犬が短命になる『ご飯の与え方』5選 今すぐ改善すべきタブー行為や必要な配慮まで

犬が短命になる『ご飯の与え方』5選 今すぐ改善すべきタブー行為や必要な配慮まで

あまり気にかけていない飼い主さんもいるかもしれませんが、実は愛犬へのご飯の与え方はとても重要です。ご飯の与え方によっては、愛犬の健康を損ない、寿命まで縮めてしまうかもしれません。この記事では、犬が短命になるご飯の与え方と、犬の健康を守るために必要なご飯の与え方への配慮についてご紹介します。

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記事の監修

めのうアニマルクリニック院長。猫が大好きなあまり、犬と猫を分けた動物病院を開院。「犬にも猫にも優しい動物病院」をコンセプトにしています。腫瘍学を得意分野としていますが、しつけに対しても力を入れており、パピークラスを開校して子犬のトレーニングを行っています。

犬が短命になる『ご飯の与え方』5選

袋からフードを直接食器に入れられるのを見つめる秋田犬

愛犬に健康で長生きしてもらうためには、ご飯の与え方にも注意を払うべきです。無意識に間違った与え方をしていると、愛犬の寿命を縮めたり、急死につながったりする恐れがあります。ここでは、犬が短命になるご飯の与え方を5つご紹介します。

1.人間の食事を与える

「ドッグフードばかりではかわいそう」といった思いから、愛犬に人間の食事を与えるのは厳禁です。調理された人間の食事は、犬には塩分や糖分、脂質が多すぎます。

過剰な塩分は心臓病や腎臓病のリスクを高め、糖分や脂質は肥満の原因になります。肥満は犬にとって万病の元であり、膵炎や心臓病、関節炎など、さまざまな病気を招きかねません。また人間の食事には、玉ねぎなどの犬に中毒を引き起こす食材が含まれていることが少なくありません。

このように、人間の食事は犬に深刻な病気や中毒を引き起こす可能性があり、それらが原因で寿命が短くなることもあります。

「一口くらいなら」と思うかもしれませんが、たった一口がきっかけで、飼い主さんが食事をするたびに愛犬がおねだりするようになり、習慣的に与えてしまうことになるかもしれません。愛犬の健康と長生きのために、人間の食事は一切与えないようにしましょう。

2.適量を守らずに与える

犬にご飯を与える際は、適量を守ることが大切です。ご飯の量が多いと肥満になり、さまざまな病気のリスクを高めます。反対に、量が少ないと栄養不足で免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。いずれの場合も、寿命の短縮につながりやすいです。

ドッグフードは、パッケージに記載された給餌量が適量の目安となりますが、活動量や体格には個体差があります。まずは給餌量通りに与えてみて、適正な体重や体型を維持できるかチェックしましょう。もし太っていく、あるいは痩せていくようなら、量を調整する必要があります。

適正な体型は、犬の体を上から見ると腰に適度なくびれがあり、横から見るとお腹のラインが足の付け根に向かって吊り上がっています。さらに、肋骨は薄い脂肪に覆われて、容易に触ることができます。

もし適正な体重や体型を維持できているかの判断が難しい場合や、フードの適量が分からない場合は、獣医師に相談しましょう。

3.保存状態の悪いフードを与える

ドッグフードは、開封して空気に触れた瞬間から酸化が始まり、劣化が進みます。フードの保存状態が悪いと酸化が急速に進み、栄養価が低下するだけでなく、下痢や嘔吐を引き起こす原因になります。

そして、酸化したフードを犬に与え続けると、肝機能の低下や動脈硬化につながることもあり、寿命を縮めることになりかねません。そのため、愛犬に与えるフードは、正しく保存することが非常に大切になります。

ドライフードは開封後、空気に触れる回数を減らすために、ジッパー付きの保存袋に1週間分ずつなどに小分けして保存するのがおすすめです。なるべく袋の空気を抜き、脱酸素剤や乾燥剤を入れるとより効果的です。

ドライフードの冷蔵庫での保管は、フードを出し入れする際に結露が生じてカビが発生する恐れがあります。そのため冷蔵庫以外で、直射日光と高温多湿を避けた涼しい場所で保管しましょう。

また、ドライフードは1ヶ月以内(高脂肪フードは2週間以内)に食べ切れるサイズを購入することも、酸化を防ぐ重要なポイントです。

ウェットフードは水分が多く腐敗しやすいため、開封後は密閉容器に移し替えて冷蔵保存し、2日以内に食べ切ってください。

もし2日以内に食べ切れない場合は、少量ずつラップに包んでジッパー付き保存袋に入れて冷凍保存し、2〜3週間以内に食べ切るようにしてください。解凍する際は使う分だけ冷蔵庫に移し、解凍後は2日以内に食べ切るようにしましょう。

