犬が取得できる資格
人間が犬に関わる際に取得する資格といえば、国家資格である「獣医師」をはじめとして、民間団体が実施しており、動物関係の仕事をする際に学ぶ方も多い「動物看護士」「動物介護士」「トリマー」「ドッグトレーナー」「ペットアロマセラピスト」「ドッグシッター」「愛玩動物飼養管理士」など。その他にも家庭で飼育する際に取得する方も増えてきたといわれる「ペットオーナー検定」や「愛犬飼育スペシャリスト」など、多数の資格が存在しますよね。
これらはあくまでも飼い主さん側が取得する資格ですが、愛犬が取得できる資格をご存知でしょうか。それはコンパニオン・ドッグ試験とも呼ばれる「家庭犬訓練試験」です。
愛犬とトレーニングに取り組むことは、犬との関係を深めることができ、信頼関係を作る一つの手段にもなります。今回はそんな愛犬との信頼関係を深めることにもぴったりな、愛犬が取れる資格「家庭犬訓練試験」についてご紹介します。
家庭犬訓練試験って?
家庭犬訓練試験とは、別名コンパニオン・ドッグ(CD)試験とも呼ばれ「一般社団法人ジャパンケネルクラブ(以下、JKC)」が認定している試験です。JKCといえば、血統書の発行元として知られていますよね。
そんなJKCが実施している「家庭犬訓練試験」の特徴は、訓練競技会とは異なり、他の犬と競い合わせることはせずに、受験する犬単体について、科目をこなすことができるかどうかが判断されます。訓練競技会のように、アマチュアや一般といった区別はされません。
試験クラス/受験資格について
- CD1(家庭犬訓練試験初等科)
- CD2(家庭犬訓練試験中等科)
- CD3(家庭犬訓練試験高等科)
- CDX(家庭犬訓練試験大学科)
試験クラスは4つに分かれおり、CD1から順番に受験していきます。初めからCDXといった高いクラスを受験することはできませんが、CD1とCD2といったよう隣のクラスを同時受験することは可能です。
また、受験資格としては、
- 順番に受験すること(上のクラスを受ける際は、下のクラスに合格していること)
- 該当の犬がJKCに登録されている犬であること
- 生後6ヶ月1日以上経過している犬であること
といった3点が大きな点になります。なお、2番目のJKCへの登録については、受験時に同時加入することもできます。
試験課目
- CD1(家庭犬訓練試験初等科)=【5課目】(規定2+選択3)
- CD2(家庭犬訓練試験中等科)=【10課目】(規定7+選択3)
- CD3(家庭犬訓練試験高等科)=【20課目】(規定14+選択6)
- CDX(家庭犬訓練試験大学科)=【30課目】(規定20+選択10)
試験課目数はクラスによって異なります。初めに受けるCD1では規定の2課目である「紐つき脚側行進」「立止」と、選択課目の中から3課目を選択した【5課目】の試験を行うことになります。最上位クラスであるCDXにおいては、規定20課目と選択10課目の【30課目】もの試験が行われます。
選択科目には「紐なし脚側行進」「常歩行進中の伏臥」「遠隔停座からの伏臥」「常歩行進中の停座」「ハウス」「くわえ歩き」「寝ろ」「吠えろ」「常歩行進中の立止」「八の字股くぐり」「お手」などといった全27種類の内から選択します。(CD1は20種類)
合格基準
【各課目の得点60%以上】かつ【合計得点70%】で合格。得点に応じた評価がなされます。
受験料
1科目につき【5,300円/1頭】
まとめ
愛犬が受験することができる「家庭犬訓練試験」についてご紹介しましたが、試験や資格はあくまでも目安や目標の一つです。しつけをすることは愛犬が人間と共に暮らす上では必要であり、飼い主と愛犬とが信頼関係を作る上でも大事なものです。そうはいっても、飼い主も愛犬も楽しんでトレーニングできるに越したことはありませんよね。
また、トレーニングの方法は犬種や性格によっても異なります。楽しんで、かつ、愛犬に合ったトレーニングをする際に、一つの目安や目標として試験といったものも存在することが参考になれば幸いです。トレーニングを行うことで、より愛犬との絆が深まることを願っています。
ユーザーのコメント
20代 女性 ゆき
確かに最低限のしつけが終わって、なにか芸を覚えさせたいと思っても、なかなか目標がないと続かないものです。家庭犬訓練試験のクラスを目標にすれば、徐々にステップアップできますし良い目標になるかもしれませんね!