犬は人間のように高度な『概念化能力』を持つ動物だった!
いままで、「一部の情報」や「関連する情報」から『物事を理解したり答えを導きだす』、といった高度な処理能力は、『概念化能力』を持つ人間だけに与えられたものだと考えられていました。
しかし最近の研究により、犬にも高度な『概念化能力』が備わっている事が分かってきたようです。
海外サイトDaily Mail Onlineの記事(http://www.dailymail.co.uk/)によると、犬は人間の合図やジェスチャーなどを複合的に読み取り、指示に従う事が出来るのはこの『概念化能力』による物だそうです。
この概念化能力によって様々な職業犬が世界中で活躍しており、また一般家庭においても人間と上手に暮らしています。
代表的な概念化能力
代表的な概念化能力として挙げられるのが、「計算能力」「エピソード記憶力」「短期記憶力」などです。これらの能力を順次説明して行きます。
計算能力
2002年に行われた研究では、犬が見ているスクリーンの後ろにオヤツを何個か置き、最後にスクリーンを開けて合計いくつあるのか見せたのです。
しかし時折、犬が見た数と違う数のオヤツを置いて反応を見ると、犬は何時もより長くおやつを見つめていたそうです。それはまるで予想とは違う数に違和感を感じているような姿だったそうです。
これは、『犬が計算結果の予測と数の記憶をしているため』だと研究員達は述べています。
実は私も愛犬に何度か実験した事があります。オヤツ1個と2個を数十センチ離して左右に置くと、2個置いてある方を先に食べ、最後に1個の方のオヤツを食べるのです。
左右を入れ替えたりしながら何度やっても2個置いてある方を先に食べるのですから、たぶん多少の数は理解しているのだと思います。
エピソード記憶力
2016年に行われたの研究では、犬には心理学用語でいう「エピソード記憶力」がある事が判明しています。
エピソード記憶とは、2つの物事の関連性を記憶するのではなく、『いつ、どこで』と言う様に、過去の特定の出来事を記憶する能力です。
この能力は、これまで人間のような霊長類にしか備わっていないとされて来ました。しかし犬にも、この「エピソード記憶力」が備わっていると分かってきたそうです。
この研究では、それを証明する以下のような実験が行われました。
まず、犬にドッグトレーナーがジャンプして『GO!』の命令を出し、ジャンプする様に訓練を行います。ただし、その際ご褒美は与えません。
実験の結果、『ご褒美が無くてもドッグトレーナーの指示に従うようになった』そうです。
この実験で分かった事は、犬がトレーナーの指示に従う理由は『オヤツ欲しさ』関連性記憶だけではなく、ドッグトレーナーとの信頼関係によって出来た『エピソード記憶』のおかげである、と研究者達は結論付けたそうです。
短期記憶力
記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があり、そのうち「短期記憶」は数10秒~数10分間保持される記憶を言います。
短期記憶は、情報を意識的に扱い記憶しておくための領域です。
感覚器官の情報を例とすると、肌や耳等から入った感覚情報は、まず感覚記憶へと変換され脳へ取り込まれます。その後【短期記憶】⇒【長期記憶】の順で保持されます。
ちなみに、人間の短期記憶の場合、一度に覚えられる文字や数字の数は「7個前後」しか覚える事が出来ないと言われています。
では人間以外の動物はどれ位の短期記憶があるのでしょう?
ストックホルム大学で動物行動学の権威であるヨハン・リンド教授率いる研究チームは、蜂からイルカまで25種の動物に対し短期記憶の調査を行ったそうです。
その結果、短期記憶の保持時間は平均27秒。人間に近いチンパンジーでさえ20秒でした。
しかし、驚くべき事に犬の短期記憶の保持時間は『約2分』と、かなり長い時間記憶を保持出来る、という結果が出たそうです。犬がチンパンジーよりも短期記憶能力が上だったとは驚きですね!
短期記憶には相手の動きや表情なども記憶されますので、犬は他の動物よりも人間との付き合いが上手だと言う事になります。犬が賢いと言われるゆえんは、どうやらここに秘密がありそうですね。
まとめ
犬の知能は数多くの学者や研究者によって解き明かされて来ましたが、未だまだ研究の余地はあるとされています。
犬は自己意識を持ち、更に人間の考えている事を読み取る能力があります。そして人間と同じ様に夢を見ます。
ブリティッシュコロンビア大学の名誉教授で、犬の特性などに関する研究をされている心理学者、スタンレー・コレン氏いわく、『犬は毛皮をかぶった小さな人間と、プログラム可能な小さなロボットと言う2つの見方が可能になったが、正解はその中間にあるだろう』と語ったそうです。
確かに、コレン氏の言う事には一理ありますが、私個人の感想としましては、「プログラム可能な小さなロボット」と言う解釈は少し違和感を覚えますが、『毛皮をかぶった小さな人間』と言う言葉は血が通ったとても良い解釈だと思います。
大切なのは、『血が通った人間と犬が心を通わせ、そして犬を幸せにする』と言う事なのです。
犬の幸せ無くして自分の幸せ無し!くらいの気持ちで愛犬に接して行けば、お互いに真の幸せが築けるのではないでしょうか。
ユーザーのコメント
女性 匿名
朝は5時に迎えに来ます。玄関で待ちます。横断歩道前で立ち止まり走って横断し穏やかに歩く。
ある地点に差し掛かると走るので、旦那さんに聞くといつも走っていると言いました。
帰りの横断歩道は小走りに渡ります。
後、点眼薬をさしたらおやつを貰えると覚えています。いずれも習慣化した記憶ですね。
女性 匿名
1度猫を見かけた場所は、散歩で通りかかるたびに猫がいるか確認したり、水が飲める水道がある公園をきちんと覚えて、水が飲みたい時は飼い主を誘導します。
あと、いくつかある散歩コースの道を覚えていて、どの道がどう繋がるかわかっているようです。なので、犬自身がコースを選択する時があります。