ドライフードもウェットフードも、メーカーから推奨されている保存方法がある場合は、それに従ってください。

4.年齢や健康状態に合っていないフードを与える

犬は成長段階によって、必要とする栄養素の割合が異なります。そのため子犬期、成犬期、シニア期といったライフステージに合ったフードを与えないと、栄養の過不足が生じて健康を損ない、結果として短命になる可能性があります。

また、特定の病気や健康状態に合わせて栄養バランスを特別に調整した「療法食」についても注意が必要です。

療法食は獣医師の診断や指示に基づいて与えるべきフードであり、飼い主さんの判断だけで与えるものではありません。飼い主さんの勝手な判断で療法食を与え始めたり、途中で中止したりすると、かえって愛犬の健康を損なったり、病状を悪化させたりする恐れがあります。

このようにドッグフードは、愛犬の年齢や健康状態に合ったものを適切に選んで与えることが非常に大切なのです。

5.運動直前にご飯を与える

散歩などの運動の直前に犬にご飯を与えるのは危険です。なぜなら、胃拡張・胃捻転症候群を引き起こし、急死する可能性があるからです。

胃拡張・胃捻転症候群とは、胃がガスで膨らみ、ねじれる病気で、発症から数時間で死亡するケースも少なくありません。現在のところ明確な原因は分かっていませんが、食後すぐの運動や早食いなどが主な要因と考えられています。

特にゴールデン・レトリバー、ジャーマン・シェパード、ドーベルマンなど、胸の深い大型犬に多いですが、小型犬でも発症するため、どの犬種も注意が必要です。

胃拡張・胃捻転症候群を予防するためには、運動後にご飯を与えるのが望ましいです。ただし、運動直後の食事は消化に悪いため、運動してから30分〜1時間ほど経ってからがよいでしょう。もし運動前にご飯を与えるのであれば、食後2時間以上経過してから運動するようにしましょう。

犬の健康を守るために必要なご飯の与え方への配慮は?

食器台のそばでうれしそうに立つジャックラッセルテリア

愛犬の健康を守るためには、先述した「犬が短命になるご飯の与え方」を避ける以外にも、配慮すべきことがいくつかあります。日々のちょっとしたご飯の与え方への配慮が、愛犬の健康につながります。

ここからは、犬の健康を守るために必要なご飯の与え方への配慮をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1.必要に応じて食器の高さを調整する

愛犬にご飯を与えるとき、食器を床に直接置いている飼い主さんは少なくないでしょう。健康な若い犬であれば、それは必ずしも問題にはなりません。

しかし、シニア犬や短頭種、首や腰に疾患のある犬にとっては、頭を下げて食べる姿勢がつらかったり、負担になったりするかもしれません。そのため、必要に応じて食器台を使うなどして、食器の高さを調整してあげましょう。

高さの目安は、愛犬が立ち上がった姿勢で首を軽く下げたときに、無理なく口元に食器が届く程度です。このように食器の高さを調整してあげると、体への負担が減るだけでなく、吐き戻しや誤嚥を防ぐことにもつながります。

2.早食いを防ぐ

ご飯を一気に食べてしまう早食いは、喉にフードを詰まらせて窒息、消化不良、吐き戻し、胃拡張・胃捻転症候群、誤嚥など、さまざまなリスクを伴います。

愛犬が早食い傾向にある場合は、底に凹凸のある早食い防止用の食器を使用して物理的に食べるスピードを遅くしたり、フードをふやかして喉に詰まりにくくしたりするといった配慮をしましょう。

また、ご飯を与える際に長く「マテ」をさせるのも早食いにつながるので注意が必要です。犬はご飯を目の前にして長く待たされると、食べたい欲求が高まり、「ヨシ」と言われた瞬間にガツガツと一気に食べてしまう傾向があるのです。

ご飯前のマテは必ずしも必要ではなく、オスワリができたらすぐに食器を置いて食べさせても問題ありません。もし落ち着かせるためにマテをさせるのであれば、1〜2秒にとどめてください。

3.フードの切り替えは少しずつ行う

今まで食べていたフードをいきなり別のものに変えると、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。フードの切り替えは、1週間〜10日間ほどかけて、少しずつ行うのが鉄則です。今のフードに少しずつ新しいフードを混ぜて、胃腸に負担がかからないように慣らしていきましょう。

最初は、今のフードと新しいフードの割合を「9:1」にして与えます。便の状態などに問題がなければ、翌日は「8:2」にし、それも問題なければ「7:3」という具合に、少しずつ新しいフードの割合を増やしていきましょう。

まとめ

オスワリをして食事を待つビーグル

今回は、犬が短命になるご飯の与え方を5つご紹介しました。無意識のうちにやってしまっていることはありませんでしたか?もしあった場合は、愛犬の健康と長生きのために、今日からでも改善しましょう。

また、必要に応じて食器の高さを調整する、早食いを防ぐ、フードの切り替えは少しずつ行うといった配慮も忘れずに、かけがえのない愛犬の健康を守っていきましょう。

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