『シニア犬』になるとできなくなること5選 変えていくべきお世話の仕方とは?

『シニア犬』になるとできなくなること5選 変えていくべきお世話の仕方とは?

いつまでも子どものように無邪気な愛犬ですが、いつのまにか飼い主さんを追い越して先に老いてしまうのが現実です。愛犬のできないことが増えていくのは寂しく悲しいことではありますが、しっかり向き合ってお世話をしなければなりません。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬が年をとるとできなくなること

ベッドで寝ているシニア犬

硬いものを食べること

シニア期に入ると歯が弱くなって噛む力が衰えたり、嚥下能力が低下するため、硬いものを食べることが難しくなります。それによって食べものを丸呑みしてしまうリスクも上がるため、注意が必要です。

段差の昇り降り

ベッドやソファに上れなくなる、階段を上がれずに2階に来られなくなるなど、筋力が低下し足腰が弱くなるため、それまで何でもなかった段差の昇り降りに苦労するようになることもあるでしょう。無理をすると怪我につながるため危険です。

お散歩で走り回ること

足腰の衰えにより、歩様も徐々に変わります。軽やかだった足取りがのっしのっしと地面を踏みしめてゆっくり歩くようになり、お散歩で走り回ったり飼い主さんをぐいぐい引っ張るようなこともなくなっていきます。

目が見えなくなる

シニア犬に多い目のトラブルが白内障や緑内障です。犬はもともと視力の弱い動物のため、あからさまな暮らしへの支障はわかりにくいかもしれませんが、愛犬の目を見たときに「あれ、何だか黒目の色が変わっている」と感じることがあります。

体温調節

人間でも年をとると暑さ・寒さを感じにくくなったり体温調節が苦手になります。これは犬でも同じで、体温調節機能が衰えてくるため、夏には熱中症、冬には低体温症に陥るリスクが格段に上がります。

シニア期に見直すべきお世話

カートで散歩する犬

シニア用フード・おやつに換える

今までのフードを食べにくそうにしている、食欲が落ちて痩せてきたなどの変化が見られたら、食事を見直すタイミングです。さまざまなメーカーからシニア用フードやシニア用のおやつが発売されていますから、成犬用から切り替えましょう。シニア用フードやおやつは食感の柔らかさだけでなく、シニアに適切な栄養価やカロリーが計算されています。

段差にステップを設ける

ソファやベッドに上る習慣がある子の場合、上りたいのに上れないのは本人にとってもストレスですし可哀想です。高い段差が越えられなくなってしまったのであれば、ステップなどを設置して補助してあげるようにしましょう。また階段は上る際に体に負担がかかるのはもちろん、下る際に踏み外して落下するリスクもあるため、可能であればシニア期には階段を使っての移動は避けたいところです。

お散歩コース・時間の見直し

歩くペースが遅くなってきたり、体力がなくなってきた場合にはお散歩コースを見直すことも考えましょう。交通量が少なくのんびりゆっくりお散歩できる、短めのコースがおすすめです。また歩行自体が難しくなってきたとしても、外の空気や日光に当たることは気分転換にもなり大切ですから、カートやスリングなどを上手に活用できるといいですね。

室内のレイアウト

シニア期になって目が見えにくくなったり足元がおぼつかなくなると、周りのものにぶつかって怪我をするリスクが高まります。そのため愛犬が歩き回っても危険のないよう、室内のレイアウトを見直すことも必要です。また危険な場所にはガードを設置することも検討しましょう。

室温調節

シニア期に入ると体温調節が苦手になりますが、体温調節が上手くいかないと体調を崩すリスクが高まり、高齢になればなるほど危険性が高まります。自分で体温が調節できない分、飼い主さんがこまめに室温調節を行い、適切な気温・湿度を維持できるように心がけましょう。

まとめ

頭を撫でられているシニア犬

誰しも自分の愛犬の「老い」は認めたくないものです。ですが現実から目を背け、「うちの子はまだまだ若いから!」と若い頃のままの暮らしを強いているとかえって愛犬の体に負担をかけてしまうことにもなりかねません。

愛犬の「老い」をしっかり受け止め、生活を変えていくことが本当に愛犬を想った行動になります。

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