犬がシャンプー後に体を床に擦り付ける理由

1.濡れた毛を乾かそうとしている
シャンプーの後、飼い主さんが愛犬の体をタオルで拭いたりドライヤーで乾かしたりすると思いますが、その乾かし方が十分ではなく、愛犬に「まだ濡れている」という感覚が残っている場合、濡れた毛を乾かそうとして床に体を擦り付けている可能性があります。
液体は、気体に変わる(蒸発する)ときに、液体が接している部分の熱エネルギーを使います。この現象は気化熱と呼ばれています。人の場合、夏の暑い日に汗をかくのは、汗が蒸発する際の気化熱によって皮膚の体温を下げるためです。
犬が濡れた体を乾かしたがるのも、気化熱で体温を奪われ、体が冷えることを本能的に防ごうとしているからだと考えられます。もちろん、気化熱で体が冷えるからと意識しているわけではないでしょうが、本能的に、体が濡れていると不快感を覚えるのでしょう。
2.ストレスを発散しようとしている
シャンプーの間は体を拘束されたり全身をゴシゴシと洗われたりと、自由を奪われた状態になります。シャンプーが終わりようやく解放されたことで、溜まっていたストレスを発散しているという考え方もあります。
3.自分のニオイをつけ戻したい
犬の体臭は、アポクリン腺という汗腺から分泌される皮脂が酸化し、それを餌に増殖した皮膚の常在菌や体についた汚れなどが原因となって強烈なニオイになっていきます。そのため、シャンプーで皮脂や汚れを落とすことで、体臭が弱まります。
しかし、犬は挨拶としてお互いの体臭を嗅ぎ合います。また、自分の縄張りは自分の体臭をあちこちに付けることで主張します。そのため、自分の縄張りの床などについた自分のニオイを体につけ戻すことで、シャンプーで弱まってしまった自分のニオイを取り戻そうとしているとも考えられます。
なお、強い香料が含まれているシャンプーを使用した場合は、自分の体についたシャンプーのニオイを取り除きたくて床に体を擦り付けている可能性も考えられます。
4.飼い主を喜ばせたい
普段忙しい飼い主さんからあまり構ってもらえない犬は、飼い主さんのちょっとした反応にも「喜んでくれている!」と勘違いしてしまうことがあります。
そのため、以前シャンプー後に体を床に擦り付けて「こら、やめなさい!」などと飼い主さんが反応したことを、褒められたり構われたりしたと勘違いし、再び飼い主さんからの注目を得ようとシャンプー後に体を床などへ擦り付けるようになることがあります。
愛犬にこのような間違った学習をさせないためには、飼い主さんが愛犬に対してわかりやすい褒め方・叱り方を身につけることが大切です。
5.かゆみなどがある
愛犬の習性や本能、ストレス、学習などとは関係なく、とにかく飼い主さんが止めても床への擦り付けをやめない場合は、皮膚にかゆみが生じているなどの可能性も考えましょう。
シャンプーのお湯で体が温まり、血行が促進されたことで皮下の神経が刺激されてかゆみが出ていたり、温まって促進された血流の変化が原因となったアレルギー反応だったりと、かゆみの原因は複数考えられます。
シャンプー後に制止してもやめないくらい床に体を擦り付ける場合は、動物病院で相談してみると良いでしょう。
犬がシャンプー後に体を床に擦りつけるときの対処法

もし、愛犬をシャンプーすると、その後に体を床に擦り付けることが多いと感じているのであれば、以下のことに気をつけてみてください。
- シャンプー後は、タオルとドライヤーを併用し、体をしっかりと乾かす
- 事前に障害となるような家具や物をどかし、安全なスペースを確保しておく
- シャンプー前に、掃除機で床やカーペットの上をキレイに掃除しておく
- ストレス発散が高じて興奮状態にならないよう、別のことに気を逸らせる
これらの対処を行うことで、シャンプー後の体の擦り付けが減ったり、優しく見守ることのできる安全な環境を整えられるでしょう。
まとめ

飼い主さんとしては、せっかくシャンプーをして体をキレイにしたばかりなので、キレイになった体をわざわざ床に擦り付けてまた汚さなくても良いのにと思うかもしれません。
しかし、犬にしてみれば「まだ濡れた感じが残っている」とか「嫌なニオイがついた」または「自分のニオイがしなくなってしまった」など、何かしらの理由があって体を床に擦り付けています。
事前に床やカーペットを掃除し、また転げ回っても安全な環境を整えておき、静かに見守ってあげるようにしましょう。
ただし、制止してもやめないような場合は、アレルギーや体質などの影響でかゆみが生じている可能性があります。動物病院に、適切なシャンプーの仕方なども含めて相談してみると良いでしょう。



