犬の『口腔内トラブル』を引き起こすNG行為4選 危険な症状や対処法まで

犬の『口腔内トラブル』を引き起こすNG行為4選 危険な症状や対処法まで

愛犬のお口のケア、正しくできていますか?実は、良かれと思ってやっている行動が、お口の病気の原因になることも。今回はやってはいけないNG行動や、注意したい症状、お家でのケア方法について解説していきます。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬の「口腔内トラブル」を引き起こす4つのNG行動

歯磨きおやつをかじる犬

1.硬すぎるおもちゃや骨を与える

犬は噛むことが大好きですが、ひづめや鹿の角、硬いプラスチック製のおもちゃなどを噛ませるのはとても危険です。犬の歯は頑丈に見えて、実は強い力がかかると簡単に欠けたり折れたりしてしまいます。

特に奥歯が割れてしまうトラブルが多く、ひどい時には歯の神経が飛び出して激しい痛みを感じることもあります。おもちゃを選ぶときは、飼い主の爪で押したときに少し凹むくらいの、適度な柔らかさがあるものを選んであげてください。

2.人間用の歯磨き粉を使う

人間が使っている歯磨き粉には、犬が飲み込んでしまうと中毒を起こす危険な成分が含まれていることがあります。代表的なものが「キシリトール」で、犬がほんの少し口にしただけでも血糖値が急激に下がり、命に関わる大きな病気を引き起こします。

また、ミントなどの強い香りは犬にとって刺激が強すぎます。犬はうがいをして泡を吐き出すことができないため、歯磨きをする際は必ず犬が飲み込んでも安心な専用のジェルなどを使いましょう。

3.歯磨きを力任せにする

愛犬の汚れをしっかり落とそうとして、ゴシゴシと強い力で歯を磨くのは逆効果です。硬いブラシで強くこすられると、犬は痛がって歯磨きそのものが大嫌いになってしまいます。

一度「歯磨きは痛くて嫌なもの」と覚えてしまうと、次からは口に触らせてくれなくなるため、お世話がとても難しくなります。歯を磨くときは人間の赤ちゃんに使うような柔らかいブラシを選び、鉛筆を持つくらいの軽い力で優しくなでるように磨いてあげてください。

4.お口の汚れをそのままにする

犬のお口の中は、食べかすが残っているとわずか数日で硬い「歯石」へと変わってしまいます。この歯石は一度ついてしまうと、お家の歯ブラシで落とすことはできません。

汚れをそのままにしておくと、歯の隙間でバイ菌がどんどん増えていき、歯を支えている骨が溶けてしまう大きな病気に繋がります。お口の汚れは見た目の問題だけでなく、体全体の健康にも影響を与えるため、毎日のこまめなお手入れで汚れを溜めないことが重要です。

見逃さないで!危ないお口のサイン

犬の歯茎チェック

犬はお口の中に痛みや違和感があっても、言葉で飼い主に伝えることができません。そのため、飼い主が普段からお口の状態やしぐさをよく観察し、小さなサインに気づいてあげることが何よりも重要になります。

特に注意したいのが、口臭が急にきつくなったときです。生臭いニオイがする場合は、お口の中でバイ菌が増えているサインです。また、歯ぐきが真っ赤に腫れたり、おもちゃに血がついたりしているときも炎症が起きています。

さらに、ご飯をポロポロと落として食べにくそうにしたり、よだれが急に増えたり、前足でお口の周りをしきりに気にしたりする動作も、強い痛みを感じている証拠です。これらの危険なサインを見逃さないようにしましょう。

お家でできる正しいお口のケアと対処法

犬の歯磨き

まずは口の周りを触られることに慣れさせる

いきなり歯磨きを始めるのではなく、まずは犬がどこを触られても嫌がらないリラックスした関係を作ることがスタートです。最初は頭や顎の下を優しくなでることから始め、慣れてきたら唇を少しめくって歯を見てみましょう。

お口の周りを触らせてくれたら、すぐに褒めておやつをあげるようにします。これをお家で何度も繰り返すことで、犬は「お口を触られると良いことがある」と学習し、その後のケアをスムーズに受け入れてくれるようになります。

犬用の歯ブラシやシートを使い、優しい力で磨く

お口を触られることに慣れたら、いよいよ本格的なお手入れに移ります。最初は指に巻きつけて使う「歯磨きシート」から始めるのがおすすめです。シートでお口の中を優しく拭うことから始め、慣れてきたら犬用の柔らかい歯ブラシにステップアップしましょう。

磨く場所は、特に汚れが溜まりやすい上の奥歯の外側から始めてください。人間の歯磨きのように大きく動かすのではなく、歯1本ずつに優しくブラシを当てて小さく動かすのがコツです。

嫌がるときは無理をせず、おやつを使いながら少しずつ進める

歯磨きの途中で犬が嫌がったり、逃げようとしたりしたときは、絶対に無理をして続けてはいけません。力ずくで押さえつけてしまうと、お互いに怪我をする原因になりますし、歯磨きが恐怖の時間になってしまいます。

嫌がったらその日のケアは一度おしまいにしましょう。今日は歯を1本だけ磨けたら大成功、というようにハードルを低く設定し、上手にできたらおやつをあげて、楽しい雰囲気のまま終わらせることが長続きの秘訣です。

異変を見つけたら、自分で解決しようとせず動物病院へ行く

もしもお家でケアをしているときに「歯ぐきが赤い」「歯がグラグラしている」「どうしても触らせてくれない」といった異変に気づいたら、自分でなんとかしようとせず、すぐに動物病院を受診してください。

特に硬くなってしまった歯石は、お家で無理に取ろうとすると歯を傷つけてさらに悪化します。お口の病気は目に見えない根っこの部分が進んでいることも多いため、プロである獣医師に診てもらうのが一番安全で確実です。

まとめ

歯ブラシで歯磨き

犬のお口の健康を守るためには、飼い主が日頃のNG行為を無くし、毎日の優しいケアを積み重ねることが大切です。

お口のトラブルは痛みだけでなく体全体の病気にも繋がるため、日頃から愛犬のサインを見逃さないようにしましょう。少しでも気になる症状を見つけたら無理をせず、早めに動物病院へ相談してくださいね。

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