったという事故が起きました。
男性は点字ブロックより線路側を、盲導犬は内側を歩いていたそうです。盲導犬は無事でしたが、そのニュースを見た人からは「ちゃんと盲導犬は仕事をしてたのか」と厳しい言葉が発せられました。
実際の状況はわかりませんが、盲導犬は障害者の方にとって大切な「目」であり、パートナーとして一生懸命仕事を遂行していたと思います。
しかし、その前に人同士の助け合いがあっても良いのではないでしょうか。
声をかけることはとても勇気のいる行為だと思いますが、たった一言が相手を危険な状況から回避させることができるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ちなみに盲導犬はハーネスを取ると仕事モードからオフモードに切り替わり、普通のワンちゃんと同じように甘えてきたり、おもちゃで遊んだりするそうです。
この記事をきっかけに盲導犬に対する正しい接し方が、さらに広く周知されれば嬉しいです。