犬が『認知症』になっているときの症状5つ 治療法はあるの?予防のためにできることまで

犬が『認知症』になっているときの症状5つ 治療法はあるの?予防のためにできることまで

平均寿命が延びている中で、認知症になる犬が増えています。この記事では、犬の認知症の症状とともに、予防法や治療法について解説するので、ぜひ目を通しておいてください。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬が認知症になっているときの症状5つ

休んでいるレトリバー

1.声かけへの反応が鈍い

名前を呼んでも振り返らなかったり、飼い主さんが帰宅しても迎えに出てこなかったりするようになると、認知症の症状が出始めている可能性があります。

犬は年齢を重ねると耳が聞こえにくくなるだけでなく、神経の衰えなどによって周囲の音への反応が鈍くなります。さらに、認知症の初期症状として、周囲の状況や環境への関心がなくなっていき、それに対する行動も減る傾向があります。

そのため、起きていてもぼんやりしていたり、すぐそばに行ったり触れたりするまで気がつかなかったりする様子も見られます。

2.できていたことができなくなる

認知症になると、今まで当たり前のようにできていたことができなくなってしまいます。

特にわかりやすいのがトイレの失敗で、これまでは問題なくできていたのに場所がずれてしまったり関係ない場所でしてしまったりすることがよくあります。

認知機能の低下によってトイレの場所がわからなくなることもありますし、排泄の感覚が鈍って間に合わずに漏らしてしまうこともあるでしょう。

また、しつけとして教えたことも忘れてしまうことがあり、おすわりなど簡単なことでも指示に従えなくなることが少なくありません。

このような場合は叱ったり何度も教え直したりしてもあまり有効ではないので、わかりやすく合図や誘導をして対応してみてください。

3.昼夜逆転、夜鳴きをする

犬の認知症の症状として典型的なものが、「昼夜逆転」や「夜鳴き」だと考えられています。

昼夜逆転とはその名の通り、日中の大半を眠って過ごし夜になると起きて活動を始めるものです。

そして夜、家族が寝静まった頃に「キュンキュン」と鳴いたり、「ワオーン」と吠えたりするようになります。何かに向かって吠えているわけではなく、空中を見つめていたり単調に声を出し続けたりする様子が見られます。

夜鳴きそのものを叱ったり止めようとしたりしても、多くの場合は効果がありません。むしろそうした対応をされることで、犬がストレスを感じることがあるので注意が必要です。

昼夜逆転や夜鳴きについては、夜眠りやすいように日中に散歩や運動などをさせて適度に疲れさせたり、長い時間熟睡させないように声かけをしたりして対応してください。

また、獣医師と相談のうえで軽い睡眠薬を利用するなどして、飼い主さんの心身の負担が大きくなりすぎないようにしていきましょう。

4.性格に変化が見られる

老犬になると穏やかになると思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。

しかし、年齢を重ねたり認知症を発症したりすることで、若い頃とは性格が変わったように感じることは少なくないと思います。

認知症を発症すると周囲に対する反応が鈍くなるとしましたが、それは音や気配に気がつきにくいことが一因です。

そのため、人やほかの犬が近づいてきたことに気がつけず、激しく驚いてしまうこともあります。また、すばやく逃げられずに怖い思いをすることもあるでしょう。

そのようなことから、若い頃よりも神経質になったり攻撃的になったりする犬も少なくありません。

ただし、本当に攻撃したいという気持ちがあるわけではなく、自分の身を守るために致し方なくしている行動だと理解してあげてください。

5.部屋の中を無意味に歩き回る

昼夜逆転と並び、犬の認知症の症状としてよく知られているのが、「徘徊」です。

部屋の中などで同じ場所をぐるぐる歩いたり、目的なくふらふらと歩き回ったりするのは、認知症の症状だと考えられています。

また、犬が認知症になると動きは前方方向のみになって、後退することがむずかしくなります。そのため、狭い場所に入り込んで出られなくなってしまうことが多くあります。

ただし、ぐるぐると回る旋回運動をしている場合、認知症を発症しているだけでなく、前庭障害など脳や神経の疾患が影響していることもあります。

老犬の行動に異常や違和感を感じた場合は、必ず獣医師に相談するようにしましょう。

犬の認知症の治療法や予防法

散歩中の柴犬

犬の認知症は、12歳から発症率が上がり、15歳で6~7割が発症しているとも考えられています。

多くの犬にとって関係のある疾患であり、健康状態に関わらず意識しておくべきだといえるでしょう。

結論からいうと、認知症の明確な予防法や治療法は現時点では確立されていません。

しかし、認知症の発症に早い段階で気づき、適切な対応をすることで症状を緩和させたり進行を遅らせたりできると期待されています。

具体的には食事療法や行動療法、生活習慣の改善などを取り入れることが多く、獣医師の指導の下で進められます。状況や体調次第では、薬やサプリメントを取り入れることもあります。

また、家庭でできる発症予防や症状の緩和方法として、犬の“脳トレ”が有効だと考えられています。

日頃から頭や五感を使った遊び、トレーニングをおこなうことで脳や神経に刺激を与えましょう。それに加えて、スキンシップをたっぷり取るようにしてください。

また、体が衰えてきた犬が安心して暮らせるように生活環境を整えてあげることも必要です。

まとめ

横を向くダックスフンド

長生きをしてくれる犬が増えていることは、愛犬家にとって喜ばしいことです。

しかしながら、年齢を重ねるほど身体的にトラブルが起こることがあり、飼い主さんも対応に追われることが増えてくるでしょう。

犬の認知症は非常に身近なものであると考え、シニア期に入る前から少しずつ知識を身につけておくことをおすすめします。

そして年齢を重ねた愛犬が安心して生活できるように、できる限りのサポートをしてあげてくださいね。

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