犬がみせる『老化サイン』4選 見逃したくない行動の変化や加齢による注意点まで

犬がみせる『老化サイン』4選 見逃したくない行動の変化や加齢による注意点まで

愛犬が歳を重ねると、行動や体に少しずつ変化が現れます。「もしかして病気?」と不安になる前に、見逃したくない老化のサインを学びましょう。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬がみせる「老化サイン」4選

老犬ゴールデン

1.歩くスピードが落ちた、段差を嫌がる

お散歩のときにトボトボと歩くようになったり、飼い主の後ろを遅れて歩くようになったりするのは、足腰の筋力が落ちてきた証拠です。また、今まで平気で飛び乗っていたソファや、玄関のちょっとした段差の手前で立ち止まるようになることもあります。

これは関節が痛んだり、体に痛みを抱えていたりするサインかもしれません。「お散歩が嫌いになったのかな?」と思わずに、愛犬の足の動きがぎこちなくないか、注意深く観察してあげましょう。

2.呼びかけへの反応が薄い、壁にぶつかる

名前を呼んでもこちらを振り向かなかったり、玄関でお出迎えをしてくれなくなったりしたときは、耳が遠くなっている可能性があります。また、部屋の壁や家具によくぶつかる、段差を踏み外すといった行動は、目が見えにくくなっているサインです。

これらは五感が衰えることで起こる変化ですが、犬自身も今まで通りに世界が見えたり聞こえたりしないため、不安を感じています。大きな声や音で驚かせないような配慮が必要です。

3.睡眠時間が長い、夜鳴きをする

シニア期に入ると、1日の大半を寝て過ごすようになります。お気に入りのおもちゃを見せてもあまり興味を示さず、寝床から起きてこない時間が増えるのは自然なことです。

その一方で、昼夜の逆転が起こり、夜中や明け方に突然大きな声で鳴き出してしまう「夜鳴き」が見られることもあります。これは脳の働きが変化することでおねだりや不安を感じやすくなっているためで、認知機能の衰えが関係している場合もあります。

4.粗相が増えた、食欲が変わった

トイレではない場所でおしっこをしてしまったり、寝ている間におねしょをしてしまったりすることが増えます。これは、おしっこを我慢する筋力が弱くなることや、尿意を感じてからトイレに間に合わないことが原因です。

また、消化する力が落ちることで、今まで食べていたごはんを残すようになったり、逆に満腹だと感じにくくなって異常に食べ物を欲しがったりすることもあります。内臓の働きが変化しているサインです。

飼い主が日常生活でできる工夫

老犬の柴犬

お家の中の環境づくり

フローリングの床はツルツルと滑りやすいため、筋力が落ちたシニア犬にとっては上手に歩けず、転倒や関節を痛める原因になります。特によく歩く場所や、立ち上がることが多い場所には、滑り止めのマットやカーペットを敷いてあげましょう。

また、小さな段差にはスロープを設置して、足腰への衝撃を減らす工夫が大切です。ぶつかると危ない家具の角にはクッション材を貼るなど、安全なお部屋作りを意識してください。

散歩コースや時間の見直し

「歩くのが遅くなったから」とお散歩をやめてしまうのは逆効果です。歩くことは筋力の維持だけでなく、外の匂いを嗅いだり風を感じたりすることで、脳への良い刺激になります。

これからは距離を短くし、愛犬が歩きたいスピードに合わせてのんびり歩くお散歩に変えていきましょう。もし歩くのが難しくなったら、ペットカートに乗せて外の空気を吸わせてあげるだけでも、気分転換になり元気を保つことができます。

食事の工夫

年齢に合わせて、消化が良く栄養バランスが調整されたシニア用のドッグフードへと切り替えていきましょう。一度にたくさん食べられない場合は、1日の食事の回数を3〜4回に分けてあげるのもおすすめです。

また、食器を床に直置きすると、下を向いたときに首や前足に大きな負担がかかってしまいます。台の上に食器を置いて少し高さを出し、愛犬が頭を下げすぎずに楽な姿勢で食べられるように工夫してあげてください。

加齢による注意点と病気を見分けるコツ

食事をもらう犬

「もうおじいちゃん(おばあちゃん)だから仕方がない」と、すべての変化を年齢のせいにして片付けてしまうのは禁物です。なぜなら、老化のサインだと思っていた行動の裏に、痛みや苦しみを伴う大きな病気が隠れていることがあるからです。

活動的でなくなったり、元気がなくなったりしたときは、どこかが痛くてじっとしているだけかもしれません。日頃から愛犬の様子を観察し、体調の小さな変化を見逃さない目が飼い主には求められます。

特に注意したいのは、急激な変化です。「数日前の散歩では元気だったのに急に歩かなくなった」「一気にごはんを食べなくなった」という場合は、老化ではなく病気の可能性が非常に高いです。

また、ただの夜鳴きだと思っていたら、体のどこかが激しく痛んで鳴いていたというケースもあります。日頃の様子をスマートフォンなどで動画に撮っておくと、普段との違いを比べやすく、おかしいなと気づいたときの大きな手がかりになります。

元気に見えても、シニア犬は半年に1回など、定期的に健康診断を受けるのが理想的です。病気を早く見つけることができれば、それだけ愛犬の体の負担を減らすことができます。

お家でのケアと病院でのチェックを組み合わせることで、愛犬の健康な毎日をしっかりと守っていくことができるでしょう。

まとめ

女性と犬

犬のシニア期は、これまで以上に飼い主の優しい支えが必要になる大切な時間です。行動の変化を優しく受け入れ、お家での環境や接し方を少しずつ変えていきましょう。

愛犬が最後まで安心して笑顔で暮らせるように、日々のスキンシップを大切にしながら、愛犬の歩幅に合わせて寄り添った日々を過ごしてくださいね。

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